4/25/2025

米国との関税交渉に日本から差し出せるものはあるのか?

日本は貿易赤字国である。アメリカとの貿易収支が大幅な黒字だからと言って、バランス的にどうこう言える状態ではないと個人的には思っている。貿易収支には、デジタルなど、色々と含まれていないものもあり、そのあたりも冷静に見たうえでの議論とするべきだと思う。

アメリカが、ヤクザのような脅しをかけてきた。日本にとって、車や鉄鋼は基幹産業であり、これら産業の経済波及効果は非常に高い。これらの産業が不調に陥ると、日本の経済はガタガタになる。東京のサービス業従事者が、1000万強の年収を貰って大きな顔をして、Youtubeでえらそうなことを言っているのを良く目にする。しかし、トヨタやホンダの工場作業員が頑張ってくれ、世界中で日本車を売りまくってくれているのだから、日本という国はこれでだけ世界の中で偉そうにでき、東京に住んでいる人はその人達に支えられているというのを忘れている節さえある。世界の中でも、アメリカが日本自動車の太客であり、その太客をターゲットにするために、何十年もかけてサプライチェーンを構築してきた。そこが関税引き上げなるインチキを始めると、日本経済は困ってしまう。

困るくらいなら、何かを差し上げて、関税引き上げを止めて頂こうというのが、ベーシックなストーリーとなる。トランプ政権としても共和党にしても、関税はあくまでも不公正な貿易に対する楔に過ぎず、最終的には自由貿易が望ましいとしている。公正な自由貿易が世界の発展に寄与することは教科書通りであり、それに反対する人はアホだけである(今は、不公正がまかり通っているのに、自由っぽい貿易慣行で、インチキしている国に生産が偏る仕組み)。

世界中のまともな有識者は、この機会に、日本や世界経済の発展に寄与できるように、日米交渉がポジティブな会議になるような提案をしている。日本の農林水産物の貿易をさらに自由化することによって、日本のタックスイーターであり、利権の巣窟のような業界にメスを入れ、公正な国際貿易に方向性に近づけたい。日本の一般消費者の利益にも与する提案である。(次のポストで述べるが、政治的にメスを入れる要素はいっぱいあるものの、アメリカに差しだせるような物はほとんど残っていない。)

ただ、石破政権にそれは出来るのか?石破は「日本の田舎グレートアゲイン」+「軍事おたくによる国家安全」みたいなスタンスの未来を標榜していたと理解している。森山幹事長はゴリゴリのJAをバックとする親中自民農水族である。農水関係の話をこの二人に持っていくと、ちんぷんかんぷんな話が帰って来るだろうという予測は以前よりあった。4月25日の自民農水族の会議にて、森山さんがJAの意見書をまとめ上げて、江藤拓農水大臣に提出した。中身を見て、思わず失笑せざるを得なかった。

トウモロコシと大豆(笑)

日本は飼料としてアメリカとブラジルからトウモロコシ(デントコーン)を大量に買っている。最近は米を飼料用に回していたので、それを食用に回せば、微々たる量の新規のトウモロコシを受け入れることが出来るだろう。アメリカ産かブラジル産かを選ぶのは、飼料会社や商社であり、日本政府が影響を与える事は出来ない。アメリカ産のトウモロコシを買い増す事を可能にする法律は可能なのか?あるいは、我が国は社会主義国なのか?

