8/31/2011

多数決で負けたのなら黙って潔く勝者の尻の穴を舐めろ!

自民党でもそうだったのだが、党の中に180度政策を異にする派閥がある。国民は選挙で政党を選ぶのであって、その政党内に色々な政策を掲げるグループがいるとすれば、間接民主主義は全く成り立たない。修正社会主義の鳩山氏や菅氏が掲げていた政策と、リバタリアンの野田氏が掲げている政策では、方向が180度変わっている。選挙を踏まえないで、このような方向性の大幅な変更が行われることは、民主主義の冒涜以外に、なんと表現すればいいのであろうか?

野田氏が民主党党首に選任されたあと、所謂新小沢系の議員が面白いことを言っていた。「コンセンサスが大事」だと。我が国にはおおよそ1億人ほどの有権者が住んでいる。そして、1億のわがままが存在する。他の人がどうなろうと、自分のわがままを通せば得をする。それぞれの有権者が、細かい部位で根本的に利益を異にし、コンセンサスを得ることは難しい。よって多数決というシステムが存在する。「私」と「あなた」は異なる意見を持つ。落としどころは決して見つからない。だから多数決をし、負けたら涙を呑んで、潔く勝った方の尻の穴を舐めて文句を言うな。これが多数決を採用する民主主義という残酷なシステムなのだ。このシステムを理解していない人が余りにも多すぎるし、一部の政治家は、自分のわがままを通そうとして、民主主義を愚弄している。

しかし、問題の根本は、国民自身が「良い政治」なるあり得ない物に幻想を抱き、ひとつの答えがあるかのように考えている。政治とは、「私」と「あなた」で利益が異なる事象の、割り振りを決定するシステムに過ぎない。全ての人にとって「良い政治」など存在しないのである。そのあたりの残酷な現実を認識することなく、美辞麗句に騙されている国民は、「哀れ」の一言に尽きる。

8/29/2011

颱風來了!(民主党の代表選挙の結果について)

現在台北にいるのだが、今日は台風11号(颱風南瑪度)が襲来していることもあり外出できず、一日中NHKで民主党代表戦を見ていた。(何故台湾ではケーブルテレビでNHKを見れる状態にあるにもかかわらず、NHKの受信料を払わなくていいのでしょうか?)

いくつか驚いたことがある。一つ目は、代表が誰になるかによって、自分たちの未来が左右されるような状態であるという切羽詰った状況であるにもかかわらず、昼寝したりして討論を真剣に聞いていない人達が大勢いたという事実である。あの状況で昼寝できる人間は、政治家失格とかいう次元の問題ではなく、社会人失格である。こういう馬鹿げた人間を社会から抹殺する事が、政治に求められる自浄作用なのだと真摯に考える。

続いて代表候補たちの答弁内容の希薄さである。前原以外の候補は、人情に訴えるような最終答弁をした。これについては、候補者を責めているのではない。候補者が、最後の瞬間に、全世界にテレビ放映されているにもかかわらず、情に訴えるような答弁をしなくては「票に繋がらない」と理解していたのだと思う。それ程、民主党議員のレベルが低いのだと思う。

討論の巧さでは、馬渕候補が他者を抜きん出ていた。立ち振る舞いから、表情の作り方から、喋り方まで、スピーチの訓練をしっかりと受けているのだと思う。細かい数字まで記憶しておいて、聞いている人間を驚かそうという戦術も、スピーチの中級のクラスを取れば教えてくれる。ただ討論自体に誠実性がなく、作り話ではないかと疑うような内容であった。勝ち目が全くない馬渕が立候補した理由は、自身のスピーチの巧さをアピールして名前を売ることが狙いであったと考えられるので、馬渕は120%計算どおりに今回の代表戦立候補の目的を果たした、と考える。

