7/31/2017

米国政治のリアリティーショー化、日本政治のワイドショー化

アメリカ政治はグダグダ。トランプを含めたホワイトハウス内は戦略すらない状態である。どこに落としどころをつけるつもりだろうか?このままではDCを中心に政治が経済の足を引っ張ることに繋がりかけない。

一方の、日本の政治も無茶苦茶。安倍さんの迷走も酷いが、民進党もグダグダ。で、結局どこに行くの?

どちらの国にも共通しているのは、マスメディアが面白がって政権内の問題を視聴率の点から捉え過ぎていることにある。衆愚的な民主主義の危機と叫ばれて久しいが、ここまで日米がグタグタしているのは、見るに堪えない。政局の話を聞くと、許由ではないが、潁水に耳を洗いたくなってしまうものだ。

二つを比べた際に、日本よりは米国の方がよりやばい気がする。マスコミの悪ノリのひどさもアメリカの方がヤバイ。

7/28/2017

トランプ、完全なる敗北

トランプ政権は、国境税調整が廃止されるという報道を受け、恒久的な財源の確保に失敗する事が決定的となった。しかも、公約で言い続けてたオバマケアすら廃止できていない。

トランプは共和党の保守派を取り込んで政権を取り、DCのスワンプ(魔窟)を一掃する、という事で支持されてきたわけだ。保守派と呼ばれる人々は、合衆国憲法の文言に従い、小さな政府を目指し、政府と国民の癒着を断ち、自らの財産権を守るための大減税をする、というような考え方が根本にあるわけである。

が、共和党の主流派は民主党などとは比にならないレベルで、企業とズブズブの関係にある。ミッチ・マコネルなど、企業の方を向いて政治している。原理原則を曲げたとしても、企業や補助金で優遇を受ける産業に不利になるような事は絶対にさせない。コーク兄弟に支えられているリバタリアンの連中(ランドポールなど)は、保守派どころではない急進的な事を言っており、如何なる増税にも「NO、NO」の立場である。さらに、名ばかり共和党のメーンやアラスカの代議員は、心底では民主党的な政策に靡いている。

スワンプを灌水すると言っていたトランプだが、メディアや色々な武器を使われ、四面楚歌状態。DCという伏魔殿の中で完全に詰んでしまった感がある。スカラムーチーがパリパスやバノンを責め、トランプがセッションズを批判し始めた。下手にセッションズを批判すると、南部の共和党員に、トランプは北部のヤンキー、といったレッテルを張られる恐れもある。


レームダック化されたこの政権を、今後は誰が支えるのだろうか?いくつかのシナリオが考えられる。

1.トランプが保守派と距離を置く。バノンやスパイサーなどを冷遇している状況をみると、この作戦が練られている可能性は否定できない。が、誰がレームダック政権の受け皿となってくれるのか?民進党の幹事長や党首に誰もなりたくないのと同様、わざわざ地雷を踏みに行く連中はいないと思われる。第一、共和党保守派の連中は怒り狂うのではないか?

2.共和党を裏切り、民主党と手を組む。これをすると、大変なことになるだろう。まあ、大統領の弾劾は避けられなくなると思う。オバマケアよりも極端な、国民皆保険制などを打ち出して来たら、面白いっちゃあ面白いのだが。

3.で、やっぱり、ダラダラとグダグダが続き、何も変わらない訴訟主義国アメリカが残るのだろう。大減税もなし。改革はなし。ロビイストが跋扈し、メディケイドなどの予算を着服する連中はどうにもならない。DC(政府)の勝ち、チャンチャン。

予想は出来ていたこととはいえ、半年で勝負がついてしまうほど、アメリカという国は汚れ切っているのだ。トランプの改革に期待した人たちもいると思うが、マーケットなどを中心に、やがて夢から醒める日がやってくる。DCのごたごたは、遠からず実体経済に間違いなく悪い影響を及ぼすと思う。

自由で民主的な腐敗のないアメリカ。弁護士が蔓延ることなく、無駄な法律で市民を毟り取らないアメリカ。公正な競争が行われるアメリカ。団体や企業が税金で作られた無意味な予算にたかる事のないアメリカ。そんなもんはおとぎ話だったのだろうし、民主党員やマスメディアや知識層も含め、誰もそんなもんは求めていなかったという事だ。

