1/29/2017

トランプの移民制度

トランプが公約通りに、一部のムスリム国出身者の渡米を制限する大統領命令を下した。イラン、シリア、イラク、イエメン、ソマリア、スーダン、そしてリビアである。建前上の理由は、テロリストがアメリカに入ってくることを防ぐためとしている。

案の定、リベラルの連中は、これは人権を侵害する行為であると声高に叫んでいる。昨日も、シアトルの空港では大々的に民主党支持者たちが反対のデモを行っていた。アメリカで大量虐殺テロを起こしたのは、サウジアラビア人、アラブ首長国連邦人、エジプト人であり、上記の7カ国は関係ない、とする意見を言う知識人が目立つ。

私にもイラン人の良い友達がいるのだが、一旦出国すると帰ってこれないし、親や兄弟が遊びに来ることも出来ない、と嘆いていた。本当に気の毒だと思う。まあ、三か月だけの措置だというのだが。

が、私はトランプのこの移民制限の大統領令を全面的に支持する。恐らく、本当の理由はテロリスト対策ではない。あと、リストに載っているのはロシア陣営に入った、あるいは入りかけている国である。中長期的にそれらの国々に圧力をかけるために行われたと考えるのが妥当だと思う。

イラン出身者が私の周りには結構多いのだが、その人たちは、イラン国内のお金持ちである。つまり、一般大衆は反米などと言っており、テロリストを支援するような政府が国を動かしている物の、お金があって教育を受けたような人たちは、自由に外国に行き来している訳だ。そういう人達が、きっちりと自分の国で汗をかいてイランと言う国を良くするべきではないか、という意見は馬鹿げているだろうか?シアトルにはソマリアからの難民が目立つ。ソマリア難民の人達は頑張ってアメリカで生活基盤を築いている。が、生活が安定してくると、家族や親族全てをシアトルに呼び寄せようとする。当たり前の行為だし、そういった事に文句を言いたくはない。が、ソマリアと言う国をどうにかしない事には問題の根本が解決しない。シリアもしかりだ。シリア難民を受け入れるのではなく、シリアの内戦を早急に終わらせて平和な国家を運営させるべきだと思うのだ。

そのような失敗国家や反米(親ロ)国家の市民をアメリカが受け入れるべきなのか?勿論、個人に罪はないし、米国に住むそれら移民たちを苦しめる結果になる可能性は否定できない。そんなことは理解したうえで民主党支持者に聞きたい。それでは人権を蹂躙しているシリアやイランの政府をどうにかする対案はあるのか、と。そういう根本的な問題を無視して、難民を受け入れるというのはあり得ないのではないか?

今回の一件は唐突に過ぎた感があるが、方向としては間違っていないと思う。トランプがワシントン界隈に転がっている口だけの指導者ではないという事実もはっきりと理解できた。どうせ三か月たったらビザの発給を厳しくはするものの、再開するのだから、文句はないだろう。シリアの難民は受け入れないというのは、多分シリア問題には真剣に取り組むという事なのだろう。

1/27/2017

メキシコ国境の壁と左翼が支配する米国の聖域指定大都市

トランプがアメリカとメキシコとの国境に壁をつくるという話だが、国境に壁が無かったというのが初めから可笑しな話であったわけだが、これは何もトランプが考えた案ではない。2006年にセキュアフェンスアクトとして議会で承認されたものなのだが、それが何故か遅々として進んでいないだけである。

で、トランプが態々莫大な予算をつけてメキシコとの間に壁をつけると言っているのだが、率直に言って私は「物理的な壁」を作るという案には反対である。ドローンや監視カメラなどの技術を用いた「技術の壁」や違法移民を送還したり入国しにくくする「制度の壁」であれば大いに賛成する。