大豆は、飼料用の大豆を日清オイリオ、JOilと昭和産業が輸入し、搾油している。搾油量は、カナダやオールトラリアの菜種(カノーラ)との価格差で輸入量が決まる。アメリカ産大豆のシェアは8割くらいで、季節要因とタンパク値の関係で、ブラジル産を混ぜている。私にはどこにアメリカ大豆を買い増す余地があるのか不明である。森山はきちんと説明して欲しい。

搾り取った大豆粕は、タンパク成分として飼料用になる。日本の搾油業者が作る大豆かすは半分くらいの需要しか満たせず、中国の搾油会社などから残りを買っている。ここをアメリカ産に変えるというのなら理解はできるが、政府がどのように介入できるのかは不明である。

現時点では、新鮮な植物油をクリーンエネルギー用に使うという案はない。植物油を搾りまくって、一度だけエビでも落とせば、廃食油となり、SAFでも作るというのだろうか?不明である。

食用大豆に関しては、アメリカ産のNon-GMOの方が、国産よりも高くなるという事象が昨年は起きた。日本での食用大豆の用途は、豆腐や納豆、味噌などであり、「貧乏人のたんぱく質」として扱われており、スーパーでの値上げは難しい。世界的に商品価格が上がったが、納豆や豆腐の値段を上げるのは至難の業であり、アメリカの生産者との契約締結できるだけの価格が出せず、とても難しい状況が続いている。アメリカの農家は、生育が面倒くさい納豆用の大豆を作るのだから、ある程度の値段は払ってもらわなければ商売が成立しない。はらえないのなら、バイオディーゼルやSAF用に国内でさばける普通の大豆を作った方が儲かる。食用大豆をアメリカから買い増せるほど、今の日本の消費者は豊かではありません。

エタノールを買い増す案は歓迎する。次のポストで詳細を書く。

私がアメリカ側の交渉相手で、日本がトウモロコシと大豆を買い増しますと言えば、冗談だろ、と苦笑すると思う。

ジャガイモ

ホクレンさんのプレッシャーで、生ジャガイモに関しては、カルビーなどのポテトチップスメーカーしか輸入できない。アメリカ側はテーブルポテトを含めて市場開放しろと言っている。農水省はジャガイモシスト線虫の話をずっとしており、アメリカ側からの要求を撥ね続けているが、裏にホクレンなどがいる事は火を見るより明らかである。北海道では、ジャガイモ生産が気候変動でしんどくなってきており、サツマイモ生産にシフトして鹿児島の農家さんは怒っている。自動車産業のためにも、そろそろ折れたらどうですか?消費者にとって、色とりどりのポテトがスーパーに並べば、日本のポテトサラダにも多様性が出るんじゃないか?(マヨネーズべったりの白いポテトサラダ、おもんないです)

コメ

ミニマムアクセス米の枠内での買い増しと言っているが、MAの枠を広げるのか?MAの制度はアホ過ぎて、すぐにでも廃止するべき。国産を買うのか、カリフォルニア米を買うのか、ブスマティ米を買うのか、これは消費者が選ぶので、農水が決めるな。日本の兼業農家と自民党への投票を守るために、無駄な補助制度が一杯あるが、JAさんはそろそろ諦めませんか?甘いだけのべっとりとしたコメが、すべての食事と相性が良いわけではない。固くて甘さの薄いコメを好む人も多い。好みの問題を消費者に強要する農政にカツを入れたい。

豚も牛も、関税下げろよ。逆に森山は、九州の黒毛牛農家のために、アメリカ側の和牛の輸入枠を広げて公平にせよ、くらいの話をアメリカに持って行って、逆提案しろや。アメリカへの和牛の輸入を増やすので、トウモロコシや大豆粕などの餌の需要もあがります、くらい言えや。




日米交渉に反対するJAと、世界最大ヘッジファンドの農林中金

半年くらい前から、株を手じまいして、ポートフォリオのほぼすべてを債権に移しておいた。トランプが関税を全世界に課すという方針を示し、市場が動揺し、「はい、ごちそうさんです!」というはずで、4月6日の日曜日は眠りについた。で、月曜日の朝起きると、あれれ?なんで私の債権が目減りしているの??その後、さらに利率が上昇し、私はかなりの損失を喰らった。レベレッジ無しの債権なので、損失と言ってもたかが知れている。が、儲かる筈だったのが、損したという事で、結構凹んでしまった。株安、ドル安なら、利率は下がる筈だろう、と。株、債券、通貨のトリプル安。想定外だった。

