狂牛病問題の際に農水省がアメリカの牛肉に対して行った措置。鳥インフルエンザの際に行った外国産鶏肉に対する処置。毒入り餃子事件の後の中国産冷凍食品に対する度を越えた反応。スワインフルー(新型インフルエンザ)やSARS問題が生じた後に人通りが途絶えた街並。そして、それらに対する報道姿勢。
今回の福島を中心におきている農作物や魚介類の放射能汚染問題を比べてみる。報道や政府の対応、そして消費者の反応に温度差を感じるのは私だけなのか?それとも、消費者の反応は同じだが、所謂「大本営」発表で、報道のみが真実を映していないだけなのか?
国産と外国産を比べた際の消費者の嗜好性と安全認識、政府の対応、そしてマスコミの報道姿勢。前者の外国産のものは確率は低くてもアウトの可能性がある事象、今回の福島の件は全体的に汚染されているが基本的には基準値以下。このような違いはあるというものの、これら二つの間で大きくバランスを欠いている事だけは間違いないだろう。アンバランスの原点が人々の心理であり、理性や科学が全く通用しない事なのだから面白い。
レベル7評価についても、飯館村の避難勧告指示にしても、選挙の後まで発表しなかった日本政府の対応。政府や官僚達がそこまでして守りたいものが何なのかが良く解らない今日この頃である。そこでも理性や科学が動かず、皆が感情と思いつきで行動して、「和を乱さない効能」を最大にしようとしているだけなのかも知れない。リーダーシップとは輿論に迎合して行動することの対極に存在するものであると信じているのだが。
民主主義を否定する気は毛頭ない。ただ、現状の「選挙ばかりしていて安定が望めない政治システム」は早急に変えなければいけないと思う。政府や政党は理性的とは言い難い国民の顔色を見て行動しているし、マスコミの報道もそれを意識している。従って、長期的な政策を打とうという動機が上がってこない。それが東電の急場しのぎの事故対策とどう違うのだろうか?
解決方法が見つからず、途方に暮れる中で、一部の政治家連中は地元の業者達を従えて、すでに瓦礫処理や産廃などの利権を漁り始めているという話も伝わっており、はっきり言って笑うしかない。復旧に向けた草の根ボランティアをするのもいいが、20年先を見越してシステムを改良し、ゴキブリ達を撃退するような社会活動をしなければ、日本に未来がなくなると思っているのは私だけではあるまい。
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4/13/2011
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