現状に満足している人など、高尚な宗教でもして悟りに達している場合などを除き、ほぼあり得ない。人間は無い物を強請り、より満たされた生活を目指そうと潜在的に考える。我々の生活の質は40年前よりも確実に良くなっている。だが、多くの人が不満を口にし、そして現状を嘆く。それは極自然な人間の欲求であるのだ。
世の中の多くの人は、一銭でも多く貰いたい。少しでも沢山の権利を有したい。自分が関わっている物事が少しでも有利になるようなルールを欲する。この現実を無視すると、ユートピア論を唱えることになる。
不満を代弁することが政治家の仕事であると信じているお気楽な人達と出会うことがある。政治家自身や秘書などをしている連中に多いのだが、不満を代弁する自分自身に酔っている節がある。不満を持つ人達(声が大きい人達)の主張を繰り返し、現政権やシステムが悪いと結論付ける。そして、限られた予算をそれらの人達に付けようとする。
サンタクロースじゃないのだから、全ての子供たちに希望のプレゼントをあげる事など出来ない(友人の子供はWiiが欲しかったのですが、サンタクロースも不景気の煽りを受けてレゴのブロックだけ渡したそうです)。
政治家や政治家志望の人達の多くは、水商売(人気商売の意味)従事者であるので、まともに時間を割いて系統的に勉強していない人も数多くいる。古今東西世の常であるが、不勉強で意志の強い善人たちが社会を壊すものである。
不勉強な意志の強い人達が政治家になる事ほど危険なことは無い。八方美人が政治家になるほど恐ろしいことは無い。何故なら、政治家の仕事は、法律の制定と予算配分だからである。予算配分とは、予算額が限られている限り、誰かの予算を削って、誰かに予算を足すことである。予算額は税収プラス支出である。単純な引き算問題であり、予算額を増やそうと思えば、税収を上げるか、支出を減らすかしなければならないのである。
橋下が正直であるのは、支出を削減しなければならないと断言していることだ。野田が正直なのは、税収を上げなければならないと公言していることだ。小泉に筋が通っていたのは、支出を減らす事のみを語っていたからだ。
勿論、いかなる変化も勝者と敗者を作り出す。それについて不満が出るのは当たり前のことである。しかし、橋下の支出カットや野田の増税政策について批判している人達も大勢いる。詳細について侃侃諤諤する事は大いにすればよい。建設的な議論は社会発展に貢献するからだ。しかし、橋下や野田の大まかな方向性そのものを批判している人達がいる。そういった多くの人達は「過激すぎる」だの「貧乏人いじめ」だの、感情論に頼る。経済や公共政策に疎い人達には、何故か解らないが文学科系の人達が圧倒的に多い。そういった人達ほど、すぐに昔の偉人の本や言葉を引用したがり、さらに鬱陶しい。私は言いたい。いい加減にユートピアから現実世界に戻って来いと。小説やソフトイッシューの本を読まずに、一度くらいスプレッドシートを使って会計の計算練習でもしろ、と。文学系頭で議論がわからなければ社会人大学院にでも入学して、一から勉強し直せ!
Facebook上で友人の政治家志望の旧友がやたらと感情的な政治発言をする。そういう目立ちたがり発言に対して、何人もがマジレスを返している。Facebookは便所の落書きだと見做すようにしているのだが、あまりにも鬱陶しくなって、こういう書き込みをした。暇なのだったら、Facebookしないで経済学等の基礎の授業でも取れ!かくいう私も、暇だから匿名で結構本気に人の批判をしている訳だ。クリスマスでどこもかしこも閉まっていて、やる事が無いからだ、と言い訳します。
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