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5/27/2021

ビットコインの値上がり構造はネズミ講

 爆騰していたビットコインが5月になってから軟調である。最高値から半値くらいになったこともある。クリプトカレンシーの下がり局面で「ざまあみろ」と思った人は結構多いと思う。何もしていないのに、夕飯が美味しくなってしまうのだ。

アセットというものは、基本的に適正価値というものが存在するというのが私の考え方である。適正価値よりも価格が極端に高い場合は、手を出してはいけないし、適正価値よりも価格が低いアセットは積極的に買い入れる。株価の適正価値はEBITDAを利率で割れば良いし、不動産の適正価値は家賃収入を年利で割れば良いし、コモディティーに関しては最終商品の市場価格に需給を考慮して計算する。

で、クリプトカレンシーだが、そういった適正価値を計算する方法がない。ビットコインに関しては、マイニング価格に紐づける方法が提案されているのだが、経済学を学んだ人間を納得させるようなものではない。それではクリプトの価格はどうして決まっているのだろうか?

将来的にもっと高くで買う人がいるから、今買わなきゃいけないよ。買う人が増えるから、安いうちにかっておこう。値段があがるから買う。まあ、よくある話である。この値上がり構造は、結局はねずみ講(ポンジースキーム)である。買い手を二人探せば、値段が倍になる。買い手を探し続ける限り、値段は倍々ゲームだ。ねずみ講に参加している人間は、もちろんクリプトを信じ続け、一人でも参加者を増やそうとする。クリプトを持っている人たちが目の色を変えて、クリプトの未来や、現在流通している貨幣がいかに糞かという事を力説してくれる。

ねずみ講の怖さは、上手く行っている時は参加者が増えるが、ダメな時は一気に逆流が起こるという事である。クリプトするくらいなら競馬でもしてる方がよほど健康的だと思うので、私はクリプト持ってません。イーロン・マスクとかまでがクリプトのねずみ講を煽っているのが腹立たしいが、テスラは2,3年前には倒産しかけてた会社だという事は忘れてはなりません(ソフトバンクも同じ)。


3/15/2016

上海の不動産価格が何故か爆謄している件(笑)

上海で働いている元同僚がシアトルにやって来たので、一緒にご飯を食べた。上海の景気について聞くと、やはり景気は悪いらしい。が、面白い事に、ここ数か月で上海の不動産の値段が爆謄しているというのだ。え?私は耳を疑った。もう一度聞いた。ここ二、三か月の間で、恐らく2-3割不動産の値段が騰がっているのではないか、という事だった。これは上海だけではなく、深圳でも同じような状態だという。今まで、やたらと中国経済について強気だった元同僚だが、「これはバブルの匂いがする。恐らくは91年の日本のような事態になるのではないか」という事だった。

ほんまかよ!株が乱高下しており、経済も悪化を辿っている。輸出入が減っている。しかも、政府は資金の国外流出を憂慮している。そんな状況の中で不動産の値段だけが爆謄するなどという事はあり得るのだろうか?

で、家に帰ってインターネットでリサーチをすると、不動産の値段に関しては確かにここ数か月爆謄しているようだ。税金が変わっただの、そういう制度的な事が原因だとお茶を濁している。結論を言うと、中国は訳がわからん(笑)。これ、やばいんちゃうの?

12/15/2015

イエレンは明後日に利上げするの?

こういう質問を良く受けるのですが、答えは「YES」です。現地時間の水曜日に間違いなく25ベーシスポイント上げてきます。FED(邦銀)の使命は、サプライズ(市場の動乱)なく上手く市場を誘導することです。従って、市場が利上げを織り込んでいるのだから、きちんと利上げをするのです。

利上げした後には色々と問題が起こってくる可能性がありますが、唐突には来ません。そのうち、特に債券(ボンド)市場で波乱が発生します。よほど度胸がある人でなければ、しばらく債券市場(国債、公債、社債など)に手を出してはいけません。債券市場につられて、米ドル、商品、新興市場株などが揺れる可能性があります。利上げをすれば、市場の関心は次の利上げはいつか?って事になります。

