12/30/2015

マイナンバーと情報保護?はあ??現行の源泉徴収自体がプライバシーの侵害

マイナンバーによる個人情報の漏洩を心配している記事を良く見かける。ある意味、この手の記事は、「情報漏洩産業」を助けるためだと私は考えていた。

世間では、心配事を大袈裟にまくし立て、安全を保障する物を売りつける商売が横行している。コンピューターウイルス対策にソフトを買いましょう。泥棒対策にセコムしてますか?癌になったときのために癌保険に入りましょう。体が悪くならないように青汁飲んでますか?外国が攻めてくるので国は最新のイージス艦とミサイルシステムを買いなさい。死んだら地獄に行かないようにキリスト教を信じて寄付しなさい。悪い事が起きないように高額な壺を買いなさい。などなど。

マイナンバーの個人情報漏洩の危機を煽る事は、ある意味、そういった産業の促進を助長している。で、まわりにも、マイナンバーで詐欺に会うのではないか、という事を本気で心配してるおばちゃんやおじちゃんがいる。こういうころっと騙されてくれる人がいるから、日本では保険会社と郵貯と朝日ソーラーが儲かり、浄水器の押し売りさえも成り立ってしまうのだろう。

閑話休題。ただ、私はマイナンバー後の社会による情報漏洩を違った視点から心配している。しかし、マイナンバーそのものの問題というよりも、日本の源泉徴収制度の問題だ。給与所得者は、会社が個人に代わって税金を支払うのだが、その際に会社側に全ての個人情報が漏れてしまう。原則として、それら情報は納税以外に使ってはならない事になっている。しかし、会社側は雇用者の、1)副業・副収入の有無、2)結婚暦、3)障害暦などが筒抜けになってしまう。こういったものが社内での立ち居地に影響する可能性は大きいだろう。

「その程度の情報が会社に知られると都合が悪いのか!」などという人もいるだろう。だが、個人は隠すか公表するかの判断が出来るべきではないか?隠したくても隠せない、あるいは隠すと不都合が起きてしまうという制度は、重大な欠陥があると思う。それこそが個人情報漏洩じゃないのか?

特に、マイナンバー後は副業の収入がほぼ自動的に合算されて、会社に推測される可能性が高くなる。これは日本の経済活動を大きく萎縮させる可能性がある。あるいは、副業をしている人や、水商売のおねえちゃんたちがドンドンと地下に潜ってしまう可能性すらある。これでは、税金をきっちりと取ろうとしていた筈が、経済の地下化で税金をとりっぱぐれるという、大問題すら考えうる。

源泉徴収を維持したいのであれば、やはりアメリカ式にした方が良いと思う。個人の申し出に従って、会社や雇用主から直接に大目の納税が行われる。言いたくない場合は、個人は会社側に全てを言う必要はない。その際は、源泉徴収があるべきものよりも若干多くなる。ただ、年度末に調整してもらえるので、不公平はない。年度末に個人は会社や雇用主から税金の書類を貰い、オンラインで税金書類を提出し、多く払いすぎた分を返してもらう。こうすれば、会社や雇用主に個人情報が漏洩する事はないし、返してもらった税金を無駄遣いする人も増えて、景気浮上効果もあるだろう。

上記の政策は、仕方なしの制度設計である。私が理想とする税制は、給与所得者の所得税は給与に関係なく一律25%のフラットタックス。控除は一切無しで全て源泉徴収。というものだ。そうすれば、会社も政府も個人も負担が少なくなり、理想的な社会になると思う。役所職員や税理士を大量解雇できるまたとないチャンスではないか?給与所得者は頑張れば頑張るほど給与が増えるので、頑張るだろう。控除がなくなるから給料を上げないで下さい、などといった馬鹿な意見はなくなると思う。

霞ヶ関は、自分の友達(マイナンバーのインフラ産業)の儲けや自分たちの天下り先のことばかり考えないで、もう少し一般の目線に立って制度を考えてほしい。政治家は人の税金で票を買うな!控除とか言う一見すると「にんじん」に見えるようなもので政治ゲームを遊ぶな!

12/28/2015

オタクは相手にしない。ディズニーの監修の元、マクドナルド化した「焼き増し」のスターウォーズ7

仏教徒である私は、自分のルーツのアイデンティティーを守るために、「メリークリスマス」などとは言わないし、家にクリスマスツリーなど飾らないように頑張っている。同僚やお世話になっている人にも、クリスマスカードは渡さず、年賀状を渡すようにしている。アメリカ南部に住んでいた時、クリスチャンでなきゃ人間じゃないような雰囲気があったので、これは非常に厄介だった。が、多様性拡がるシアトルではすんなりと受け入れてもらえる。

あまりにもクリスマスが暇だったので、近所の映画館にスターウォーズを見に行った。私はそもそも、映画など、飛行機の中でしか観ない。映画館に行くのは、一体何年ぶりだろうか?