ホワイトハウスにとっても想定外だったらしく、トランプは中国以外に対する相互上乗せ関税の発動を90日間待つこととした。株は多少上がったが、私の債権のヴァリューは殆ど戻っていない。

MAGAの問題提起は、自由貿易を推進しようという事で立ち上げたWTOのルールがあまりにもポンコツで、中国などがルールを濫用し、アメリカのような発展国が逆に損をしており、公正な貿易という目的を達成していないというポイントである。

発展途上国が為替を低く抑えていることは明らかであり、そのあたりの国がアメリカドルと現地通貨をペッグしているので、その煽りを受けて、日本円は全ての通貨に対して弱含んでいる。そのあたりを是正することなく、貿易収支が均衡することはあり得ない。

トランプが関税戦争を仕掛け、予定通り、通貨と株が安くなった。これは、インフレの終息に寄与するため、トランプとしては大歓迎の筈だ。が、誰かがTBillを売り浴びせ、なんと、米国の利率が急騰してしまい、債券額面価格が下がってしまった。

アイヤー、である。まあ、中国や日本がT-Billを大量に持っているのだから、売り浴びせる事は理論的に可能だ。しかし、売った人も損をする、自爆の道である。トリプル安に焦ったトランプは、関税政策を大きく緩和させた。

一体誰がT-Billを売り浴びせたのか?農林中金という噂が上がっている。ドルや株を持っておけば絶対に儲かる側面で、わざわざ利上げをする国債に大量に資金を入れて、昨年、ポートフォリオを大調整したポンコツではあるが、世界最大のヘッジファンドこそが農林中金である。アメリカとの貿易戦争で、譲歩することが確実である日本農業の金庫番だ。JA会員の金を使い、損をさせることで、トランプに一泡吹かせたのだったら素晴らしい。

農林中金の神風アタックにより、世界はトランプの関税戦争から救われました!

(本当は、債権すらパッケージにしてETFを売りまくっているので、すべてのポジションの整理が、すべてのアセットの値段を下げただけの話だとは思います。すべての価格の相関性が強まっている事態こそが、グローバルな憂うべき懸念だと思っています。)



4/22/2025

公共放送は世界最大のカルト教団の教祖を奉るな!

私の理解では、ローマン・キャソリックはカルト集団である。そのカルトの教祖であるホルヘ・マリオ・ベルゴリオが亡くなった。その事をニュースとして、事実を報道することは構わない。

しかし、カトリック宗教の教皇として、他国の政治に干渉した事実を、あたかも世界の偉人が行った善行のように報じるのは違うと思う。教皇が核兵器に反対したり、戦争に反対したりするのは勝手だが、それはカルト宗教の布教活動である。カルト宗教の布教にお墨付きを与えるような報道は、おかしいと思う。

カトリックは、いまだに心に傷を抱える信者に対して、免罪符なるものを販売している。政治にも介入するし、ヤクザ(マフィア)ともズブズブである。バチカン市国が独立しているという仕組みを使い、出自が怪しい金を洗浄した上でため込み、やりたい放題だ。組織的に少年たちに性的加害を長年続けてきたうえ、誰もが知るその事実を、まるでジャニーズ事務所のように隠蔽してきた。

フランシスコ教皇と名乗るベルゴリオは、池田大作や大川隆法、文鮮明とかと変わらない怪しげな人物である。国民が支えるNHKなる公共放送が、カルト教団のリーダーを尊敬されるべき人物として扱う事に、大変な違和感を抱かざるを得ない。

コンクラーベとか、合同結婚式とかと変わらない邪教の儀式に過ぎない。ワイドショー程度の話題であり、まともなニュース番組が解説する必要もない。

PS しかし、JDバンスが会った次の日(イースター)に死ぬっていうのは、非常に興味深い。