6/21/2013

ヒート優勝。負けたスパーズは天晴れ。

これは2012-2013シーズン・プレイオフの記事です。2014年の記事はこちらから

今年のNBAファイナルは、紐を解いてみると、例年になく熱い戦いになった。一進一退で、監督同士がお互いの弱点を見つけて、無茶苦茶な点数差の試合が数試合続いた。そして、第六戦、残り5分にはサンアントニオの勝ちが決定したと思ったのだが、レブロンとレイ・アレンがクラッチの3PTを決め、同点で延長戦に突入。そして第七戦の接戦である。軍配はマイアミに上ったが、サンアントニオの品位のあるバスケットボールには敬意を払わずにはいられない。「地味な」試合をする組織バスケのサンアントニオを、レブロンの力でギリギリ捻じ伏せたのだ。

しかし、ファウルも少なく、綺麗なバスケを見られたことは、何よりも価値があった。バスケはこんなにも面白く、深いものだという事を嫌というほど見せてくれた。汚いバスケも、それはそれで面白いが、ここまでクリーンなバスケが決勝で見られるとは思わなかった。

マイアミは結果的にラッキーだったと思う。ボッシュが前半に3ファウルを犯したため、バードマンのプレー時間が増えた。バードマンがいた事でスパーズが攻撃に苦慮した。バティエが3PTを入れまくった事から、ウェイドの代わりにバティエを使う時間が増え、この事もスパーズの得点力を削いだ結果となった。グリーンなどが苦悩した原因も、ディフェンスにある。そして、早い時間帯からレブロンをトニー・パーカーに張りつかせた事で結果が出たのだろう。一方のスパーズは、契約が切れるジノブリを使わざるを得なかった。パポビッチの温情采配ではなかったのか?それとパーカーは足の状態がかなり悪かったのかもしれない。

今回のファイナルで改めて解ったことが数点ある。

1) レブロンはMVPに相応しい、得点力も防御力も兼ね備えた選手である。
2) ダンカンは恐らく、NBAの歴史上、最高のパワーフォワードである。
3) トニー・パーカーはNBAでも最もバランスの取れたポイントガードである。
4) バードマンとバティエのディフェンス力は抜けている。点数が入れられなくても、スターと一緒にディフェンス要因を入れなければバスケは勝てない。
5) レナードは、今後オールスター級に成長する。
6) ジノブリは、終わった。給料には見合わない。36歳だし、仕方ない。それでもイレギュラーなドリブルでのレイアップは健在だった。
7) ビッグスリーと呼ばれているが、ボッシュとウェイドはレブロンの半分くらいしか貢献していない。レブロンと一緒に使う意味がないかも知れない。人気の面でも、コストパフォーマンスが見合うのか?
8) ウェイドとジノブリはパスさえも出来なくなっている。

10月までバスケが無くなる。野球はテレビで見ても面白くないので、スポーツ観戦の回数がぐっと減る季節となる。スパーズはオフにジノブリをどうするのか?多分放出されると思うが、今年の給料をもらえることは無いだろう。

6/19/2013

NBAファイナル、泣いても笑ってもあと一戦。

これは2012-2013シーズン・プレイオフの記事です。2014年の記事はこちらから

NBAファイナルは第六戦の第四クオーターの終盤から、初めて手に汗を握る面白いゲームを見せて貰った。

トニー・パーカーのパフォーマンスがイマイチであった理由は、ひとえにレブロンがガードしたからである。レブロンがヒートの一番良いディフェンダーなのだから、一番良いプレイヤーをガードさせた事には違和感はない。寧ろ、「漸く気付いたか!」という程度の話しである。ヒートが勝って勝ち星を五分五分にしたというものの、レブロンのパフォーマンスがイマイチだったと考える人もいるだろう。ディフェンスに力を入れると、どうしてもオフェンスが抜けてくる。レブロンの得点力が剃られていたのは、トニー・パーカーに対する執拗なディフェンスのせいであった。結果、勝てたのだから、その作戦は成功したのである。

ティム・ダンカンが点数を入れまくった。これは、ひとえにボッシュの糞ディフェンスの問題である。ヒートはハズレムを抜いて、スリーポイントを入れられるマイクミラーにスターターをやらせた。それに反応するように、スパーズはセンターのスプリッタ―を抜いて、ジノブリをスターターで使ってスモールラインナップで臨んだ。という事は、ボッシュとダンカンがマッチアップしたのだが、ボッシュのディフェンスはザルであった。

もう一人、糞のようなプレーをしたのは、ウェイドである。頻繁にダブルチームも行われていたが、ターンオーバーが多すぎる。怪我の影響もあろうが、ウェイドは信頼できる選手ではなくなっている。

第四戦と第五戦で使わなかったバードマン、そしてこのシリーズで出場機会が減っていたバティエを有効的に利用してきたことは好感が持てる。結局、バスケットボールはディフェンスで我慢して、ミスマッチが起こった時に得点力が爆発するのを待つしかないのだ。

