三週間ほど前、バーナンキがQEを縮小させるかもしれないという予想がニュースメディアに流れ出してから、市場が乱高下するようになっている。特に、長期金利が世界中で不気味に騰がりだして、それに対して一部の政府がインチキをしているような節がある。
ご存じのとおり、長期金利の高騰に端を発した問題により、日経平均に大幅な売り圧力が出てきており、日本株は2割以上の下落を経たため、定義的には既にベアマーケットに突入している。そのことで「アベノミクスの失敗」や「バブルの崩壊」などと騒いでいる連中も見受けられる。
私が気持ち悪いと思ったのは、木曜日に円が急激に売られて、99円強から96.1円まで、30分近くで急騰したことだ。日本市場が閉じているときに、何者かが仕掛けたとしか思われないのだ。ヘッジファンドなのか?ソブリンファンドなのか?外国政府なのか?或いは自民党の自作自演か?それは解らないが、夏場の薄商いを狙って、魑魅魍魎が跋扈しているとしか思えないのだ。
この異様なボラティリティ―をどのように判断すれば良いのか?バブル云々言っている人達がいるが、日経の値はバブルからは程遠い。PERが4月の末で23倍、そして現在14倍ほど。つまり、利率が4%から7%まで騰がったということになる。この程度でバブルなどと言っている人たちは正直おかしいと思う。日経は長期的にはまだまだ騰がる余地がある。ちょっとばかし値上がりすれば「バブル」などという言葉を使いたがるほど、私たちの中にはトラウマが出来あがってしまったのだろう。
円にしても、一ドルが100円などと言うのは、まだまだ甘く、120円は軽く超えてくるだろう。値段が乱高下しようとも、最後は思う所に回帰してくるだろう。ソロスチャートや、PPPや、マネタリーベースや、色々な理屈を使って為替水準を説明しようとしている人達がいるが、そういった物はあくまでも後付け説明に過ぎず、為替を正確に予想できるような因果関係などないのだ。
夏場のボラティリティ―は毎年仕方ない事なのだが、誰かが仕掛けてくるこの状況をどう見るか?一時的に吹き荒れる台風として過ぎ去るのを待ちたい。しかし、ボンドマーケットが徐々に下げていることに対しては細心の注意を払う必要があると思う。グレートローテーションの話なども出ているが、グローバル規模での長期金利の上昇というシナリオは、はっきり言って世界経済にとっては最悪だ。株とは違い、ボンドマーケットは間違いなくバブル水準にあったと信じており、これが崩壊すると世界規模で大変なことになる。中央銀行が長期金利をコントロールできると考えている人たちは、一度ほっぺたをつねった方が良いと思う。残念ながら、自民党にも中央銀行にもそんな力はない。所詮は投資家のマネーゲームの上で踊っているだけなのだ。世界中の市場は繋がっており、蝶の羽ばたきは台風になるものである。
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