暫くはボラティリティーの高い方向性を見失った取引が続くでしょう。教科書通りに考えると、金利が高い米国に資金が流れそうなものなのですが、最近では円高を予想する声もあります。現時点ではっきりした「方向性なし」と答えるのが正しいと思います。つまり、FXは儲からないので手を出すな、です。

爆上げの期待はないものの、日米欧の株にお金を突っ込んでおくのが正解でしょう。

4/15/2015

政府はアホな事ばかりする物

私は、「政府など邪魔だ」と頑なに信じている。政府の判断力は、民間や個人の判断よりも良いとは言えないし、小回りが効かない。よって、政府が経済に介入するべきではない、と思っている。よって、補助金や規制などは全て撤廃するべきだと信じている。政府の役割は、必要最低限のルールブック作りと、警察・軍事だけでよいと思う。

で、いまさらになってアベノミクスが失敗だなんだと言っている人がいる。アベノミクスは失敗していない。言った通りの事をしているので、失敗も糞もない。黒田さんにも、言った通りの事をさせている。安倍首相を国民が選挙で選び、安倍首相が黒田さんと一緒に言ったとおりの事をしたのだから、文句を言うのは間違いである。

それでも「人々の暮らしが良くなっていないではないか!」などという人がいるが、そういう人はお寺や神社にでも行って神様相手に願掛けをしておけばよい。そもそも政府に景気を良くする処方箋などあるわけがないのだ。政府の役目が人々の暮らし向きを良くする事だと思っているようなメデタイ考え方をしている人が多いのだから、この世界は楽しい。

政府ができる事といえば、市場を乱す事だけである。アベノミクスは、金融緩和やそれに帰結する円安で、まさに世界市場を乱した。アベノミクスはまだまだ続く。もっともっと市場を乱してくれるのだ。その波にうまく乗り、その向こう側にあるキャタストロフィーから上手く身を守りさえすれば、一方向に動く市場というものは確実に儲かるのだ。

政府に期待したり、文句を言ったりする暇はない。馬鹿な政府のインチキ政策を見越した上で、うまく波に乗る。こういうところにしか、濡れ手に粟の好機は存在しない。政府が馬鹿であればあるほど、賢い人がもうかる仕組みになっているのだ。

私は無駄な政府がしょうもない事をするのを、非常に腹立たしく思う。政府が邪魔をしなければ、多くの一般人が不必要な痛手を強いられずに済むからだ。しかし、逆に政府がアホであればアホであるほど、色々な美味しいケーキを落としてくれる。もちろん、それらが一般市民の痛手の上にあるという事は解っているのだが、自分がそのケーキを食べなければ、他の糞野郎がそれを食べるだけなのだから、私は積極的にケーキを食べに行きます。

8/02/2014

アメリカはバブルなのか?

友人の中には、アメリカのバブルを心配する人たちが結構大勢いる。私は杞憂だと思うのだ。羹に懲りて膾を吹く程度の話しだと思う。景気は登り小口にやって来た程度で、今から山頂を目指すという認識が正しいと思う。ただし、色々な外部環境が変化しつつあるので、ポジションの整理などには細心の注意を払う必要があるだろう。

1.アメリカの株価は上がり続けている。2012年の5月から6月以降、S&P500はコレクション(調整)を経験していない。異様に長い期間であり、実体経済と株価が乖離していると考える人達も大勢いるだろう。しかし、売上や利益が上がっているというのも事実である。そして、ROEやPERと言った指標を見ると、株価が極端に高いという事実はなく、2007年以降の様に株式市場がメルトダウンする心配は杞憂だと思う。しかし、割高感が多少出て来ており、10-20%程度の調整はいつ起きてもおかしくないだろう。一方で、調整さえ入ればどんどんと株式市場に参入したいという人達が増えており、中長期的には「買い」である。

