未だに部分的なデフォルトはあり得ないと信じているが、「ええ加減にせえよ」と言いたくなってきた。本日はっきりと露呈した事は、八百長プロレスのような台本があったわけではなく、下院議長のジョンベイナーは共和党をまとめあぐねている、という事だ。下院にはティーパーティーに支持されて前の選挙で当選した一年生議員が多く、その連中が妥協というものを理解していないのかも知れない。金持ち層に支持されている都市部の古き良きまともな共和党員。ティーパーティーやキリスト教原理主義者の田舎の貧乏人やレッドネック層に支持されている負け組み共和党員。その二つが経済政策になると合意できない。まあ、支持している連中がそこまで違えば当たり前のことではある。貧乏人を取り込んで、政権奪取を謀ってはみたものの、取り込んだ連中に共和党は強請られている。或いは共和党は分裂するしかないのかも知れない。それとも、貧乏な田舎がアメリカから独立して南北戦争でも始めた方がいいのか。いずれにせよネジレ国会は古今東西問わず、碌な結果を生まない。
ただベイナー案が下院を通ったとしても、上院は民主党が過半数をとっており、議長のヘリー・リードはベイナー案は捻りつぶすと言っている。オバマもベイナー案には否定的だ。上院から下院へ、そして下院から上院へ。最近の米国では,八百長試合の事を「Kabuki Dance(歌舞伎ダンス)」と表現する。WWEの八百長プロレスや、相撲のように、結果は予め決まっているのに、わざとごねたりして過度な演出をする時に用いるらしい。歌舞伎は八百長なのか。非常に面白い。民主党がごねて、ナンシーペロシが業を煮やしたヘルスケアの際の、ウォールストリートジャーナルの記事からの引用らしい。しょうもない八百長歌舞伎ダンスはもう飽きた。
ところで、仮にアメリカ国債の格付けが下げられたらどうなるのか、という議論が始まっている。格付けが下がったら世界の終わりがやってくるのか?文科系の知ったかぶりをしている人がごちゃごちゃ言っているが、株価をみても市場はそうは考えていない。第一、日本国債はとっくの昔にトリプルAから転落したが、長期金利は未だに低いままである(ある日突然津波が襲ってくるのだが)。国内で消費されている日本国債と、外国人が保有するアメリカ国債は違う、といったクリシエは言いたい人に好きに言わせておけばよい。
まあ、何れにせよ、長期的な競争力を保とうとすれば、国の歳入と支出に関しては真剣な議論を避けていてはいけない。今回のアメリカの件で共和党が悪者扱いされているが、年金や医療費を削るのは当たり前だと思うし、民主党の連中ももう少し真摯に国の歳出削減を議論して欲しい。或いは、民主的な国では、国民の支持を集めて政権を奪取するには、ポピュリズム的なばら撒きや無責任な減税政策に訴えるしかなく、衆愚的な成熟した社会は滅びゆくことが盛者必衰の理なのかも知れない。
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