一方で、前原はとんでもなく希薄な政治家であると言う事が判明した。政策のような物を喋っているようであったが、前原は「問題」を列挙しているだけであった。解決方法の道筋を示すのがリーダーの仕事なのだが、問題の解決方法については、「新体制が決める」などと言っているのだから始末に終えない。総理に立候補する人間が問題の解決方法を考えていないと言っているにも等しいのだ。前原はただの評論家であり、政治家ではないという事が世間にしっかりと示された。野田の支援要請を裏切って、自身が担ぎ出される形で最終的に立候補したのだが、二位にすら組み込めなかった。勝算もなく選挙に立候補したことにあり、国民には自身の軽薄さだけを晒した事になる。今回の代表戦を通して、前原は政治家として「終わった」人間となった。多分、前原は少し知能指数が足りないのだと思う。

傀儡万里候補と野田候補の決選投票となったが、小沢嫌い票が野田に流れ、なんと野田が民主党の代表に選出された。台風がやって来た、という感じだ。以前のブログにも書いたように、私は、民主党の力学では海江田が楽に当選するだろうとみていたのだが、野田を選んでしまうことに、民主党の党としての危うさを感じてしまう。一体、民主党には骨となる政策があるのだろうか?野田の政策は、民主党が掲げていた修正社会主義路線とは180度違う物だ。民主党議員はそれを受け入れる事が出来るのか?

結論から言うと、民主党の議員連中の殆どは、先ほども述べたように、社会人すら失格する程度の取るに足らない人間である。そういう人間に政策を持てだの、方向性を示せだの、言っても無駄であるということだ。民主党が政権交代で掲げたように、官僚主導はいけないというのはもっともだと思う。ただ、こんなレベルの政治家が官僚を主導するのは無理だと思う。根本的に何かを変えないと、私たちの国は壊れてしまう。逆に、官僚が言うように、あの程度のしょうもない政治家がいちびっていても日本国家が成り立っているように、官僚は優秀なのだ、とする意見すらまともに聞こえてしまう。

野田政権に何を期待したいのかは、次回に書くこととする。

8/28/2011

浜松南、健闘むなしくカリフォルニアにサヨナラ負け

難敵メキシコに5-2で撃ち勝った浜松南が、リトルリーグ決勝に駒を進めた。相手はアメリカWest、カリフォルニア代表である。

カリフォルニアのブライドン・シャルツマン君のファストボールとスライダーに浜松南は苦しんだ。3回表には藤田君のヒットを、エラーがらみで効率良く一点をまさに捥ぎ取った。

しかし、その裏、先頭のダナー君にホームランを運ばれ、同点にされる。

試合は投手戦に。シャルツマン君と戸塚君の投げあいだった。日本はデフェンスもしっかりしていた。90球を投げて戸塚君は規定で交代。代わった高倉君が6回に、またもやコントロールが定まらない。四球とエラー絡みで満塁に。最後はニック・プラトー君がセンター前にクリーンヒット。2-1サヨナラでカリフォルニアが日本を下した。

試合の後、両者がきちんとお互いを称え合い、非常に気持ちの良い試合となった。カリフォルニアチームの日系、高田亮君が通訳をかって出た事も見ていて気持ちの良いものだった。リトルリーグの熱き戦いは、カリフォルニアの優勝で幕を閉じた。

浜松南は良く戦った。善戦を称えたい。

8/25/2011

浜松南、メキシコと再び

サウジアラビア、カナダを敗者復活戦で順調に破った日本隊は、ヴェネズエラとの一戦になった。ベネズエラは延長戦でメキシコに1-2で惜しくも敗れて、敗者復活戦に回ってきた。打撃に定評のあるチームである。

浜松南は3回にスラッガー鈴木君のホームランで3点を先制する。4回は四球から、高倉君の3ランホームランで6-0に引き離す。しかし、浜松南は監督もコーチも野球を楽しもうという雰囲気を選手に徹底させており、見ていて本当に気持ちよい。6回には鈴木君がダメ押しの二本目のホームラン。8-0として試合はあっさり決まったかと思われた。

しかし、ベネズエラも粘りを見せる。コントロールが乱れたピッチャーの岡本君を苦しめ、満塁にしてみせる。そして、ヒットで三点を返す。代わった杉浦君から、センターのナバエスが完璧なホームラン。8-6とされるも、ベネズエラの反撃はここまで。試合は結局9-6で日本が勝った。