ウェイドとボッシュを使う時間を落とし、バティエとバードマンを有効的に利用し、得点は基本的にレブロン中心。そうすればヒートが勝つだろう。逆に、ウェイドとボッシュに頼ると、スパーズが軽く捻りつぶすのではないか?監督の頭の差がゲーム7に現れよう。

6/07/2013

昨今の世界中のボラティリティ―の変化どう捉えるか?円の暴騰、日経の暴落と長期金利の上昇

世界中のアセットプライスが気持ちの悪い動きをしている。今朝、アメリカの労働市場の指標が出る前に、まとまった額の金の売りが出ていた。驚くほどの額だったので話題になっていたのだが、まるで労働市場の指標を事前に知っているかのような値動きだっただけに、捜査の対象になっているようである。

三週間ほど前、バーナンキがQEを縮小させるかもしれないという予想がニュースメディアに流れ出してから、市場が乱高下するようになっている。特に、長期金利が世界中で不気味に騰がりだして、それに対して一部の政府がインチキをしているような節がある。

ご存じのとおり、長期金利の高騰に端を発した問題により、日経平均に大幅な売り圧力が出てきており、日本株は2割以上の下落を経たため、定義的には既にベアマーケットに突入している。そのことで「アベノミクスの失敗」や「バブルの崩壊」などと騒いでいる連中も見受けられる。

私が気持ち悪いと思ったのは、木曜日に円が急激に売られて、99円強から96.1円まで、30分近くで急騰したことだ。日本市場が閉じているときに、何者かが仕掛けたとしか思われないのだ。ヘッジファンドなのか?ソブリンファンドなのか?外国政府なのか?或いは自民党の自作自演か?それは解らないが、夏場の薄商いを狙って、魑魅魍魎が跋扈しているとしか思えないのだ。

この異様なボラティリティ―をどのように判断すれば良いのか?バブル云々言っている人達がいるが、日経の値はバブルからは程遠い。PERが4月の末で23倍、そして現在14倍ほど。つまり、利率が4%から7%まで騰がったということになる。この程度でバブルなどと言っている人たちは正直おかしいと思う。日経は長期的にはまだまだ騰がる余地がある。ちょっとばかし値上がりすれば「バブル」などという言葉を使いたがるほど、私たちの中にはトラウマが出来あがってしまったのだろう。

円にしても、一ドルが100円などと言うのは、まだまだ甘く、120円は軽く超えてくるだろう。値段が乱高下しようとも、最後は思う所に回帰してくるだろう。ソロスチャートや、PPPや、マネタリーベースや、色々な理屈を使って為替水準を説明しようとしている人達がいるが、そういった物はあくまでも後付け説明に過ぎず、為替を正確に予想できるような因果関係などないのだ。

夏場のボラティリティ―は毎年仕方ない事なのだが、誰かが仕掛けてくるこの状況をどう見るか?一時的に吹き荒れる台風として過ぎ去るのを待ちたい。しかし、ボンドマーケットが徐々に下げていることに対しては細心の注意を払う必要があると思う。グレートローテーションの話なども出ているが、グローバル規模での長期金利の上昇というシナリオは、はっきり言って世界経済にとっては最悪だ。株とは違い、ボンドマーケットは間違いなくバブル水準にあったと信じており、これが崩壊すると世界規模で大変なことになる。中央銀行が長期金利をコントロールできると考えている人たちは、一度ほっぺたをつねった方が良いと思う。残念ながら、自民党にも中央銀行にもそんな力はない。所詮は投資家のマネーゲームの上で踊っているだけなのだ。世界中の市場は繋がっており、蝶の羽ばたきは台風になるものである。

NBA2012-2013シーズン ファイナル:サンアントニオ・スパーズ対マイアミ・ヒート

これは2012-2013シーズン・プレイオフの記事です。2014年の記事はこちらから

2012-2013のNBAファイナルはヒートとスパーズの一戦となっている。インディアナとメンフィスはディフェンスの鬼チームであったが、残念ながら両チームともカンファレンス決勝で姿を消してしまった。(私は内心、スパーズ対ペーサーズの決勝になるのではないかと冷や冷やしていた。いわば、ミュンヘン対ドルトムントのような地味な試合になる。スパーズ対ヒートなら、ミュンヘン対バルセロナである。)一方のヒートとスパーズは、ディフェンスも得点力もある、バランスの取れたチームという事が出来ると思う。東コンファレンスで一番強いのはヒートで間違いないし、西で総合的に一番強いのもスパーズで間違いない。つまり、頂点と頂点のマッチアップとなったわけだが、イメージとしては、派手さが売りのヒートと地味な組織的なバスケをするスパーズの対戦という事になる。後述するが「面白さ」という意味のマッチアップ的には微妙である。