2.IT、特にSNS株、バイオテク株、そしてジャンクボンドなどに極端な割高株が見受けられる。そういった株は、いずれ調整を余儀なくされるだろう。フェイスブックやリンクトインは半分くらいになってもおかしくない。ツイッターに至っては10分の1でも高すぎると考えている。株価に調整が入れば、ベータが高いこれらの株価はかなり落ち込むと考えられる。ジャンク債などに至っては、一旦売りサインが出れば、買う人は現れるのかどうかすら怪しい。

3.アメリカの住宅市場は堅調だ。2011年ごろに底を打った感があったが、アパートの建設から、愈々一戸建ての建設に軸足が移って来た。経済が堅い地域では、住宅の数が足りない現象が起きている。住宅を売る方も、もう少し粘ってみようとする人が多く、中古市場も在庫が少ない。住宅価格が高くなっている一因に、家賃の高騰が挙げられる。家賃が高騰した以上、住宅価格の高騰はおかしな現象ではない。利率が低いから住宅市場が好調だという人もいるが、最近のアメリカ住宅市場では、日本の様に現金購入者が多く、ローンを組んで住宅を購入する普通のアメリカ人は住宅市場に飛び込みにくい状況になっている。これは過去にカナダのバンクーバーやトロントで良く見られていた現象であり、アメリカでもこういった傾向が数年は続くと見ている。

4.労働市場はすこぶる良い。しかも、給料が上がっている。つまり、アメリカはインフレ状態にある。インフレ下では、現金を極力持たず、アセットを持つのが正解だ。銀行口座の預金を少なくし、株や住宅といった資産を購入するのが身を守る方法である。債権はどんどん処理するべきだが、FRB以外に一体誰が買うのか?この問題が表面化する3-4年先、アメリカの景気は折れるだろう。

結論:アメリカ経済はまだまだ調子よく上がっていく。3-4年は続く。しかし、利率が上がるにつれ、バーナンキのヘリコプター政策の矛盾が露呈していき、インフレにより、個人の負担が増えていくと思われる。言い換えると、次の10年程度は好景気と悪景気の普通の景気循環が起こる。バブルの心配をするのは今ではない。2-3年待ってから心配せよ。逆に現金や国債などの安全資産を保有すると、かなり痛い目を見るだろう。

6/07/2013

昨今の世界中のボラティリティ―の変化どう捉えるか?円の暴騰、日経の暴落と長期金利の上昇

世界中のアセットプライスが気持ちの悪い動きをしている。今朝、アメリカの労働市場の指標が出る前に、まとまった額の金の売りが出ていた。驚くほどの額だったので話題になっていたのだが、まるで労働市場の指標を事前に知っているかのような値動きだっただけに、捜査の対象になっているようである。

三週間ほど前、バーナンキがQEを縮小させるかもしれないという予想がニュースメディアに流れ出してから、市場が乱高下するようになっている。特に、長期金利が世界中で不気味に騰がりだして、それに対して一部の政府がインチキをしているような節がある。

ご存じのとおり、長期金利の高騰に端を発した問題により、日経平均に大幅な売り圧力が出てきており、日本株は2割以上の下落を経たため、定義的には既にベアマーケットに突入している。そのことで「アベノミクスの失敗」や「バブルの崩壊」などと騒いでいる連中も見受けられる。

私が気持ち悪いと思ったのは、木曜日に円が急激に売られて、99円強から96.1円まで、30分近くで急騰したことだ。日本市場が閉じているときに、何者かが仕掛けたとしか思われないのだ。ヘッジファンドなのか?ソブリンファンドなのか?外国政府なのか?或いは自民党の自作自演か?それは解らないが、夏場の薄商いを狙って、魑魅魍魎が跋扈しているとしか思えないのだ。

この異様なボラティリティ―をどのように判断すれば良いのか?バブル云々言っている人達がいるが、日経の値はバブルからは程遠い。PERが4月の末で23倍、そして現在14倍ほど。つまり、利率が4%から7%まで騰がったということになる。この程度でバブルなどと言っている人たちは正直おかしいと思う。日経は長期的にはまだまだ騰がる余地がある。ちょっとばかし値上がりすれば「バブル」などという言葉を使いたがるほど、私たちの中にはトラウマが出来あがってしまったのだろう。

