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520の浮き橋を通らなければ昼飯代が浮く件について

シアトルという都市圏は、レイクワシントンによって二つに大きく分断される。西側がシアトル市であり、古い側の中心である。港湾やボーイングの工場や大学など、古い産業も沢山ある。ダウンタウンにはマリナーズのセーフコ球場から、宇和島屋があるチャイナタウン、オフィス群、そして少し離れてスペースニードルを有する。一方、湖を越えて東に行くと、ベルビューという街に行く。ベルビューは東側の中心地として、近年急速に開発が進んだ。ダウンタウンにはショッピングセンターを構え、富裕層を取り囲む。ベルビュー市を中心に、レッドモンド市、イサクア市やカークランド市など、シアトル側よりも住環境が良いことで知られている。マイクロソフトが東側にあるため、ソフトウェアのオフィスが東側に居を構え、金持ちの若者だけでなく、インド人や中国人の技術者たちが多く住む。綺麗なだけの味気のない新興ヤッピータウンとでも表現しようか。平たく言えば、シアトル側が神戸市内の海よりの雰囲気でベルビュー側が芦屋や西宮の山の手の雰囲気、といえば解って貰えるでしょうか? シアトル-ベルビュー都市圏には、東西を繋ぐ二本の大動脈の高速道路があり、二つとも湖の上は浮き橋になっている。一つが州間高速I-90であり、もうひとつが州道520である。州道520はシアトル市北東部のワシントン大学からレイクワシントンを通ってベルビューを繋ぎ、果てはマイクロソフト・キャンパスがあるレッドモンド市までを繋ぐ高速道路である。州道520の浮き橋は片道が二車線しかなく、常に混んでいる。老朽化が言われており、風の強い日などは、波しぶきを浴びながら、微妙に揺れる橋の上を通らなければならない。強い嵐でも起こり、運が悪ければ、橋が沈むのではないか、とまで言われている。 12月29日、ついに州道520の浮き橋が有料になったのだ。520の橋を将来的に補修する目的の課金であるという。「Good To Go」パスというものを車に貼っておけば自動的に加算されるシステムであるが、パスがない車はカメラでナンバープレートを撮影されて請求書が来る仕組みである。料金は時間帯によって値段が変動する。ピーク時の午前7時から9時、或いは午後3時から6時の間だと、一回通るごとに3ドル50セント課金され、往復だと7ドルである。パスを持っていない人は10ドル払わなければならない。ヤクザである。ランチを軽...

2012年は選挙の年:第一弾、中華民国(台湾)

2012年は主要国の首領を選ぶ選挙が一気に行われ、激動の年となるかも知れないと言われている。先ず初めに総統選が行われるのはお隣の台湾(中華民国)である。結論から言うと、國民党で現職の馬英九(北京語発音:マーインチョウ;台湾語発音:マーエィンキュウ)が民主党の女性候補である蔡英文(北京語発音:ツァイ・インウォン;台湾語発音:ツァイ・エィンブン)に圧勝する。よって「國境之南」は2012年に変化無しである。 良くメディアでは、馬英九と蔡英文が競っていると言われているが、あり得ない。馬英九が圧勝するのは眼に見えている。誰がどう考えても橋下がダブルデジットで(二桁離して)勝つのが解っていたのに、大阪市長選の直前まで橋下と平松アナウンサーが競っていると報道していたメディアもあったのと同じカラクリだ。 しかも、台湾のメディアは、中天新聞や東森新聞など國民党寄りの国語(北京語)放送がある一方、民視新聞など台湾語も放送する民進党寄りのメディアもある。台湾メディアでは和を以って尊し的な護送船団日本型というよりは敵の批判を好むマーケティング重視のアメリカ的な戦略を展開している。視聴者もメディアの色により見るテレビを変えている。そのため、メディアの世論調査はあまり信用できない。 李登輝が総統選を開始して以来、選挙に熱くなっていた台湾人も、選挙の回を重ねるごとに熱が冷めてきた。昔は蒋介石と國民党憎しで民進党を熱烈に支持するものもいたし、台湾独立を夢見て緑(民進党)を支持していた若者たちもいた。民進党に権力が移れば全てが良い方向に動くと考えていた人達の夢は、陳水扁時代に脆くも崩れてしまった。未だに、両岸関係が机上に上っているとは言うものの、経済の調子がよくて軍部の暴走を気にしないで良い中共の巣屈である中南海は驚くほどおとなしい。従って、今回の選挙の焦点はどちらかと言えば経済問題にシフトしている。 経済問題について言えば、馬英九が政権を取ってからのの台湾は約10%の経済成長を続けていた。不動産の値段も上がり続けていたにも関わらず、物価のインフレーションは比較的低く抑えていた。大都市では地下鉄など交通網も発展し、街全体が輝いていた。しかし民衆からは経済が悪くなっているという感想を良く耳にする。日本からすれば羨ましい限りだが、人は欲せる以上のものを欲し、現状に満足などしないのだ。 プラス、在り来たり...

人の批判する前に勉強しろ

現状に満足している人など、高尚な宗教でもして悟りに達している場合などを除き、ほぼあり得ない。人間は無い物を強請り、より満たされた生活を目指そうと潜在的に考える。我々の生活の質は40年前よりも確実に良くなっている。だが、多くの人が不満を口にし、そして現状を嘆く。それは極自然な人間の欲求であるのだ。 世の中の多くの人は、一銭でも多く貰いたい。少しでも沢山の権利を有したい。自分が関わっている物事が少しでも有利になるようなルールを欲する。この現実を無視すると、ユートピア論を唱えることになる。 不満を代弁することが政治家の仕事であると信じているお気楽な人達と出会うことがある。政治家自身や秘書などをしている連中に多いのだが、不満を代弁する自分自身に酔っている節がある。不満を持つ人達(声が大きい人達)の主張を繰り返し、現政権やシステムが悪いと結論付ける。そして、限られた予算をそれらの人達に付けようとする。 サンタクロースじゃないのだから、全ての子供たちに希望のプレゼントをあげる事など出来ない(友人の子供はWiiが欲しかったのですが、サンタクロースも不景気の煽りを受けてレゴのブロックだけ渡したそうです)。 政治家や政治家志望の人達の多くは、水商売(人気商売の意味)従事者であるので、まともに時間を割いて系統的に勉強していない人も数多くいる。古今東西世の常であるが、不勉強で意志の強い善人たちが社会を壊すものである。 不勉強な意志の強い人達が政治家になる事ほど危険なことは無い。八方美人が政治家になるほど恐ろしいことは無い。何故なら、政治家の仕事は、法律の制定と予算配分だからである。予算配分とは、予算額が限られている限り、誰かの予算を削って、誰かに予算を足すことである。予算額は税収プラス支出である。単純な引き算問題であり、予算額を増やそうと思えば、税収を上げるか、支出を減らすかしなければならないのである。 橋下が正直であるのは、支出を削減しなければならないと断言していることだ。野田が正直なのは、税収を上げなければならないと公言していることだ。小泉に筋が通っていたのは、支出を減らす事のみを語っていたからだ。 勿論、いかなる変化も勝者と敗者を作り出す。それについて不満が出るのは当たり前のことである。しかし、橋下の支出カットや野田の増税政策について批判している人達も大...

JASRACの問題点

日本音楽著作権協会(JASRAC)の評判が悪いことなど、新たに討論する必要もない。JASRACは官制組織であり、文化省などからの天下りを大量に受け入れていることは誰でも知っていることである。しかしJASRACの一番の問題は「政官財暴警」の結果的な癒着である。JASRACが保護するレコード会社のバックにいる人達がどういう組織と繋がっているのか、そしてそれらの組織がJASRACを通して自分たちの会社の利益のために「規制」の線を張っていることは周知の事実である。勿論、JASRACは法律に基づいて行動しているわけであるのだが、JASRACの行っている過剰な規制は法的には正義である。ただし、それらの法律そのものが社会正義に基づいているか否かの議論が必要であろう。 以前から問題になっていたが、スナックなどのカラオケ店や生音楽演奏の店の著作権料が停滞しており、JASRACが徴収を試みようと腐心していた。もう一度言うが、JASRACの主張は法的には100%正しいわけで、論駁の余地は無い。しかし、スナックやカラオケ店などが著作権料を払っていては経営が成り立たない。ただでなくとも、飲酒運転の強化で客が激減している主に郊外のそういった店に、さらには著作権料まで負担させるのだろうか?こういった法律が悪法で無いとしたらなんなのか?さらには、この法律の下では、小さくこそこそと違法に営業していると儲かる仕組みになる。しかし、客がついて目立ってしまうと違法操業がばれ、著作権料を支払わなければならない事で経営が圧迫される、といった不公平極まりないルールとなる。インチキしなきゃ損なルールをお上は作っているわけである。 JASRACは営利目的のコピーバンドのライブにも課金するのであれば、ストリートミュージシャン、学芸会の演奏や道で鼻歌を歌っている人にまでJASRACが課金してやればいい。 JASRACがネット社会のイノベーションをどれだけ阻害しているかは私が態々こんな匿名のブログに書く必要も無い。現行の「悪法」を遵守し、イノベーションの阻害をする。以前に書いたWinnyの金子氏を起訴しようとした動きなども、JASRACや関連団体などからの圧力であったと信じている。 ただJASRACが国内でお山の大将気取っても、黒船がやってきた際、外圧に折れて法律を曲解し、妥協案を出す。ユーチューブやグー...

株主の責任のあり方とは?

東電とオリンパスに対する当局の扱いがとても手緩いという意見は、内外で言われ尽くされている感がある。ライブドアの時は粉飾決済で即座に退場させられたことを鑑みると、ある種差別的な対応だと言わざるを得ない。恐らくは、民主党の連中にロビイストたちが「東電やオリンパスは技術を有する優良企業であり、東証から駆逐することは国益を損なう」、というような、それっぽい事を言っているのだと思う。経済に疎い民主党の連中が、それらの発言を真に受けて、東電とオリンパスに対する制裁をおこなっていないのだという可能性もある。 しかし、東電やオリンパスのケースは、そもそも経済とは何の関係もない。これは単純な責任問題、つまりはガバナンスの問題なのだ。上場廃止とは上場していた株式の取引を終了することである。上場廃止になると経営破たんするとか、そういった類のものではない。JALの例を見ても、上場廃止から生き返ってくる企業は沢山ある。 企業が上場廃止にさせられる理由は、つまりは株主に何らかの違反の責任があると考えられるからである。株主は会社のオーナーであり、会社の経営陣を見張る義務を負っている。経営陣たちが違法行為に手を染めていたのは、株主が監視すると言う義務を怠ったからだという主張が上場廃止の根拠である。 東電もオリンパスのケースも、政治的な力が働いていると考えられるが、現在まで上場廃止にされていない。東電のケースでは、責任の追及もいい加減に、税金の補填がなされている始末である。つまり、オリンパスや東電のケースにおける国の判断は、暗に株主の責任を否定していることになる。つまりは、株主は会社を監視する義務を負ってはいない、と暗に示唆しているのだ。経営陣の暴走はこの国の慣習上で仕方がないことなので、責任の有無を有耶無耶にし、場合に応じては税金を投入する。 東電が福島第一のリスク判断を誤ったのは株主には全く責任がない。オリンパスが粉飾して飛ばしをしていたことも全く株主には責任がない。株主はごちゃごちゃ言うな。総会屋や村上じゃないんだから。 逆にライブドアの粉飾決算のケースは、株主は浅ましい金融ゲーム参加者であり、新興のふざけた会社の株主たちにお灸を据える意味でも上場廃止の結果ありきであった。日本国においての上場とは体面の問題であり、当局はできるだけアメリカ的な資本主義から乖離したい。などと考えているのは、私の妄...

ウィニー開発者は政治犯

世の中には政治犯という物が存在する。国の政治体制の中で「反政府的」とされる態度や言動をとったものが、政治的理由や別件で逮捕収監される場合を指す。こういう事は中国や北朝鮮、或いは中東など独裁体制の国の出来事だと思われがちである。劉暁波、アウンサンスーチーや金大中の名前がすぐに浮かんでくるが、アメリカや日本でも、政治犯をどう定義するかの問題があるにせよ、政治的な理由で逮捕収監される可能性は大いにある。 ウィキリークスのジュリアン・アサンジがいい例である。パックスアメリカーナに反骨心を抱き、アメリカの国家機密をネット上に垂れ流した。で、結果は性的暴行容疑をかけられてイギリスで軟禁されている。これが政治犯でないとすれば、いったい何であろうか? 最後に日本に目をやる。ウィニーの開発者である金子勇・元東大大学院助手が著作権法違反の幇助罪に問われていた事件があった。金子氏を逮捕したことは、日本国の恥であったと私は考えている。どうすればウィニーの開発とその配信を罪に問えるのか?金子氏が逮捕された理由は、金子氏が自身のブログ等で著作権法について色々な意思表明をしていたためと思われる。だとすれば、警察は金子氏をその思想故に逮捕したことになる。第一、著作権法違反の幇助罪が問われるとすれば、ユーチューブやユーストリームは完全にアウトだし、マジコンのようなソフト開発もNGになる。CDRやカセットテープ、録画用のビデオ、コピー機などを売ったり開発しても良いのか?という話にすらなる。そもそも、PC自体が著作権法違反の幇助をする機械なのだから、東芝、ソニー、富士通やNECの開発者たちを逮捕してみろ。ソフトウェアの開発で逮捕される国で、イノベーションの目は完全に摘まれる。私の母国の日本は、警察の匙加減でイノベーションが侵され、発明を元に逮捕される国であるのだ。「ソフト開発」と「著作権侵害」はどう考えても二つの異なる問題だろ!こんな馬鹿げた話はない。警察が「黒い」レコード協会か何かと組んでいなかったとしたら、これは政治犯以外の何物でもない。 09年10月の二審・大阪高裁判決は「著作権侵害が起こると認識していたことは認められるが、ソフトを提供する際、違法行為を勧めたわけではない」として、無罪としていた。そして検察側の上告が棄却された。これは極当たり前の結論である。しかし、金子氏の逮捕と一連の...

金正日死亡したとのニュース

金正日が龍川駅で一般市民を大量に巻き込んで爆殺されそう(?)になったのは2004年のことである。2007年ごろにはドイツの医療チームに心臓手術を受けたというニュースが流れた。2009年にはすい臓癌説、そして脳卒中による半身不随状態になったとの報道がされた。そして最近では、リチュニ女史がアナウンサーとして一ヶ月以上登場していないというニュースが流されていた。本日久々に登場したリチュニ女史は喪服を着て、金正日が列車に搭乗中に過労(心筋梗塞?)で死去したと伝えた。葬式は12月28日だという。 普通に北朝鮮関係のニュースを追っていると、金正日が昨日に列車に乗っていて心筋梗塞で死去したという情報は到底信じがたい。金正日は恐らくかなり前に、2004年から先月ごろまでの間のある時点で死去していたと考える方が辻褄が合う。この五年ほど、北朝鮮から伝わってくるニュースはどれも権力争いに関わっているとしか考えられない事ばかりであったからだ。逆に北朝鮮は外国との交渉ごとを出来るだけ避けようとしていたし、重要な意思決定は理由をつけて先延ばしにしていた。「中国詣で」すら拒否していた時期もあるくらいだ。北朝鮮が正日のわがままで外交を断っていたと考えるにはあまりにも無理がある。 今回、金正日死亡のニュースが突然こういった形で出てきた背景は、1)権力争いの答えが出て、後継者争いが固まって静穏になったのか、或いは2)死亡が隠し切れなくないほど権力争いが混乱しているかのどちらかとしか考えられない。恐らく前者であるとは思うのだが。

橋下手法と民主主義

アメリカ合衆国憲法の権利章典の修正第二条には、「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。」と規定されている。これを根拠に市民が銃器を持つ事には違和感を覚えるが(規律ある民兵として不適格な人間に銃器が行き届いており、国家の安全を逆に脅かしている)、背景にある思想こそがアメリカの良さであると信じている。 アメリカ人の多くは、「政府」は市民から権利を預託されているに過ぎず、万が一政府が市民に刃を向けるような暴走をした際には、武器を用いて政府に対峙しなければならないと考えている。背景には、大英帝国から自由を勝ち取ったアメリカの歴史がある。アメリカ人に「政府を信頼しているかどうか」を問うと、多くの人は「ある程度までは信頼できる」と答える。中にはティーパーティーの連中のように、政府を全く信用していないと答える人達もいるだろうが、政府に全面的に従うと答える人は殆どいない。従って、政府の意思決定に参加し、政府を統御することは市民の義務であり、だからこそ多くの市民が政治にのめり込む。選挙前になるとキャンペーンで盛り上がり、何かあればあちこちでデモが起こり、NGOなどの活動がやたらと盛んであるわけだ。 翻って日本やアジアの儒教思想が強い国では、政府が決めたことに従う事こそが国民の勤めであるとする考え方の人が殆どである。政府の決めたことに文句を言う人は、反抗期か何かであり、人格的に問題があるとすら考えられる。そういった状況では、国民は政府を全く信用せず、命令だけする面倒くさいものであると考えるようになる。政治に参加して自ら政策決定に関わろうと考える人は西洋被れた人だけになる。しかも、永田町や霞ガ関の連中は、それを解ってか解らずにか、自分たちが巧く国民をリードしようと、歪んだエリート思考を持つこととなる。国民総じて「お上」から降りてくるものには従え、といったムードが漂う。 大阪市長に当選した橋下徹が市幹部6人を更迭したというニュースが伝えられた。公務員の立場で政治活動に関わったからだと言う。民主主義国家では、「民意」とは選挙を経て多数決をとった意見であり、少数意見を持つ人間は勝った人間のお尻の穴を舐める必要がある。少数意見は尊重はせよ、採用はされてはならないのだ。そして、市民から権利を預託されている立場の大阪市役...

二機目の「スパイ衛星」を打ち上げた日本国

BBCを見ていると、日本がロケットで情報収集衛星を打ち上げた事が大きなニュースになっていた。現時点で既に一機が宇宙空間にあり、それに加える形での「スパイ衛星」だと言うことだ。北朝鮮などの監視目的に使われるのであろう、と言うことであった。 私はニュースジャンキーであり、日本のニュースをネット上で四六時中拾っているのだが、スパイ衛星を打ち上げた事に関するニュースは気付かなかった。これはメディアが結託して意図的にニュースを小さく出しているのではないだろうかと考えているのだが、どうだろうか?BBCでの報道のされ方を見て、内外の温度差に驚いた。確かに日本は「技術力」を披露しようと必死になっているし、武器や軍事の部門においてさえも技術を磨こうとしている節がある。まともな軍事力を持つことには賛成だが、誰がどのようにリーダーシップをもってこのような軍事政策を立案しているのかと言うことに危惧を持っている。 少なくともいちびりの前原で無い事だけを願いたい。が、政治家でないとすれば、暴走は誰が止められるのか?日本の技術が優れていることは知っているが、政治統治やリーダーシップなどの組織力にいつも甚だ不安が付きまとう国なのだから。

寒くなって「おでん」とは違う「関東煮き」を食べたくなる

ホリデイシーズン入りしてしまい、年末も重なるとあって、かなり慌しい生活を送っている。しかも、今年はラニーニャの影響で雪が早くから降り始め、スキー場に頻繁に通っており、ブログ更新が怠っている。共和党の大統領候補者選び、ユーロ問題、アメリカ株が何故騰がるか、台湾選挙など、書きたいことが山ほどあるのだが、なかなか筆が進まない。 さて、閑話休題。寒い季節になって暖かいものが食べたくなった。何度もしつこいくらい書くが、味は個人の好き嫌い、異なった生活背景、その時の体の調子などが影響するため、「絶対的な美味しい物」はあり得ないという立場を私は取っている。蛇足だが、マクドナルドやコンビニの商品が安いだけではなく、多くの人々に受け入れられる理由は、リスクが最も少ない最小公約数の味を探しているからである。あれはあれで平均的に「美味しい」わけだ。エクスキュースはこの位にして、個人的な見解を書く。 関西と関東で食べ物はどちらが美味しいのか、と言われた場合、私は概ね関西の方が圧倒的にレベルが高い、と答えている。詳しくは書かないが、それは私が関西人であるというバイアスに由来するからだ。しかし関西と関東の食べ物を比べて、関東のほうが圧倒的に文化や歴史で優れており、懐が深いと考えられる食べ物も数多く存在する。ラーメン、握り寿司、そば、天婦羅。関西でこれらの物を食べるとがっかりする確率が高いが、関東では美味しい店にありつけるチャンスが高い。 今日のテーマは「関東煮き(かんとうだき)」である。最近はコンビニなどで売られている「おでん」がスタンダードになってしまい、薄い味の「おでん」が主流になっている。味の素と塩で煮たおでんのことだ。あれを関西風のおでんだと勘違いしている人が多いが、それは少し違う。関西で食べる「関東炊き」はかなり味の濃いギトギトした物であり、私はそういう「関東炊き」が大好きだ。 子供の頃食べた関東炊きは、「鯨のコロ」と牛スジ肉が必ず入っており、醤油も濃い口を使っており、鍋の底など見えなかった。場合によっては豚バラブロックなどが入っている事もあり、かなり濃厚な汁であった。近所の屋台や市場の店などで売られている関東煮きも(良く買い食いをした)、かなり濃厚な味である。そこに大根、蒟蒻、ゆで卵、揚げ豆腐、蛸、そして天ぷら(西日本では魚の練り物を天ぷらと呼ぶ。例えば牛蒡天など)...

