8/22/2013

イチロー、プロとしての4000本安打

イチローが8月21日のブルージェイズ戦でプロとしての4000本安打に到達した。

元チームメイトのRAディッキーから打った強烈な打球は三塁手のグラブを弾いて左翼に転がった。

イチローは飄々と塁に出て、いつもの様に肘当てを外していたが、黒田やヌニエスが画面には映っていたのだが、他の選手も嬉しそうに一塁に集まって来てイチローを祝福した。それにイチローも応える。選手と祝福した後、ジラルディ―にヘルメットを叩かれ、そしてヘルメットを取ってファンに何度もお辞儀をする。

最後は投手であるRAディッキーにお辞儀をし、敬服の意思を示した。まさにプロである。川崎が笑顔満面で喜んでいる様子は面白かった。

私はイチローと同じ年に日本からシアトルに渡り、イチローと同じ時期にシアトルを出た。アメリカで生活する苦しみを、イチロー選手のおかげで何度も癒される事があった。個人的な話を書いて申し訳ないが、イチローの記録に色々な思い出がダブり、脳裏を過ぎる。もし、イチロー選手がシアトルに来ていなかったり、あのような活躍をしていなければ、私はアメリカで今の様な自分の生活を送っていなかったかもしれない。

イチロー選手が打ち立てた4000本安打というマイルストーンに、最大限の絶賛を送りたい。おめでとう。そしてありがとう。

8/21/2013

パナマ、勝ち進む。ノースウェストも敗者復活。

応援していた中華台北はパナマに打ち負けた。パナマは二年連続でラテンアメリカ代表として駒を進めてきた強豪。侮れない。

ノースウェストのサマミッシュはどうにかテネシーを退けた。

しかし、早く負けると日程キツイですね。しかも、6イニングまでしかないので、チャンスも少ないし。リトルリーグで勝ち残るには運もいるようです(当たり前)。

さて、武蔵府中、メキシコとどのような野球をするのか?今晩が楽しみです。

8/19/2013

2013年、リトルリーグの夏

毎年恒例のリトルリーグのチャンピオンシップがペンシルバニアのウィリアムズポートで始まっている。私は甲子園や大学野球には全く興味がないのだが、リトルリーグでプレイする子供たちの真剣さを見ていると、心が洗われる。MLBがAロイドを中心とするゴタゴタ報道に見るに堪えないような状態である事も、もしかすると影響しているのかも知れない。

昨日は、ワシントン(サマミッシュ)対コネチカット(ウェストポート)をまず見たのだが、ワシントンのエース、ダールストローム君が二回に膝に打球が当たってしまい交代。その後の子供たちの動揺は見るのも可哀想で、点数を取られまくる。コールドでもおかしくないと思っていたのだが、最後は9-7まで盛り返した底力には敬服したい。底力のあるサマミッシュは敗者戦に回っても、必ず上までやって来ると思う。

そして、メインは日本対台湾。中華台北は桃園郡中壢市中平国民小学校のチームと東京は武蔵府中リトルリーグ があたったのだが、キッチリと組織された堅守の野球に、見ていて興奮した。中華台北の先発である速球派の周士哲君は良いピッチャーだ。あれは打てない。捕手の李晨薰君が一塁との息が合わずにファウルボールを落球したのを皮切りに、涙を流しながら悔しさを噛みしめ、一時は崩れかけた。監督が「男は泣くな!大丈夫」と鼓舞すると、徐々に調子を取り戻して、仕事をキッチリこなした。球数制限があるので、早めに替えれば良いものの、85球目を五味君に本塁打にされたのは残念だった。いつもの事だが、リトルリーグでは投手が良くても球数制限があるのだから、余裕を持たせて投手交代をしてやらないと、子供が焦り始める。コーチ陣はその事をきちんと勘案しなくてはいけない。ただ、周君は三点を献上したものの、プレゼンスと言う意味では日本のエースの石田君をも凌駕する圧倒的なパフォーマンスを見せてくれた。最後は福島から東京に避難してきた巨漢の小林君が2点を返されたという物の、セーブを記録。武蔵府中がミスの差で3-2で台湾チームを退けた。

ミスが多少目立った中華台北チーム、次はパナマと当たる。台湾はかなり組織力があるので、日本隊とはもう一度対峙することになるだろう。一方の武蔵府中だが、次のメキシコは侮れない。勝って兜の緒を締めなければならない。