円にしても、一ドルが100円などと言うのは、まだまだ甘く、120円は軽く超えてくるだろう。値段が乱高下しようとも、最後は思う所に回帰してくるだろう。ソロスチャートや、PPPや、マネタリーベースや、色々な理屈を使って為替水準を説明しようとしている人達がいるが、そういった物はあくまでも後付け説明に過ぎず、為替を正確に予想できるような因果関係などないのだ。

夏場のボラティリティ―は毎年仕方ない事なのだが、誰かが仕掛けてくるこの状況をどう見るか?一時的に吹き荒れる台風として過ぎ去るのを待ちたい。しかし、ボンドマーケットが徐々に下げていることに対しては細心の注意を払う必要があると思う。グレートローテーションの話なども出ているが、グローバル規模での長期金利の上昇というシナリオは、はっきり言って世界経済にとっては最悪だ。株とは違い、ボンドマーケットは間違いなくバブル水準にあったと信じており、これが崩壊すると世界規模で大変なことになる。中央銀行が長期金利をコントロールできると考えている人たちは、一度ほっぺたをつねった方が良いと思う。残念ながら、自民党にも中央銀行にもそんな力はない。所詮は投資家のマネーゲームの上で踊っているだけなのだ。世界中の市場は繋がっており、蝶の羽ばたきは台風になるものである。

5/22/2013

モルヒネ投与を減らしていくと??QE4を手仕舞い、株価の調整。

本日のニューヨーク市場は非常に気持ちの悪い値動きをした。バーナンキ議長の証言の前にはダウジョーンズは1万5千5百ほどまで騰がったのだが、バーナンキ議長がQE4を手じまう可能性に言及した後、1万5千4百2十円ほどまで一気に下がった。しかし、それから盛り返したのだが、市場が萎えてしまったのか、午後になると徐々に下げ、最終的には1万5千3百円程で引けたのだ。一日内の中で、最近見たことが無いほどのボラティリティ―が見られた。

市場のコンセンサスは一つだけ。QE4を止めれば、株は下がるという事だ。ウォールストリートは、QE4の手仕舞いの準備が出来ていない。ただ、目下のアメリカ経済は滅茶苦茶良い。株高、住宅高、雇用復活。QE4どころか、利上げ局面にすら近づいている感があるのだ。

先月のヒンデンブルクのオーメンが出た後に少しだけ、そして昨日にポートフォリオをもう一度大幅に見直して株のポジションを下げたのだが、もう少し考え直さなければならなさそうだ。今後、アメリカ経済にとっての良いニュースを、ウォールストリートは「売り」機会と捉えそうだ。残念ながら、アメリカ経済はとても良い。

円安傾向は、アメリカ経済の復調が顕著であり、ますますブレーキがきかなくなりそうだ。短期投資家は別として、中長期でやっている方は、安心してドルを保有されれば良い。

12/30/2012

時間切れ間近。財政の崖問題:バッドディールよりはノーディールを望む


フィジカル・クリフ(財政の崖)の問題が大詰めを迎えようとしている。年末の期限までに決められなければどうなるのか?ブッシュ政権下で導入された大型減税策が2012年末で期限切れとなり、このまま新年を迎えると自動的に増税となる。さらに、大規模財政赤字削減が強制発動され、国防費を中心に10年間で最大12000億ドルの歳出削減が実施される。

テレビをボーっと眺めている人にとっては、「財政の崖」は早急に議会が折衝して法案を通すべき問題であるのかもしれない。対策をとらなければ米国経済はマイナス成長となる可能性が高く、景気後退に陥る危険性がある。だからこそ、バーナンキがこの問題を大袈裟に財政の「崖」などと比喩したのである。法案が決められないのは共和党がサボタージュをしているからであり、オバマや民主党が選挙で勝ったのだから、わがままを言わずに早急に通せば良い。CNNなどを見ているとこういった意見が主流のようだ。