たわ言はどうでも良いが、スターウォーズシリーズは好きな映画なので、期待半分、疑心半分で「わざわざ」観に行ったわけだ。

で、感想は?と聞かれたとき、私は困ってしまった。ストーリーとしては、新世代キャラによる「焼き増し」だった。まったくサプライズ無し。先が全て予想できてしまう。空中戦やチャンバラは、ハラハラ感がゼロ。驚いたのは、ハン・ソロが刺されたところくらいか(次の契約が決まっていし、高額だから仕方ないか)?とても平坦なストーリーである。

そして、数々の不満が残る。ファーストオーダーが何故のさばっているのか?カイロ・レンはしょぼすぎるのではないか?普段は逃げ回れるのに、そんなに簡単に宇宙船が他の船に捕らえられるのか?宇宙タコはどこから沸いてきたのか?フィンはキャラ的にしょぼ過ぎないか?ファーストオーダーはデススターの破壊をケースとして何も学んでいないのか?

オタク側の自分としては、不満ばかりが残った。が、映像的には「まあまあ」だし、ストーリー的にずっこけている所も無かった。島にたたずむ老いぼれたルーク・スカイウォーカー。多分、レイのお父さんなのだろう。次のスターウォーズ8の予告みたいなので、映画の幕は閉じるわけだ。

で、結論であるが、「ディズニーの経営チーム、天晴れ!」と言いたい。結局、スターウォーズ7はオタク層を完全に見捨てて、子供とお父さん、お母さんにターゲットを合わせてきたのだ。あっさりしたストーリー、しかも怖いシーンも無い。家に帰る車の中で、お父さんが子供に色々と解説できる。至高の出来ではないが、瑕疵なく、マスターゲットの一番大きいところを取りに行った。まさにマクドナルド化である。誰も嫌がらないし、子供は大好き。だから皆に愛されるハンバーガー、みたいな。次のスターウォーズ8も皆で観にいこうね、と。ディズニーさん、あなたはマーケティング解ってまんがな。

オタクに愛されているものは「深い」物が多い。しかしその深さが、新規ファン参入の敷居を高くし、尻すぼみになる傾向がある。競馬しかり、スキーしかり、ジャズしかり、野球しかり、である。ネスカフェのように違いがわかるニッチに売っていたのでは、マスはおののく。マニアが好むスターウォーズはこういう罠に陥る可能性が高かった。それを全力で回避し、子供向けにしたわけだ。女性を主人公にしたり、異人種恋愛(ジャングルフィーバー)を取り上げたり、必死である。ルーカスからディズニーに移った時点で、ある程度そういった可能性は透けて見えていたのだが。

違いが解る人、オタクの人、うるさい人には物足りなかったと思われるスターウォーズ7。だが、家族全てに愛される薄っぺらいストーリーとして、がっぽり儲けさせて貰いますわ。

12/16/2015

合憲か違憲かというつまらん憲法問題

夫婦同姓が合憲か違憲か、というくだらない裁判が争われていた。

私は夫婦同姓を強制する現状の民法は時代遅れであり、規制を緩和し、同姓でも別姓でも好きに選択できるようにするべきであると思っている。

ただ、そんな私から見ても「夫婦同姓は違憲か?」という裁判はおかしいと思う。国が自由を束縛することが違憲なのであれば、「規制」はすべて違憲である。逆に、合憲であれば何でも良いのか?という問題もある。

私の意見は、違憲か合憲かという問題ではなく、夫婦同姓を強いる縛りは「無駄な法律」であり、必要性が乏しい法律はどんどんと廃止していくべきだと思うのだ。

法律を変えるのは立法府、つまりは国会議員の仕事であり、政治で解決するべき問題だ。何故裁判所に違憲か合憲かを判断させる必要があるのか?意味が解らない。そういう事にこだわりたい偉い憲法学者か運動家が一杯いるのだろう。

日本には無数の無駄な法律や規制がある。合憲であれ、違憲であれ、そういった無駄なものをどんどん廃止することに汗をかいてくれる国会議員を、私は応援したい。フェアで時代に準じた法律や規制さえ残せば、残りはいらない。我々が必要なのは、規制の緩和であるのだ。