二つ気になる事があった。一つ目はMLBの事。ワシントン州のサマミッシュのチームの好きな選手に、マリナーズの選手が全く含まれていなかった事である。マイク・トラウト、ブライス・ハーパー、ヤシエル・ピュイーグなど、若い選手の名前を挙げる子供が目立つ。シアトルマリナーズは地元の子供にすら支持されていないのは気になる。一方、台湾チームはイチロー好きの子が多くて面白い。林威助の名前を口にする子供も二人いたが、王建民は含まれていなかった。日本の子供も、ダルビッシュの名前を挙げ、イチローもちらほらいたものの、松井や松坂は完全に消えてしまった。子供の中のサイクルの速さを痛感するとともに、自分の年齢も気になってしまう。

そして、もう一つ。特に北米であるが、チームによっての人種構成が極端すぎて、気持ち悪い。ラテン系ばかりのチーム(テキサス)、ラテン系と白人の組み合わせのチーム(カリフォルニア)、白人にアジア系が入ったチーム(ワシントン「松岡君と呉君」やオタワ「張君とグウェン兄弟」)など、地域事情が反映されている。コネチカットのナイト君の様なミックスレースも目立つようにはなったというものの、後の殆どのチームは白人ばかり。もう少し混じっても良さそうなものなのだが。アメリカの人種問題については当コラムで何度も指摘しているので、これ以上は言わない。

子供たちのあどけない必死さと、親やコーチのそれをも上回る緊張感を、遠目で楽しめる面白いイベントであり、一週間楽しめそうだ。

8/12/2013

ダルビッシュ、またもやノーヒッターならず

ヒューストンキャッチャー、カルロス・コーポランのホームランでノーヒットノーランを不意にした。「残念!」というよりも、「今日は仕方ないかな?」という感じだった。しかし、今年のアメリカンリーグウェストのチームはヒューストン相手に野球をする機会が多いので、勝ち星に恵まれて得である。ダルビッシュは26人の打者に対して15奪三振。恐ろしい限りである。これで今季は207個目の三振。怪我で何試合かローテーション飛ばしたのに、シーズン300奪三振見えてきたで、これ。

ダルビッシュ、ヒューストン相手に六回裏までノーヒットピッチングの件

18人目の打者を微妙な判定で歩かせたダルビッシュであるが、それにピアジンスキーが過剰反応して退場になってしまいました。9番バッターに再び苦しみました。
しかし、いつもの事とは言え、このキャッチャーはおもろいです。ただ、このタイミングでキャッチャーを換えるのはどうなんでしょうか?ダルビッシュ、三振狙いで球数多すぎます。開幕二戦目の準パーフェクトの雪辱となるのでしょうか?

8/09/2013

シアトルの生活費:全米で本当に高いのか?

シアトルの物価はどんなものか?シアトルは全米の中でどの程度高いのか?生活の仕方は人それぞれであり、この問いに対する明確な答えを用意することは出来ない。ただ一般論として、平均的なアメリカ人がどの程度の生活費をそれぞれの項目に使っているかを都市ごとに見ていただきたい。シアトルで大学か大学院を出て平均的な一般職に就くと、年収は50,000ほどである。色々天引きされるので、一か月の手取りはおよそ2500ドルだ。この人が出来る生活と、月に$2500(25万円)の仕送りを貰える日本人との生活に、そう差はない筈だ。この人がアメリカの違う街に移り住み、同じような生活を期待すれば、一体いくら位くらいかかるのかを纏めたのが次の表になる。年収が解りにくければ、その横に一か月の仕送り換算が載っている。これを生活費と考えて貰えればよい。シアトルを100%として他の街の物価を計算している。まあ、参考程度に使ってほしい。



シアトルは電気水道代が全米でも一番安いが、車・交通関連や保険・医療関連の値段が高い事が解るだろう。食料品については、東部ほど高くないが、南部よりはずっと高い。家賃は、北東部やカリフォルニアよりは安いが、他の多くの街よりは高い、という事になる。(注意:シアトルはソフトウェア産業を中心に景気が良く、家賃相場は年間5%くらい騰がっています。この記事を書いた当時よりも高くなっている可能性が高いです。)

米国南部はかなり物価が安い。私も現在はアトランタ近郊に住んでいるのだが、家賃などは間違いなく安い。ただ、食料・雑貨などについては、金額的には僅かに安くとも、質の悪いものしか買えないような気もする。田舎で生活すると、競争がない為、結構強気な値段設定をするし、ちょっとした用事で近くの大都会まで行く必要があり、コスト的にはバカにならない。後述するが、一回日本に帰ると、航空券が高く、今まで貯めていたお金は全部パーである。