年末までに議会が何も決められず「財政の崖」から落ちる事態になると、具体的にどのような結末が待っているのだろうか?年収が500万円程度の個人であれば17万円ほど、子供が二人いる家庭であれば19万円ほどの増税となる。年収が2000万円程度の個人であれば75万円ほど、子供が二人いる家庭であれば63万円ほどの増税となる(1ドル100円で計算)。かなりの額である。さらには、健康保険、教育、失業保険などへの歳出が減らされるため、それ相応のサービス低下が発生する。失業保険は減らされ、職がない人には厳しい。住宅ローン減税なども下げられ、負担が増える。

様々な助成金も削減される。例えば酪農家に対する助成金が国から来ており、それがなくなってしまうので、ただでさえ日本より高くて不味い牛乳の値段が倍増する恐れがあるとされている。

連邦政府(国)から州政府に多くの金が流れているため、州ごとに色々な影響が考えられる。カリフォルニア州など一部の州では、税金から州へ行く額が増えて、州の財政の足しになる。ただ州税に関しては不確定要素が多くなるため、納めすぎた税金の返還が遅延する可能性が言われている。

一部の州では相続税が「いきなり」復活する。年を越えて親が死んだ家族は大損する。どうせ死ぬなら大晦日までに死んで欲しいものだ。一番の問題は企業の特殊減税措置のうち失効したり変更されたりする物が出てくることだろう。株の配当に対する税金もあがる。すると株から他の資産、例えば国債に資金が流れ、株価が大幅に下落することが考えられる。

ただ長期的な財政の問題は劇的に良化する。アメリカも日本と同様に歳出過多が続いており、早晩に財政問題に手をつける必要がある。現状ではFRBのツイストオペレーションにより長期国債の利率は物凄く低止まりしているが、景気低迷時に長期利率がじわじわと騰がりかねない事態は、どこの国でも歓迎されない。

シーホークス対ラムズの消化試合を見ながら、現在この文章を書いているのだが、時間切れの時計は30時間を切った。新しい法案には、ミュニシパルボンドの配当に課税する、など個人的に嬉しくないような案も含まれているようである。財政問題の小手先の改悪をすると、アメリカもそのうちスタグフレーションや財政破綻に直面してしまうだろう。

個人的な見解として、ノーディール(取引なし)で財政の崖を落ちる方がバッドディール(悪い取引)よりはマシだと考えている。アメリカの長期的な発展のためには思い切った歳出カットと増税は避けて通れないからだ。下手にデット・シーリング(債務限度)を取り払うなど、政治家好みの政策にすると、再び米国は国債の格付けを落とされる事態になる。政治がこじれたフリをして、財政の崖から態と転落し、財政問題を解決すれば、その後の政策決定が比較的簡単になる筈だ。

まあ年末までに同意できなかったとしても、大袈裟にいわれているような崖から落ちてしまうイメージではない。一月から影響が徐々に出始めるが、なんらかの同意がなされれば影響はとても小さなものに抑えられる。

短期の利をとり長期的な凋落傾向を選ぶのか、短期に苦しみ中長期の問題解決に向かうのか?残念ながら、多くの人が前者を選んでしまうから民主主義に財政問題は任せられない。

仮に「財政の崖」問題を一部解決したとしても、来年二月には再びデット・シーリングが来る。DCは再び民主党と共和党の間でカブキダンスを踊る事態になるのだろう。長期的な視野に基づいて、アメリカ全体の繁栄だけに目的を絞って政策決定をして欲しいと願う。アメリカの場合は、(日本とは違って)政党の後ろ立てに優秀な頭脳があるので、そういった人達の決定は最善である、と信じたい。だから私は気を病むことなくフットボールを観戦する。ゴー、シーホークス!