既に第一戦目が終わっており、後出しじゃんけんの気味があるが、マッチアップを精査したい。

PG トニー・パーカー(ジェノブリ)対チャーマーズ(ノリス・コール)
SG ダニー・グリーン(ジェノブリ)対デュウェイン・ウェード(レイ・アレン)
SF レナード対レブロン・ジェームス(バティエ、ミラー)
PF ティム・ダンカン対ハスレム(ジェームス、ボッシュ)
C スプリッタ―(ディアウ)対クリス・ボッシュ(バードマン)

派手さと得点力が売りと思われがちなヒートであるが、実はディフェンスにかなり力を入れている。一方、ディフェンスが売りと思われがちなスパーズであるが、結構得点力がある。

ポイントガード対決は、パーカー擁するスパーズが圧倒的に有利である。ヒートは、他の選手にディフェンスが回っている間に、3Pを入れるくらいしかできない。

SGであるが、ヒートのウェードは微妙である。怪我の影響もあるかもしれないが、攻撃的には数年前の怖さはなくなった。ウェードが巷ではディフェンスが巧い選手として扱われているが、私はその意見に与しない。確かにウェイドは凄いブロックショットを決めたりするが、マンツーマンで張り付くような(トニーアレン、バティエやセフォロシャを思い浮かべて貰うとよい)ディフェンスはできない。レイ・アレンは3Pを含むシュートの達人であるが、ディフェンスがかなり「ザル」である。一方、スパーズのグリーンもスリーポイントの達人だ。ただ、6人目の男としての役割で使われているが、スパーズの本当のSGはジェノブリだ。ただ、このプレイオフでのジェノブリの不調さが酷い。ジェノブリが復調すればスパーズが圧倒的に有利である。ウェイドはスパーズにとっては怖くない選手である。

SFであるが、レブロンが圧倒的に有利だが、レナードの身体能力は高く、ディフェンスは巧い。執拗なディフェンスにレブロンは苦しむと思う。ただ、苦しんでも30点くらいとるのがレブロンである。一方、レブロンはレナードをディフェンスするのだろうが、レナードはスパーズの攻撃システムの中では「衛星」の役割に過ぎない。レブロンはティム・ダンカンなどへのダブルチームの役割に回るのだろう。それはリソースの無駄だと思う。

PFはティム・ダンカンが圧倒的に有利だ。センターのバードマン(クリス・アンダーソン)などがダンカンをディフェンスするかもしれないが、アンダーソンのマンツーマン型の縦ディフェンスではダンカンの攻撃を防ぐのは無理だろう。ボッシュをダンカンにつけようとも、ディフェンス的には微妙そのものである。

センターはクリスボッシュとスプリッタ―というなんとも微妙な組み合わせだ。ディアウが出てきても、主要選手としての扱いではないだろう。ディフェンスの要であるバードマンが誰をディフェンスするべきなのかも明確でなく、マッチアップになっていない。

ヒートの監督、スポウルスタは早急に自チームの誰が誰をディフェンスするのかを明確にしないと、かなり酷いことになると思う。グリズリーズがスパーズに負けたのも、その辺りが原因であるからだ。スパーズの一番の武器は何よりもパポビッチであるのだから。ヒートは明確に三人、ディフェンスに優れた選手がいる。貼り付けるバティエ、身体能力のレブロン、そして垂直ブロックのバードマンだ。この三人をどのように使うのか?監督の戦略をみてみたい。

私がスポウルスタであれば、絶対にディフェンスを固める。アンソニーを投入して最初からをダンカンに張りつけ、禁じ手であるがレブロンにトニー・パーカーをガードさせる。バードマンを早めから使い、スプリッタ―につける。ジェノブリが出てきたら、すぐにバティエを入れる。その三人さえきっちりとディフェンスすれば、後は「普通に」ディフェンスすれば良いのだ。そして、攻撃は無視。個人の力でどうにかなるし、ヒートは3Pを入れられるチームである。スパーズの組織的なディフェンスの前には、戦略を立てても無駄であるからだ。一方、スパーズがシューター揃いのゴールデンステートに結構苦戦したことを思い出すべきである。

スパーズが4-2で勝つと見た。試合としては、見ていて「面白くない」微妙なゲームが続くだろう。何故なら、スポウルスタの戦略に、パポビッチが微妙にミスマッチを仕掛けてきて、チグハグなバスケになってしまうだろうからだ。

6/03/2013

三か月で三度目のヒンデンブルクオーメン!

先週末の金曜日、ニューヨーク市場で再びヒンデンブルクの大凶(オーメン)が観察された。ただの指標の一種であるが、まあ、色々な思惑が出る事だろう。しかし、最近の債券系の値動きが激しい。ミュニシパルボンドとかジャンクボンドのETFもじわじわと下がり始めている。一旦手を引こうかどうか真剣に検討中である。