オウム事件と死刑論議は完全に異なる違う問題

過去の書き込みを見ていただければ理解してもらえると思うが、私は死刑制度には賛成の立場である。個人の判断で法を犯した場合、罰せられるのは当然であると考える。社会的な警告という意味でも、死刑制度は必要であると考える。 オウム裁判が完全に終結したとういうニュースが流れた。起訴された全員の判決が確定したということだ。オウム事件は多感であった高校生の私に衝撃を与えた。今まで信じていた世界の価値観が、オウム事件(とその前に起こった阪神大震災)によって、根本的に覆されてしまった。マインドコントロールという冗談のような事に引っかかる高学歴の人間がいる。第一、私自体が信じている「常識」はマインドコントロールされたものかどうか?この問いに答えが見つけられなかった。やがて私はマインドコントロールされた「高速道路」から降りてしまい、シアトルの地で悠々自適に暮らし始めた(そして、時折私はその頃に下した判断について大いに反省する)。余談が長くなった。 オウム事件で13人の死刑判決、そして5人の無期懲役が今までに出ているのだが、根本的な問題について語られることは極めて少ない。マスコミなどでは、オウム事件は「日本犯罪史において最悪の凶悪事件」或いは「法治国家の秩序を一顧だにしない反社会性の極めて高い犯罪」などと判で付いたような解説がされる。それこそがある意味で、国家や警察権力のマインドコントロール臭く、気持ちが悪い。 オウムの事件を考えるとき、ナチスの犯罪に関わったドイツ国民や、大東亜戦争の結果として裁かれたB級又はC級戦犯の事を考える。それらの人達は、勝者の意図で懲罰的に裁かれた人達であり、色々なケースがあったにせよ、基本的には個人が国や組織の罪を肩代わりしたと考えている。オウムの件も、それと似たような構造があった可能性がある。 村上春樹などが比喩的に(というよりは実はかなりダイレクトに)オウムの罪を小説の場で著しているが、日本国内でそういった事に対して議論が起こっている様子はない。どちらかと言えば、「オウム真理教はただのキチガイ集団であり、サリンガスを地下鉄で撒く様な人間は死刑にするべきだ。そうすれば治安が安定する。」などと言った単純な物語が大勢を占めている。おそらく、メディア側も批判されるのが怖く、オウム問題に対して詳しく査証することを避けている風潮がある。新聞は「裁判は終結...

ソブリンリスクの本質的な問題

ソブリンリスクの問題が未だに連日経済ニュースを賑わせている。やれギリシアがEU圏を離れる可能性があるだの、やれスペインやイタリアの10年国債利回りが7%を越えただの、やれアメリカ議会のスーパーコミッティーが借金天井の合意に失敗しただの、うんざりである。APECでオバマは温家寳に「このまま米国が政治問題に感けていると、間違いなく世界恐慌が訪れる」などと諌められていた。「お前が言うな」とまずは言いたくなるものの、「確かにその通りだ、良く言った」という感情も抱く。しかし、よくよく考えると、米中が目立っているだけで、世界は赤信号を皆で渡っている訳であり、全員が鏡の前に立ち、自分の事もきちんと顧みる必要がある問題なのだ。 私は政治的なリスクとしてのソブリンリスク問題を楽観している。何故なら解決方法を全員が知っているからだ。支出を抑え、収入を増やす。これしか無い。ただ政治は水商売なので、選挙対策として大衆相手に目立つ必要があり、無理矢理ごねる連中が後を立たない訳だ。馬鹿な事や理に適わない事を言おうとも、マスメディアが取り上げてくれさえすれば、政治家は目的を果たせる。何を言ったかではなく、何度テレビに出たか、何回新聞に名前が載るか、という事が勝負の分かれ目なのだ。ただ、政治家は落し所を理解しているので(何故なら破綻は誰のためにもならない)、最終的にはこの問題は「政治的」に解決される。 私は、しかしながら、システム的なソブリンリスクの本質的な問題は解決できないと見ている。そして、本質的なソブリンリスクの問題を人々がしっかりと認識しない事には、マーケットのボラティリティーは年数を重ねるごとに益々大きくなっていき、人々は不必要な不確定要素を抱えることになる。事の本質は以下に列挙する。 1.政治家や官僚は「将来」に起こる事象には責任を持たなくて良いため、リスクは先送りにし、利益は早く刈ろうとする。 2.そのため、景気が良い時は税収を将来のために使うというよりも、現役世代で分配しようとする。 3.いかなる分配(減税・助成・政府支出・公的雇用など)も景気を益々浮揚させる効果があり、景気はさらにヒートアップし、好景気が過熱してしまい、バブルになる。 4.金は権力(ちから)である。金を一度もらえば、誰であれ(個人であろうと)力をつける。力がついた人たちから金を奪うことは容易ではない。一度始まった...

ニュージーランド沖でM6.1の地震

18日、ニュージーランド北島の北島先端で マグニチュード5.3,5.8,6.1と 地震が立て続けに発生した。数日前に投稿したゴンドウクジラの話と関係があるのか無いのかは不明である。 津波以降の世界では、6程度の地震はまるでミッキーマウスの世界のように感じるかもしれないが、2月にNZのクライストチャーチで発生し多くの死者を出した地震も、マグニチュードは6.1程度であった。その程度の地震でも、場所によっては大変な被害をもたらす可能性があるというのが、地震の恐ろしさではあるのだが。 科学者気取りの人達に鼻で笑われようが、ゴンドウクジラ座礁のニュースには今後も敏感になっておいて損はない。

アメリカの息子や娘の家に避難するタイ人の富裕層

最近、知り合いのタイ人にスーパーマーケットなどでばったり会うと、両親や親戚などを連れているのを良く見る。バンコクでは卵ひとつ買うのにも苦労するとの事。アメリカの息子や娘の家で寛いでると言う事である。どんな状況であれ、お金とコネクションがある人達は人生で困らないと言う事か。

ゴンドウクジラ、NZで集団座礁

ニュージーランドでパイロットウェール、つまりゴンドウクジラ、が61匹も陸に乗り上げて死んでいたという ニュース が報じられた。鯨類にはマイグレーション(季節移動)をする物も多く、メロン体などで反響定位の際に音波を集中すると信じられている。そういった器官が外環境からなんらかの攪乱を受け、このような自殺行為に繋がるのではないかと考える人も多い。 ニュージーランドと茨城で今年の3月頃にゴンドウクジラやハナゴンドウが集団座礁したニュースの直後に、社会的に被害の大きな地震がそれぞれの地で立て続けに起こったのは記憶に新しい。ニュージーランドやオーストラリアにおける鯨類の座礁は珍しいことではないが、地震などで甚大な被害が来ないことを願う。

ハワイでTPPを話し合う?

APECの会合がハワイで行われている。オバマ大統領の地元シカゴではなく、11月に出生地のハワイで会っているという事をジョークにされる始末である。 フットボールの合間にナショナルニュースをチェックしていたが、「TPP」という単語を耳にすることは無かった。経済番組のCNBCで非関税障壁撤廃に向けて動き出しているという話題に触れられたが、「TPP」の名前は出ていない。TPPが「清武御謀反」と連日でトップ記事をを二分している日本の新聞各社との妙な温度差を感じざるに得ない。 そもそも、TPPは国論を二分するような重大事項なのか?GATTから発展させたWTOの枠組みや、ASEAN+中国+韓国+台湾+日本などの枠組みで出来ない事があるのか?TPPは存在意義そのものが意味不明の協定である。当初は、TPPはアジアの小国が大国と対峙するために出来上がったと聞いている。しかしアジアのみでの協定が出来上がってしまうと、アメリカが締め出される恐れがあり、焦ってアメリカが参加したに過ぎない。日本が正体不明のTPP参加を重要視する姿勢は、異様の一言に過ぎる。 アメリカでは現在、共和党の大統領候補を決めるべく「劇場型(笑)」討論会が激しく行われている。来年の選挙で再選はするだろうが、中間選挙前にオバマがレイムダック化しつつある。オバマは正体不明のTPPをどのように政局化させられるかに注目が集まる。

大相撲でインシュリンを使うのがドーピング??(笑)

隆の山がインスリンを摂取していた事が新聞に大きく報じられている。色々な問題が内包されているのは承知であるが、明らかにおかしな煽動的な報道が各紙を覆っている。それは、 「奥村副大臣は会見で、五輪などでドーピング検査を実施する世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物であるインスリンを相撲協会が禁止していないことについて言及。「私もびっくりしたし、世界から見ても批判があると思う。しっかり指導していきたい」と角界の常識が世間の常識と懸け離れていることに疑問を投げかけた。」 というものだ。まるで、インシュリンがスポーツ選手にはあるまじきドーピング薬物であるような書き方である。何故、五輪競技でもない相撲という興行に、五輪の禁止薬物を採用する必要があるのか?全く目的が異なる世界反ドーピング機関の基準が金科玉条のごとく扱われるのは何故か?例えば北米のバスケットボールなどでは糖尿病患者がインシュリンを注射する事は認められている。何故相撲では駄目なのか?そもそも体重を増やさなければ不利を被る相撲という競技において、糖尿病というリスクは避けて通れない。インシュリンを禁止すれば相撲という競技が成り立たなくなる可能性すらある。 上記の奥村副大臣の記事は、1)インスリンが世界広くで禁止薬物として認められているドーピングであると煽動し、相撲協会をいじめようとしている、或いは2)奥村副大臣が事情を全く解っていないただの馬鹿、かのどちらかである。 何れにせよ、マスメディアと政治家の質にはいつも苛立たされる。

TPPは日米の大企業のためにある

TPPが第二の開国だ、なんだの言っている人が多数いる。 TPPは環太平洋戦略的経済連携協定のことで、農業品や工業品などの関税と非関税障壁を撤廃することを目指す多国間協定である。農業分野や郵貯問題の件などで懸念を表明する人達も大勢いる。相手にするだけ無駄なのだが、グローバリゼーションそのものを悪と看做す連中や、米国陰謀論を唱える人達は基本的にTPPに反対している。 TPPにおける誤解であるが、TPPが米国の押し付けであると考えている人達が日本国内に少なからずいる。米国の主要ニュースではTPPの「T」の字も目にしない。韓国と米国のFTAはニュースで多く報道されていたが、TPPはメディアも全く取り上げない。米国の総体としては、TPPには殆ど関心がないと言っても過言ではない。 米国はTPPに全く関心はないのか?そんな事はない。TPPにより恩恵を受ける企業の多くや、非関税輸入障壁によって輸出の機会を奪われている分野は、ロビイストを駆使して、日本のTPP参加を促している(ロビイストこそがDCの良心だ!!)。その人達は、米国内ではマイノリティーである。だが、同時に米国ではTPPやFTAに反対する人達が物凄く多くいる。こういった米国人たちも相手にするに及ばないのだが、グローバリゼーションの推進は中産階級の没落に繋がるなどと叫んでいるのを良く耳にする。 では本当にTPPに興味があるのは誰か?第一が日本政府であろう。韓国が米国とFTAを締結した。それに遅れを取ると、日本の面子が立たない、と考えている人達がいるのだ。本来ならば多国間協定であるTPPに加入するよりも、米国と日本の間で二国間FTAを結べばいいのであろう。ただ、日本国内やアメリカ国内の政治的な問題などにより、それは難しい。現在は興味なしとはいえ、将来の中国を巻き込むという構想上、多国間協定を推進するほうが政治的に有意義だと考えている人達も大勢いる。どちらかと言えば、保護貿易に傾倒しそうな菅直人が、急にTPPを第三の開国として推進するなどとほざきだしたのは、(財務省で騙されたのだが)このあたりの事情があるのだ。 第二に日本の大手企業がTPP参加にやたらと熱心である。当たり前だ。関税障壁を取り払えば、商売の効率が飛躍的に上昇するからだ。現在は無意味な法律で縛られているが、人的交流や外国資本を用いての投資環境が日本国内で良くなる事を...

関西を浮上させるために必要な事と市長選

意識的に書かないようにしていたのだが、大阪市長選が間近に迫っている。結論から書くと、私は橋下徹を支持する。関西は長い間、国家の意思として力を削がれてきたと信じているのだが、その兆候を食い止めようとすれば、橋下改革を断行し、あるべき方向に進んでいくしかないと考えている。 どういうことか?歴史を紐解くと、廃藩置県の際、大阪市と神戸市を含む摂津藩が解体され、大阪府と兵庫県に分けられた。さらに京都府がある。東京と違い、関西圏には大阪市、京都市、神戸市という比較的力が拮抗する地方自治体が凌ぎを削ることになった。大阪市は大阪府に、京都市は京都府に、そして神戸市は兵庫県に属している。しかし、関西という社会的な枠組みはあるものの、政治的な枠組みが無いため、首都東京と大阪府、京都府、そして兵庫県が樹状に縦に繋がっていた。 地方自治体の長達は、近視眼的な視線しか持たず、大阪、神戸、そして京都という枠組みで喧嘩をする。全体的に関西経済圏を発展するというよりは、隣の街になめられないような自治が進められて来た。隣の町が何をすれば、わが町も何をする。リターンを考えない無駄遣いが罷り通ることになる(日本全国そうなのだが)。 さらに、大阪府の中には大阪市が内包されている。そして、二重行政が罷り通っているのだ。市立大学と府立大学があるなど明らかな物から、二重三重の公務員を雇ったり、公共費の利権が歪に入り組んでいたりなど、目に見えないことも多くある。しかし、それらは生活に密着しており、結局は税金を二重三重に取られているということになる。 私は「政府」や「公共」という物に対して懐疑的であり、かなりバイアスが懸かっているのだが、地方政府の公的な役割は民間のグローバルな長期競争力を強化することに尽きると思っている。それにより、外から富を呼び込むことこそが地方政府の存在意義である。しかし現在の大阪府や大阪市は、世界第九位の人口を誇る都市圏の中心の地方政府としての立場に甘んじ、その民や会社に虱のようにたかっている存在に過ぎない。自腹を肥やし、宿主を殺そうとしている寄生虫には、去らなければならない。そして本来の真っ当な地方政府の役割を考え直す必要がある。 関西地域を相対的に浮上させて、世界中からのお金を集めるつもりであれば、選択と集中をするしかない。開発するべきところを集中的に開発する。そして切るべきところは無視...

中国バブル崩壊の予兆?

前々から言っている事だが、ギリシアの問題は一応の解決を見せた。政治が解決しようと思えばいつでも解決しえた問題であったからだ。ユーロは理想論で営む社会実験であり、今後様々な事象を是正していかなければならない。ヨーロッパ中央銀行を作ったり、国境を越えた労働市場の自由化を促進したりといった事だ。ただそれらは各国の政治として微妙な問題であり、紆余曲折を経るものと思われる。しかし解決方法を皆が知っているので、マーケットが乱高下しようが、絶対に解決する問題であるのだ。 現在の世界には幾つかの大きな地雷がある。1)アメリカ債権問題、2)日本の債権問題、3)ユーロの構造問題、4)中国バブル、5)新興国バブル、そして6)資源バブルである。1~3をひとくくりにして発展国のソブリン危機、4~6をひとくくりにしてリスクテーキング・アルタナティブ・インベストメントとして扱っても良いかもしれない。グローバル経済において、経済は根のレベルでは総て繋がっているのである。 ギリシアの問題が踊り場を越えると、中国経済に黄信号が燈っているというニュースが次々に出てきた。温州商人のニュースを以前紹介したが、中国経済減速のニュースが統計の数字になって表われ始めている。ブルームバーグによれば、中国の住宅価格指数が9月に0.03%下落したのに続き、10月には0.23%落ちたというのだ。100都市のうち、北京や上海を含む58の都市で不動産が下落しているという。イケイケドンドンだった中国の住宅・建築市場に翳りが見え出したのだ。 最近、香港のディベロッパーの株価下落のニュースが喧しかったが、バークレーは香港の住宅価格がハードランディングのシナリオ下で45%は下がるだろうと予想し始めた。香港政府の統計によると、9ヶ月連続で香港では住宅売買数が下がっており、6月から9月にかけて既に3%住宅価格が下がっているという。香港の不動産市況を見れば、東京や大阪の不動産価格の安さに驚いたものだが、盛者必衰の理をあらわすのは世の常である。 温州の新幹線事故以降、9割の公共事業がストップしていると言うし、主要な港には物品の在庫が溜まり、コンテナ船が着岸できないという話しも聞く。港の倉庫に積まれた物品を引き取ってもらおうと客に電話をすると、電話は既に通じないらしい。 この傾向が続き、共産党政府が魔法を使わなければ、「バブル崩壊」がいよいよ...

ロン・ワシントンの失敗を検証する

色々な人とワールドシリーズについて喋っていたのだが、ロンワシントンの采配について、興味深い視点があったので書いておく。その人の意見によると、ロン・ワシントンが犯してはならなかった失敗は第六戦の次の二点に尽きるという。 ナショナルリーグのアウェー戦で、自軍がツーアウトで満塁になった5回表の時点で、先発のルイスに代えて代打を出すべきであった。ルイスには、第七戦で使うかもしれないと言って引かせるべきだった。 8回裏、スイッチヒッターのバークマンの後、右バッターが3人続くのだから、即座にマイク・アダムズを出すべきだった。案の定、左のホランドはクレイグにホームランを打たれ、二点差に詰め寄られてしまったし、その後、ちぐはぐな継投になってしまった。 私は野球の素人であるし、こういった議論は事後論に過ぎないと思う。ただ、非常に興味深い見解なので書いておく。

カージナルスが優勝

史上最悪だが、最も興奮できたワールドシリーズの試合から一日が経ち、金曜の夜にワールドシリーズの最終戦が行われた。アメリカでは、金曜の夜は視聴率が下がるのでスポーツイベントを入れないのだが、雨天順延だったので仕方ない。 結果はやはりと言うべきか?カージナルスがあっさりと第七戦を物にした。落ち着いた試合運びで、全く焦りがなかった。序盤は2対2の競った試合に見えた。3回裏にこのシリーズで頭角を現して、不振で手負いのホリデイに代わってスタメンで採用されたクレイグがホームランを放ち、試合は決まってしまった。カーペンターがきっちりと試合を作っていたので、全く荒れなかった。後は消化するのみ。レンジャースは今更CJウィルソンを使ったりしたが、時はすでに遅し。ジ・エンドである。 CJウィルソンがFAになっているが、正直A-の選手だと思う。来年、ウェブが帰ってくればエースを任せられる。まあいずれにせよ、テキサスは監督を換えるべきだと思う。 カージナルスは良くやったと思う。MVPはフリーズに行ったが、バークマンが個人的には一番活躍したと思っているし、クレイグも拮抗していた。 いずれにせよ、今年の野球は終わった。ところで、日米野球がなくなって久しいが、今年は台湾で来月に台米野球が行われるのはご存知だろうか?MLBは日本以外をマーケティングの重要な場と見ているようだ。

ロン・ワシントンは糞馬鹿野郎

ゲーム6は無茶苦茶なゲームだった。正直、最後の3イニングは結構興奮した。だが、史上最低の糞ゲームでもあった。ゲーム当初から、締りのない、記録に残る残らないあわせてエラーばかりの試合だった。失点もエラーがらみ。ホリデーや部リーズののエラーは問題外だった。雨天順延を言い訳にするしかないかも知れないが。 6回には、バークマンのボテボテの当たりをルイスが一塁を踏まずにセーフ。隠れエラー。そしてマイケル・ヤングが痛恨のエラーで一塁二塁。(ヤングの一塁守備は問題あります。)さらに微妙なストライク判定でフリーズを歩かせて満塁。そこでロン・ワシントンは投手をオガンドに換える。おい、またか?心理的なものか、ストライクが入らない。案の定、四球で一点を与える。何故同じ失敗を何度も何度も繰り返すのか?力んでいるオガンドの様子がおかしいと判断して、なんと第4戦に先発して見事な投球を見せたホランドを投入。もしゲーム7に縺れればどうするつもりなのか? ホランドが当たり前のように好投するが、八回にホームランを許す。8回2アウトで無駄にマイク・アダムズをマウンドに送る。運悪く二人ランナーを出すも、どうにか抑える。しかし、これは必要だったのか? そして9回、フェリスが掴まって同点にされる。それは仕方ない。ただ、その裏ハミルトンの劇的ホームランで二点差に。それで終わった筈だったが、何故かワシントンはオリバーを投入。はあ??マジで? 案の定、やられる。そしてフェルドマンを投入。当たりまくってたバークマンに打たれたのは仕方ない。が、11回表に再びお笑い采配を見る。なんと、フェルドマンに代打を送ったのだ。ネルソン・クルズが怪我をしたというのは解るが、フェルドマンを引っ込めれば、後は病み上がりのマーク・ローしかいないじゃないか!試合を捨てる気か?フェルドマンに後2イニングくらい投げさせたら良かったのでは?クルズのかわりにガーマンを入れれば良かったのではないか? で、11回にフリーズがコントロールの定まらないマーク・ローが仕方なく真ん中に投げた球をあっさりバックスクリーンに運んで、ジ・エンド。4時間半以上無駄な時間を過ごした。セントルイスの執念は凄かったが、ロンワシントンの自滅じゃないか! 1.右のルイスに換えて、何故過去に失敗を続けたオガンドを出したのか? 2.ゲーム7を考えればホランドは使えなかった筈。ホラン...