10/13/2012

G8諸国で一番割高なカナダ:不動産バブルは崩壊前夜

先日、ロンドンを訪れた。英国は物価が高いと溢す人が大勢いるが、そこまで酷いとは思わなかった。税金を考慮したうえで円換算をして日本の物価と比べると、むしろ安いと思った。ドル換算をして、アメリカと比べると少々割高だが、そこまで言うほどではなかった。むしろ、ロンドンに比べると、バンクーバーの方が物価がずっと高いように思えるのだ。

G8の中で、実は現在カナダの物価が一番高いのではないだろうか?理由は、カナダドルと米ドルがほぼパリティー(等価)であるからである。

カナダでは、習慣的にアメリカドルの1.4~1.5倍くらいの値段のカナダドルで定価がつけられている。例えば、チェーンのコーヒー店のコーヒーがアメリカで2.50米ドルだとすれば、カナダでは3.50カナダドルとなる。何故なら1USDがおおよそ0.7-0.67カナダドルの時代が長かった為である。しかし資源バブルの波に乗り、資源大国と思しきカナダのルーニーは米ドルベースで投機的に買い漁られた。さらにはサブプライムの問題でアメリカの住宅市場が崩壊する。アメリカにあった資金がカナダに一時的に避難したのだ。

カナダは積極的に移民を受け入れ、バンクーバー、トロント、カルガリーといった都市の人口が爆発的に増加した。そして、移民富裕層がだぶついたお金で買うものといえば、不動産である。アメリカの住宅の値段が崩壊するのを余所に、バンクーバーやカルガリーの住宅やマンションの値段は騰がり続けた。世界同時不況などと言われていたが、ここシアトルから二時間半ほど車で北に走ると、調子の良い国があり、世界同時不況と言う言葉がまやかしである事は誰の目にも明らかであったのだ。

ワシントン州北部のベリングハムなどには、ブリティッシュコロンビアの車が押し寄せる。ショッピングセンターはカナダ人で満員。ガソリンスタンドはカナダの車で長蛇の列である。エベレット近郊にアウトレットがあるのだが、そこも半分以上の車がブリティッシュコロンビアのナンバープレートである。ブリティッシュコロンビアから、特に北米に来て間が浅い中華系の人達がアウトレットに大挙訪れるのだ。

バンクーバー中心部のマンションは、日本円換算で二億、三億が当たり前。シアトルと比べると四倍~六倍といった感覚だ。旗艦となるような産業がなく、野球やバスケットボールなどの経営すら成り立たないようなゴマメ都市のバンクーバーに、それ程の「力」があるとは思えない。新しい移民の豊富な資金力、それと米ドルから資源関連に資金を移す投機家の思惑、バンクーバーの不動産を正当化できる説明はないわけだ。

カナダ政府は、30年の住宅ローンを基本廃止し、最長返済期間を25年に短くした。そして、どうも夏ごろから、バンクーバーの不動産がだぶついているという話を良く耳にするようになった。引き締めもある程度効いているのだろうが、どうも豊富な資金力を持つ移民たちの本国で「火事」があったために、バンクーバーのセカンドホームを手放す必要が出来た人達が大勢いるようだ。

中国経済が崩壊に向かい、それがカナダの経済を根本から揺らがそうとしている。カナダの一連の住宅バブルは弾けるだろうし、ルーニーも米ドルベースで今後は軟着陸していくことだろう。カナダ銀は、カナダドルが高止まりしている状態では下手に利下げをする事が出来ず、結構難しい政策選択を迫られることになるだろう。

3/04/2012

21世紀初頭の第二次オイルショック





原油の価格がじわじわと上昇している。2008年の夏にはマーカンタイルのWTI原油がバレル当たり135ドル近くまで行ったので、直近の110ドルはまだ安めなのかも知れない。2008年の原油高当時は、ドライブを控えたり、馬鹿高い飛行機代を払ったりで、嫌な思い出ばかりがある。ジャストインタイム方式のロジスティックが高度に発展した現代社会において、原油が高くなれば消費者物価が増倍して影響を受けることになる。あの頃に魚や野菜の値段が上がっていたのは、原油高の影響だった。しかもスペキュレーションが元で、他の商品の値段も跳ね上がり、踏んだり蹴ったり状態になっていた。商品価格が上がると、価格はそこまで柔軟に調整できないので確実にGDPを押し下げることになる。