明日は再びメキシコと。相手が強いのは分かっているが、浜松南にはリトルリーグ決勝への道を懸けて頑張って欲しい。

ところで、アメリカ側の決勝は、モンタナ(北西)対カリフォルニア(西)となった。カリフォルニアなどは、アジア系やラテン系など人種が混じっている。日系の高田亮君などがいるのだが、南東部やミッドアトランティスなど、アメリカの東部は白人の子供しかいない。こんなところでさえも、アメリカ社会の歪みがはっきり出ていて面白い。

8/22/2011

リトルリーグ、浜松南はメキシコに敗れる

私はリトルリーグの世界選手権を見るのが好きで、毎年ESPNで観ている。今年の日本代表は浜松南であり、エリミネーションマッチでメキシコと対戦した。メキシコ、ピッチャーのガルシア君は一回にはかなり緊張していた様子で、ストライクが入らない。しかも、二つのエラーにより、早々と二点を失点する。いつもの日本圧勝のパターンかと思ったが、このメキシコのチームがかなり組織的な野球をするのだ。何よりも内野の守りが良い。日本がバントで二塁手を送ろうとして、ダブルプレーを取ったのは圧巻であった。一方の日本も、ピッチャーの鈴木君が頑張っていたが、メキシコの巧みなバッティングに二点を失い、同点になる。日本の内野の守備も堅く、特に二塁手の松下君か井桁君のプレーが素晴らしかった。

延長戦になり、メキシコに競り負けてしまったが、浜松南チームも健闘した。メキシコは優勝候補の中華台北(要するに台湾)チームを3-0で蹴散らしており、かなり強いと思われる。ここ数年、インターナショナル代表は、日本対台湾という構図が目立ったが、今年は若干違う構図が見られる。

しかし、浜松南の選手が良い。野球を楽しんでいる。良いプレーをすれば笑みを浮かべるし、常にアップで試合をしている。見ていて気持ちが良い。監督もすがすがしく、日本を代表するに相応しいチームだと思う。それに対して、昨年の江戸川南は優勝はしたものの、非常に見苦しいチームだった。選手の子供たちは、何かに恐れてか、決して笑わない。狸のような老いた監督は、世界中で放映されているという事を忘れてか、「あのポンコツ相手に何点でもとれるだろ!」などと、相手を見下したような発言をマイクに取られている。ああいうチームがリトルリーグの日本代表として出て欲しくない。

浜松南はメキシコに負けてしまったが、サウジと戦い、恐らくその後は台湾と戦い、まだ決勝に進む可能性を残している。是非とも頑張って欲しい。

8/21/2011

安定させるには民主の田中派と自民党の田中派がくっつくべき

ポスト菅争いが本格化してきているが、候補者が百花繚乱の状態であり、誰が総理の座を射止めるか良くわからない状態になっている。ここで注意する必要があるのは、総理大臣は国の代表であるが、民主党の党代表が総理大臣に指名されるということである。国民にとってふさわしい総理大臣と、民主党内のパワーゲームで支持を得る党代表とでは、まったく異なった軸で物事が動くと言う事を頭の中に入れておく必要がある。

野田佳彦であるが、野田氏の政策は私好みである。野田氏の考え方は完全なリバタリアンであり、市場を認識した上で物事を考えている。大手新聞などに「増税主義者」などといったラベルを貼られ始めたが、増税をせずに日本がやっていける方法があるのなら、是非とも教えて貰いたい。現時点では史上最高のドルに対する円レートを保持している我が国であるが、日本円は何かのきっかけである日突然信任を失って、信じられないような大暴落をする可能性がある。このような事態は不可避だと考えているのだが、増税によって、将来のハードランディングの最悪の事態を避けることが出来るかも知れない。景気が良くなってから増税だ、などと寝ぼけた事を言っている人もいるが、「景気が良くなる」というのはどのような状態を言うのかきっちりと示してほしいと思う。日本は構造的な問題を抱えており、近い将来に景気が劇的に良くなることは決してない。しかし左巻き勢力が渦巻く民主党内において、野田氏は異色の政治家である。野田氏がかかげる政策は、みんなの党か自民党の小泉派のような政策なのだ。修正社会主義を標榜する民主党内で、このような政策が毛嫌いされる事は、大方の人の予想するところだろう。松下政経塾の連中が民主党にいた理由はひとつだけ。自民党には入れてもらえなかったが、政権交代をしたかったという事だ。しかし前原や野田のような「右」の政治家が社会民主主義的な政策を推し進める民主党に何故居続けるのかは理解不能である。早く民主党を脱退して、みんなの党と組むべきだ。普通に考えれば、民主党内で野田氏が選ばれることは無いと思う。もし野田氏が党代表になるような事態になれば、民主党は「右派」と「左派」に分裂せざるを得なくなると思う。あるいは野田が極端に折れざるを得ないのか、どちらかであろう。前原などが第三勢力に担がれでもすれば、野田の目は全く無くなる。