2011ワールドシリーズ:監督の差が出る試合

野球は基本的に選手の実力、分析力、そして運が試合の結果を左右すると信じている。だが、監督の資質で試合が決まる場合もある。阪神の真弓監督の采配の悪さが話題にされていたが、ワールドシリーズで二年連続でそういう事を考えさせられるとは思わなかった。 ロン・ワシントンの采配がアホ過ぎるのだ。この監督は麻薬中毒だったりして、端から小馬鹿にしているのだが、統計を無視した温情采配のような事ばかりする。レンジャースはヤング・ハミルトン・ベルトレと、リーグでも一、二の攻撃力を有している。そこに、新ミスターオクトーバーを冠名しようかという、ネルソン・クルーズも加わる。ピッチャーも先発は超オールスター級のピッチャーはいないにせよ、ルイス、ホランド、CJウィルソンと無難であるし、何よりもブルペンが良い。上原がオリオールズの頃のように活躍できないことも、理解に難くない(ただ、オリバーを入れて上原を外したのは温情采配だと思う)。さらに、二遊間から三塁、そしてクルーズと守りが素晴らしすぎる。 セントルイスも、ピッチャーはさておき、打者の質は素晴らしい。ホリデイ、プホルス、バークマン。羨ましい打線である。ただ打線がいくら良くとも、いい投手で小刻みな継投をされると、そうそう打線が繋がるわけではない。さらに、負けが許されない短期の対決では、各々のチームが徹底的な分析を仕掛けてくる。トニー・ラルーサが統計を駆使した細かい野球を仕掛けてくることくらい、誰でも知っている。で、テキサスのバッターは見事にやられているのだ。全く打てない。そして、ロン・ワシントンの采配。前夜のWS一戦目でオガンドを継投して運悪く失敗したのに、全く同じ状況で連日オガンドを使い、全く同じ失敗をかましてしまった。絶対に一点をやれないところで無駄なギャンブルをしたのだ。ルイスの継投で駄目だったのか? 昨年のジャイアンツ戦でも、無駄にオリバーを駆使して、ずっこけているロン・ワシントンを見た。テキサスのほうが総合力で上回っていると信じている。9回に上手く繋いでロン・ワシントンの失敗を帳消しにしたが、ロン・ワシントンが自滅してしまうというしょうもないシリーズにだけはして欲しくない

温州商人の夜逃げ

浙江省は上海市の南側に位置しており、中国国内でも所得の高い人が住むことで有名な省である。省都の杭州市は上海の衛星都市としての役割を果たしているし、上海から橋を渡れば古くからの港湾都市として栄える寧波市にも行ける。金華ハムで有名な金華市や、紹興酒の名前にもなっている紹興市も浙江省にある。そして、本日のトピックとして一番大切な温州市も浙江省の南部に位置する都市である。 日本で温州といえば、温州みかんを思い浮かべるかも知れない(ちなみに温州みかんと温州市とは全く関係ない)。高速鉄道の脱線事故でその名を聞いた人も大勢いることと思う。中華圏で温州といえば「温州商人」という言葉が始めに頭をよぎる。温州商人は商売が巧い事で知られている。世界中に張り巡らせたネットワークを駆使し、ひたすら金を儲ける。製造業で稼いだお金で、北京や上海の新築マンションを買い漁る。内蒙古では石炭山の利権を手に入れる。インドでは鉄を買い漁り、バブルが崩壊したドバイの不動産を買い漁る。その派手なネットワークから「中国のユダヤ人」との異名を取ることもある(福建省から広東省にかけて住んでいた「客家人」も同じあだ名で呼ばれているが)。 その温州商人が、香港や台湾のビジネスニュースで取り上げられ始めたのは国慶節を前にした9月の末頃からだ。温州商人の間で夜逃げが常態化している、という物だった。先の段落を読んでもらえれば解るのだが、温州商人のビジネスストラテジーは、要は「買い漁る」という一言に尽きる。バブル華やかしき80年代後半の日本で地上げ屋さんがやった商売となんら変わらない。この戦略は、経済が右肩上がりであれば儲かり続ける。ただ資産を増やし続けるためには、現存の資産を抵当に入れて、お金を調達せざるを得ず、危ないソースからお金を借りてしまうことがあるのは、古今東西共通している。温州商人たちは、景気がピークを越えたのを察知し、貸し剥がされる前に夜逃げを始めている、という事であった。雇用されていた人達は、いつもと同じように会社に行くと、老闆(ラオパン:社長の事)が夜逃げしており、建物がもぬけの殻になっており、給料も払ってもらえずに無き寝入りをせざるを得ない、ということだ。 この話が真実だとすれば、中国の経済はかなりややこしくなっていると考えて差し支えない。ただ私は、リーマンショック後の2009年頃にも同じような話を聞いてお...

正直者が馬鹿を見る生活保護制度

NHKスペシャルで、生活保護の特集が組まれていた。先の記事でホームレスが歌う賛美歌の話を書いたところであるが、公園の路上生活者は生活保護さえも貰えないということなのか?路上生活者は、食を乞うてはいないので、先の記事で乞食と表現したことは謝罪したい。ほんまもんの乞食は、生活保護を濫用する連中であるということが良く解った。大阪市の税収の17%が生活保護に使われているという。 数日前、ある市営の病院で働く友人の医者と喋っていた時、その病院には夜に救急車で風邪を見て貰うために生活保護受給者が殺到すると聞いた。救急車をタクシー代わりにするという。若い生活保護受給世帯も多いと聞いた。生活保護受給者は勿論医療費は無料である。病院は、生活保護者には多めに薬を処方すると聞いた。 そして今日のNHKスペシャルでは、テレビ番組としてはかなり踏み込んでおり、社会問題に詳しい人以外にも生活保護濫用の実態の一部分を映し出してくれた物だと思っている。本日の番組においては、外国人の生活保護受給者の実態、在日の人達と生活保護、そして部落問題。そして、それらの利権などについては触れられていなかったのは残念であった。生活保護が勤労可能な人達にまで支給されるようになった経緯には触れられていない。長田区役所襲撃事件などの名前すら出てこなかった。大阪にも、生活保護が簡単に受給できる区とそうではない区があったり、生活保護は役人のさじ加減一つである場合もあるという。四国や中国地方で、生活保護を受けようと役所にいくと、大阪の新今宮までの切符を貰えると言う、笑うに笑えない話まである。 政府はどのような取り組みをしているのであろうか?大阪市は生活保護受給プログラムの問題を解決させるために、さらに多くのプログラムを立ち上げている。生活保護を止めさせて、勤労させれば、生涯で数千万円の違いがある、というのは理解できる。それならば、プログラム自体を止めれば良い話しだ。今後は、孤児育成制度や障碍者基金など、別の形で生活保護にがいとうするような形にするべきである。勤労世帯が生活保護を貰えるのは、部落や在日問題の利権を持つ団体がごねた結果であり、条件が役人の匙加減で決定するような失敗政策が罷り通ってる事のほうが可笑しい。 生活保護政策では病院や薬局が儲かる。政府は色々なプログラムを作ることが出来て、権益を増やすことが...

乞食達の賛美歌

311の地震の後、初めて日本に降り立ったわけだが、ここは大阪であり、被災地に来ている訳でもないので、地震の爪痕は全く見て取れない。相変わらず大阪は景気も悪いが、地震のせいでさらに景気が冷え込んだのかどうかは不明である。市内では意外と大掛かりな建設工事が増えており「ハコモノ」を増産している。 街はというと、小奇麗に新設された場所(JR大阪駅など)に人々が集まっているものの、お金を落としている風には見えない。一方で、昔に賑やかだった場所などで、閑古鳥が鳴いている場所が多く見受けられた。新しい建築物を建てると、少し古くなった商業施設は陳腐化されてしまう。新たな建設はパイを大きくするのではなく、他のパイを食っているだけなのだろう。マーケットが飽和するというのはこういう事を言うのであろう。 新らしい施設に入ると、レストランだけが流行っている。服や高価な物を買う人はいないが、散歩がてらに新しい場所にやって来て、レストランで食事だけ済ますというありがちのパターンだろう。レストランは強気の値段設定をしているし、小奇麗なショッピングセンターにありがちな見た目だけ美味しそうではあるが、実質は安物の食べ物が2000円ほどで出されている。しかし阪急沿線のサバーバン(郊外)に住み、贅沢な雰囲気を楽しむために態々着飾ったマダム達は、2000円を出し惜しみしない。味は不味くなければ良いのだ。雰囲気を楽しみたいのだ。 一方で、私が世界一のランチが食べれると太鼓判を押す北新地には、寒風が吹き荒れていた。サラリーマンの数がますます減り、観光客のような人達が超豪華な1000円ランチを楽しんでいる。割烹やフレンチなど、北新地には最低でも20件ほど紹介したい店があるのだが、当サイトは真剣な食ブログではないので、敢えて記事にはしていない。JR大阪駅での2000円代で食べる見栄えだけのランチ。そして北新地で供されている1000円代で世界一のクオリティを保ったランチ。それでも若者は350円の弁当を追い求める社会の流れ。 大阪の街を歩く。昔流行っていた個人経営の零細飲み屋や食堂は、どんどん潰れている。若者の服装はどんどん貧乏臭くなっている。風俗嬢と一緒に手を繋いでホテルに行く人達をやたらと見かける。寧ろ、道行く若い女の子達が総て水商売従事者に見えてしまう。 公園で面白い光景を見た。基督教のボラン...

多数決で負けたのなら黙って潔く勝者の尻の穴を舐めろ!

自民党でもそうだったのだが、党の中に180度政策を異にする派閥がある。国民は選挙で政党を選ぶのであって、その政党内に色々な政策を掲げるグループがいるとすれば、間接民主主義は全く成り立たない。修正社会主義の鳩山氏や菅氏が掲げていた政策と、リバタリアンの野田氏が掲げている政策では、方向が180度変わっている。選挙を踏まえないで、このような方向性の大幅な変更が行われることは、民主主義の冒涜以外に、なんと表現すればいいのであろうか? 野田氏が民主党党首に選任されたあと、所謂新小沢系の議員が面白いことを言っていた。「コンセンサスが大事」だと。我が国にはおおよそ1億人ほどの有権者が住んでいる。そして、1億のわがままが存在する。他の人がどうなろうと、自分のわがままを通せば得をする。それぞれの有権者が、細かい部位で根本的に利益を異にし、コンセンサスを得ることは難しい。よって多数決というシステムが存在する。「私」と「あなた」は異なる意見を持つ。落としどころは決して見つからない。だから多数決をし、負けたら涙を呑んで、潔く勝った方の尻の穴を舐めて文句を言うな。これが多数決を採用する民主主義という残酷なシステムなのだ。このシステムを理解していない人が余りにも多すぎるし、一部の政治家は、自分のわがままを通そうとして、民主主義を愚弄している。 しかし、問題の根本は、国民自身が「良い政治」なるあり得ない物に幻想を抱き、ひとつの答えがあるかのように考えている。政治とは、「私」と「あなた」で利益が異なる事象の、割り振りを決定するシステムに過ぎない。全ての人にとって「良い政治」など存在しないのである。そのあたりの残酷な現実を認識することなく、美辞麗句に騙されている国民は、「哀れ」の一言に尽きる。

颱風來了!(民主党の代表選挙の結果について)

現在台北にいるのだが、今日は台風11号(颱風南瑪度)が襲来していることもあり外出できず、一日中NHKで民主党代表戦を見ていた。(何故台湾ではケーブルテレビでNHKを見れる状態にあるにもかかわらず、NHKの受信料を払わなくていいのでしょうか?) いくつか驚いたことがある。一つ目は、代表が誰になるかによって、自分たちの未来が左右されるような状態であるという切羽詰った状況であるにもかかわらず、昼寝したりして討論を真剣に聞いていない人達が大勢いたという事実である。あの状況で昼寝できる人間は、政治家失格とかいう次元の問題ではなく、社会人失格である。こういう馬鹿げた人間を社会から抹殺する事が、政治に求められる自浄作用なのだと真摯に考える。 続いて代表候補たちの答弁内容の希薄さである。前原以外の候補は、人情に訴えるような最終答弁をした。これについては、候補者を責めているのではない。候補者が、最後の瞬間に、全世界にテレビ放映されているにもかかわらず、情に訴えるような答弁をしなくては「票に繋がらない」と理解していたのだと思う。それ程、民主党議員のレベルが低いのだと思う。 討論の巧さでは、馬渕候補が他者を抜きん出ていた。立ち振る舞いから、表情の作り方から、喋り方まで、スピーチの訓練をしっかりと受けているのだと思う。細かい数字まで記憶しておいて、聞いている人間を驚かそうという戦術も、スピーチの中級のクラスを取れば教えてくれる。ただ討論自体に誠実性がなく、作り話ではないかと疑うような内容であった。勝ち目が全くない馬渕が立候補した理由は、自身のスピーチの巧さをアピールして名前を売ることが狙いであったと考えられるので、馬渕は120%計算どおりに今回の代表戦立候補の目的を果たした、と考える。 一方で、前原はとんでもなく希薄な政治家であると言う事が判明した。政策のような物を喋っているようであったが、前原は「問題」を列挙しているだけであった。解決方法の道筋を示すのがリーダーの仕事なのだが、問題の解決方法については、「新体制が決める」などと言っているのだから始末に終えない。総理に立候補する人間が問題の解決方法を考えていないと言っているにも等しいのだ。前原はただの評論家であり、政治家ではないという事が世間にしっかりと示された。野田の支援要請を裏切って、自身が担ぎ出される形で最終的に立候補...

浜松南、健闘むなしくカリフォルニアにサヨナラ負け

難敵メキシコに5-2で撃ち勝った浜松南が、リトルリーグ決勝に駒を進めた。相手はアメリカWest、カリフォルニア代表である。 カリフォルニアのブライドン・シャルツマン君のファストボールとスライダーに浜松南は苦しんだ。3回表には藤田君のヒットを、エラーがらみで効率良く一点をまさに捥ぎ取った。 しかし、その裏、先頭のダナー君にホームランを運ばれ、同点にされる。 試合は投手戦に。シャルツマン君と戸塚君の投げあいだった。日本はデフェンスもしっかりしていた。90球を投げて戸塚君は規定で交代。代わった高倉君が6回に、またもやコントロールが定まらない。四球とエラー絡みで満塁に。最後はニック・プラトー君がセンター前にクリーンヒット。2-1サヨナラでカリフォルニアが日本を下した。 試合の後、両者がきちんとお互いを称え合い、非常に気持ちの良い試合となった。カリフォルニアチームの日系、高田亮君が通訳をかって出た事も見ていて気持ちの良いものだった。リトルリーグの熱き戦いは、カリフォルニアの優勝で幕を閉じた。 浜松南は良く戦った。善戦を称えたい。

浜松南、メキシコと再び

サウジアラビア、カナダを敗者復活戦で順調に破った日本隊は、ヴェネズエラとの一戦になった。ベネズエラは延長戦でメキシコに1-2で惜しくも敗れて、敗者復活戦に回ってきた。打撃に定評のあるチームである。 浜松南は3回にスラッガー鈴木君のホームランで3点を先制する。4回は四球から、高倉君の3ランホームランで6-0に引き離す。しかし、浜松南は監督もコーチも野球を楽しもうという雰囲気を選手に徹底させており、見ていて本当に気持ちよい。6回には鈴木君がダメ押しの二本目のホームラン。8-0として試合はあっさり決まったかと思われた。 しかし、ベネズエラも粘りを見せる。コントロールが乱れたピッチャーの岡本君を苦しめ、満塁にしてみせる。そして、ヒットで三点を返す。代わった杉浦君から、センターのナバエスが完璧なホームラン。8-6とされるも、ベネズエラの反撃はここまで。試合は結局9-6で日本が勝った。 明日は再びメキシコと。相手が強いのは分かっているが、浜松南にはリトルリーグ決勝への道を懸けて頑張って欲しい。 ところで、アメリカ側の決勝は、モンタナ(北西)対カリフォルニア(西)となった。カリフォルニアなどは、アジア系やラテン系など人種が混じっている。日系の高田亮君などがいるのだが、南東部やミッドアトランティスなど、アメリカの東部は白人の子供しかいない。こんなところでさえも、アメリカ社会の歪みがはっきり出ていて面白い。

リトルリーグ、浜松南はメキシコに敗れる

私はリトルリーグの世界選手権を見るのが好きで、毎年ESPNで観ている。今年の日本代表は浜松南であり、エリミネーションマッチでメキシコと対戦した。メキシコ、ピッチャーのガルシア君は一回にはかなり緊張していた様子で、ストライクが入らない。しかも、二つのエラーにより、早々と二点を失点する。いつもの日本圧勝のパターンかと思ったが、このメキシコのチームがかなり組織的な野球をするのだ。何よりも内野の守りが良い。日本がバントで二塁手を送ろうとして、ダブルプレーを取ったのは圧巻であった。一方の日本も、ピッチャーの鈴木君が頑張っていたが、メキシコの巧みなバッティングに二点を失い、同点になる。日本の内野の守備も堅く、特に二塁手の松下君か井桁君のプレーが素晴らしかった。 延長戦になり、メキシコに競り負けてしまったが、浜松南チームも健闘した。メキシコは優勝候補の中華台北(要するに台湾)チームを3-0で蹴散らしており、かなり強いと思われる。ここ数年、インターナショナル代表は、日本対台湾という構図が目立ったが、今年は若干違う構図が見られる。 しかし、浜松南の選手が良い。野球を楽しんでいる。良いプレーをすれば笑みを浮かべるし、常にアップで試合をしている。見ていて気持ちが良い。監督もすがすがしく、日本を代表するに相応しいチームだと思う。それに対して、昨年の江戸川南は優勝はしたものの、非常に見苦しいチームだった。選手の子供たちは、何かに恐れてか、決して笑わない。狸のような老いた監督は、世界中で放映されているという事を忘れてか、「あのポンコツ相手に何点でもとれるだろ!」などと、相手を見下したような発言をマイクに取られている。ああいうチームがリトルリーグの日本代表として出て欲しくない。 浜松南はメキシコに負けてしまったが、サウジと戦い、恐らくその後は台湾と戦い、まだ決勝に進む可能性を残している。是非とも頑張って欲しい。

安定させるには民主の田中派と自民党の田中派がくっつくべき

ポスト菅争いが本格化してきているが、候補者が百花繚乱の状態であり、誰が総理の座を射止めるか良くわからない状態になっている。ここで注意する必要があるのは、総理大臣は国の代表であるが、民主党の党代表が総理大臣に指名されるということである。国民にとってふさわしい総理大臣と、民主党内のパワーゲームで支持を得る党代表とでは、まったく異なった軸で物事が動くと言う事を頭の中に入れておく必要がある。 野田佳彦であるが、野田氏の政策は私好みである。野田氏の考え方は完全なリバタリアンであり、市場を認識した上で物事を考えている。大手新聞などに「増税主義者」などといったラベルを貼られ始めたが、増税をせずに日本がやっていける方法があるのなら、是非とも教えて貰いたい。現時点では史上最高のドルに対する円レートを保持している我が国であるが、日本円は何かのきっかけである日突然信任を失って、信じられないような大暴落をする可能性がある。このような事態は不可避だと考えているのだが、増税によって、将来のハードランディングの最悪の事態を避けることが出来るかも知れない。景気が良くなってから増税だ、などと寝ぼけた事を言っている人もいるが、「景気が良くなる」というのはどのような状態を言うのかきっちりと示してほしいと思う。日本は構造的な問題を抱えており、近い将来に景気が劇的に良くなることは決してない。しかし左巻き勢力が渦巻く民主党内において、野田氏は異色の政治家である。野田氏がかかげる政策は、みんなの党か自民党の小泉派のような政策なのだ。修正社会主義を標榜する民主党内で、このような政策が毛嫌いされる事は、大方の人の予想するところだろう。松下政経塾の連中が民主党にいた理由はひとつだけ。自民党には入れてもらえなかったが、政権交代をしたかったという事だ。しかし前原や野田のような「右」の政治家が社会民主主義的な政策を推し進める民主党に何故居続けるのかは理解不能である。早く民主党を脱退して、みんなの党と組むべきだ。普通に考えれば、民主党内で野田氏が選ばれることは無いと思う。もし野田氏が党代表になるような事態になれば、民主党は「右派」と「左派」に分裂せざるを得なくなると思う。あるいは野田が極端に折れざるを得ないのか、どちらかであろう。前原などが第三勢力に担がれでもすれば、野田の目は全く無くなる。 鹿野も難しい。鹿野は...