7/26/2017

加計学園:報道のあり方がおかしい

加計学園の問題は、我が国のあるべき姿という意味を考えるうえで、とても有意義だと思っている。要は行政コンプライアンスとガバナンスの問題なのだが、そういった難しい話はメディア受けしない。

* 無駄な規制はどんどん潰せばよい。岩盤規制というのは政治家がやりたくなかっただけ。特区というのは、規制を残したうえで新たな利権を作り、問題を先延ばしにする方法。

* 認可には透明性を確保する事が肝心であるにも関わらず、おべっかを使って公募の競争がおきないようにしようとしている「しょうもない連中」が一杯いる。

* 良くも悪くも、自民党は所詮は縁故資本主義を守ろうとする政党。官僚は意思決定をする力は全くない(当たり前)。

* 政権に都合の悪いことを言うと、個人情報(出会い系パブ)が暴露される。



ところが、メディアは明後日の方向を向いて議論をしている。打倒安倍政権か、安倍政権支持かで白黒をつけようとしている。

打倒安倍政権側
* 安倍首相は友達の加計が獣医学部を作るために手心を加えた(直接か間接かを別にすれば、高い確率で本当の話だが、証明のしようがないし、違法性もない)
* 加計学園は献金等を通して自民党に便宜を図っている(本当の話)
* 加計学園は逢沢一郎の関連会社であるアイサワ工業に工事をさせて、税金を使って高額発注した(本当の話だが、違法性はないし、自民党の十八番)
* 菅官房長官の対応は丁寧ではなく、態度が大きい(ただの主観論)
* 誰かが広域などという表現を入れた(本当の話だし、完全な勇み足。ただ、違法性はない)

安倍政権支持側
* 前川氏の発言は信用できない(ただの主観論。一番馬鹿な意見)
* 官邸側に落ち度はない(法的な落ち度はない。透明性という観点からのコンプライアンス的には微妙)
* 安倍政権を倒すための言いがかり(その通りだが、政治はそんなもん)
* 加計学園はすべての要件を満たしている(だから競合させなくてもいいの?)
* 京産大はそもそも要件を満たしていない(であれば競争させればよい)
* 岩盤規制を崩そうと頑張っている(今まで頑張っておらず、一校だけを優遇するのが問題)
* 文部省は岩盤規制を続けたい抵抗勢力(法律は誰が作るの?議員ちゃいますか?官僚は法律に則って行政するだけ。岩盤を本当に守りたいのは一体誰ですか?岩盤が残っているのは政治家が必死にやってこなかったから。文科省に法律を変える権限はありません)
* 加戸愛媛知事の発言は立派。リベラルマスコミはスルー(今ままでの政権が助けてあげなかっただけ。根本的な話と関係ない)

安倍政権支持者側は、ガバナンスに透明性を持たせなければいけないし、文科省は法律に則って淡々と行政をすることが仕事だと解っているくせに、安倍には違法性はないとか、当たり前のことを言っているだけで、見苦しい。日本はいつからアメリカのように政治的になったのか?反安倍か親安倍かでポジショントークをするのは辞めて欲しい。我々に必要でないのは岩盤規制と勇み足をする議員連中であり、必要なのは透明性の確保である。以上。

7/22/2017

自民党と縁故資本主義

自民党とは、「縁故資本主義」を頑なに保守する政党である。「縁故」があるものに利権を付与する政治を行っているのが、日本の政治であり、自民党体質である。安倍政権が加計学園の問題で追及されているが、前の選挙で自民党に投票した連中がこの問題で騒いでいるのは甚だおかしいと思う。こういう事になるのは、初めから見えていた。所謂「アベノミクス」の日本の矢によって株価や不動産価格が引きあがるのと引き換えに、第三の矢の成長路線や本当の改革を棚上げし、縁故を優遇する規制を連発する。オリンピックも万博も新幹線もなんでもござれ。そんな事を了解したうえで安倍自民党に投票したのだと思う。

国家戦略特別区域、通称特区構想を安倍政権は成長戦略に掲げる。私は、規制緩和という物には諸手を挙げて賛成する。規制緩和とは無駄な規制を払拭し、公平な競争が起こり得る環境づくりである。しかし、安倍政権で実施されている特区というのは、特定の地域や特定の団体を優遇することを意味しており、為政者の指揮棒の振り方によっては越後屋優遇になってしまう。