というのも、メキシコからの違法移民の問題は、真剣に憂慮する問題である。ハリウッドの金持ちなど、フェンスに囲まれて警護の人達が張り付いている住宅地に住んでいる連中には関係のない事だろうが、アメリカの多くの大都市の街中にはあからさまな不法移民が大量にたむろしている。日本であれば、外国人が街中で挙動不審な行動をとっていれば直に警察が職務質問をしてパスポートか外国人登録書の提出を求めるだろう。なんとアメリカの多くの大都市では、警察にそういう事をする権限がないのだ。さらに日本では、犯罪を犯した可能性のある外国人がいれば、警察は家宅捜査をするだろう。なんと、アメリカの所謂「サンクチュアリシティー」と呼ばれている大都市では、積極的に不法移民を保護している。シアトルを含む全米三十以上の都市では、警察は外国人の移民状況を知る目的で活動を開始することを禁止している。また、不法入国した個人を警察当局が逮捕または記録することを禁止している。つまり、警察官が米国市民ではないと思った個人を何らかの事件で逮捕した際、パスポートを含む身分証明書の提示を求めることは法律違反になるのだ。

アメリカには移民状況が異なる外国人が多く住んでいる。ただ、移民と言う言葉に法律的な根拠がないが、私もアメリカ市民ではないのにアメリカで住んでいるので、いわゆる移民ということになるだろう。多くの移民は色々な手続きを踏み合法的にアメリカに入国している。が、非合法でアメリカに入国してきたものや、滞在許可期間が過ぎた状態でアメリカで生活している人達が多くいる訳だ。サンクチュアリシティーに住んでいれば、それでも当局に逮捕されたり追い返されることはない。本国に帰りたくても帰れずにやむ負えない場合もあるかも知れないが、法律がきっちりと運用されていなければ、モラルハザードの温床になる事は火を見るよりも明らかであろう。

実際にアメリカでは麻薬の問題が深刻な社会問題になっている。ギャングの問題やシカゴの暴力問題も麻薬問題に起因するだろう。それらの麻薬はほとんどがメキシコから合衆国に運ばれている。

メキシコ政府は、麻薬問題を効果的に取り締まっているとは思えない。むしろ政府と麻薬カルテルが癒着しており、一般市民が犠牲となっている。貧富の差は激しいし、人々の福祉や安全は蔑ろにされている。メキシコは完全な失敗国家である。失敗国家との陸続きの国境がスカスカとか、おかしいと思いませんか?

アメリカとメキシコの国境を強化することに異を唱える人がいるとすれば、その人は頭がお花畑か、左翼的なイデオロギーを携えているか、麻薬密売人から金を貰っているかだと思うのだが、いかがなものか?

トランプはサンクチュアリシティーが連邦政府の移民法に合わせなければ政府から市への予算を凍結すると言っている。それに対し、我がシアトルの同性愛者を公言する市長、エド・マリーは、「1銭もいらない。シアトルはサンクチュアリシティーであり続けると公言する。」つまり、アラスカンウェイのバイダクトや、ライトレイルの鉄道工事が滞ったとしても、不法移民を擁護すると言っているのだろう。不法移民よりも税金を払っている市民の生活が第一ではないのか?人の税金で無駄なホームレスなどをしているマリー市長は即座に更迭するべきだと思う。ふざけるな、と言いたい。

アメリカの大都市には、世間知らずの若者と、貧困層のマイノリティーと、白人のヒッピー達と、車に乗れない外国人と、違法移民しか住んでいない。普通のアメリカ人は郊外に住み、奥さんは綺麗事を言っているが、夫はフォックスニュースを見てトランプに投票している。アメリカはやはり完全に二つに分かれている訳である。


1/21/2017

トランプがアメリカを分裂させた?アメリカは元々分裂していてトランプが選ばれただけ。

主要マスメディアの解説を見ていると、トランプがアメリカを分裂させた、などという論調が目立つ。私はそれこそがリベラル層の詭弁だと思うし、大手マスメディアはそういった論調を利用して、エスタブリッシュメント層支配からの脱線に警鐘を鳴らしているのだと思う。アメリカで言われるエスタブリッシュメントとは、日本で言われる既得権益者とほぼ同意語だと思って頂ければわかりやすいと思う。