まあ、だらだらと長くなっているが、シアトルでESLに通ったとして月に最低いくらかかるかを下に記述した。学費には教科書代も入れておいた。家賃は、1人で住むか、ルームメイトとシェアするか、下宿するかでかなり変わって来る。1人暮らしならもっと高く、シェアすると若干安いと考えてほしい。

電気水道インターネットなどについても同じである。食料雑貨については、日本人は宇和島屋に行ってしまうので高くつく。交通に関しては、バスパスを買えば月に45ドル、車があればガソリン代や駐車場、そして車の保険代が高くつく。ただし車があれば遠出ができ、賢く買い物が出来たり、家賃の安い場所に住めたりするメリットもある。外食には、昼飯代(7-12ドル)やコーヒー代(3.5ドル)などを定期的に捻出し、安価な夕食(10ドル―15ドル)をたまに食べると仮定した。5ドル以下とか、3ドル以下とか、昼飯代を安く上げるのは、車でもあってマクドナルドのダラーメニューなどを利用しない限り至難の業である。コンビニ弁当程度のものでも、6ドル以上は軽くすると考えてほしい。シアトル近辺の場合、外食税が10%、消費税は9パーセントで、スーパーなどで加工されていない食料品(つまり、サンドイッチヤ弁当など以外の食料品)を買った場合は消費税は加算されない。



上記は最低生活費だけを羅列したものである。往復の日本からの航空運賃を合わせると、一年間で車無しで32,000ドルを仕送ってもらえれば、ESLの学生として、最低限の「文化的な生活」を送ることになる。外食を控えたり、マルチャンのラーメンを夕食にしたりすると、もう少し削れるかもしれない。ただし、こういう「ひもじい生活」を送ると、色々な経験を犠牲にしなければならず、留学する意味が失われる可能性がある。態々アメリカに来て短期間勉強するのであれば、出来るだけ「遊んで」経験を積んだり、人々との友好の輪を広げたりしてしなければ、人生の中での大きな何かを見失う事になる。

というわけで、少しばかり遊んでほしいのだが、遊びには色々な種類がある。毎週末の行事としては、ハッピーアワー、中華料理満喫、カラオケ、野球観戦など、色々なチョイスがある。一回20-30ドルか?シアトル近郊には、国立公園、キャンプ場やスキー場など、日帰りで行ける遊び場が溢れている。一回で100ドルくらい見ておけばよいし、満足度も高い。少し遠出をして、ブリティッシュコロンビア、イエローストーンやバンフにまで足を運んでみるのも良いだろう。一回で300-400ドルかかる。ただし近場の「山」に飽きてきて、違う事をしたくなるとかなりコストがかかる。ビーチで泳ぎたければハワイやロスカボスまで行かなければならない。カリフォルニアや米国東部に行くのもお金がかかる。こういう遊びをすると800-1000ドルくらいは最低みておかなければならない。

シアトルの長所は、日本へ近いという事だ。カリフォルニア程ではないにせよ、日本行きの航空運賃は比較的安い。最近では東京への往復だと、$1000くらいが基本になっているようだが、東海岸や米国南部から日本に行くとなると軽く1.5倍はするだろう。

全てを考慮して、日本人としてアメリカで気持ち良く一、二年程度過ごすのであれば、総合的にシアトルは安い方であると考えて問題ないだろう。一年間ESLに通いながら結構遊んだ場合、車無しで35,000ドルくらい。車有りで40,000くらいかかるというのが私の計算である。この額は年収500万から600万に相当する。基本的にアルバイトは出来ないが、東京で1人暮らしをしながら学校に通いバイトもしないで悠々自適な生活をすればもっとかかるだろう。これを人生の経験として高いと受け止めるか、安いと受け止めるか?その判断は読者に委ねる。

ただし、現在の米国は現在の日本に比べて物の値動きが激しい事に注意が必要だ。まあ、どこに行こうと、安くしようと思えば賢く安くできるし、贅沢しようと思えばいくらでも贅沢できるので、ここに書いてある事を鵜呑みにされる事は望まない。この記事は、あくまでも学生用の物であり、仕事をしながら子育て生活するとなると、シアトルは馬鹿高い。まあ、その辺の話は機会があれば書く。

追記(2015年年末の時点):1ドルは120円くらいになっています。また、学費は10%ほど値上がりしています。家賃は、2割ほど値上がりしています。