ポスト菅は馬鹿野郎

これは面白い。

野田総裁で安パイか?

菅直人が居座っているが、霞ヶ関で働いている人達から、菅直人のドタバタぶりを色々リークしてもらっている。そして枝野などは自分の人気取りのみを優先させている為に、大きな見地からの政策が全く立てられていないらしい。税金は自分のお金だと勘違いしているのか、なんでもかんでも補償する。機能不全状態を回復するためには菅直人が辞めるのが一番早いと思われる。「日本を良い国にしたい」、などと馬鹿の一つ覚えのように具体性を欠いて繰り返す人間には早く下台して欲しいものである。そんな幼稚な主観論を言う人間を私は信じない。良い・悪いは人によって、そして時期によって違うため、そんな尺度で政治など切り抜けられる訳がないのだ。具体的な政策を言ってない人間に政治を任せる事はもう出来ない。 菅直人が辞めるのを見越して、野田佳彦が存在感を増している。結果的に、税を無駄遣いしただけであったが、為替介入をしたり、色々頑張っている。官僚や経済界からの受けもいい。バランスが通っている人間である。しかも、民主党にあって、つまらないイデオロギー論争をしたり、夢物語を語らない事が好ましい。ただ、国民が普通だと思う人材は民主党でははぐれるらしい。野田グループは民主党内では強くない派閥である。 いずれにせよ、民主党が続く限り、日本は社会主義的な方向に舵を切っているので、絶対に救われない。民主党が早くに瓦解でもして、野田総裁が「みんなの党」や自民党のまともな連中と組んだりすることを望む。 さっきから言っているが、民主党は、私の常識からは遠く離れた常識を持ち合わせているため、野田佳彦があっさりと次期代表に収まることは無いと思うのだが、どうだろうか?しかし、野田佳彦、代表選のために財務大臣でありながらイチ抜けたは卑怯だと思う。今回の為替介入など、じっくりと検証する暇もなく、後続に引き継がせるというのか?

マーケット暴落

いつもは高いところから余裕ぶってこのブログを書いているのだが、今日は少し余裕がない。スタンダードプアーズに米国債が格付けを下げられたのをきっかけに、今日のニューヨーク市場は「怖さ」が支配して、売りが売りを呼ぶ展開になっている。株の売買をしている人なら解るが、プロはレバレッジを効かせて投資しているので、必要以上にポジションが動くと、直ぐにマージンコール(追い証)がかかってきて、ポジションを解消せざるを得なくなる。だから、売りが売りを呼び、市場では全てが売られてしまう。金以外は全てが値下がりしている状況である。私はベアマーケットのシグナルを受けて、一般的にデフェンシブと思われていたポジションをとっていたのだが、債権まで暴落されて、どうにもなりまへん。 まあ、マーケットは値上がりと暴落を繰り返す事で成り立ってるわけで、周期的に調整が起こって然りである。いわゆるPIIGS,それもギリシア問題で多少株価が下がっていたと言うものの、世界の株価は2009年の三月ごろから右肩上がりで来た訳で、調整は入らなければならない。調整さえ入ればまた買い足せる。しかし、中国経済が減速しており、それが世界に与える影響が今後心配だ。新興市場が飛べば、アメリカ国内に大量のドルが回帰して、全然違ったモメンタムでゲームが再開されることになる。すると、円高はジョークになってしまい、日本はもっと真剣な問題を抱えることになる。

野田は税金で総理の座を買う布石を作っている

財務省が久々に為替市場に介入した。輿論に押された形だが、ある種のスポンサーに支持されているテレビや新聞が形成している円高脅威論なので、まあ推して謀るべしである。 円高介入と言う事は、財務省は円を大量に売って、大量の外貨を買ったと言うことである。つまり、見方を変えると、日本人の税金で集めた金を使って、日本国内では役に立たない外貨を買ったということだ。今回の円高は、恐らくはゼロ金利を長期にわたって行っており、リキデーショントラップに陥っている日本と日銀を、世界中の投資家がホットマネーを使って標的にしているというのが実態である。そうであるとすれば、今回や前回の市場介入は、日本人が納めた税金を、国籍不明のヘッジファンドマネジャーにあげているのと同じ意味になるのである。市場介入を支持している人はこのあたりの事を理解して欲しい。スポンサーの意思を酌んだ大衆が読む新聞やテレビニュースの意見に惑わされないで欲しい。 良い悪いに関わらず、財務省は円高介入に打って出たわけであるが、何故今のタイミングなのか?これまでは市場に任せるだの、何だの言っていた癖に、今回は行動が早い。野田佳彦は、菅直人が首相の座を明け渡して、自分が総理候補になるというのを見越した上での行動であると考える。日本の財界では輸出産業の長達がのさばっている訳だが、そういった連中の支持を得るのが今回の目的であるのは明白だ。一部の企業の儲けを優先させる為に、国民の税金をヘッジファンドに移行させ、総理の座を確保している。このような分析は穿った見解なのであろうか?

ズレンシック、もうええって

私はわざとマリナーズの話題を避けている。口にするのも鬱陶しい。今年はバボヘッドが貰える日に一回球場に足を運んだきりだ。テレビでも殆どマリナーズの試合を見ない。イチローさんも、昨年くらいから三振の数が増えてきた。内野安打も減ってきているし、少し嫌な傾向である。 で、17連敗をしたのだが、まあ実際はオールスターの前ごろまで西地区のトップ争いをしていた方が不思議だった。野村じゃないが、勝つにマグレあり、負けるにマグレなし、とは良く言ったものだと思う。 で、ダグ・フィスターとデイビッド・ポーリーをタイガースに放出する。今年7月くらいまで一点差ゲームを勝ち続けてたのは、一重にポーリーのお陰だった。そのポーリーを放出するの?給料も安いし、なんのために?フィスターも給料安いのに、なんで放出するの?なんで? で、代わりにタイガースから貰うのが外野手の右バッター。キャスパー・ウェルズ。誰それ?はあ?右打者??ただでなくてもパークファクターが極端に投手よりなセーフコで、しかも右打者不利のセーフコで、二人の水準以上のピッチャー売って、何獲って来たの?あんた、外野は人余ってるやんか。サウンダース、カープ、ホールマン、ペゲーロ。フィスターを売る前に、そいつらのうちから誰かを売ったほうがええん違うの?この時期にジャック・キャストを降格させたのも意味不明。それなら初めからブラニヤンと再契約しとけば良かったん違うの?その前にフィギンズやウィルソン売ったらええやんか。 マリナーズ、何がしたいの?任天堂よ。野球経営する気がないのなら、とっととマリナーズをまともな人に売ってくれ。この球団の首脳部はキチガイ。もう試合も見たくない。ずっと避けていた話題だが、もう我慢できない。ズレンシックよ、どっか行ってくれ。任天堂よ。京都に帰れ。

堂山町のガールズバーで暴れたヒキガエル

伊良部氏の自殺に関してのニュースだが、アメリカでは夕方6時台の全国ニュースで大々的に報道された。そんなに注目されていたのかと、結構びっくりした。 双極性障害とはいかないまでも、感情の起伏が激しい人がいる。私の個人的な経験則の統計になるが、日本人にはそういった人は少ない。感情の起伏が激しい人は、日本社会では「修行が足りない」として後ろ指を指される。だがアメリカに来て驚いたのは、そういった人がかなり多くいるという事だ。多分、遺伝的な背景もあるのだろう。アジア人の中では、日本人や中国人には感情の起伏が激しい人は少ないように思えるが、私の知人の韓国人にはこういったタイプの人が有意に多く(alpha=0.01)、人間関係を築く上で困る事もある。もう一度言うが、これは経験に則った確率統計で客観的に分析しているだけであり、社会学的な問題は一切孕んでいない。 過去の言動をニュースで追うと、伊良部氏もこのタイプだと思われるが、まあ、気の毒である。

共和党、分裂か

未だに部分的なデフォルトはあり得ないと信じているが、「ええ加減にせえよ」と言いたくなってきた。本日はっきりと露呈した事は、八百長プロレスのような台本があったわけではなく、下院議長のジョンベイナーは共和党をまとめあぐねている、という事だ。下院にはティーパーティーに支持されて前の選挙で当選した一年生議員が多く、その連中が妥協というものを理解していないのかも知れない。金持ち層に支持されている都市部の古き良きまともな共和党員。ティーパーティーやキリスト教原理主義者の田舎の貧乏人やレッドネック層に支持されている負け組み共和党員。その二つが経済政策になると合意できない。まあ、支持している連中がそこまで違えば当たり前のことではある。貧乏人を取り込んで、政権奪取を謀ってはみたものの、取り込んだ連中に共和党は強請られている。或いは共和党は分裂するしかないのかも知れない。それとも、貧乏な田舎がアメリカから独立して南北戦争でも始めた方がいいのか。いずれにせよネジレ国会は古今東西問わず、碌な結果を生まない。 ただベイナー案が下院を通ったとしても、上院は民主党が過半数をとっており、議長のヘリー・リードはベイナー案は捻りつぶすと言っている。オバマもベイナー案には否定的だ。上院から下院へ、そして下院から上院へ。最近の米国では,八百長試合の事を「Kabuki Dance(歌舞伎ダンス)」と表現する。WWEの八百長プロレスや、相撲のように、結果は予め決まっているのに、わざとごねたりして過度な演出をする時に用いるらしい。歌舞伎は八百長なのか。非常に面白い。民主党がごねて、ナンシーペロシが業を煮やしたヘルスケアの際の、ウォールストリートジャーナルの記事からの引用らしい。しょうもない八百長歌舞伎ダンスはもう飽きた。 ところで、仮にアメリカ国債の格付けが下げられたらどうなるのか、という議論が始まっている。格付けが下がったら世界の終わりがやってくるのか?文科系の知ったかぶりをしている人がごちゃごちゃ言っているが、株価をみても市場はそうは考えていない。第一、日本国債はとっくの昔にトリプルAから転落したが、長期金利は未だに低いままである(ある日突然津波が襲ってくるのだが)。国内で消費されている日本国債と、外国人が保有するアメリカ国債は違う、といったクリシエは言いたい人に好きに言わせておけばよい。 まあ、何れにせよ...

後で書くといっていたのに、なでしこジャパンについては書かないのか?

なでしこジャパンがFIFAワールドカップ決勝で、圧倒的に押していたアメリカチームに勝ってしまった。ラッキーにラッキーが重なって90分を、そしてオーバータイムを同点に持ち込み、シュートアウトでは勝つべくして勝った。スポーツとして非常に面白い試合であった。テレビの前で私はかなり興奮した。準々決勝のアメリカーブラジル戦、そして決勝のアメリカ-日本戦は、私が今まで見てきたスポーツの試合の中でもかなり上位にカウントされるほどの面白い試合運びであった。 面白かった試合について色々書こうと思っていた。しかし日本チームが優勝して以降の、新聞記事報道などを読んで、完全に気分が萎えてしまい、書く気がなくなった。興奮も完全に醒めてしまった。女子サッカーの日本代表は日本に帰って来ると、まるでリンリンとトントンの客寄せパンダのような存在となってしまった。サッカー選手としての尊厳も何もあったものではない。マスコミは糞である。まともなスポーツファンなら大手新聞や民放テレビをボイコットするべきだ。 女子日本サッカー代表、面白い試合をありがとう。

債務問題を真剣に協議すると格付けを下げられると言うジョーク

米国の債務問題だが、選挙前ということで、民主党と共和党の間で揉めている。以前にも書いたのだが、これはただのチキンレースなので問題は絶対に解決する。問題を長引かせる為にやっているだけなのだが、漸く本日ダウが199ドルの下落をして「ええ加減にせえや」というメッセージを発し始めたが、為替相場以外のウォールストリート(NY)は基本的にメインストリート(DC)を無視している。為替相場がテクニカル重視で不快な動きをする事は、そのうちホットマネーやユーロカレンシーと絡ませてレポートするので待っていて欲しい。 日本発の新聞記事を読んでみると「米国債は信用できない」などといった面白い意見が溢れ返っている。「こんな事を続けていると格付けが下げられるぞ」などと言った意見も出始めている。しかし待って欲しい。何故、共和党と民主党はこの問題で揉めているのかと言う根本的な原因は何なのか、という事を考えて欲しい。アメリカは借金を減らすために、増税と支出カットに取り組んでいるのだ。つまり長期的に米国債の信用を取り戻す為に、議会が紛糾しているのである。共和党は大手企業に支持されているので、増税という選択肢を取りたくない。しかも共和党が選挙に勝つには、政府を信じない低所得者ティーパーティーの支持が不可欠と信じており、増税には頑なに反対する姿勢を見せている。一方、労働者の味方である民主党は、金持ちには増税しろというスタンスを貫き、医療保険や年金には手をつけるなと声高に言うわけだ。優れた選挙パフォーマンスだが、米国のサイレントマジョリティーは民主党と共和党の間のチキンレースに辟易としているわけだ。 考え方によると、この問題は非常に面白い。国家の債務について真剣に議会で議論すれば、増税をするのか歳出を減らすかで、色々な利害関係が絡んで紛糾するのは当たり前であろう。しかし、なんらかの合意が形成されれば、それは国家の債務問題に対する緩やかな解決策となるわけだ。しかし経済誌以外の新聞記事は、議会が紛糾していることで格付けが下げられる恐れがある、というような結論になっている。とすると、日本のように問題を先送って、リスクを将来に投げかけるほうが良いという事になるのだろうか?国の債務問題に関して、少なくとも真剣に議論をしているアメリカのやり方が健全なのだと思う。アメリカは人口も増えており、潜在成長率も高い。百万が一、短期...

死刑廃止、キリスト教に縛られた欧州の考え、そして日本社会

100人近い人間を殺した男を死刑に出来ない社会。その原因が砂漠で生まれた旧約聖書的な考え方をキリスト教に翻訳する際に、誤訳してしまったという冗談に根付いている可能性がある事を述べた。ヨーロッパ社会は基本的にキリスト教の殻の外で社会システムを構築することができない。しかしそういった事実を見ないで、ヨーロッパの法律や社会システムが日本を含めてアジアのそれよりも優れていると信じ込み、無防備に日本に輸入するべきだと唱える日本人が私のまわりにたくさんいて鬱陶しい。特に欧米諸国に修士課程で留学してきたような日本人が、新しい物の障りにだけ触れて自分が偉くなったような錯覚に陥り、そういった欧州優位論的な考え方を抱く場合が多いように見受けられる。地面の上で咲いた花だけを見てはならない。根はどこで水を吸っているのかという事を理解しなければ話にならない。 以前からこのブログ上で書いているように、いわゆる「文学系」の人達を私は小馬鹿にしている。ここでは話を簡略化するために、論理思考能力に少々問題がある人達を「文学系」という比喩で括ってしまう。あくまで「文学系」はメタファーであるという事に注意して読み続けて欲しい。別に、文学部や哲学科や教育部などで勉強している人、或いは勉強してきた人達を差別する為にこういった表現を使っているのではないという事は予め断っておく。数学や科学を勉強しているのに「文学系」である人も多く見られるが、平たく観察するといわゆる文系の学部にそういった人達が多いので、「文学系」という表現を使う。 昔テレビに出ていた自称「教育家」の人が言っていた馬鹿な話を思い出す。「何故人を殺してはいけないのか」という質問に対して、答えられない子供が大勢いる、と言うことで嘆いてみせたのだ。逆に、その質問に論理的に答えられる子供がいるなら連れて来て欲しい。その教育家の答えは「当たり前のことだから、当たり前だ」と言うものであった。答えられる、答えられない以前に、その人の解答は答えにすらなっていない。やれやれ。これだから「文学系」は…と私が思ってしまう所以である。 この問いに対して「自分勝手に他人を殺すことを認めると、安全な社会が成り立たないため、人を殺すのは良くないといったルールを予め設定した社会の方が全体的に効率が良い」、というのが私の解答である。しかしながらこの文脈には多くの縛りを忍ばせている...

揚水発電を使う??

揚水発電を積極的に使え、などとほざいている人がいるが、揚水発電がどれほど効率が悪い発電なのか御存知だろうか?原発や水力や風力は夜間に抑えることが出来ないので、夜間の余剰な電力で水を下から上に移し、ピーク時に下に落として位置エネルギーでタービンを回すと言うのが揚水発電だ。エネルギー的に非常にロスが多い発電方法である。 現在、原発が死んでいるので、揚水発電を使おうと思えば夜間に石炭を燃やす必要がある。どれだけエネルギーを無駄に使用するのか解った上で発言しているのだろうか?そんなことするくらいなら個人が自家発電機を買うか、電気以外のエネルギー使うかすればいい。大手新聞の記者はもう少し真面目にエネルギーについて勉強したほうがいいのではないか?第一、毎日新聞は専門家の話によると、みたいな表現をしていたが、専門家がこんな事すら解らないのか?ただの胡散臭いNGO代表とかに聞いただけではないのか?

何故そこまで欧州は死刑廃止にこだわるのか?

ノルウェーのテロリストは、禁固二十一年しか喰らわないことを熟知した上で、大量虐殺後にすんなりと投降して、司法の場で自分の意見を発表しようという魂胆であったようだ。つまり、リベラルな刑事法がこういった大量虐殺を助長したと言っても過言では無いわけだ。新聞各社や、テレビ局は、このテロリストの「動機」がどのような物であったかを報道しているが、「気違い」の取るに足らない考えを、公共に対して発表する必要は無い。キチガイの意見を書くことこそが、民主主義の敗北に繋がると私は信じているし、それこそがこのテロリストの本意にするところだったのだと思う。こういう事に感化されて、模倣する人間も出てくるので、メディア側も厳重にこの事件に対処して欲しいところだ。 我が国では、一部の左翼などのみが唱える死刑廃止論であるが、何故ヨーロッパなどではここまで死刑廃止に拘っているのかは御存知だろうか?日本とアメリカ(テキサス州)が死刑を継続しているのに、何故大半の発展国が死刑を廃止しているなどと言うのだろうか?だが実態は、キリスト教やユダヤ教の影響を受けている多くの国が、その宗教上の理由から死刑を廃止していると言った表現が適切であると思われる。 モーゼの十戒には「汝、殺すこと勿れ」と書かれている。キリスト教を信じている人には、この言葉の縛りから抜けられない人がいるのだ。それはカミユの異邦人を読んでも明らかだろう。殺す事は神の命令に反する、よって国家が殺してはならない、と。勿論、こういった議論を中心に、そこに肉付けがされており、現在の死刑廃止論は多種多様にわたっている。 モーセの十戒には二つの異なる訳が存在する。「You shall not kill」と「You shall not murder」である。前者は「汝、殺すこと(kill)勿れ」となり、人を殺してはいけない事になる。だが、これはヘブライ語からヨーロッパ言語に翻訳する際に誤って訳したものであり、ヘブライ語の旧約聖書には後者の「汝、殺人すること(murder)勿れ」と書かれているわけだ。多くの欧米人は、”You shall not kill”の形で十戒を理解しており、誤訳の縛りから醒められないという、冗談にならないような状態になっているのである。マーダー(悪意を持っての殺人)とキル(ただ単に殺す)とではかなり意味が異なる。 EUなる共同体を作る際、...

ノルウェーはミッキーマウス国家

新聞やブログを読んでいると、ノルウェーを過大評価しているとしか思えない記事が目立つ。しかしノルウェーの実態はミッキーマウス国家であるのだ。第一に、人口が少ない。500万人に満たないのだ。福岡県民や北海道民よりも少ない人間が一国家を形成しているのである。偏西風の影響をもろに受け雨ばかり降り、バイキングをルーツに持つ漁業国家であったが、北海油田の発見で全てが一変する。今日では一人当たりの豊かさが世界でも5本の指に入る国家に変貌したのだ(勿論、分母は少ないのだが)。 ノルウェーがユーロ諸国の主要国家として外交などで活躍したところは見たことがない。ただ年に一回、ノルウェーが主導権を握る国際イベントがある。それはノーベル平和賞である。ノルウェー政府はここぞとばかりに、毎年頑張って外交ネタを提供しているが、私の知り得る限りノーベル平和賞は基本的にジョークでしかない。ノーベル平和賞を貰った人間や団体の顔ぶれを見ると、ノルウェーがどれほど外交音痴の田舎物かは理解できるはずだ。オバマやアルゴアに授与したまでは悪いジョークで済まされるが、アラファト、核保有推進派のIAEA、太陽政策の金大中、レイプをする国連平和維持軍、ジミーカーター、佐藤栄作。アホか、と言いたい。その癖、英国の怒りを買うのを恐れてか、ガンジーには平和賞は贈与していない。 私にはノルウェー人の良い友人もおり、ノルウェーに対して全く悪い感情は抱いていない。しかし今回の事件をしっかりと理解しようと思えば、ノルウェーという国がヨーロッパの中でも外交音痴の人口が少ない田舎物のミッキーマウス国家であるという事はきちんと認識しておく必要があろう。金持ちの高福祉国家という顔だけがノルウェーではない。

リスクを取って大飯4号と高浜4号の定期検査を1ヶ月半遅らせる事は出来なかったのか?