アメリカは元々分裂している。未だに内戦(南北戦争のこと)の傷を引き摺っている。南の人間はヤンキー達が嫌いだし、北の人間はプランテーションオーナー達を差別主義者だと軽蔑する。共和党はそういった「南の良心」に取り入るように党の使命をぶち上げ、それに保守主義というラベルを貼った。一方の民主党は、「北」の人達の意見を取り入れ、リベラルと言う価値観を確立させるため、「南」の思想をディスる戦略に出た。

確かに政策論争もある程度はあるのだが、全ての人が同意できる政策などという物は存在しない。民主党は共和党を攻撃する事で自身のレゾンデートルを確立し、共和党は民主党を攻撃する事で一致団結する。政策など、二の次である。

時代がすすみ、マーケティング手法がどんどんと進化してきて、ケーブルテレビなどできめ細やかな宣伝が出来るようになってきた。選挙の宣伝は、相手の批判などを平然と行うようになってきた。いわゆるネガティブキャンペーンである。ネガティブキャンペーンで候補者が変わるという事は無いが、相手を攻撃する事で自分たちの結束をより強力にする作用がある。これこそがアメリカの政治なのだ。

共和党員も民主党員も、普通の人であれば、こういったバカなキャンペーンには辟易としている。共和党員は共和党員なりに、民主党員は民主党員なりに、バイパルチザン(党派を超えた)政治の運営をして欲しいと願っている。

で、オバマが出てきた。黒アメリカも白アメリカもない。赤(共和党)アメリカも青(民主党)アメリカもない。あるのはユナイテッドステイツオブアメリカだけだ、と。で、オバマは票を取りまくって当選した。新しい時代を始めてくれ、と。共和党員も大量にオバマに投票している。

で、オバマを迎えたのは捻じれ国会であった。共和党員はティーパーティー運動を取り混んで、自分たちの主張を曲げようとはしなかった。で、国政の停滞である。

ワシントンDCは自分たちの利益の為に政治をしているぞ。こんなことではいけないぞ、と。田舎の人達は、共和党の予備選で、共和党とは全く関係のないトランプを大統領候補として選んだ。共和党支配層の敗戦である。で、民主党がネポティズム的な人選で新鮮味に欠けた政治屋ヒラリーを候補にしたことで、なし崩し的にトランプが合衆国の大統領となってしまった。

さて、ここで質問です。あなたがもし、良識的なアメリカ人であれば、何が一番アメリカの為になると考えますか?私はハッキリと言う。トランプの下で団結して、色々な超党派的な政策を推し進める事こそが、アメリカの唯一の未来のためだと。

反トランプで団結している民主党員たちは大きな流れを理解していない。自分の為だけにデモをしている痛い人達である。こういうのを観察すると、私はますますリベラル派が嫌いになるのだ。上院も下院も共和党に握られてしまい、焦って反トランプのみを掛け声に一致団結しようとする民主党だが、トランプに投票した人たちは意固地になってトランプを応援するだろう。

1/20/2017

口だけだったオバマ時代の終わり。そして有言実行の混乱の始まり

オバマがホワイトハウスを後にする。金曜日からはトランプが45代目のアメリカ大統領になる。私の周りには、いまだにトランプは大統領に相応しくないなどと、民主主義に敬意を払っていない人たちが大勢いる。その人たちの泣き言を聞くと面白くて仕方ないのだが、問題の本質はここではない。

私は、政治には何も期待していない。世の中が政治家の顔ぶれを変える事があろうとも、政治で社会が変わるという事は、20世紀の後半ごろからは無くなったと考えている。変な方向に行くこともなければ、社会が良くなることもない。良くも悪くも、社会は安定してしまったし、政治家がタッチできる問題という物は枝葉末節のみであり、物事の根幹に触る事は基本的にできない。小泉改革とか、アベノミクスとか、日本人も色々と見てきたではないか。

私はオバマが大好きだった。理由は二つある。一つ目の理由は、オバマの演説は旨いし、見た目がスマートだという事だ。人間、見た目が9割である。二つ目の理由は、良くも悪くも、口だけで何もしなかったという事だ。何もしなかったために、ロシアや中共やイスラム教原理主義者などが調子に乗り、国際問題はこじれた。しかし、国内問題などについては、いちびった事はやらなかった。だから、景気は良くなり、失業率も減った。唯一やったヘマと言えば、中途半端なオバマケアをごり押ししてしまったことくらいだと思う。口だけで、イメージが良くて、何もしない国家元首こそ、最高の指導者だと思うのだ。(天皇陛下とかローマ法王に近いものがある)