「夫婦別姓にしたら離婚が増える。別姓の親の子供がかわいそう。」そんなことはあなたにとって関係ないし、嫌なら同姓にすれば良いのだ。

掲示板の書き込みを見ていると、日本では不必要なルールを「文化」だとして、甘んじて受け入れようとする人が多いように思う。必要ないものは必要ないし、規制に規制の上塗りをして儲かるのは弁護士と公務員だけなので、法律をどんどん削除していって欲しい。法律家や法の番人、監視機構などが蔓延る日本の世の中は非効率的である。

同時になされた、女性は6か月間再婚できないという民法。違憲が出されたのは当たり前だと思うが、20-30年くらい前に何故この法律を抹殺しなかったのか?裁判官に違憲判決を出される前に、自発的に時代錯誤な法律を消すべきだ。意味が解らない。兄さん、世間は既に21世紀ですよ。違憲だから変えるとか、合憲だから続けるとか、そういう問題じゃない。不必要な規制はどんどん撤廃せよ、と言っているのだ。

憲法問題に興味がある左の人が夫婦別姓や再婚の縛りを無くそうとしている、などという下らないイメージを植え付けるので、左派の人には詰まらない政治活動は慎んでいてもらいたい。こういう事をすると、頭の固い右の連中が頑なになるだけである。

12/15/2015

イエレンは明後日に利上げするの?

こういう質問を良く受けるのですが、答えは「YES」です。現地時間の水曜日に間違いなく25ベーシスポイント上げてきます。FED(邦銀)の使命は、サプライズ(市場の動乱)なく上手く市場を誘導することです。従って、市場が利上げを織り込んでいるのだから、きちんと利上げをするのです。

利上げした後には色々と問題が起こってくる可能性がありますが、唐突には来ません。そのうち、特に債券(ボンド)市場で波乱が発生します。よほど度胸がある人でなければ、しばらく債券市場(国債、公債、社債など)に手を出してはいけません。債券市場につられて、米ドル、商品、新興市場株などが揺れる可能性があります。利上げをすれば、市場の関心は次の利上げはいつか?って事になります。

暫くはボラティリティーの高い方向性を見失った取引が続くでしょう。教科書通りに考えると、金利が高い米国に資金が流れそうなものなのですが、最近では円高を予想する声もあります。現時点ではっきりした「方向性なし」と答えるのが正しいと思います。つまり、FXは儲からないので手を出すな、です。

爆上げの期待はないものの、日米欧の株にお金を突っ込んでおくのが正解でしょう。

聖教新聞だけ消費税を免除すれば黙っててくれる?

財政やビジネスの事をある程度理解している人にとって、軽減税率の導入はトチ狂った政策に聞こえる。シチ面倒くさい事をする割に、経済を潤わす可能性はかなり低いからだ。というよりも、消費税を上げる口実は、取れるところから満遍なく取ろう、という物である筈だ。値段に関係なく買わなければいけない食料のようなものを値下げしても、経済の波及効果は少ない。食費の消費税を軽減するのなら、消費税を上げなければ良いのである。

私はたばこを吸わないので関係ないが(必ず識者はこのつまらない言い訳をする)、エラスティシティーが高くなってきたたばこの税金を上げるのは、非効率的であると思う。たばこが健康に悪くてやめさせたいのであれば、たばこを禁止して、マリファナとかを売ればよい(笑)。財政とかビジネスとか解らない人が、健康云々を言って、税制に口出ししているとしか考えられない。日本の借金を支えるために、自分の健康を犠牲にしてまで税金を払う喫煙者を蔑ろにする行為は、今後は売国的と看做されるだろう。(税金を払う人が偉いんやで!)寧ろ、愛国的な人達は、喫煙しなくても小売りのたばこ店でたばこを買って財政を支えようではないか!

世論調査が胡散臭い。国民の7割が軽減税率に賛成と来た。そりゃ、あんた。2%還元するのに賛成か反対か?と聞けば、誰でも賛成する。それで財政が悪くなりますよ、とかのトレードオフは示さないのだから。何故こんなに胡散臭い世論調査を出して、軽減税率に賛成するのかな?と思っていると、やはり来ました。新聞も軽減税率に含まれるようです。ごちそうさんでした!マスコミは軽減税率を批判しません!という事だ。

創価学会は日本の財政の事など、まったく気にしないのだろう。自民党の中枢部の連中は、来夏の選挙の票欲しさに創価学会にべったりなのだろう。国民はアホではない。こういう節操のない政治をやっていれば絶対に自民党に逆風が吹く。