「合理主義市場経済」の想定の下では「リスク」を増やせば「リターン」が高くなる。合理主義市場経済とは、権利を金銭で取引する事ができ、関係者全てが全ての情報を有しており、取引にかかるコストが掛からない時の事を言う。 この関係が成り立たない事件が起きると、左翼的思想の人や経済学に疎くて正義感の強い人達は、「市場経済は糞だ!」などとシュプレヒコールを上げる。例えば、福島第一の問題であるが、東京電力はリスクを無視して、リターンのみを享受していた、よって市場経済に問題がある、などと言った意見を言う人が出てくるのだ。サブプライムの問題の際にも、サブプライムのリスクが解っていたくせに、どうなっているんだ!などと言った声が聞かれた。 これは短期利益を追求した結果でも、市場原理が働いていなかったからでもない。結論は「合理主義」が歪められているからだ。「リスク」と「リターン」のトレードオフは、一個人には常に成り立つはずだ。しかし、ここで古典的なエージェントの問題が発生する。要は、会社の利益と個人の利益、会社のリスクと個人のリスクが合致しないような事態が多々発生するのだ。どんな人々も、常に個人の利益を最大化することに全力を尽くす傾向があるので、個人の懐を肥やした故に、会社が大損を被る、といった問題が発生してしまうのだ。東京電力の利益と、政府(社会)の利益が同じ方向に向かわなかったこともエージェントの問題であった。 それを規制するのが法律である。そして、会社はコーポレートガバナンスを的確に行い、会社の利益と個人の利益、そして個人のリスクと会社のリスクを同じようにする仕組みを行わなければならない。 ただ日本中、あるいは世界中を見渡せばわかるが、政府はどちらかというと大企業に有利なように法律を曲げて、会社にリスクを負わせないようにする傾向がある。例えば、東京電力の原子力損害賠償の件などは、一体国は何の権限があってあのような馬鹿げた法律を作ったのか意味不明である。ソフトバンクに対して行おうとしている太陽光エネルギー完全買取政策にしても、こんな国民側から見て不平等な政策はあり得ない。 リスクとリターンをきちんと判断して、そういった事に対して的確な判断を下すことを政治に求める。そして、リスクとリターンの間のエージェンシー問題が発生しないような法律作りを政府に願いたい。 何故だかは解らないが、定期点検中...

全日空と子会社LCC:ピーチとエアアジアジャパン

全日空が香港の投資会社と組んで格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーションを立ち上げている。拠点は関西空港にして、今年の末ごろから札幌や福岡を皮切りに、来年には漢城の仁川空港や香港、グアムなどに格安飛行機を飛ばすということである。 それだけでは飽き足らず、全日空はエアアジアと共同で、成田空港を拠点としたLCC、エアアジア・ジャパンを立ち上げると言う。余談だが成田と大阪を2000円+税金くらいで飛ばすつもりということだが、こだわるようだが、それでもJRはリニアモーターカーを作る気なのだろうか? さてここで問題なのは、全日空は既存の「オールニッポン」ブランドと「ピーチ」や「エアアジア」ブランドとをどのように差別化できるのか、という事だ。そして自らの派生である「ピーチ」や「エアアジア」によるカニバリゼーションに晒されないのか、といった疑問も残る。デルタ航空の「Song」、ユナイテッドの「テッド」、ブリティッシュエアウェイズの「バズ」など、既存大手航空会社が打ち出したLCCの失敗例は枚挙に暇がない。上記の二つの難題をクリアできた既存航空会社は皆無に等しい。 簡単そうに聞こえるのに、何故差別化できないのか?一つ目の理由が、航空会社ではなく、航空機を利用する顧客に問題があると思われる。つまり「安けりゃサービスを落とす」という売る側からすると当たり前の考え方を、顧客の側は一切受け入れられないのである。私も「Song」などに乗った事があるが、飲み物が出てこないなど、ただ単に「せこい」としか感じられないようなサービスのグレードダウンが見て取れた。コーラを一杯ケチったからと言って、航空会社はいくら得するのだろうか?どうせスチュワーデス(差別用語)はする事がないのだから。 さらなる問題は、既存の大手航空会社のサービス自体が、最近では国内路線を中心にLCC並み、或いはそれ以下になっているということだ。荷物は別料金。飲み物や食べ物も別料金。新聞はない。映画もない。このような傾向が見て取れる中、新規に立ち上げるLCCのサービスは、これよりさらに悪くなるのだろうか? 一部のLCCが成功している秘訣はとても簡単である。発券などを旧来のシステムを使わず、独自のホームページで行う。余分に発券して、オーバーブッキング覚悟で満席近い状態で飛行機を飛ばす。価格を巧くいじって、空席がないように調整する。しが...

100人近く殺しても、ノルウェーでは最長21年の服役

ノルウェーのオスロ市内での「肥料を使った爆破事件」および「労働党キャンプにおいての青少年大虐殺事件」であるが、このような事はどこででも起こりうると思う。社会に対する不満だの、移民政策がいけないだの、キリスト教保守系だの、原因については色々言われている。労働党主催の青少年キャンプを狙ったことなど、まあどういった物を敵視していたかは明白だ。平和で豊かななノルウェーでこんな事が起こるわけがないと信じられていた、などと言った的外れの意見も聞くが、こういうことは当たり前のように起こりえる。(日本で地下鉄サリン事件が発生した際も、世界の多くのメディアは日本でそのような事件がおこるわけが無い、などと呑気な事を言っていた。)ただ、犯人が綿密に計画をほどこしていて、とても効率的に青年達を撃ち殺したという事で、今回の事件は際立っている。無実の人々を大勢殺すことをテロリズムと呼ぶならば、この事件は間違いなくテロリズムである。 私がびっくりしたのは、このとんちきテロリストが、ノルウェーの刑事法によれば最悪の場合においても21年(!)の服役で赦されるという事である。これがヨーロッパ社会なのだ。私はこのブログ上で事情の全く異なったヨーロッパの猿真似はするなと警鐘を鳴らし続けているのはこういうことである。日本の一部のインテリ層はヨーロッパのシステムを日本に輸入したがるが、北ヨーロッパのシステムが良いとは限らない。 ノルウェーは、北海油田のおかげで近年特に潤っており、世界でも一人当たりの富がもっとも高い国のひとつである。一人当たりのGDP額面価格でみると世界二位。その分物価も高く、一人当たりの購買価格平均(PPP)GDPではシンガポールの下の4位に落ちる。まあそんなことはどうでもいいが、国の富に関係なく、こういうことはキチガイの個人やエキセントリックな団体により世界中のどこででも起きるということだ。そして、そういった奇妙な結束や考え方に引かれてしまう個人も多くいるという事がこの世の現実なのである。 こういう事がおこるたびに、村上春樹の小説が頭を過ぎる。閉じた世界に潜ってしまい、出口を見つけられない人達の。そしてリトルピープルなどの言葉に踊らされて、システムのルールに忠実となる人達だ。阪神大震災を目の当たりにし、そしてオウム真理教の事件を多感な思春期に経験し、村上春樹の小説を好んで読み漁...

アリューシャン列島の火山が噴火か?

アラスカのクリーブランド火山に大噴火の兆候が見えていると言う。3月にあれだけ大きな地震があったので、環太平洋リングのどこで火山の噴火が起こっても驚かないが、アリューシャン列島での大噴火は太平洋間の航空飛行に莫大な影響を齎す可能性がある。 クリーブランド火山の位置は、アラスカのアンカレッジから1500Kmほど北海道側に行った所である。アリューシャン列島のちょうど真ん中くらいに位置する。間太平洋路線の航空機の通路にあたるのだ。火山灰が空に撒き散らされたりしたら、数週間、周辺地域を飛行できなくなる可能性がある。トランスパシフィック路線はローコストキャリアー、いわゆるLCCにもまだ汚染されていないため、基本的には飛行機会社にとってはドル箱路線だ。それが寸断されれば、色々と経済的な問題が起こりうる。アメリカから日本に行くのに、わざわざハワイ経由とか、時間の掛かることになりかねない。 昨年の4月に、用事でドバイに行った。行きはデルタとロイヤルダッチに乗ってシアトルからアムステルダム経由でドバイに向かった。アイスランドの上空を飛行中は、座席のモニターで地図を見ながら、エイヤフィヤトラヨークトル火山が爆発したという事をジョークとして考えていた。ドバイで用事を終えて、帰路に着く終日前、事態が深刻化した。イギリスや北ヨーロッパの主要空港が軒並み閉鎖されたのだ。私もアムステルダム経由だったので、アウトであった。 最低二日はどうにもならないとの事だったので、諦めて色々観光を楽しんだ。オマーンに行って海水浴をしたりした。ホテルのプールは、安物の市営プールのような混み具合である。と言うのも、ヨーロッパ人が何も出来ず途方に暮れて、プールで泳いでいるからだ。プールでは泳いでも、観光する気にはなれないようだ。 結局、二日後に、デルタ航空が、アトランタ行きを手配してくれて、私は砂漠に佇む人工張りぼて人工巨城をあとにしたのだが、アトランタ行きの飛行機は、火山灰を迂回して、最短コースではない北アフリカ上空あたりを飛ぶ。フライトは17時間に及び、機内で4回不味いものを食べさせられた。そこまで長いフライトを体験したのは初めてであった。私の場合は、人の金でドバイに滞在していたので、痛くも痒くもないどころか、滞在日数が増えて喜んだのだが、忙しい人達や自費を削っている人にはかなわない話だ。 まあ、こういう経験もあっ...

マードックはいうなれば世界のナベツネ

ルパート・マードックのニュースを見ていて思うことだが、「普段の態度」という物が危機状況に瀕した時に大事なのだ、と痛感した。ニュースの報道を見ていただければ解るが、メディアは全てマードックの敵である。マードックの奥さんである、ウェンディーがクラウチング・タイガー・アンド・ヒドゥン・ドラゴンばりのカンフーでパイ男にビンタを喰らわせたくらいしか、ポジティブなニュースはない。 勿論、フォックスニュースなどを経営するオーストラリア人のマードックは、他のメディア会社からすれば宿敵になる。商売上の理由で叩いているのだが、マードックのぞんざいな態度ゆえに、メディアが余計に面白がって取り上げている事実も否定できない。敵はあまり作らないにこした事はないと思う。 読売新聞が問題を起こして、ナベツネが国会などで叩かれ、それを過剰に他のマスコミが報道を続ける。そういう情景を思い描いて頂ければ、今回の事件は理解しやすいと思う。

増税の仕方に注文をつける

私は民主党政権に辟易としている。菅直人が居座っているからでも、原発対応が遅いからでも、在日外国人に参政権を渡すからでも、消費税を上げようとしているからでもない。理由は、民主党が潜在的に「結果平等社会」を築こうとしているからだ。 日本の将来を考えた時に、社会保障や政府支出の削減と平行して、残念だが増税は避けては通れない。与謝野や民主党は、タバコ税・酒税や賭博税などを増やすことを論っている。要するに、取れるところから取ろう、といった考えである。私はタバコは吸わないし、酒も嗜む程度である。しかし公平性を鑑みると、馬鹿げた増税であると言わざるを得ない。私は以前から当ブログ上で指摘しているのだが、政府や自治体・警察などは、無用な禁煙・禁酒圧力をかけている。何故か?そういったものの規制はやる意思さえあれば簡単に出来る。国に雇われている人達は、そういうものを規制すると仕事している気分になるし、こういった規制は一部の人に評価されるのでやっているだけである。その代償は、酒・タバコ・賭博などに関わる商売のパイを確実に狭めている。それらと密接に関わっている個人経営や零細の商売は、政府に邪魔されているのと等しいのだ。霞ヶ関や永田町には「小さな人達」を守ろうとする発想がまるでない。一部のクリーンな人達は、真剣に、酒・タバコ・賭博を悪の所業と看做しており、増税にかこつけてそれらを社会から抹殺しようとしているようだ。だが、そういった問題と増税の問題は別の話で議論されるべきである。もし増税によって国の収入が増えなければ、増税する必要性がない。健康問題はお門違いだし(タバコを吸わさなければ医療負担が減るらしい(笑))、第一に日本にはアメリカのような禁煙利権(大麻業者と禁煙弁護士)も存在していない。誰も儲からないことを真剣にやろうとしているのが、永田町と霞ヶ関なのだ。 一方で、アルバイトやパート受給者がほぼ無税で罷り通っている事態は看過できない。なぜ、学生や不法就労でバイトをしている人達は所得税を免除されるのか?全く筋が通っていない。ウェイトの議論はさておき、社会に参加して、インフラを享受している人達にはぬかりなく税金を課すべきである。サラリーマンのように、取りやすいところからだけ取るのではなく、正規・非正規・バイト・違法就労・個人経営・公務員・農業経営・宗教法人などに関わらず、公平に税金を毟り取る(...

安全保障としてのエネルギー問題

食料を輸入するなどと言った議論をする際、すぐに安全保障の話を持ち出す輩がいる。食料の自給率を上げるのは、安全保障上当たり前だ、という訳だ。国内で食料を調達するのが多少高くついたとしても、安全を金で買っているだけであり、保護貿易は正当化されるべきだ、というのがもっともらしい議論となる。 しかし、食料は比較的容易に備蓄できる。そして仮に世界的な危機が発生し、食糧の輸入が滞るような事態になれば、私達は高級品の消費を止めるだろう。フランスからワインやフォアグラを輸入したり、メキシコからホンマグロを輸入たりは出来なくなる。その上で、国内で普段は利用されていないような食料資源を探し始めるだろう。しかし万が一、そういう事態に陥った時には、国内流通が確実に機能しなくなり、消費者に食料が届かなくなる。ただ、日本全体を平たく見た場合に、食料の絶対量が足りなくなって国民が餓死するような事態が起こる可能性は極めて低い。輸入が完全にストップして、不便を強いられたとしても、カロリー換算で一年ほどは軽く持つだろう。 仮に最悪の事態が発生したとしよう。食料が輸入できず、餓死者が出るような事態だ。私は断言できるが、その前にエネルギーが底を突いており、その時点で日本の社会は完全に終わってしまっている。エネルギーは食料と比べて備蓄が難しく、世界的な危機が発生した場合、日本は外国にエネルギー源の多くを頼っているわけであり、数日から数週間のうちに文化的な生活に終わりを告げなければならない。 1930年代から40年代の始めに、日本はそういう事態に巻き込まれたわけであり、結果的にそれがどのような事態になったのかは歴史に学んで欲しいと思う。 エネルギーと食料のどちらが優先事項かと問われれば、私はエネルギーであると断言できる。電気は生活の根幹を成すエネルギーである。福島第一の問題以降、感情的な意見や、菅直人の居直りなどで、エネルギー政策が揺れつつある。エネルギーポートフォリオを未来志向で見直す事は必要である。しかし、孫正義がしゃしゃり出てきたまでは良かったのだが、民主党が孫正義プランに全面的に乗りかかって不明瞭な予算をつけようとしたり、電力会社が原子力の重要性を誇示する為に関西地域にまで節電要請を出し始めたり、停めていてもどうせ危険な原発を定期点検後に再稼動させることを邪魔したり、非理性的な事態があちらこちらで起こ...

脱原発三国同盟というジョーク

ドイツやイタリアは脱原発を果たしたので見習うべきだ、などと言った幼稚な意見を言う人が回りに結構いる。ドイツやイタリアが果たしたのは、「NIMBY」である。Not in my back yard、つまり自分の裏庭でやらないならOKという事だ。実際ドイツやイタリアは原発で作った電気をフランスから買い続けている。ドイツは脱原発を掲げているが、いまだに原発は稼動しているし、二酸化炭素の問題などから原発再開を望んでいる人も大勢いる(色々な意見の人がいるのは当たり前のことだ)。ドイツやイタリアがやっている事は、リスクはフランスに押しやって、自分達は善良なフリをしているだけなのだ。 EUを一つの巨大な国家であると看做した場合、ドイツとフランスの国境など、今日では県境程度のものだ。東京の人は、原発を新潟や福島に押し付けて、電力だけを享受しているといった批判をする人がいる。ドイツやイタリアがやっていることは、東京に住む人達と何が違うのか? 私はイタリアに暫く住んだことがあるのだが、当地の電気代は馬鹿高かった。ユーロ高を勘案しても、日本よりも電気代は高いはずだ。私が言いたいのは、ヨーロッパにはヨーロッパの事情があり、日本の事情とは大きく異なる。なんでもかんでもヨーロッパに習えと言っている日本人の似非インテリ層には辟易とする。ジョークであるが、日本がドイツとイタリアと組んでも碌な事にはならない筈だ。それよりも、東京・大阪・ドイツ・イタリアで同盟を組めばいい。福島、新潟や福井、フランスにリスクを放り投げて、金で安全と電気を買う「リスク回避NIMBY同盟」として。

絶対に安全が保障されているゲームで市場が荒れる

ギリシャ債権問題の第二次救済案が愈々煮つまろうとしている。ギリシャ問題は、アメリカの8月2日問題と同じで、「絶対に解決する問題」であるため、投資家も投機しやすいようだ。日本の地震やジャスミン革命など、真剣に将来予測が困難な物については様子見をするのが市場である。しかし、ギリシャやアメリカの債権問題は短期で見れば、絶対に解決する問題であるので、政治家に無意味なプレッシャーをかける意図もあり、市場が乱高下している。長期投資家であれば、一件落着に全部を賭ければいいし、短期投機家の人はボラティリティーで遊べばいいのである。郵便局に貯金したり、生命保険にお金を入れたりするのは平気なのに(実は危ない日本国債を買われているだけ)、ユーロや米ドルの債権が債務不履行を起こす展開を心配しているというのは、自分の心配をよそに他人の家の懐事情を気にしている皮肉な行為だと思うが、どうだろうか? ただ今回一つだけ気になる事は、デフォルト(債務不履行)の扱いだ。金融が専門ではない新聞などを読んでいると、デフォルトが起こると世界の終わりがやって来るようなストーリーが仕上がっている。そもそも、デフォルトか否かという極端な世界のみが存在するのではない。デフォルトは債権の紙屑化を意味するわけではない。たしかにそういう事態が過去に何件か起きている。しかし、債務不履行には色々なレベルがある。履行遅滞や不完全履行もデフォルト(債務不履行)の一種である。 ギリシャの場合は、銀行などの大口投資家のクーポンを少し減らしてもらう、などと言ったデフォルトが起こる可能性が示唆されているが、債権自体が紙屑化するわけではない。アメリカの場合は選挙前なので、共和党も民主党も引くに引けず、下手すると期日の8月2日までに法案が通らずに、クーポンの支払いが一回遅れる可能性が出る、というだけの話である。 問題は、そういう事態が起これば格付け機関が該当する債権の評価を落とすことで、投資家のリスク判断が上がり、割引率を上げざるを得なくなり、債権のフェアバリューが落ちてしまうという事だ。市場は全てが繋がっているし、レバレッジが働いているので、それが原因で世界規模の金融不安が起きる可能性がある、と言われているわけだし、そう言われている故に、多くの投資家が好む好まざるに関わらず、市場全体のインプライド・ボラティリティーを上げているのだ。すでに最...