で、トランプさんである。私は、トランプさんの言っていることは正しいと思う。ポリティカルコレクトネスに染まった息苦しい社会をある程度は是正して欲しいと、心の底から願っている。私は、アメリカの古い産業や山村の経済復興というプロジェクトに色々と関わって来たのだが、アメリカの田舎の人達が、政治的に置いてけぼりを食らっているのは火を見るよりも明らかである。政策は明白に大企業を贔屓しており、ハイテク以外の中小企業で務めている人達や、自営業をしている人達は可哀そうだと思う。国内では時給を上げたり、保険制度を充実させたり、環境のペナルティーを科している。が、外国で労働者を安い賃金で搾取して製造したような輸入品には、フリートレードを合言葉に関税は課さない。フリーが成り立つのは、世界中がフェアである場合だけである。不満が出ない方がおかしいと思うのだ。(ただ、そのおかげでアメリカの物価はここまで安いのだ。人件費がかからない「商品」だけの話だが。)

アメリカでは過保護なまでに未成年は庇われる。高校生でさえも親に学校まで車で送り迎えをしてもらうのは良く知られているが、大学生でさえも純粋培養で育てられる。外の世界を見ていない子供たちは、ことごとく人を傷つけないリベラルなアイディアに閉じこもってしまう。もちろん、その程度の余裕があるしっかりした家庭の子供だけの話であり、そういった事が出来ない家の子は兵隊になるか、ギャングか麻薬中毒者に成り下がるのである。

リベラルな民主党が去り、共和党が帰ってくる。トランプさんはアメリカを再び偉大に出来るのか?結論は火を見るよりハッキリしている。社会は思っているよりも複雑化しており、大統領くんだりが声を荒げたところで、色々な壁にぶち当たるだろう。色々引っ掻き回して、失敗しました。経済が悪化して、失敗は認めずにさようなら。四年後は民主党の誰かが大統領になって終わり、というパターンである。

アメリカ人は、意外と自分たちの国の政治システムに自信を持っている。政治には何も期待していない、という日本人には良くありがちな私のような意見は少数派である。が、アメリカにも冷笑主義(シニシズム)が吹き溢れる日がすぐに来るのかも知れない。アメリカもそろそろ一皮むけて、大人になって欲しいと思う。

ただ、それでも私は、トランプさんに期待している。政治を引っ掻き回すというのは、お茶の間にとっては絶対に面白いショーである。そして、既存の勢力たちにどこまでケンカを売る事が出来るのか?最初の100日とは言わず、一年くらいは暖かく見守りたい。アメリカのテレビ番組は詰まらないが、トランプの一挙手一投足をニュースメディアが伝えている様子は、リアリティーテレビを凌駕するような面白さである。民主党を応援している都会に住む若い負け犬たちこそ、デモとかやってないで、トランプを応援するべきだと思うのだが、如何なものだろうか?トランプさんは本気で既成のシステムに挑戦しようとしている。掛け声ではなく、本当の意味でのチェンジを実行しようとしているのだ。

1/18/2017

いい加減な政治のイデオロギー

ハッキリ言ってお笑いだ。

自由経済の概念を大切にするふりをしてなりふり構わず利益誘導していた共和党の大統領(勿論、もぐりだが)が、保護主義を言い放つ。

それに対して、労働組合などからサポートをしてもらい、反グローバリズムや保護主義を是としていた民主党が、自由貿易やグローバリゼーションは大切だと言う。

ダボスでは中国共産党のボス習近平が、グローバリゼーションや自由貿易を否定してはならない、などと宣っている。

ダブルスタンダードと言うか、良くも時流に乗ってコロコロとアイディアを変えれるものだ。ただ、一つ解った事は、アメリカの政治は既に宗教であるという事だ。相手を攻撃する事に皆が「正義感」を感じている。ジハーディストと何が違うのか?