現に、加計学園の問題は、今治と岡山理科大学を優遇しており、規制緩和になっていない。本当の規制緩和であれば、獣医学部を作りたい大学があれば作れば良いのであって、一校だけ認めるために特区を作り、獣医学部を作るのが国家成長戦略であるとするのは、本気であるとすれば「オメデタイ」としか言いようがない。というか、このような茶番特区を規制緩和の一丁目一番地としている国家戦略に、異を唱えられないようなコメンテーターたちは只のアホだと思うのだ。こんなもの、戦略でも何でもない。

特区構想は、規制緩和のふりをした特定団体の優遇であり、自民党得意の縁故資本主義である。獣医学部を一つ作るのに必死になっている官僚、今治市、加計学園はアホである。このような構想を支持する国民はもっとアホである。これで喜んでいるのは、規制の枠組みを守れた霞が関と、規制が残ったことで権力を動かせられる自民党である。この人たちの思い通りにさせるため、我が国はやらなければならない規制緩和を棚上げし、いつか来た道の縁故資本主義に固執する。


大きな政府を目指す民進党は、大きな政府を守ろうとする自民党に、この件では何も言えない。本当の意味での規制緩和を推し進めてくれる政党を探しているのだが、日本という国は規制がなければ生きていけないようだ。私は改めて、自民党という団体を支持することが出来ないが、間違いなく民進党は私の求める政策を代弁していない。

7/21/2017

白鵬は史上最強の横綱

誰がどこからどう見ても、白鵬が史上最強の横綱であることは論を俟たないと思う。私は朝青龍の相撲が好きだが、完成度としては白鵬が断然上である。

モンゴルの連中が相撲を始めてから、相撲がつまらなくなったと言っている輩がいるが、現実は反対だと思う。曙のようなツッパリ相撲や、小錦のような押すだけ、そんな相撲が良かったのだろうか?貴乃花は確かに面白い相撲を取っていたが、白鵬や朝青龍よりも強かったかというと、それには疑問が残る。

電光石火の朝青龍。いなしながら自分の形に持っていく柔らかい白鵬。この二人の相撲があるからこそ、相撲が廃れずに済んでいるのだと思う。別にディスるわけではないが、稀勢の里の相撲とか、全然面白くない。

横綱に品格を求めるのは馬鹿げている。(朝青龍よりも双羽黒がヤバイ)

横綱は相手を常に受けるべきとか言うのも間違っている。(千代の富士とかも常に受けているわけではなかった。無理矢理体をデカくした貴乃花は故障)

こういった意見はアンチ白鵬、アンチ朝青龍の意見であり、小憎たらしいほど強いという事なのか。今まで相撲を見てきたが、朝青龍と白鵬が史上最強を二分するほどの大横綱であることは議論の余地がないものだと思う。

PS 白鵬は力が衰えてきてエルボーや張手が増えてきたという意見が多い。横綱同士の千秋楽で日馬富士相手に変わり身をしたのとか、伝説レベルである。が、それはそれで面白い。相撲は国技でもなんでもなく、日本の伝統的な興行である。そこでは注射(八百長行為)が当たり前に行われていた。例の一件で、注射を無くそうという事になったし、それは国民が望んだことだと思う。注射を無くせば相撲がスポーツ的なものになってしまい、ああいう相撲になっても仕方がない。今まで八百長まみれだった相撲の取り口を見て、横綱こうあるべき、みたいな話は馬鹿げている。興行団体の癖にスポーツ要素を取り入れるからこういう事になったのだ。プロレスからアルティメットファイト的になってしまうのは仕方ない。これは一般の日本人が望んだことで、それに白鵬がきっちりと応えているのだと思う。それでも負けない白鵬。称えられることはあれ、けなされるのはおかしい。

7/15/2017

アメリカの医療保険が高いのは誰のせい?

オバマケアに問題が山積していることは論を俟たないわけだが、それは脇に置いていこう。アメリカ市民は、医療代と医療保険が高いことに激高している。これは一体だれのせいだろうか?