なでしこ、ワールドカップファイナルを制す

なんと、撫子がPKの末に勝った。USAが完全に押していたし、技術面でもアメリカの方が上だった。 試合開始から何かが憑いていたとしか思えないような場面が多くあった。アメリカのゴールは悉く、何かによって妨げられた。PK戦でアメリカが三人連続で外したのも奇妙であった。 一方日本側はチャンスとも思えない場面から、根性でボールを押し込んだ。このブログを読んで貰えれば解ると思うが、私は客観的に見て理性的である。しかし今日の試合には「何か」があったとしか思えない。「何か」が日本側に憑いていたのだ。 不思議な試合だった。少し興奮していて纏められそうにない。落ち着いてからもう少し書き加える。 ただ両者共にクリーンな試合で、決勝に足るものだった。勝者の日本、そして負けたアメリカ、両者に祝福の拍手を送りたい。

FIFA決勝、同点のまま延長オーバータイムへ

前半を見ていたら、アメリカが圧倒していた。日本とは違ったレベルでプレーしていたという方が適切であったかも知れない。何度もアメリカ選手がゴールを脅かしたが、その都度、海堀とゴールバーが天の力を借りて失点を防いだ。 唯一ともいえるチャンスも、オフサイドをとられる不運があった。安藤に何度かボールが回ったが、絶望的なシュートを撃つのが精一杯だった。 後半戦、徐々に日本のゴールポセッションが多くなり始めたが、ラピーノのパスを受け、熊谷を抜いて一人になったアレックス・モーガンが果敢にゴールに走りこみ、完璧なシュートを決められた。全ては終わったと誰もが思った。 しかし永里と丸山を入れてから、日本のパスが通るようになる。アメリカのビューラーがクリアミスをし、クリーガーが再度のクリアミスをし、そのこぼれ球を宮間が押し込み同点に追いついた。今日は鮫島がサイドでいい動きをしている。 試合は延長に入った。日本にいる人もそろそろ起き始める時間ではないか?試合が面白くなってきた。

FIFA決勝、アメリカ対日本、ハーフタイムにて。

結局、こっそりラップトップでESPN3を見ることにした。アメリカ対フランス戦はローレン・チェーニーが開始早々、ほとんどフランスのオウンゴールのような大勢でゴールを決めて、アメリカが先制。その後もアメリカが確実に押していたものの、膠着状態が続く。後半、フランスはソニア・ボンポスターがシュートを決めて同点に。だが、攻め続けるアメリカ。79分には後半から出場の金髪ミーガン・ラピーノのパスを怪物アビー・ウォンバックがヘディングで勝ち越し。その後もアメリカの一方的なペース。すぐさま、82分にはアレックス・モーガンがキーパーが前に出たところをきっちりとゴールを押し込んだ。アメリカ、無茶苦茶強いです。点数以上に圧倒していました。ボールはキープできる。デフェンスも穴がない、そして何より、撃てる。しかし、ラピーノが巧い。後半にラピーノを入れてからアメリカの押し方が変わりました。 一方、撫子はスウェーデンと戦ったわけだが、スウェーデンチームはフォーワードやミッドフィルダーに穴があって、日本チームが完璧にボールをコントロールし続けた。圧勝といって良い内容。ただ、アメリカ相手であそこまではボールをポセス出来ないだろう、というのが私の正直な感想だ。 現在、日曜のお昼。ESPNで日本対アメリカ戦を見ており、ハーフタイムに入ったが、やはり日本は自分達の巧いパス回しをさせてもらっていない。先発になったラピーノが効いている。アメリカはチェーニーが怪我で下がったのでどうなるのか見ものです。

FIFAサッカー、アメリカがシュートアウトを制す

昨日の日本女子の快進撃で酔いしれているところだが、ドレスデンではアメリカ対ブラジルの試合が行われた。審判の試合運びなど、疑問符がつく試合ではあったが、PK合戦の末、アメリカがブラジルを破り、4強に駒を進めた。準決勝は、日本対スウェーデン、そしてフランス対アメリカとなった。決勝で仮に日本対アメリカなどになれば盛り上がるだろう。 開始二分、ブラジルのゴール前で横に飛んできたボールをダイアンがクリアしようとして運が悪くオウンゴールとなり、アメリカが1-0でリードを奪った。 後半である68分には、微妙な判定ではあったがアメリカ選手のビューラーがペナルティーエリア内で取られる。しかも、レッドカードで退場。ブラジルにペナルティーキックのチャンスを与えた。マルタのペナルティーキックであったが、ゴーリーのソロが止めた。素晴らしいプレーにソロは吼えている。しかしアメリカの選手がマルタが蹴る前にラインを越えたという事で、プレーは無効になる。そして蹴りなおし。マルタが蹴ったボールはゴールに突き刺さり、アメリカの全ての選手が無念さを表す。以降、アメリカは10人で闘うことになる。 そのまま1-1でレギュラータイムが終わり、延長戦に入る。延長開始2分、どう見てもオフサイドだったが、マルタが振り返り際にゴールを決める。審判はオフサイド判定をとらず、ブラジルが2-1に。そして、そのまま試合が終了するかと思われた。延長30分を経過し、アメリカの負けが確定したように思われた。しかしロスタイムが二分過ぎ、要するに122分、ミーガン・ラピーノのクロスを、アビー・ウォンバックがゴールキーパーの前からヘッドで美しく決め、なんとアメリカが終了間際に同点に追いついたのだ! そしてシュートアウト。ブラジルもアメリカもそれぞれの選手が確実に決める。ブラジルの4人目、ゴーリーのソロが再度のファインプレー。右側に来たゴールをはじき返す。その後、アメリカの二選手がきっちりとペナルティーを決め、4-5でアメリカが次の試合に駒を進めた。ドレスデンの奇跡、などとESPNは言っていた。 何も知らないので、今回の女子ワールドカップは先入観無しにスポーツとして楽しめる。準決勝、決勝ともに楽しみである。

なでしこジャパン、女王ドイツを粉砕

ESPNでFIFA女子サッカーの準々決勝を見ていた。3時にシアトルに行かなければならない上に、この週末は520の吊り橋が使えないために遠回りしなければならないので、遅刻すること確実だ。しかし、日本のパス回しは良かった。しかも適度なフィジカルなプレー。ドイツを完全に上回っていた。特に前半戦は完全に日本のサッカーだった。 オーバータイムに圓山のゴールが決勝点になったのだが、テレビでスポーツ観戦して、手に汗を握ったのは久々だ。日本チームにはおめでとうといいたい。水曜日、オーストラリアかスウェーデンと戦うのだが、朝11時頃からの試合になる。どうやって観るか現在検討中。結果を見ないように頑張って家でリプレイを観るか、或いはジムにでも行ってセカンドハーフくらいをテレビ観戦するか。それともオフィスでESPN3を観るか、 明日はアメリカ対ブラジル。こっちも見逃せません。日本が決勝で当たるかも知れないし。

JR東の鉄道復旧、効率が悪い半国営企業

津波の後、三陸地方の沿岸部の鉄道路線が壊滅的な被害を受けたのは記憶に新しい。JR東の清野智社長は4月の定例会見で、「責任を持って復旧させる」と明言した。その会見をニュースで知った際に、私は違和感を感じざるを得なかった。普通の感覚を持った一般の民間会社の社長がこのような発言をする事はまずあり得ないと思う。当時、東電の腐敗体質が連日槍玉に挙げられていたので、東電やJR東などの偽民営企業の傲慢体質について思いを巡らせた。 JR東が地震や津波によって負った金額的被害は莫大なものだ。清野は「責任を持って」復旧させるといったが、清野の言う責任とは、「金額的負担の責任」なのか、或いは「政治力学的な責任」なのか。JR東は民間会社という事になっているので、普通の感覚を持ってすれば、「金額的負担を言っているもの」、と考える。ただJR東が優良黒字企業だからといっても、公表されている財務表を見れば単独で復旧の責任を持つ事は不可能である。 毎日新聞によれば、被災した鉄道の復旧には国と市町村が事業者に事業費の4分の1ずつを補助する制度がある、という。しかしこれは「原形復旧」が条件で、黒字企業は補助金を受けられないという制約もあり、JR東は対象外だという。この制度を念頭に清野が「責任を持って」発言をした可能性もあるが、要するに半分は税金を使いたいという事だ。しかも「原型復旧」などという、今回のようなケースでは長期的な国益に反する縛りがある制度が存在している。さらに「黒字企業は対象外」だといった縛りは、共産主義である。要するにこの制度は赤字企業を救済する為に、税金を勝手に使おう、といった制度なのだ。こういった国の利益に反するような制度が存在している事実に怒りを覚える。 現時点の政治状況を鑑みると、国は赤字路線の復旧に回すような財源の確保は出来ないと思う。JR東はバスなどの代替交通手段を提供すればいいのであって、何も鉄道にこだわる必要はない。バス路線を充実させて、そこに補助金を一時的に出せば、被災地の雇用創出にもプラスに働く。民主党はこういった事に頭を使うべきだろう。ただ、一時的にバス路線を拡充させたりしても利権が生まれないので、あまり誰もやりたくない。 JR東は国土交通省の認可を受ける必要があり、その体質ゆえに、社会的なコストを最低限に抑える、といったような議論は出来ないのだと思う。しかしJR東は...

2012年、東京オリンピック

平昌が冬季オリンピックに選ばれたことで2012年の東京はどうなるのか、と言った寝惚けたニュースが出ている。前にも書いたが、つまらない考えは止めるべきだ。今まで折角やってきた誘致なのだから、という論議があるが、サンクコストは回収できないので、見込みがないことに投資を続けると、さらに傷口を拡げることになる。 第一、福島原発の見通しも立っていないのに、東京が立候補したところで支持を得られると考えているのだろうか?科学的な真相がどうであれ、世界の一般の人がどういう目で東京を見ているのか理解しているのだろうか?仮に広島が立候補すれば、そのアクション自体が東京にマイナスに働くことは間違いない。 まあオリンピックなんて裏金積めば誘致できるのだろうが、現状の日本が、裏金の積みあいで他の非民主主義・新興諸国に勝てるのか?真っ当に考えれば立候補するだけ無駄だと考えるのだが。金なんていくらでも他に使い道があるだろう。 民主党の目指す社会主義国家は論外だが、昭和のケインジアンな考えからも脱皮して欲しい。それとも、中国や韓国に負けたくないからこういう事に力を入れたいのか?だとすれば、完全に土俵を間違えている。 浦澤直樹の「20世紀少年」は皮肉に溢れた漫画の世界である。トモダチは大阪万博を21世紀に開催する。しかし現実に20世紀少年的な方向に社会を誘導しようとしている人間が少なからずも日本の上層部にいるのだろう。21世紀に東京オリンピック開催など、20世紀少年的な皮肉でないとすれば、一体何なのか? ところで、日本のマクロ経済であるが、長期的な将来の先行きに明るい物は全くないというものの、短期的な経済の波動をみると、一応底を打った感がある。

ジョーイー・チェスナッツ予想通りの五連覇

本日は独立記念日。独立記念日といえば、バーベキュー、花火、そしてホットドッグの早食いコンテストである。朝からESPNでネーサンズのホットドッグ早食いコンテストを見た。ニューヨーク、ブルックリンはコーニーアイランドのネイサンズの前には人々が溢れ返り、この汚く下らないホットドッグ早食い競争を見ようと集まっている。 ただの馬鹿コンテストなのに、ESPNでは科学的な見地からホットドッグの早食いを検証したり、わざと仰々しく見せようとする。下らないものを仰々しく祭り上げるのは、アメリカでも質の良い冗談と考えられている。で、参加者の紹介だが、今年も小林尊は参加しない。ジョーイー・チェスナッツに唯一対峙できる人類はタケル・コバヤシだけなので、コバヤシが参加しない時点でチェスナッツの5連覇は約束されているも同然だ。結果が解っている競争ほどつまらない物はない。面白いのは、今年は中国人を三人(一人の名前は広東語だったが)参加させており、無理矢理インターナショナルな雰囲気を作ろうとしている。 で、早食いコンテストが始まったわけだが、隣のパット・バートレッティが意外にも善戦する。5分経過時点ではチェスナッツとそんなに差はなかった。しかし、皆の食べ方の汚いこと。ホットドッグのバンを水につけて、口にほおばる。気持ちが悪くなって、テレビを凝視できずに私は席を立った。で、10分経過して戻ってきたら、やっぱりチェスナッツが余裕で勝っていた。62個のホットドッグを食べて5連勝を飾ったわけだが、自身が2009年に記録した68個のワールドレコードからは程遠かった。やはり、コバヤシと二人で競り合う様子を見たかった。 この競争であるが、マンネリなので、主催者は盛り上げ方を考えるべきだ。独立記念日の朝に見るものがないので一応見てるという人は多いが、もう少し工夫すればもっと面白くなると思う。小林を締め出した経緯など、主催者の頭の悪さが目立つのはいただけない。 どうでもいいが、独立記念日にアメリカ人のハート(心)を打ち砕き、6連覇を果たしたタケル・コバヤシは日本人の至宝である。タケル・コバヤシの業績は、イチロー・スズキと並んで評されるべきだろう。イチローが今年のオールスター出場を逃したように、コバヤシもチェスナッツの追撃に勝てず、一時代が終わった感はある。コバヤシ氏の活躍は国民栄誉賞ものである。(因みに初めてネーサン...

部落解放利権、土建屋、ヤクザ

松本龍・復興大臣が宮城県知事を恫喝する映像を見たが、映画に出てくる脇役の欲ボケした悪者みたいなノリで、何回見ても笑ってしまう。こういう人が本当にいるのだ、と可笑しくなった。Wikipediaで出自などを見て何故この人物がガラが悪いのか、少しだけ理解できた気がする。以下はWikipediaに7月4日にアクセスした時点からの引用を、不要な部分を削除して短くした。 「生い立ち 福岡県福岡市出身。部落解放の父と呼ばれた松本治一郎の養孫。実家は養祖父の代からのゼネコン・松本組。自身も顧問を務める。 政界にて 1990年に日本社会党から出馬して初当選し、以後7回連続当選。1996年、旧民主党結党に参加。部落解放同盟副委員長であり、人権擁護法案の推進派である。日韓議員連盟常任幹事。国鉄労働組合に連帯している。2000年、実家の松本組を継いだ実弟の自宅玄関ドアに5発の銃弾を撃ち込まれる。2008年度の国会議員の所得公開で国会議員でトップの8億4366万円の所得を得ていた。」 どうでも良い話だが、私はいままで三度ほど、大阪出身であるという理由で初対面にもかかわらず公の場で人からあからさまに敵対視されたり無視されたりしたことがある。当たり前だが、そういう事をされると非常に気分が悪くなる。面白い事に、それら三人が三人とも福岡県出身の男性だったのだ。たまたまだろうが、奇妙な「共通点」なので書いておく。

バーベキュー(サーモン・牛肉編)

バーベキューのシーズンになった。アメリカ人は7月4日の独立記念日にバーベキューを食べて、夜は花火を見るのがお決まりなのだ(ESPNでホットドッグ早食いコンテストも見る?)。ただ、一般のミドルクラス・アメリカンのバーベキューは、ホットドッグやハンバーガーパテを焼くだけで詰まらない。もう少しいい物を食べたいではないか。 バーベキューは、肉、魚、野菜などを適当に切ってシーズニングして、直火で焼くだけの料理なので説明など不要であると思っているのだが、意外と質問を多く受ける。その中でも、サーモンと牛肉についての質問を頻繁に受ける。一体どういった食材を使うべきなのか、と。 このブログでは以前から言っているように「究極のメニュー」なるものは存在し得ない、という立場をとっている。「好き・嫌い」など所詮は個人の好みに由来するため、「美味しいか、美味しくないか」などといった議論は、完全なる主観でしか判断できない。油っぽいものが好きな人もいれば、そうでない人もいる。塩っ気があれば何だって美味しいという人もいれば、醤油をかければなんでも美味い、と語る人もいる。アメリカ人の多くは、ソースに砂糖を入れて甘くすれば大体喜ぶ(例えば照り焼きソース)。周りの雰囲気や、一緒に食べる人によって味や好みが変わってしまうのは認知に支配されている人間の悲しい性である。それを理解した上で読んで欲しい。 私はベニジャケが好きだ。所謂、サッカイサーモンと呼ばれている物である。初夏のサッカイサーモンをスーパーなどで購入する。アラスカのカッパーリバー産のものが有名である。スーパーでは三枚に卸してあるので、店員さんに言ってフィレを一枚丸ごと買う。大体、長さが70-80cmくらいであり、2パウンドから3パウンドくらいで売られている。1パウンドが12ドルとすれば、24-36ドルくらいで買える計算になる。 家に帰ったら、まず洗う。そして、骨を刺抜きで抜く。鱗が皮に残っているのなら、それも取り除く。最後にキッチンペーパーで余分な水分を拭き取り、皮と身の両側にきっちりと塩及び粗引き黒胡椒を振り掛ける。塩は決してケチらない事。サーモンを調理する際には白ワインやレモンを反射的に使いたい人が出てくるが、新鮮なベニジャケを手に入れているならば、あまり小細工しない方が良い結果になる場合が多いので、止めておいて欲しい。シーズニ...

ポートランドの海南鶏飯(カオマンガイ)

アメリカは発展国としては物価が極端に安い。物が溢れている為に市場原理が機能している事と、不法移民を利用して安い労働力で三次産業が成り立っている事、インフラが発展している為にサプライチェーンの最適化がしやすい、など色々な事が考えられる。オレゴン州はシアトル市があるワシントン州の南に位置している。コンピューターや家電製品、車のタイヤなどをまとめて購入する際、シアトルからポートランドまで3時間ほどドライブがてらにオレゴンに行く事がある。オレゴン州では消費税がゼロ%であるのだ。ワシントン州は10%弱なので、オレゴン州で買い物をすると1割ほど安い事になる。ポートランド周辺のショッピングモールに行くと、最近では北京語を巻き舌で話す人達で溢れ返っている。ショッピングセンターに勇んで出かけて買い物をしようとするのだが、その人達の熱気に押されて、買い物する気が失せてしまうというのが最近の私のパターンである。 まあ前置きはどうでもいいのだが、用事があってポートランドに数日滞在した。別にショッピングには興味ないのだが、私はポートランドを愛して止まない。何故なら、ポートランドのB級グルメは非常にレベルが高いからだ。ポートランドのダウンタウンには食べ物を売るカートが集結しており、色々なB級グルメが堪能できる。しかも、外食税はゼロである。 アメリカのストリートフード10傑に選ばれた事もあるという、Nong’s Khao Man Gaiを食べる。英語でチキンアンドライス、$6としてある。11時30分で昼食には早いが、既に人が並んでいて、かなり期待がもてる。紙に包んで出てきた物は、カオマンガイ、所謂「海南鶏飯(ハイナンチーファン)」であった。中国海南島出身の人が考案し、シンガポール名物の海南鶏飯が、タイの屋台でカオマンガイとして進化し、オレゴン州はポートランドでそれを味わえるのだ。なんと世界は狭いのか。 鶏はふっくらと茹でた物をきっちりと冷やしてあり、チューイーな歯応えが良い。鶏の出汁で似たタイ米はジューシーであり、香菜(シャンツァイ)と胡瓜が載っている。それに秘伝の生姜魚醤をかけて食べる。生姜魚醤だけでご飯三杯はいけそうだ。噂に違わず、鶏の出汁でしっかりと味付けをしている温かいご飯と冷たくキリリとしている鶏の組み合わせは何とも言えない。B級グルメの王道とでも言っておこう。 しかもスープがついてく...

昭和の臭いがするお笑いリニアモーターカー計画

日本経済が悪くなって打開策が見えない状態で20年ほどやって来た。日本のエスタブリッシュメント層の驚くほど多くの人達が、オリンピックや新幹線を経済起爆剤として使いたいと考えているようだ。そういうニュースを見るたびに、「あほちゃうか?」と考えてしまう。 中央新幹線、いわゆる中央リニア計画は、すでに規定路線となってきた感がある。大阪と東京を1時間で結ぶと言うことで、夢の鉄道と目されている訳だ。確かに東京-大阪間が1時間になれば、「のぞみ」の2時間35分から片道1時間35分短くなり便利になる。それにかかる総投資額が約10兆円。そして、品川から新大阪までの路線が開通するのが最短で2045年。まともな人なら、そこまで聞いた時点で「はい、お疲れ様!」と言うだろう。 現時点で大阪-東京間は3時間弱であり、飛行機なら45分である。片道が平均で1万5000円弱。そこに、新大阪から品川まで1時間で1万7千円のリニアモーターカーが加わる。航空会社と鉄道のカニバリゼーションを起こすのみでなく、JR内でカニバリゼーションが起きる。 大体JR東海は本当にリニア計画が自分達の会社に利益になると考えているのだろうか?JR東海は東海道新幹線の減価償却がそろそろ終了するので、新たな投資先を探したいと表向きは騙っている。しかし経営陣は退社後の利権が欲しいだけだろう。自分がやめた後の会社はどうなってもいいが、退社後は利権でヌクヌクとしたい、という事だと思う。典型的なエージェンシー問題だ。そこに利権に飢えた政治家や土建屋が群がっていると言う、典型的な「角栄型」日本利権構造が未だに続いているのだ。 東京と大阪間のビジネス出張の需要が今後増えるとでも思っているのだろうか?今後は日本の競争力低下に伴って、そのような需要も徐々に収縮していくのがオチである。ビジネス客が減れば、東京-大阪間の人の往来の需要を埋める可能性は、個人客にかかると考えられるが、その人達は簡便性よりも価格優先だ。 のぞみを増発して簡便性を向上させた上に、新幹線の運賃を下げて、乗客に還元したほうが日本の社会にとって役に立つと思う。ビジネス客用のビジネスクラスは今のままの価格に据え置いて、もう少し色々なサービスを向上させる。そして、狭いが低価格のエコノミー車両を作ってエコノミー席は片道を3500円+スーツケース代金くらいにすれば良...