私は自民党の政策執行能力はマシだと思っているのだが、公明党のようなポピュリズム宗教党にキャスティングボードを握られているのであれば、ふるい落とすべきだと思う。

私からの提案だが、軽減税率を採用しない代わりに、聖教新聞にだけ消費税を免除、或いは、聖教新聞出版の全書籍の消費税を免除するの、というのはどうだろうか?創価学会の優遇は気に入らんが、その方がずっと安くつく。しょーもない公務員を増やしたり、つまらん天下り先ができないで済む。それで手を打って、黙っといてくれませんか?なんでもええから、大人しくしといて。頼むからいらんことせんといてや。

まあ、日本の未来の財政を考えると、先行きは不安で、円安シナリオに揺らぎはなくなった。

消費税は一律10%で問題なし。むしろ、経済対策として、住宅とか車とか高級品とかのエラスティシティーが高いものの消費税を廃止するべき。

PS たばこの小売店は「公明党のたばこ増税には断固反対!創価学会員よ、失せろ !」というポスターを張り出すべきだと思いませんか?

12/08/2015

国家社会主義の安倍政権、社会主義的な経済政策を次々と打ち出してくる

安倍政権が何をしたいのか、ますます解らなくなってきた。「経済の味方、自民党」というイメージを植え付けて、経済音痴の民主党を駆逐し、安倍政権が誕生したのは2012年の終わりである。その後、いわゆる「アベノミクス」なる三本の矢という考え方を披露した。始めの二本、つまりは金融政策(円安)と財政政策(ばらまき)により、株価は大幅に上昇した。これは、典型的な計画経済の政策である。一方、三本目の矢という事で、民間の成長を促すための成長戦略を打ち出してくれると信じていた。小さな政府を支持する私の中では、小泉政権の時のように、大幅な規制緩和を敢行してくれるのだろう、と期待していたが、そういった話はほとんど出ていない。逆に、政府主導の話ばかりが出てくる。TPPとか税制改革、ええ加減にしてほしい。個人的なことを言わせてもらえば、株で儲かったし、FXも儲かったので、「あんたは安倍さんに文句は言えないだろう」、と言われるかも知れない。しかしながら、安倍政権は「大きな政府」を標榜する政権であり、私の理想とする「小さな政府」からは方向性が乖離しており、私は安倍政権を支持できない。

安倍政権は経済通である。そんなイメージが拡がっており、一部のビジネスマン、投資家や経済学者は、円安が続き、株価が上がりさえしているうちは文句がないという事になる。ただ、目下の経済基盤がぐらつき始めており、安倍政権に反旗を翻し始めた日和見的は人達も増えている。ただし安倍政権を倒したところで、安倍さんが禁じ手を全て出し切ってしまったので、円安や株価の問題は誰がやっても同じである。

ここに来て、安倍政権が切り出している政策がますます怪しくなってきた。民主党政権時よりも規制を強めて、大きな政府を目指している。私の中では安倍自民党は「国家社会主義」を標榜する政権であるという事になっている。マイナンバーで国民の財布の中を監視し、海外送金に目を光らせ、相続税は切り上げた。TPPの横で今後数年に及ぶ農民保障の話をし、消費税を上げても食料品の還付を言い出す。しかも、最低賃金を1000円に上げるとか、社会主義政策である。さらには、所得の低い年金受給者を対象にした1人3万円の給付金ときた。どこまで行くのだろうか?

安倍さんは経済の事は良く解らないので、取り巻きの意見を適当に聞いているだけなのかもしれない。日本経済は成長なくしては、どこにも行けない。日本に必要なものは「規制緩和」。この一言に尽きると思うのだ。ばらまいたり、さらなる規制をしてみたり、株が高くなっているので、お金に甘くなっている。

経済的に行き着く先は、国家の影響を受けた大企業寡占という事になるのだろう。個人のへそくりは、そのうち全部ドボンである。貯蓄に励む人たちは、数年後に絶対に泣きを見る。

民主党支持者たちは「反国家社会主義(左)」を標榜としている人達であり、自民党支持者は「国家社会主義(右)」を標榜している人達だ。自由な競争と自由な個人に魅力を感じる私は、一体誰を信じれば良いのだろうか?え、橋下?辞めるんちゃうの?