鹿野も難しい。鹿野は農水省の官僚連中の間ではかなり評価が高い。きちんと指示できる大臣として認められている。鹿野は自民党清和会の出身であり、根本的には右の人間だ。これがネックとなるだろう。よって、目はない。

馬渕であるが、この男が何者なのかは不明である。元気で目立ちたいだけの、政治家にありがちな人間なのであろうと思うのだが、総理大臣を務める器であるとは思えない。

小沢鋭仁であるが、この男は卒なく小沢一郎に擦り寄っており、党内での信頼が厚い。ただ、環境関連やリニア関連など、将来的に怪しげな利権となりそうな事に色々と手を出しており、自身が総理大臣になれば、環境問題などについて色々つまらない事をしそうなので、注視するのが懸命だと思う。民主党の党内パワーゲームでは意外と支持を得ることが出来るだろう。

最後に、海江田万里であるが、民主党内では意外と好戦すると思われる。菅総理と仲が悪い振りをしているが、ここに名前があがっている総理候補の中で、菅に政策が一番近いのだと思っている。海江田は「税金」に詳しい。増税などを政策的に言い出さない立場にある。一方で、社会保障などを充実することを是とする社会民主主義的な政策を提唱している。勿論、一般の国民にしてみれば、税金を上げず、貰える物は貰いたい。それが一番得だからだ。だが、それでシステムが機能するのかどうかは別の話しである。海江田が菅の後を継いで、現在の修正社会主義を推し進めれば、日本はサッチャー前夜のイギリスのようになる事は目に見えているのだ。

もし、まともな人間が総理大臣になれば、民主党は分裂し、解散である。一方、民主党のパワーゲームで総理大臣が決まれば、支持率は低調になり、また首相交代となる。いずれにせよ、超短期政権になる事は目に見えているのだ。一つだけ、短期政権を回避する方法は自民党との大連立であるが、そうなれば谷垣を総理大臣にする必要がある。ただ、谷垣は三木派の政治家であり、自民党内の岸派や田中派がどうでるかが見物だ。民主党は田中派の片割れであったのだから、自民に残る田中派と民主党の田中派が合体しても面白い(私は嫌です)。自民党の震災復興利権が欲しい連中をうまく取り込んで、大島あたりに震災復興内閣総理大臣をさせるといった手もあろうが、それも支持率を取れそうに無い。総理大臣の席はホットポテトである。熱いジャガイモには、普通の感覚をした人間であれば、誰も触りたくない。

8/08/2011

野田総裁で安パイか?

菅直人が居座っているが、霞ヶ関で働いている人達から、菅直人のドタバタぶりを色々リークしてもらっている。そして枝野などは自分の人気取りのみを優先させている為に、大きな見地からの政策が全く立てられていないらしい。税金は自分のお金だと勘違いしているのか、なんでもかんでも補償する。機能不全状態を回復するためには菅直人が辞めるのが一番早いと思われる。「日本を良い国にしたい」、などと馬鹿の一つ覚えのように具体性を欠いて繰り返す人間には早く下台して欲しいものである。そんな幼稚な主観論を言う人間を私は信じない。良い・悪いは人によって、そして時期によって違うため、そんな尺度で政治など切り抜けられる訳がないのだ。具体的な政策を言ってない人間に政治を任せる事はもう出来ない。

