7/21/2011

増税の仕方に注文をつける

私は民主党政権に辟易としている。菅直人が居座っているからでも、原発対応が遅いからでも、在日外国人に参政権を渡すからでも、消費税を上げようとしているからでもない。理由は、民主党が潜在的に「結果平等社会」を築こうとしているからだ。

日本の将来を考えた時に、社会保障や政府支出の削減と平行して、残念だが増税は避けては通れない。与謝野や民主党は、タバコ税・酒税や賭博税などを増やすことを論っている。要するに、取れるところから取ろう、といった考えである。私はタバコは吸わないし、酒も嗜む程度である。しかし公平性を鑑みると、馬鹿げた増税であると言わざるを得ない。私は以前から当ブログ上で指摘しているのだが、政府や自治体・警察などは、無用な禁煙・禁酒圧力をかけている。何故か?そういったものの規制はやる意思さえあれば簡単に出来る。国に雇われている人達は、そういうものを規制すると仕事している気分になるし、こういった規制は一部の人に評価されるのでやっているだけである。その代償は、酒・タバコ・賭博などに関わる商売のパイを確実に狭めている。それらと密接に関わっている個人経営や零細の商売は、政府に邪魔されているのと等しいのだ。霞ヶ関や永田町には「小さな人達」を守ろうとする発想がまるでない。一部のクリーンな人達は、真剣に、酒・タバコ・賭博を悪の所業と看做しており、増税にかこつけてそれらを社会から抹殺しようとしているようだ。だが、そういった問題と増税の問題は別の話で議論されるべきである。もし増税によって国の収入が増えなければ、増税する必要性がない。健康問題はお門違いだし(タバコを吸わさなければ医療負担が減るらしい(笑))、第一に日本にはアメリカのような禁煙利権(大麻業者と禁煙弁護士)も存在していない。誰も儲からないことを真剣にやろうとしているのが、永田町と霞ヶ関なのだ。

一方で、アルバイトやパート受給者がほぼ無税で罷り通っている事態は看過できない。なぜ、学生や不法就労でバイトをしている人達は所得税を免除されるのか?全く筋が通っていない。ウェイトの議論はさておき、社会に参加して、インフラを享受している人達にはぬかりなく税金を課すべきである。サラリーマンのように、取りやすいところからだけ取るのではなく、正規・非正規・バイト・違法就労・個人経営・公務員・農業経営・宗教法人などに関わらず、公平に税金を毟り取る(?)ことが必要だと考える。また、そうしない事には、税金を払っていない連中がまともに政治の議論に加わらなくなる上に、逆におかしな利権が生まれることになる。農業経営者の団体や宗教法人が意地でも自分達の利権を守ろうとしているのは総ての人達が知るところである。

公平性の観点から、消費税の増税が論議されている。問題は、消費税の増税は、消費者に取れば商品の価格が上昇する事と同意義になるために、結果として消費が冷え込むという事だ。ただ面白い事に、日本では欧米の猿真似なのか、食料には消費税を課さないでおこう、などといった政策が多くの自称インテリ層の間でコンセンサスのような状態になっている。私は問いたい。「何のために増税するのか?」ということを。増税する唯一の理由は、国家財政を健全化するためであり、それ以外の理由は全くない。そうすれば、全ての人が買わざるを得ないような「食料品」は増税するべきである。逆に、増税して需要が下がりそうな高級品、例えば高級車、住宅、貴金属や宝石などは税率を据え置くべきだ。そうしないと、国家の収入を増やすという本来の増税の目的は達成されない。

ただ、民主党の議論を聞いていただければわかるが、多くの議員は増税にかこつけて自分達が目指す社会を実現しようとしているに過ぎないのだ。恐らく、日本の財政事情などを正しく認識している議員などほんの一握りしかいないのかも知れない。民主党が目指す社会とは何か?タバコや酒のない社会。賭博をさせない社会。サラリーマンの楽しみを奪って、労働だけを強いる社会。中小零細企業は切り捨てて、大手企業に利益誘導する社会。まともに働かない人には優しく、一方で金持ちの消費は妨害する社会。恐らく、霞が関はこういった社会を好んでいる。今まで勉強だけしてストイックに生きてきて、気が付けば自分の能力に見合わない程度の給料しか貰えていない。それならいっそのこと、民主党に乗って「結果平等社会」を願いたくなるのも、まあ、理解できなくはない。

そんな事を言いながらも、結局これまでタバコ以外は増税できなかった癖に、支出のほうはしっかりと増やす民主党政権。震災復興に関わる予算でも、精査なく大盤振る舞いをしている。費用対効果が怪しいことをしているのだ。こんなことで本当にいいのだろうか?民主党は日本を破綻させるつもりなのか?

だからといって自民党を応援している訳ではない。現在の事態の責任は自民党に由来している。私が言いたいのは、脱原発云々で遊んでいるのではなく、永田町にはきっちりと政治をして欲しいという事だ。増税案についても、個々の政治家が具体的な政策を明示するべきである。

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