ガソリン価格がガロン(3.79リットル)当たり、4ドル以上になってきている。私の住むシアトル周辺では4ドル20セント代であるが、東海岸や炭素税のあるカリフォルニアではもっと値段が高いものと思われる。車社会のアメリカでは、ガソリンが高くなると物凄く損をした気になってしまう。ガソリンスタンドの表示が騰がっているのを見る度に、せこい私は嫌な気持ちになる。

何故原油価格が上昇しているのか?直接的な原因はイラン問題であろう。ホルムズ海峡封鎖を言い出しているイランをアメリカが牽制する。しかも原子力発電所が完成するとあって、イスラエルが予防的に空爆する可能性すら取り沙汰されている。そうなれば戦争である。

陰謀論の域を出ないが、イスラエルの右派は共和党政権返り咲きを目論んでいるので、わざとオバマ政権に揺さぶりを掛けている節がある。口にはしないが金持ちアラビア湾岸諸国も心の底ではイランを嫌っているので、石油価格高騰によるイランへの制裁を黙認している始末だ。イスラエル右派だけではなく、選挙前には色々な目論見があり、原油価格が人工的に吊り上げられていると見るのが常識だ。オバマも、カナダのアルバータからパイプラインをメキシコ湾岸まで通すプランを環境目的で破棄した。当地ワシントン州のチェリーポイント製油所では「謎」の火事があり、製油キャパシティーが下がったままである。BPと湾岸地域の住民との問題も昨今では政治問題に再び上がっており、一波乱・二波乱あっても誰も驚かない。政治的要因を忖度してシカゴやマーカンタイルが動き、世界経済のファンダメンタルに影響を与えると言う、誰もが眉を顰める話が罷り通っている。節操の無い投資家が悪いのか?私の意見では、間違いなく政治家が悪の根源である。

歴史は繰り返すと言う。日本は73年と79年に二回のオイルショックを経験した。二回目はイラン革命によるイランでの石油生産中断のためのオイル価格の高騰だ。翻って21世紀。またもやイラン問題で二度目のオイルショックが再びこの夏に齎されるかどうかに注目が集まる。そうなれば徐々に成長しつつある世界経済に冷や水が浴びせられ、特に日本のようなエネルギー依存国は大ダメージを負う可能性が高い。円安と資源高のダブルパンチを受ければ、日本社会はかなりの調整を余儀なくされるだろう。勿論、短期的なGDPの落ち込みを伴い悪い面ばかりがマスコミなどを中心に取り上げられるだろう。しかし、調整をする事は長期的に見ると必ずしも日本の成長に負になるとは限らないと思う。調整が必要な面で、政治がその邪魔をする事だけは避けて欲しいと思う。

2/06/2012

韓国に負けてしまった日本

一昔前まで、危機感を抱かない日本人を諌める目的で「ぼーっとしてたら韓国や台湾に負けるぞ」と言う人達が少なからずいた。こういう意見に触れ、大概の人達は「あり得ない」の一言で済ましていたし、実際にあり得ないと信じていた。警鐘を鳴らすのが目的であり、言っている側もそんな事はあり得ないと腹では括っていた。

個人的な見解だが、勢いと言う意味で、日本は完全に韓国に負けてしまったと思っている。韓国に負けたと言うと、それを認めない人達が一杯いることは承知している。ウォンは安いし、所得は低いし、格差は大きいし、大企業では労働組合すら認められていない、などと考える人が大勢いる。そもそも、韓国の成功はIMFのお陰ではないか、と。

逆から物を見ると、日本が変な方向に行ってしまっただけなのかも知れない。日本の凋落振りが恐ろしいのだ。他の国は普通に走ってきているのに、日本だけが必死に昼寝をしていた感じがあるのだ。世界は競争しているのだから、昼寝をしていると亀
に追い越されるのは、子供の時から聞かされている童話と同じ事である。

