TPPが第二の開国だ、なんだの言っている人が多数いる。
TPPは環太平洋戦略的経済連携協定のことで、農業品や工業品などの関税と非関税障壁を撤廃することを目指す多国間協定である。農業分野や郵貯問題の件などで懸念を表明する人達も大勢いる。相手にするだけ無駄なのだが、グローバリゼーションそのものを悪と看做す連中や、米国陰謀論を唱える人達は基本的にTPPに反対している。
TPPにおける誤解であるが、TPPが米国の押し付けであると考えている人達が日本国内に少なからずいる。米国の主要ニュースではTPPの「T」の字も目にしない。韓国と米国のFTAはニュースで多く報道されていたが、TPPはメディアも全く取り上げない。米国の総体としては、TPPには殆ど関心がないと言っても過言ではない。
米国はTPPに全く関心はないのか?そんな事はない。TPPにより恩恵を受ける企業の多くや、非関税輸入障壁によって輸出の機会を奪われている分野は、ロビイストを駆使して、日本のTPP参加を促している(ロビイストこそがDCの良心だ!!)。その人達は、米国内ではマイノリティーである。だが、同時に米国ではTPPやFTAに反対する人達が物凄く多くいる。こういった米国人たちも相手にするに及ばないのだが、グローバリゼーションの推進は中産階級の没落に繋がるなどと叫んでいるのを良く耳にする。
では本当にTPPに興味があるのは誰か?第一が日本政府であろう。韓国が米国とFTAを締結した。それに遅れを取ると、日本の面子が立たない、と考えている人達がいるのだ。本来ならば多国間協定であるTPPに加入するよりも、米国と日本の間で二国間FTAを結べばいいのであろう。ただ、日本国内やアメリカ国内の政治的な問題などにより、それは難しい。現在は興味なしとはいえ、将来の中国を巻き込むという構想上、多国間協定を推進するほうが政治的に有意義だと考えている人達も大勢いる。どちらかと言えば、保護貿易に傾倒しそうな菅直人が、急にTPPを第三の開国として推進するなどとほざきだしたのは、(財務省で騙されたのだが)このあたりの事情があるのだ。
第二に日本の大手企業がTPP参加にやたらと熱心である。当たり前だ。関税障壁を取り払えば、商売の効率が飛躍的に上昇するからだ。現在は無意味な法律で縛られているが、人的交流や外国資本を用いての投資環境が日本国内で良くなる事を望んでいる企業も多い。(そういえばスーパーマーケット屋の息子がTPP参加にえらい積極的ですね。)
勿論、TPPによって不利益を被る人達は大勢いる。特に、現在利権を保っている連中の中には、TPPを恐れている人達が大勢いよう。例えばゼネコン。TPPに加入すれば、外国のゼネコンが日本の公共事業に自由に参加できるようになる。農業分野での議論は退屈であるが言われ尽している。現状の「規模の経済」を駆使できない農業政策をもってすれば、外国の農製品にコスト上太刀打ちできない。そして郵政を守りたい連中たち。現在は郵便局のお金を自分達の貯金箱のごとく使っている連中がいるが、そういったインチキが今後出来なくなる恐れが出てくる。役所の人間もTPPを疎いと考えている。当たり前だ。異質な外国人や外国企業が大挙して日本で活動すれば、お役所仕事が一気に増えるからだ。
利権を持っている連中は、「米国陰謀論」や「保守主義」に訴えるように、TPP参加に反対しようとするだろう。テレビで「米国はTPP参加で日本を隷属させるつもりだ」などと陰謀論を騙るコメンテーターや国会議員をみれば、思い込みが激しいか、背後に何らかの利権があるかだけだと考えていただきたい。TPP反対は共産主義者や文系経済音痴の人達がなびき易いトピックでもある。
霞ヶ関はTPP参加によって、長期的な日本衰退を色々な方法で避けようとしているようだ(移民推進政策、利権の縮小、競争の促進、農政の改革など)。しかし、そう言った最終目標を政治的な理由で声高に言えないので、歯痒くつまらない議論が続いていることは残念である。どこのアホが「米作りの兼業農家」や「田舎の土建屋」や「郵政利権集団」を心配してTPP反対に同調するのか?大企業に加味するのは悔しいが、私には日本がTPPに参加することに反対する理由が全く無い。
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