菅直人が辞めるのを見越して、野田佳彦が存在感を増している。結果的に、税を無駄遣いしただけであったが、為替介入をしたり、色々頑張っている。官僚や経済界からの受けもいい。バランスが通っている人間である。しかも、民主党にあって、つまらないイデオロギー論争をしたり、夢物語を語らない事が好ましい。ただ、国民が普通だと思う人材は民主党でははぐれるらしい。野田グループは民主党内では強くない派閥である。

いずれにせよ、民主党が続く限り、日本は社会主義的な方向に舵を切っているので、絶対に救われない。民主党が早くに瓦解でもして、野田総裁が「みんなの党」や自民党のまともな連中と組んだりすることを望む。

さっきから言っているが、民主党は、私の常識からは遠く離れた常識を持ち合わせているため、野田佳彦があっさりと次期代表に収まることは無いと思うのだが、どうだろうか?しかし、野田佳彦、代表選のために財務大臣でありながらイチ抜けたは卑怯だと思う。今回の為替介入など、じっくりと検証する暇もなく、後続に引き継がせるというのか?

マーケット暴落

いつもは高いところから余裕ぶってこのブログを書いているのだが、今日は少し余裕がない。スタンダードプアーズに米国債が格付けを下げられたのをきっかけに、今日のニューヨーク市場は「怖さ」が支配して、売りが売りを呼ぶ展開になっている。株の売買をしている人なら解るが、プロはレバレッジを効かせて投資しているので、必要以上にポジションが動くと、直ぐにマージンコール(追い証)がかかってきて、ポジションを解消せざるを得なくなる。だから、売りが売りを呼び、市場では全てが売られてしまう。金以外は全てが値下がりしている状況である。私はベアマーケットのシグナルを受けて、一般的にデフェンシブと思われていたポジションをとっていたのだが、債権まで暴落されて、どうにもなりまへん。

まあ、マーケットは値上がりと暴落を繰り返す事で成り立ってるわけで、周期的に調整が起こって然りである。いわゆるPIIGS,それもギリシア問題で多少株価が下がっていたと言うものの、世界の株価は2009年の三月ごろから右肩上がりで来た訳で、調整は入らなければならない。調整さえ入ればまた買い足せる。しかし、中国経済が減速しており、それが世界に与える影響が今後心配だ。新興市場が飛べば、アメリカ国内に大量のドルが回帰して、全然違ったモメンタムでゲームが再開されることになる。すると、円高はジョークになってしまい、日本はもっと真剣な問題を抱えることになる。

8/04/2011

野田は税金で総理の座を買う布石を作っている

財務省が久々に為替市場に介入した。輿論に押された形だが、ある種のスポンサーに支持されているテレビや新聞が形成している円高脅威論なので、まあ推して謀るべしである。

円高介入と言う事は、財務省は円を大量に売って、大量の外貨を買ったと言うことである。つまり、見方を変えると、日本人の税金で集めた金を使って、日本国内では役に立たない外貨を買ったということだ。今回の円高は、恐らくはゼロ金利を長期にわたって行っており、リキデーショントラップに陥っている日本と日銀を、世界中の投資家がホットマネーを使って標的にしているというのが実態である。そうであるとすれば、今回や前回の市場介入は、日本人が納めた税金を、国籍不明のヘッジファンドマネジャーにあげているのと同じ意味になるのである。市場介入を支持している人はこのあたりの事を理解して欲しい。スポンサーの意思を酌んだ大衆が読む新聞やテレビニュースの意見に惑わされないで欲しい。

良い悪いに関わらず、財務省は円高介入に打って出たわけであるが、何故今のタイミングなのか?これまでは市場に任せるだの、何だの言っていた癖に、今回は行動が早い。野田佳彦は、菅直人が首相の座を明け渡して、自分が総理候補になるというのを見越した上での行動であると考える。日本の財界では輸出産業の長達がのさばっている訳だが、そういった連中の支持を得るのが今回の目的であるのは明白だ。一部の企業の儲けを優先させる為に、国民の税金をヘッジファンドに移行させ、総理の座を確保している。このような分析は穿った見解なのであろうか?