12/02/2015

ダックバスに追突された不運なノースコミュニティカレッジの生徒たち

ノースシアトルカレッジというノースゲートにあるコミュニティカレッジ(二年生の短大に相当、昔はノースシアトルコミュニティカレッジという名だった)の新入生を乗せたバスが、タイヤが外れた水陸両用ダックバスに横から衝突され、日本人のサトウ・マミさん、17歳の中国人女学生ソン・ルンジェさん、18歳のインドネシア人男子学生プリヴァンド・プトラダント君、それと15歳の息子に付き添いでシアトルにやってきた49歳のオーストリア人のお母さんクローディア・ダーシュミットさんがその日に亡くなられた。さらに、搬送先のハーバービューメディカルセンターで、三日後に20歳の韓国系女学生のキム・ハラムさんが亡くなっている。その他にも、怪我をされた人たちが数多くいる。いまだに入院されている方も数多くおられる。


このバスには、私の知り合いのお嬢さんが同乗しており、阿鼻叫喚の話を直接聞いたので、個人的に色々と気を揉んだこともあり、なるべく書くのを避けていた。楽しいアメリカでの新生活が始まろうかと言う時に、運悪く犠牲になられた方達は気の毒で仕方がない。お嬢さんは現在では元気にノースシアトルカレッジに通われているが、事故の話はなるべく避けるようにしている。

水陸両用のダックバスは、どこからどう見ても安全上の懸念があった。あんなに大きいのに、不釣合いな小さなタイヤが付いているだけだ。事故が起こったオーロラブリッジは、通称はオーロラと呼ばれている州高速99の、シアトルの北部(動物園・グリーンレイク方面)と中心部(クイーンアン・スペースニードル方面)をつなぐ橋である。高速道路なのに、中央分離帯もなく、オレンジの線が引かれているだけだ。以前もバスの運転手が射殺されて、バスが橋から転落するような事故が起きており、色々と問題がある道である。

シアトルはアメリカの中では比較的安全な街とされており、語学学校に短期で訪れる留学生たちが集まる。大学や短大は語学プログラムを用いて留学生を集めている。有名どころではワシントン大学のELPだが、シアトルセントラルコミュニティカレッジやノースシアトルカレッジも語学学校を開いており、アジア人留学生を中心に人気が高い。

若者が多いが、年齢幅は広い。私も含め、周りにも、本格的な留学の前に、語学学校をステップとして利用する人は多い。また、大学生やキャリア半ばの方が、半年から一年くらいの休暇を取り、英語を本格的に勉強するために語学研修に来られるケースも多い。私が語学学校に通っていたときは、新聞社を定年されてやって来た70に近い女性と、小学校教員を定年されてやってきた男性がおられた。お二人からは、人生の先輩として色々なことを教わった。或いは夫がシアトルに来たので、付き添いでやってきた奥様が語学学校に通われるケースも多々見られる。

ノースシアトルカレッジのバスには、語学研修(いわゆるESL)の外国人新入生達とカレッジを始める新入生とが混じっていた。オリエンテーション目的で、シアトルの市内観光をする予定だったため、バスに乗っていたのはアジア系を中心とする「外国人生徒(留学生)」やアジアからの移民ばかりであった。

知り合いのお嬢さんの話によると、いまだに大阪出身の男性がハーバーヴューに入院中との事である。骨盤を砕くほどの大怪我を負われたが、手術にも成功したとの事。以前に属していた職業柄か、体力的に自信があり、頑張ってリハビリをされているとのことだ。

同郷の若者が異国の地で不慮の事故に会い、不便を強いられながらも頑張っている様子にエールを送りたい。何故だか判らないが、この事故の被害者をサポートするような活動がまったく見当たらない。

在シアトル日本領事館には、こんな内部資料のようなふざけた記述があるだけだ。領事館の人が、犠牲者や犠牲者の家族たちとの連携に色々務められた事は耳に入っている。が、事務仕事だけではなく、個人の時間を割いてでも、もう少し「コミュニティ」の為に活動をして欲しいものだ。領事館に、被害者に届けてくれとメッセージを送ってみようと考えている。或いは、ハーバービューに直接メッセージや贈り物を届ければ、被害者に届けてくれるかもしれない。読者の皆様も、シアトル領事館やハーバービューメディカルセンターに連絡して、苦しいリハビリを続けている若き学生を是非とも応援してやって頂けないか?医療の問題だけではなく、今後は裁判などの問題も出てくると思う。シアトルにいる日本人として、全面的にサポートしたいと思う。

同乗していたその他の留学生達も大変な事になっている。あるベトナム人の女性は、年末に保険が切れてしまい、その後は自費での入院になるとの事。(勿論、ダックを訴えて、後でお金が返ってくる可能性はある。)シアトルに住む留学生や外国人コミュニティーの方達は、国籍を問わず不運なともたちを是非とも積極的に支援してあげてほしい。