ドメスティック志向な成田空港

あっちに行ったり、こっちに行ったりして、時間が取れなくてブログ更新が滞っているのだが、先日成田空港で色々思うところがあったので書いておく。前からこの話題は書きたくて仕方なかったのだが。 成田空港がハブ空港になりえるかどうかと言った議論が起こっていたが、成田は間違いなくハブ空港である。唯一の欠点は、成田から国内の他の空港に向かうアクセスであるが、それは無駄な縦割り・公平政策を見直して、きっちりと対処するべきであろう。関西空港は国内線も国際線も兼ね備えているので、国際的なハブ空港に成り得るのかと言えば、結局それは未だに叶っていない。結局4000万人の人口を抱え、日本の過半数の企業の本社機能が集約する首都圏の空港という地の利があるため、成田空港は自動的にハブ空港であり、日本の競争力の低下とともに徐々にハブ機能が失われるだろうが、これからも暫くは成田が北アジアの玄関としての地位を揺るがされる事はないだろう。問題は、努力しなくても成田はハブ空港であるので、顧客サービスなどの点でなっていないという事にある。 私は米国に住んでいるため、北米の航空会社、特にデルタ航空を利用する。北米からの飛行機はまず成田に到着する。シアトルから成田に飛ぶボーイング777はその後成田で給油を済ませて上海浦東に向かう。ロサンゼルス-成田はその後バンコクに行く。デトロイト-成田は台北へ。ニューヨーク-成田はマニラへ、ポートランド-成田は北京へ、アトランタ-成田はシンガポールへ、ソルトレイクシティー-成田は香港へ、ミネアポリス-成田は釜山へ、それぞれ給油後に向かうのだ。シアトル-成田路線などを利用すると、盆や正月で無い限り、成田で降りる乗客よりも乗り継ぐ乗客の方がはるかに多い。デルタ航空を利用すれば、国際線のまま成田から大阪や名古屋への乗り継ぎも出来る。成田は完全なハブ空港なのだ。 私は最近、北米から成田経由でアジア各国に行くことが多いのだが、びっくりするのは、成田空港の国際感覚の無さである。国際空港を名乗っている癖に、成田空港は日本人のみを見て商売しているのだ。直ぐに目に付くことと言えば、英語や中国語の表記の足りなさである。マクドナルドのメニューは英語すら書いていない。良く利用するラーメン・カレー屋は、ラーメンを英語でRamenと書いてあり、日本語が解らない外国人相手に商売する気があるのかどうかも疑わし...

民主党ウィーナー下院議員、辞任する。

性交渉を伴わないセックススキャンダルで辞任したのは民主党のアンソニー・ウィーナー議員である。ブルーグバーグ創設者でありオーナーであるマイケル・ブルームバーグ現ニューヨーク市長の後任にまで目されていた人物であり、自らが犯した馬鹿げた「チン事」を深く反省するべきだろう。(夕刊フジの記事のような書き方になって申し訳ありません。) 先月来、ウィーナー下院議員のものと思われるブリーフ姿や上半身裸の写真、さらには股間部位を何かで膨らませたボクサーパンツのスタイルなどの写真ががフェースブック上に流出していた。後ろにオバマの写真が飾ってある自分のオフィスで撮った写真まで流出していた。 当初ウィーナーは写真が本人である事を否定していたのだが、そのうち、ハッカー攻撃にあったなどという戯言を言うようになった。そして、とうとう、シアトル市内に住む21歳の女子学生に自分の写真を送ろうとして間違えたものだという事を認めた。 クリントン国務長官の良き友人であるウィーナーの奥さんであるフーマーは現在妊娠中である。ウィーナーはその他6人の女性とツイッターやメールなどで猥褻なやり取りをしていたことを認め、メディアは「ネット不倫」だ、と騒ぎ出した。 はっきり言って、ただの馬鹿なニュースなのだが、これを英語で聞くともっと面白い。何故なら、ウィーナーの発音は、ウィニーに似ており、子供の「小さな」男性器を表す隠語であるのだ(ソーセージという意味)。それ故にメディアが面白がってこのニュースを過剰に報道している。アメリカ版の夕刊フジ誌とでも言えるニューヨークポストなどは、連日ウィーナーのウィニーを馬鹿にして面白がっている。ネット上ではウィーナーを馬鹿にした書き込みが溢れている。 ウィーナーはジューイッシュ系であり、アメリカのユダヤ人たちはウィーナーの馬鹿な行動を面白がっていると同時に、ウィーナーを民族の恥だと糾弾している。なかなか辞任に踏み切らなかったウィーナーであるが、大統領やナンシー・ペロシ、そしてメディアの圧力に屈し、無念にも「セックススキャンダル」で政治の世界から消えてしまいました!アメリカの政治は不倫などに対して、日本よりもずっと厳しい。文化の違いなのか、日本では、後藤田さんや、細野さん、さらには高橋千秋さんなど、「オイタ」をした人が大勢いるが、不倫やセクハラ程度で議員生命がピンチになるような事態にはま...

スタンレーカップ、またもやカナダ破れる

少しばかり休暇をとってカナダに行っていたのだが、当地はやたらと景気が良かった。アメリカの景気が悪い悪いと言われているが、国境を跨ぐと景気が物凄く良いのだ。カナダという国については少しばかり時間を割いて分析する必要がある。そのうちカナダ特集でも組もうと思っている。(多分そのうち書くと思うが、私はバンクーバーという浅はかで人造的な過大評価されすぎた街を、個人的にかなり嫌っている。) しかし、バンクーバーの白人系の市民はカナックスを誇りに感じているのか、車も街も全てがホッケー一色。チェーン展開するボストンピッツアは、バンクーバーピッツアに名前を変えていた。正直ホッケーなど、アメリカ人にとってはどうでもいいスポーツなので、カナダでのアイスホッケーの異常な盛り上がりを見て、正直少し惹いた。 それはともあれ、スタンレーカップは第七戦まで縺れ込んだ。カナックスが3-2にして、簡単に決まるかな、と思ったが、カナックスの決め手の無さには正直がっかりした。ボストン・ブルーインズのゴールキーパーである、ティム・トーマスがMVPを獲ったが、カナックスはパワープレイでも支配力が無く、簡単にパックを奪われて自陣に返される体たらくぶりだった。 第七戦は当地のバンクーバーで行われた。ロブソンストリートには特設会場が設けられて、ロジャース・アリーナに行けない人達がカナックスを応援している。第一ピリオド、あっさり先制される。そして、第二ピリオドが終わるまでに3-0、誰の目にもどちらが勝つかは明らかだった。しかもパックをボストンが完全に支配している。二回のパワープレーのチャンスも、チャンスすら作れない。 最後の3分で、ルオンゴを下げての6人攻撃を仕掛けるも、あっさりとパックをリバウンドされて、逆に4点目を沈められて、ジ・エンド。またもやカナダにスタンレーカップが渡らなかった。ホッケーのオリジナルシックスであるブルーインズは1972年以来、久々のスタンレーカップ優勝。ボストンはこの5年の間に、NBA,NHL,NFL,MLBの4大スポーツ全てのチャンピオンになっている。

マブズ、15点差を引っくり返す

第4クオーター開始時には15点差があったので、ヒートが余裕で勝つのだろうと思っていた。 しかしテリーやキッドが第4クオーターに入るとポコポコシュートを沈め、最後は指を痛めているノビツキーが入れた。なんと、マブズは逆転したのだ。これで星は1-1。第三戦は場所をダラスに移す。 それでも、マイアミが結構あっさり勝つと思う。ダラスの控えセンター、ヘイウッドが第三戦は出れそうにないという。となると、全てはタイソン・チャンドラーにかかって来る。運動能力の高いチャンドラーだが、ファウルの問題が付きまとうのも事実だ。真ん中で誰かが頑張らなければ、外からシューターが撃てない。賢いアジャストメントをしなければ、マイアミ相手には正直厳しいだろう。

カナックス、ホームで二連勝!

スタンリーカップ二戦目、第三ピリオドにセディンのショットで同点に追いついたカナックスはまたもやサドンデスのオーバータイムに。 私がESPNでスポーツニュースをチェックしている間に、カナックスはブルーインズを下していた。オーバータイム開始11秒、バローズがゴールネット裏から回り込んでパックをゴールに巧く押し込んだ。 ホームのバンクーバーで二連勝。カナックスはいざ敵地ボストンへ乗り込み、スタンレーカップ第三戦を当地で向かえる。 Go Cunuks!

カナックス、スタンレーカップ先勝!

ボストン・ブルーインズとバンクーバー・カナックスのスタンレーカップがバンクーバーで始まった。 第3ピリオドまで、ルオンゴのいつも通りの好セーブが連発されて0対0で流れてきた。誰もがオーバータイムを信じていた。 終了20秒弱前、ジャニック・ハンセンからの素晴らしいパスを、ラッフィ・トレスがスティックで方向を変え、パックはティム・トーマスを超えてゴールに収まった。素晴らしいサヨナラ勝ちである。頑張れ、カナックス!

NBAファイナル、ダラス対マイアミ

マーべリクスとヒートのNBAファイナルの第一線がマイアミで行われた。第3クオーターまだはどっこいどっこいだったが、第4クオーターに入ると、所謂「新ビッグスリー」が大爆発。レブロン・ジェームスがやりたい放題。調子が上がらなかったデュウェイン・ウェイドがブロックショット、そしてクリス・ボッシュがミドルシュートをきっちり決める。控えのマイク・ミラーがリバウンドを取りまくり、スリーポイントまできっちり決める。 一方のマーべりクスはシュートが入らない。ショーン・マリオンとジェイソン・テリーがシュートをきちんと沈められなかった。一方、ダーク・ノビツキーは、ハズレムの執拗なディフェンスでシュート機会が伸びなかった。しかも、ノビツキーは、終了3分ほど前に、クリス・ボッシュにファウルをした時、左の指の腱を断裂したという。このシリーズはマイアミの余裕勝ちになりそうだ。

アトランタ・スラッシャーズ、ウィニペグへ

ウィニペグには以前、ウィニペグ・ジェッツというチームがあった。だが人気であったにも関わらず、お金のやり繰りの問題で、チームは1996年にアリゾナ州フェニックスの砂漠に移り、フェニックス・カイヨーティーズ(コヨーテズ)になった。フェニックスは今期プレイオフに出たにもかかわらず、ホームで平均1万2千人強、収容人数の7割強の観客しか集めていない。 スラッシャーズはアトランタを拠点とするチームであるが、こちらも観客集めに苦戦している。ホームで平均1万3千人強、やはり収容人数の7割程度の観客だった。そして、このチームがホッケーの本場、カナダに移ることになったのだ。来期からはウィニペグが拠点となるのだ。 90年代はアメリカの南部に光が差し始めた時代だった。サン・ベルト(太陽の帯)などと呼ばれて、比較的安い賃金と住宅バブルが重なり、産業も積極的に南部に移っていった。それに伴いスポーツチーム等も南部に集まっていった。一方、カナダの小さな貧乏な街で北米のスポーツチームを経営するのは地獄であった。ルーニー(カナダドル)は米ドルに対して弱いが、選手にはアメリカと同じくらいの給料を払わなければならず、カナダにフランチャイズがある事自体が弱みだったのである。しかしサブプライムが世界を変えた。アメリカ南部の景気が良かった場所は、特に住宅の値下がり率が高く、今は苦しんでいる。反対にカナダは資源高の恩恵を受け、米ドルの自滅でルーニー高で景気がいい。今後も南部から国境の北への産業、文化、スポーツ、人の移動が暫く続くのではないか? まあ、何れにせよ、ホッケーを暑い場所でやるべきではない。ホッケーは所詮はカナダのゲームなのだ。皆でオーカナダを歌って観る物なのだ。カナダのチーム、バンクーバー・カナックス、カルガリー・フレーム、モントリオール・キャナディエンス、トロント・メイプルリーフス、エドモントン・オイラーズ、オタワ・キャピタルズは観客動員数がほぼ100%で回っているのだ。アメリカはカナダのスポーツであるホッケーを勝手にアメリカの4大スポーツに含めるな! ところで、NBAを失ったシアトルであるが、先述のカイヨーティーズかNYアイランダーズがもしかすると街にやって来るかも知れない、という噂がある。結論から言うと、いらない。ケベックシティーかハリファックスにでも行ったらいいんじゃないか?わが街シアトルは、サ...

日本のエネルギー政策は簡単ではない

エネルギー政策についての議論が喧しく起こっている。感情論でエネルギー政策を語る人が多くなってきたのだが、一度冷静に日本のエネルギー政策を分析する必要があるだろう。 原発が危険な事は論を待たなくなった。「実は想定していた」最悪の事態が起こってしまったのだから。原子力行政が利権構造で腐っていた事も明らかになった。国と電力会社と学会のトロイカ体制の下、民主主義に反するようなエネルギー政策が行われていた事も白日の下に晒された。それでは原子力発電を今すぐ浜岡のように止めるべきなのか?一部の狂った人間が日本の原子力を推進してきたから日本には原発が54基もあったのか? 昔からやってる反原発派の人達、例えば京都大学原子炉研究所の小出裕章助教などの話を聞いていると、火力をフルに動かせば電気は賄えるであろうし、もし足りなければ国民は節電するべきだ、という意見である。私は小出先生を学者として尊敬しており、原発行政への批判や原発が危険である事に対する指摘には頭が上がらない。しかし代替案の話になると、小出先生からはイデオロギー的なあやふやな話が出てくる。小出先生は生粋の学者であり、行政・政治向きではない。 孫正義氏の意見は完全なる商人の意見だ。技術発展とともに代替エネルギーの可能性が拡がってきているので、規制緩和と投資促進により、エネルギー政策は抜本的に変えられるという訳だ。私は諸手を挙げて賛成しているのだが、詳しくは以前に当ブログで紹介したので割愛する。だが孫氏は、ソフトバンクが太陽発電で作る電気エネルギーを政府が責任を持って買い付けない限り投資しない、と言っている訳である。原発利権を代替エネルギー利権に変えろ、と言っているに過ぎないのではないか、と言った批判もある。(私はそれでいいと思うのだが。) 私が現在住んでいる米国ワシントン州のシアトル市近郊では、シアトル・シティー・ライトと呼ばれる公営企業が、民営企業などが作った電気を送電している。シアトル市近郊の電気のうち、91.2%は水力で賄われており、以下原子力が4.4%、風力が2.4%、そして石炭が1.4%、天然ガスが0.6%、そしてバイオマスが0.1%と続く。非常に面白いポートフォリオだと感じるのではないだろうか?電気料金を払うのは鬱陶しいものだが、シアトルでの電気料金は日本と比べれば無茶苦茶安いし、東海岸に住んでいた時と比べてもかなり...

トルネードの脅威

今年は統計がとられて以来、もっともトルネード(竜巻)での死者数が多い年になろうとしている。過去にもっとも死者数が多かったのは1953年の519人であり、今年は既にそれに並んでしまった。トルネードは春から夏までのアメリカの中部から南東部にかけての風物詩である。5月ごろにピークを迎えて、インフラ、住宅、人命などの被害が発生する。はっきり言って、今年の竜巻発生状況は異常の一言だと思う。去年の全米での竜巻発生数は1282であり、今年はこの記事を執筆している時点で既に1364の竜巻が観測されている。竜巻は低気圧や前線の接近によって齎せる物であるため、今年は全体的に大気が不安定であるのであろう。 余談ではあるが、トルネードの緊急速報をテレビなどで見れば、直ぐに地下室に逃げなくてはならない。それが適わない場合は、バスルーム(トイレ)に逃げる。というのは、アメリカではバスルームを家の中心に設計する事が多く(日本では防火法があるので窓際にある事が多い)、外界から最も離れており、家の中でも構造的に安全性が高い場所とされているからだ。 もう一つ余談ではあるが、トルネードが頻発するアメリカでは原発の電気系統を地下の中に埋める。何故なら、考えうる最悪の自然災害のトルネードに関してそれが一番安全だからである。日本は、アメリカの原発の技術や安全基準を何も考えないまま輸入して、地下に電気系統を埋め込んだ。そして何が起こったかは皆が知る通りである。ある地域での安全は、必ずしも他の地域でも通用する訳では無い。サバイバル技術の基礎中の基礎である。 さて、ミズーリ州のジョプリンという街は州の南西に位置し、オクラホマ州やカンザス州との境にある街である。人口は18万人弱のアメリカの片田舎だ。その平和で朴訥とした街に、5月22日の夕食前の時間、竜巻緊急速報が流れた。このトルネードは藤田スケールでEF5というとてつもなく強い竜巻に分類され、規模が最大で1.2KMにもなったという。そして、このトルネードはMultiple Vortex Tornado(多重渦竜巻)と呼ばれるものであったとされている。三つの小さな渦(ツイスター)が、大きな一つのトルネードとなっていたようである。 そして、そのトルネードがジョプリンの街を通過したのは午後5時41分頃だ。竜巻の内部の風速は400KM毎時弱(!)にまで達したと考えられている...

オバマのイスラエル政策

オバマ大統領がイスラエルとパレスチナの「国境」は1967年の第三次中東戦争以前の境界線に戻すべきだと発言した。 イスラエルは民主主義国家であり、極端な右派から左の人まで色々いる。右派政党リクードの党首である現在のイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフは、勿論その支持基盤ゆえにオバマの提言には納得できない。そして、イスラエル国内でネタニヤフは左派に糾弾されている。 ネタニヤフは先日米国を訪れ、議会で演説をした。面白かったのは、境界線はどこであれ、ハマスとは会談をする事は無い、ということだ。それについて、日本やアメリカの左派メディアは批判的な見解を述べている。 私はヨルダン川西岸へのユダヤ人入植には反対であるが、ネタニヤフの言っている事はもっともだと思う。ハマスは、アルカイダなどと何ら変わることのない、イランが支援しているテロリスト組織である。事実上、パレスチナの政治を牛耳っているため、真っ当な政党と思っている人もいるが、ハマスはただの人殺し組織だ。そんなものと会談する必要は全くないし、世界はハマスのような組織を駆逐する責任を負っていると思う。ハマスのような組織がアラブ社会に存在しているから、アラブ社会はいまだにこんな状態なのだ。金持ちアラブの連中は、自分達に火の粉が降りかかるのが嫌な為に、ハマスの事などは触れないようにしている。 アラブ社会の事なかれ主義、大国の一部メディアの反ユダヤ・親テロリスト的な論調、そしてイスラエルユダヤ人の急進右派。そんな連中が中東事情をおかしくしているのだ。本当に可哀想なのは、洗脳されているとはいえ、テロリストに牛耳られているパレスチナ市民だ。ただ、それらの人々も、理由はどうであれ、ハマスを支持し続ける限りはこの状態を抜け出せないし、現状を良くしたければ、自分達の力でなんとかしなければならない。

東の一位、ブルズも敗退

まるで、昨日のオクラホマのゲームのデジャブのようだった。 試合終了の5分前には、ブルズがシカゴでマイアミに圧倒的な点差で勝っていた。一時は10点差以上つけていた。しかし、マイアミのディフェンスが冴えてきた。デュエイン・ウェイドがデレク・ローズのレイアップをブロックショットする。ボッシュは確実にミドルショットを沈める。そして勿論レブロン・ジェームス。いとも簡単に点を入れる。 一方、シカゴはあのデレク・ローズがファウルショットを外したりしていた。やはり若さなのか? 結局マイアミが逆転。シカゴは最後はパニクって自滅。マイアミ・ヒートがファイナルに進み、ダラス・マーべりクスと対峙する。 プレイオフになると、やhばり一対一の個人技が物をいう事になる。

ダラス・マーべリクスの前にサンダー敗れる

第5戦目はダラスに帰ってきた。といっても、ダラスからオクラホマシティーは車で二時間ほどなのだが。 オクラホマが押していた。ウェストブルックやデュラントも頑張り、第4クオーターまでは押していた。しかし、ラスト第4クオーター半ばになると、ダラスが本気を見せ始める。ショーン・マリオンのディフェンスがしつこくなり、デュラントは苦戦。ウェストブルックも、いつものセルフィッシュなプレーが目立つようになる。 一方でダラスはきっちりと二点ずつ返してくる。最後は3点差で負けた。オクラホマ・サンダー、やはり若さが空回りした感じだ。 まあ、来年も頑張って欲しい。

カナックス、94年以来のスタンリーカップへ

キーパーのルオンゴが冴えると言う物の、攻撃が緩いバンクーバー・カナックスであるが、どうにかこうにかサンノゼ・シャークスを下し続け、3-1でバンクーバーのロジャーセンターに帰ってきた。 ライアン・キースラーが調子が悪く、どうも怪我をしている状態でプレーしている。セカンドピリオドのパワープレイ中に1-1の同点にされ、さらには第三ピリオドの始めに日系カナダ人のデヴィン・セトグチがゴールを決められ、1-2でもう無理だと思っていた。しかし、終了間際、ルオンゴを下げ、6対5でのプレーで、キースラーが無理矢理ラッキーでゴールに押し込み同点に。 それでも、パックは占有するがシュートが少ないホッケーが続き、セカンドオーバータイムにもつれ込んだ。はっきり言って押されていたが、物凄く怪しいシュートをビークサが沈め、サンノゼ側が全く抗議せずにゴールが認められた。 カナックスは94年以来のスタンリーカップに進むことになる。一度もスタンレーカップを手にしたことがないので、頑張って欲しいし、93年のモントリオール・カナディエンス以来のカナダ勢のスタンレーカップ優勝を実現させて欲しい。