電化製品部門での韓国勢の勢いが凄くなったのはここ10年ほどである。以前は、ソニーと言えば高品質の代名詞で皆が憧れるブランドであった。私がアメリカにやって来たのは10年少し前なのだが、その頃日本市場にはサムソンやLGはほぼ皆無であった。アメリカの量販店でサムソンやLGが並んでいるのを見て、鼻で笑ったものだった。しかしサムソンとLGが世界市場を席巻し始める。ソニーはそのブランド力にあぐらをかいており、都市に住む洗練された人達をターゲットにした。多くの経済メディアで指摘されていたが、金にならないイノベーションに力を入れていた感があった。その頃、サムソンやLGは新興国の金持ち連中を中心のニッチマーケットを開発した。ソニーが無駄な多機能性などに力を入れている間、サムソンやLGはマーケットを確実に拡げ、ブランド力の無さと言う最大の弱点を克服した。安かろう悪かろうの韓国製品が、安くて良い商品、つまり昔の日本の製品のようなポジションに収まったのだ。逆に、成功にあぐらをかいていた日本の会社は、何をやっても世界は自分たちの商品に夢中になっていると考えたのか、値段を吊り上げ始める。高いだけの商品に成り下がってしまったのだ。しかも、メイドインチャイナが世界を席巻し、主に台湾系のOEMに製造を頼らなくなると、サムソンであれ、ソニーであれ、品質に差がなくなってしまった。差は無駄な多機能の分だけ日本製が高いのだ。しかも、無駄な多機能は壊れる確率が高くなり、顧客満足度が落ちてしまう。その結果、ソニーやパナソニックは悪い噂が流れ始め、ブランド価値すらおかしくなっているのだ。最近では、ソニーよりもサムソンの方が性能が良い、などといった意見を聞く機会も多い。パナソニック?それはウサギの電池のブランド?

車にしてもそうである。ホンダやトヨタの牙城に、現代や起亜が食い込んできた。安かろう悪かろうでは無く、品質も上がってきており、ヒュンダイの車は顧客満足の部門でも上位に入っている。起亜はターゲットを絞り込み、的確なマーケティングで市場を伸ばしている。成功しすぎた日本勢は、ターゲットやポジショニングというマーケティング手段を使えず、ジェネリックでありながらニッチをターゲットにしたような中途半端なマーケティングを展開せざるをえないような状況に陥っているのだ。私は、次に車を買い替えるときには、ヒュンダイでも良いとさえ考えている(ただ多くの日本人にそれだけは止めとけと言われています)。

ドラマや音楽の世界での韓国の出しゃばり方は、あえて筆を割く必要すらないだろう。日本の音楽やテレビ産業が「あちゃらを」向いて「オタク」に焦点を合わせ過ぎた隙に、韓国の会社は万人受けするコンテンツを入れて来た。日本人はここでもイノベーションの意味を履き違えた感がある。挙句の果てには、パナソニックの経営が怪しくなって、水戸黄門ですら放送終了させなければならないような話になっているのだ(しかし、ここ数年の水戸黄門は痴呆の老人をターゲットにしたようなシナリオで、視聴率が下がってきた事も理解できます)。

敢えて韓国と比べてみたが、日本の凋落が目立っているのが問題なのだ。PC市場における台湾勢やサムソンとの競争など、他にも例に暇がない。企業のライフサイクルはあろうが、「商売」の意味をもう一度見つめなおし、大企業病を払拭し、アメリカに追いつけ追い越せに命を掛けていた80年代のような活躍を期待したい。ビジネスにおけるイノベーションとは何かということをもう一度真剣に吟味して欲しい。マーケティングとは何かを自答して欲しい。ただ現実は、日本の凋落を円高や高い税金のせいにして、大企業は政商のごとく日本社会全員で溺れようとしているようにしか写らない。穿った見方をすれば、一度日本がデフォルトすれば、韓国のように這い上がれると思っているのだろうか?

韓国企業もあと20年ほど経てば、日本の今の現状をはっきりと理解できる日が来るであろうことが唯一の救いなのだが。

サウジはポンコツ。何も出来ない

フーシ派がマユン島を占領して、紅海の入り口をコントロールしており、ムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)がトランプに米軍がフーシを攻撃するように要請したとのニュースが流れた。トランプは断ったという。このニュースを受けて、原油は暴騰。 サウジはアラブ諸国の雄じゃないの?このくらい、...