民主党員の意見
民主党員の多くは、保険会社がインチキをしているために医療費や医療保険代が高騰していると考えている。資本主義の権化であるような保険会社が、一般市民をだまして保険料を馬鹿高くしているうえに、保険でカバーされないような医療が増えていると思っている。つまり、保険会社を一掃し、多くの他の国が実施しているような、国が運営する国民健康保険とすれば医療費が下がると考えている。

共和党員の意見
オバマケアのせいで医療費が高騰していると考えている。オバマケアのせいで、入りたくもない保険に加入させられた。さらに、州を跨いでの保険制度がないため、競争原理が起こらず、消費者は高い保険を買わさせられている。メディケアなどの負担も保険加入者にかかり、医療保険代が高騰している。

で、本当は誰が悪いのか?私の意見では、システムそのものに問題があると考えている。保険会社が医療費(点数と同義)を決める。すると、病院はその点数を最大限取りに行こうとする。病院が医療費を抑える理由は何もない。メディケアなどに関しては、州はメディケアで請求された分だけ、連邦政府からマッチアップを受け取ることができる。そうなると、州の保険会社が医療費を抑える理由は全くなくなる。患者側は自分の負担にならなければ関係ないので、病院に任せる。で、誰も医療費を削ろうとはしない。

しかも、病院側は、無理矢理高い薬を売りつけたり、あるいは病院そのものを綺麗にして患者の顧客満足度を高めようとする。それらは結局、保険代に跳ね返ってくる。

それでは一体、どうすれば病院がコストを減らせようというインセンティブが働くのだろうか?それが全ての問題である。この疑問を避けて医療保険の話をしても意味がない。

医者、病院、病院を訴訟する弁護士、医療経営コンサル、薬会社、患者、州政府、連邦政府、保険会社。みんなが取れるだけぶんだくろうとして、医療費が高止まりしているという現実がある。

7/12/2017

加計学園、獣医学部新設の問題とは?

加計学園の問題が長引いている。私からすると、どうでも良い問題であり、これが原因で安倍内閣の支持率が悪くなったりするのは、正直どうかと思う。一方で、自民党という集団を選んだ時点で、このような事が日常茶飯事に起きることは解っていたはずだ。

1.政治家の仕事の一つが、口利きである。狡猾な人々は政治家に献金をし、それに対して何らかの見返りを求める。世の中はそんなもんである。完全にクリーンな世の中が理想ではあるが、そうなれば、政治家は献金をもらう事は出来なくなり、現状の制度ではやっていけなくなる。というか、これは社会の必要悪だと思う。

2.獣医学部が新設できないという事がそもそもおかしい。それにより需給が逼迫するかどうかなど、文科省の問題ではない。規制している方がおかしいわけだ。政府が需給をコントロールすることなど不可能であるし、適正数を把握するという事も無理だ。政府がコントロールした方が、自然と市場に任せるよりも上手くいくと考える人がいるとしたら、解らない人だと思う。

3.萩生田か下村か山本幸三かは知らないが、誰かが姑息に「広域」などという言葉を追加し、京都産業大学が応募することを阻止しようとしたと考えられる。こんな事をする必要があったのだろうか?普通に競争させれば良かっただけの話だと思うが、こういう事で点数を稼ぎたかった輩がいたのだろう。これは一線を越えていると思うし、こういう自民党が嫌いである。仮に京都産業大学も資格を完全に満たしていたのであれば、二校新設すれば良いだけの話ではなかったのか?こういう事が起こらないようなルール作りが必要になると思う。これを官邸側の圧力だと言えば、それはその通りだと思う。

4.前川さんは、天下り先がなくなり、何らかの活動をしなければならない。このような形で活躍する方法を選んだというのは、中々巧いと思う。が、それに対して全く関係のない出会い系の話が出てきたのは、権力の乱用に他ならない。

5.民進党やその他の野党は、批判のポイントがずれているとしか思えない。批判のポイントを絞り、国民を味方につけるべきだ。国民は自民党体質のうさん臭さはきっちりと理解していると思う。が、獣医学部を申請するなとかいう馬鹿な批評をするべきではない。萩生田か下村か山本に、公平性と透明性の観点から責任を取らせて幕引きするべき問題だろう。あるいは、必要悪の政治家の口利きを辞めさせる法律を作りますか?そんなもんは無理だろう。