ブルズ相手にマイアミヒート3 勝目

シカゴ・ブルズも若さを露呈した。22歳でMVPを獲ったデレク・ローズを中心に速くてバランスの良いバスケをするのだが、今日のゲームでは、最後にヒートの巧さにやられた。ローズが23点、ブーザーとデングがそれぞれ20点と今日は得点をばらしてきたのだが、一対一ではヒートが上だったのだ。 同点に追いつかれてオーバータイムへ。クリス・ボッシュにミドルシュートをきっちり決められ、ウェイドにはブロックショットを3発も決められ、最後はレブロン・ジェームスに好き放題やられて、終了。昨日のオクラホマサンダーと同じく、若さゆえの敗北だった。 次はシカゴに戻るので、東地区一位通過の意地を見せて頑張って欲しい。チームとしての総合力ではブルズ。個々の巧さはヒート。プレイオフではやはり後者が勝ってしまうのか。

もんじゅ重大事故想定

高速増殖炉「もんじゅ」の原子炉容器内に落ちたままになっている核燃料交換用装置(以下、UFOキャッチャーと呼ぶ)を引き抜くための作業が24日から再び始まっているという。核燃料サイクルの問題点は色々指摘されていたわけだが、核爆弾保有に対する淡い夢と、技術が確立された場合の無限の電気供給量という素晴らしい果実を見せられると、国が計画を止められなかった事も理解できる。 「もんじゅ」の恐ろしさについては色々な識者によって議論し尽くされている。ナトリウムで満たされた炉、そして大量のプルトニウム。壊れたUFOキャッチャーをどうにかしない事には、廃炉も運用も出来ないが、冷却は続けざるを得ず、オペレーションに莫大な税金が毟り取られている。いざ事故が起これば、ナトリウムがあるので、水を使えるでもなく、最悪の場合を想定せざるをえない。若狭湾で強い地震が起こったり、北朝鮮がもんじゅを攻撃すれば、非常に厄介な事態になる。風向きにもよるが、名古屋や京都は放射能汚染をもろに被るだろう。そして琵琶湖水系も使えなくなり、関西圏も生活不適切区域になる。典型的な東向きの風があれば、首都圏も再び放射能で汚染される可能性が出てくる。 しかし、「もんじゅ」の問題で私が本当に恐ろしいと思う事は、福島原発の問題がなければ多くの人はこのニュースを非常に軽く見ていたという点だ。原因は、メディアがもんじゅの事件をあまり積極的に報道していないという事にあると思う。危険性をある程度予測して国民に知らしめていなかった。超重大事象が起こる可能性があるというのに、日本原子力研究開発機構はさっさと作業を終わらせて本格的な運用への足がかりを作ろうとしている。福島第一の事故のせいで、世論が政策を変える可能性があるのを恐れているのか、少しでも早くUFOキャッチャー問題を解決しようと必死に動いている。福島の件で東電がしくじっている間に、どさくさに紛れて穏便に済まそうというのが「奴等」の見え透いた魂胆なのだ。 私達国民は日本原子力研究開発機構相手に何も出来ないのだろうか?情報をきっちりと出させる事は出来ないのだろうか?そして大手マスコミはそれでも報道したくないのだろうか?「奴等」は一体何が一番大切だと考えているのだろうか? 私は自分の両親に万が一のもんじゅの事故の際のために「非常時のマニュアル」を示している。常に車のガスタンクを半分以上にし...

サンダー、無念の大逆転負け

3戦目はオクラホマに戻ったが、総合力でやられた感があった。 そして4戦目。残り5分で15点差。オクラホマファンの誰もが勝利を確信してた。そろそろネイト・ロビンソンでも使ったら?くらいにまで思っていたのではないだろうか?それがどうだろうか?ジェームス・ハーデンが6ファウルで退場して、何かの綻びが外れた。そしたら、あらよあらよと言っている間に、15点を同点にされてしまった。 ニック・コリソンのディフェンスはきちんとしていた。しかし、ノビツキーは姿勢を崩した状態でリンクにボールを沈めてくる。誰も止められない。1対1ならNBA一という評価もあながち否定できない。 オーバータイムに入ると、オクラホマのウェストブルックを中心とした拙攻が目に付き、経験のダラスにしてやられた。若さが空回りした感じだ。Liability of Youngnessとでも呼んでおこう。 星勘定は1-3になった。ケビン・デュラントが試合後にがっかりとしている様子を見ると、オクラホマもこれで終わったかという感じである。我がソニックス、夢をありがとう。一応、最終戦もきっちり見るが。

小回りのピムリコ、予想通りアニマルキングダム差し届かず

ケンタッキーフライドチキンの音楽が流れて二週間で、オーメリーランドの音楽が流れる。舞台はピムリコに移って、プリークネスステークスだ。プリークネスは三冠でも、一応やるだけの競争なので、例年荒れない。1900Mで、しかもボルティモア近郊のピムリコでやるとあって、メンバーが薄くなる。 ケンタッキーダービーが行われたルイビルやニューヨークのベルモントパークと違って、ピムリコは小回りなので、アニマルキングダムには正直厳しいかも知れない。 レースはフラッシュポイントが引っ張り、そのちょうど外にケンタッキー4着のシャックルフォードがつける。46秒で入って、マイルを1分12秒だから、ケンタッキーよりも淀みがないペースに持っていった。良く勘違いする人がいるのだが、淀みがないペースで息が入らないと、意外と差しは決まらない。アニマルキングダムが外から襲い掛かってきたが、小回りのピムリコで淀みないアメリカ的なペースが災いして、シャックルフォードとアニマルキングダムの脚色が一緒になる。 結局勝ったのはシャックルフォード。父親はフォレストリー、祖父はストームキャット。とてもストームキャット系な競馬だった。二着はアニマルキングダム。この馬が本物かどうかはニューヨークで見極める必要があるだろう。

第二戦はオクラホマが制す

我がオクラホマスーパーソニックスであるが、一戦目はあっさりとダラスに捻られた。ショーン・マリオンの執拗なディフェンスにケビン・デュラントが機能不全になり、ウェストブルックの自分勝手な攻撃が目立った。インサイドでも、マヴズはチャンドラーの素早いディフェンスが効いており、オクラホマのビッグマンが機能していなかった。そして、勿論、ダーク・ノヴィツキーだ。イバカとコリソンが必死にデフェンスしたのだが、一対一では恐らくNBA一との評価もある崩れた姿勢からのショットをことごとく決められて48点。シアトル出身のジェイソン・テリーが24点、そして小さいバレアがナッシュ張りに掻き回して、あっさり持っていかれた。ダラス・マーベリックスはやはり一枚上だった。 しかし、第二戦。ウェストブルックのセルフィッシュなプレイに業を煮やした監督のスコット・ブルックは、なんとベンチメンバー+ケビンデュラントで4クオーターを乗り切ったのだ。ダラス側はマッチアップに失敗して、ジェームス・ハーデンやメイナーに面白いようにやられていた。勝つためにはオールスターポイントガードをベンチに座らせるという大胆さ。スコット・ブルックのコーチとしての力量に感服した。

参議院で孫正義と小出助教

参議院行政監視委員会に孫正義と小出裕章助教の掛け合いがあります。すごく興味深いですね。孫正義が小出さんと協力するなどのコラボができれば、日本も良くなるのではないでしょうか? 孫正義が打ち出した方向性の礼賛記事 日本のエネルギー政策は困難を極めるであろう事

破綻するのが予想される日本版サブプライム独法

住宅金融支援機構関係者がフラット35に絡んで汚職を起こして逮捕された。住宅金融支援機構とは、元住宅金融公庫である。昔は、貧乏人相手に安いレートで住宅ローンを直接貸していて、自民党の意のままに動かされ、莫大な借金を抱えて小泉時代に解散させられた機関である。住宅金融支援機構になってからは、直接住宅ローンを貸すのではなく、セカンダリーマーケットを使った証券化をしたのであり、つまりはアメリカのファニーメイなどの真似をしたのだ。 逮捕されたとかはどうでもいい。住宅金融支援機構がやってる事は、要するに日本版サブプライム証券化である。35年の固定金利住宅ローンを無茶苦茶低いレートで借りれるのである。もし、多くのエコノミストが言っているように日本がインフレに傾いたなら、このシステムは一気に破綻するし、国民はいつも通り破綻の尻拭いをしなければならない。 日本政府や日銀は、インフレにぶれるとこのような問題が頻発するのでデフレ状態を保っているのではないかと勘繰りたくもなる。どちらにしても、マーケット原則を無視した無意味な制度であり、そこで働いている人間が権力を振りかざしてせこい副業をしたり、法律で認可事業をやったりしているのだ。 この問題は原発問題と似た構造をしている。私は、高い確率で住宅金融支援寄稿は将来的には新聞を賑わす事になるのだろうと思う。日本国の財政の悪化が引き金となり、住宅金融支援機構が破綻するのはほぼ間違いないと思う。するかどうかではなく、何時の問題だと思うのだ。その時がくれば、美味しい蜜を吸い続けていた霞ヶ関は知っていたくせに想定外のフリをするのだろう。日本の所謂「エリート」は腐っているのだ。

非常に政治的なフランスという国

ストロス=カーンがニューヨークのホテル従業員に対するセクハラで逮捕された。フランスの財務大臣を務めた人物であり、現在はIMFの専務理事をしている。発言も重く、ギリシャやポルトガルの問題についても、常にマイクが振られる。 フランスの社会党に属しており、次期大統領候補でもあったストロス=カーンが逮捕されたのだから、不思議というほか無い。 フランスと言えば、福島原発の話から気を逸らす為かリビア空爆のリーダーシップをとったり、昔もアメリカと中国の間で武器輸出の政治判断を揺らしてみたり、エアバスとボーイングの戦争を後ろから支えてみたり、かなり国際的に政治的な国である。しかし、ここまで露骨なニュースをみると、フランスという国をどうしても色眼鏡で見てしまう。 ちなみにストロス=カーンは完全なユダヤ人である。現職大統領のサルコジは、ハンガリー系の父親とカソリックに改修した元々を辿るとユダヤ系である母の元に生まれていたため、ユダヤ人であるという言い方が適切かどうかは判断が分かれるところである。(ユダヤ人はユダヤ教を信じている人という意味と、ユダヤ人の母親から生まれた人という二通りの意味があり、「日本人」というような民族的な定義とは若干異なる。) EUの小国が経済問題で苦しんでいる中、フランスはEUで存在感をますます強めているので、フランスの政治問題はしっかりと注目しなくてはいけない。

東電と大手マスコミの方向転換

マスコミ大手が徐々に東電や政府にとって都合の悪いニュースを流し始めてきた。 メルトダウンしていただの、原子炉圧力容器の底が落ちているだの、地震ですでにある程度ダメージがあっただの、再臨界があっただの、すでに識者は知っていたことだ。テレビからのみ情報を得ているなどという人は21世紀のこの世の中にいないと思うので、ほとんどの一般人はインターネットの情報などを通して既にこれらの事は知っていたと信じている。こんな事は三月の時点で専門家が指摘しているし、東電の記者会見でも幾度となく質問されていたことだ。 政府は福島市や磐木市などの人口が多い場所を避難地域に指定させないため、東電は会社の体制を維持して補償金を低く見積もる為に、今回の事件を過小評価しようと必死である。霞ヶ関は自分達の仕事を遂行する為に、殻の外の事には手をつけないようにしている。大手マスコミは何か(政府かスポンサーと思われる)を恐れて流す情報をコントロールしていた。 大手マスコミが徐々に情報を開示し始め、東電も後出しながらも都合の悪い事を徐々に認めだし始めた。隠しきれないから観念した、というような程度の問題ではないと思う。数日前に何らかの変化があったとしか思えない。一体誰がどのような指示を出したのだろうか?日本の権力の中心ではどのような力が働いているのだろうか?非常に興味が持たれる。そのうち内部からリークがあるだろうから、それまで想像を膨らませておくことにする。 今となってはどうでもいい事なのかも知れないが、3号機の爆発も、水素爆発ではなくて水蒸気爆発だった、などといった話もそのうち出てくるのだろう。その3号機にホウ酸水を入れ始めたようだ。ホウ酸を入れているという事は、再臨界の可能性が起こっているという事なのだから、食中り気味で原発ニュースに飽きてきた人も多いと思うが、少々注視する必要はあるだろう。バスケやホッケーだけを見ていたいのだが、未だに原発の事を気にしなければいけないのが悲しい。

メンフィス対オクラホマシティー

第6戦は、洪水が懸念されていたメンフィスで。バティエとトニー・アレンの活躍プラス、ケビン・デュラントの気負いすぎで、グリズリーズが面白いようにポコポコ点数を入れた。星を3対3にして、いざオクラホマに帰ってきた。 するとどうだろうか?第7戦は、メンフィスが点数を入れられない。確かに、サンダーのディフェンスが必死だった事も挙げられるだろうが、二日前とはまるで違うチームになっていた。サードクオーター半ばには、既に勝負が決していたと思う。デュラントを警戒したら、外からハーデンが入れるといった具合で、サンダーの勢いは停められなかった。ランドルフも頑張ったが、イバカとコリソンのデフェンスで抑え込んだ。レフリーもサンダーのファウルに若干甘かったように思う。90-105、我がスーパーソニックスが西地区決勝に駒を進めてきた。 次はダラス・マーベリックス。かなり手強いし、フィジカルな試合となる事は間違いないので、多分負けると思うが、頑張って欲しい。 しかしグリズリーズは負けたながらも良く頑張った。来期はルーディー・ゲイも戻ってくるし、応援したいチームの一つである。

パキスタンは何をしたいの?

日本のニュースを読んでいるとオサマ・ビンラディンの殺害に否定的な記事が目立っているように思う。勿論オサマを殺したからといって、一朝一夕にテロの問題は解決しない。教育が行き届いていなくて、ファナティックになって、人殺しを聖戦だと思い込んでいるキチガイを作り出すシステムを根本的に変えなければ問題は解決しないのだろうが、そんなことが直ぐに出来るわけがない。戦争を始めた口実はアルカイダを一掃するためであったのだから、その首謀のオサマを殺害するのは当たり前の事であった。 殺害しないで捕まえて裁判しろ、といった幼稚な意見もあるが、尋常でない事を信じているキチガイを法で裁くのは無理だし、訳の解らないことを言うに決まっているのだ。麻原の件で何も学ばなかったのか?国家は社会に不適合な人達を法という暴力のもとに抹殺する権利を有している。そう考えれば、麻原もオサマも社会の害であり、殺されてしかるべきだと思う。オサマにしても、麻原にしても、色々な理屈はこねているが、要約すると「社会」がおかしいので他人を殺しても良いと言うものに過ぎず、聞くに値しない。こういった人間を放置しておくと「社会」に不平不満を持つ人間が追随するので非常に危険なのだ。キチガイはキチガイなのだ。背景を調査するのは社会学者の役割であり、社会不適合者を抹殺するのは法である(オサマの件に法が適用されなかったという意見もある)。 パキスタンはオサマを匿っていたのだろうか?多分そうだろうが、パキスタン自体が認めるわけがない。一体パキスタンは何をしたいのか?アメリカがパキスタンの主権を侵してけしからん、などと言った寝惚けた意見も目立つ。しかしパキスタンは、インドに軍隊仕込みのテロリストを送り込み、北朝鮮に核爆弾技術を伝え、アルカイダ系の原理主義者を支援しているのだ。 パキスタンが一枚岩で無い事は知っている。現政府は多分、上に挙げたような問題を解決しようとする意思はあるのだと思うが、民主主義になったが故に、古い感覚を持つ人々の支持も失いたくないのだろう。パキスタン政府は軍を掌握できていない。そして軍はパキスタン国民ではなく、原理主義者を守ろうとしている。パキスタンの軍部はアメリカと喧嘩して、中国と仲良くしようとしているようだ。インドとアメリカを敵に回し、中国と仲良くして一体パキスタンという国は何を得するのだろうか?一握りの人間の利権の...

3オーバータイムの末に

グリズリーズがやばい。思っている以上にしぶとい。王者スパーズを破ったのも充分理解できる。ありゃ、強いよ。 ザック・ランドルフとガソール弟のフロントラインが強調されるが、シェーン・バティエとトニー・アレンのディフェンスが凄い。ケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックにこの二人がしつこく張り付いているのだが、スタッツに現れる以上にディフェンスが効いていた。 一方、ランドルフに対して、ニック・コリソンもかなり効果的なディフェンスをしている。 縁の下の力持ちを中心に見ているのだが、このマッチアップ、面白くて仕方ない。グリズリーズはOJメーヨとコーリーの二人が6ファウルで退場になって、最後は力尽きて2-2のタイになったが、次からの試合も面白い事は間違いなし。注目です。

落日レイカース

レイカースはシーズン中から酷いバスケをしていたが、ダラスにスイープされた。コービーの衰えも目立つが、フィッシャーとアーテストが酷かった。特にアーテストは無駄なシュートを撃ったり、無意味なファウルを取られたり、頭が悪すぎる。マリアシャラポワと結婚したサーシャ・ブヤチッチとファーマーを出してから、セカンドタイアーの力の無さも目に付く。ガソール、オドム、バイナムとフロントラインはしっかりしていただけに、非常に残念な結果だ。 監督も辞めるらしいし、来期はどうなるのか?マジックのハワードを獲るや獲らないや言っているが、レイカースは面白くないチームなので早く敗退してくれて嬉しい。 一方、ダラスはいいチームに仕上がってる。ジェイソンテリーをセカンドタイアーで使えるのは非常に心強い。

はあ?アニマルキングダム??

今年のケンタッキーダービーは、馬柱を見ていた時点から思っていたのだが、どうもメンバーが弱すぎる。例年のように、「こいつはいける!」というのが無い(実は去年もそうだった)。一番人気のダイアルド院も、前走はガルフストリームで前が崩れて展開のあやで快勝した感が強いものの、今年のダービーはスローペースが確実なので、展開が向かないのは目に見えていた。かといって、無理矢理前に行って他の馬を自滅させるような、古き良きアメリカタイプの馬も見当たらない。ヴェラスケス騎乗のアンクルモーなら出来たかもしれないが、スクラッチしたので、スローペースは確定だ。この時期のケンタッキーは雨が多いのだが、それも期待できず、確実に前有利な競馬になる。 コーリー・ナカタニ騎乗のニーローが内容の濃い競馬をしているので押したいが、誰が勝っても不思議ではない組み合わせだった。で、結論は、見送り。ケンタッキーダービーをトラックに買いに行かなかったのは10年ぶりくらいか? 結局勝ったのは、ピンチヒッターのベラスケスが外から上手く裁いて勝ったアニマルキングダムだった。二着はニーローが前で粘り、後ろから来たインドージャマイカ系のマラグが騎乗していたマッチョマッチョウーノが三着。結局スローペースで、騎手の巧さと運が勝負を分けた、実につまらないレースになった。最近はドバイワールドカップを初め、オールウェザー・ポリトラックのくだらないレースばかり見せられていたので、スピード競馬を期待したのだが、ダメだった。ますます競馬がつまらなくなっている。 勝ったアニマルキングダムは、父はLedoidesanimaux、フランス語で動物の王様。ブラジル生まれで、BCマイルの圧倒的な一番人気に押されたもののスクラッチした化け物だ。まあ、ダービーはあまり血統に左右されないレースなので、こういうのもありなのだろうが、ダート未経験、4走のキャリアでケンタッキーダービーを勝たれると、正直萎える。 二着のニーローは順調に行けば強くなる。日米問わず、ダービーを勝ちきれない馬にはいい馬が多い。しかし急遽乗り代わりでダービー初勝利をあげたベラスケスは巧かった。

ヒート対セルティックス

ボストンの方がシーズン中は強かったのに、マイアミが押しているのに違和感を覚えている人は多いのではないだろうか?恐らく、レイ・アレンのディフェンスが悪くて、デュエイン・ウェイドがやりたい放題出来ているのが原因だと思う。過去二年のNBAファイナルでは、レイ・アレンがコービーをディフェンス出来ていなかったが、今回はレイ・アレンのディフェンス問題が早々と表れてきた格好だ。力差があるチームでは誤魔化せるが、強いチーム同士の争いでは、こういう蟻の穴が勝負を決することになる。ボストンがどのようにアジャストするのかが注目だ。あと、ラジャ・ランドが左腕を捻ったのも気になる。シャック・オニール無しでも大丈夫だが(5分だけプレーしたのだが)、ランド無しにボストンの上昇はあり得ない。