トルコのクーはかなりヤバい事件だったと思う。ニースのトラック轢き殺しテロとか、ダラスの警官射殺とか、或いは党大会でトランプとペンスがタッグを組むとかよりも、よほど大切な事件だろう。が、恐ろしいほどアメリカのニュースでは取り上げられていないのだ。トルコと言う国は、親日的だなんだと言われているが、ヨーロッパ連合、ロシア連合、アラブ、そしてペルシャに隣接する地政学的な要地である。黒海を挟んでは、クリミア半島にロシア艦隊がおり、ボスボラス海峡が安全弁の機能をする。地中海側からはイスラエルなどに簡単にアクセスできる。
私はエルドアン大統領の真意が解らない。エルドアンは当初は親イスラエルだと思われていた。が、ダボス会議に参加したころから、反イスラエル的な言動が目立った。イスラエルに支援物資と称した謎の物を送り、イスラエル軍に急襲された事件は記憶に新しい。が、その後はイスラエルと握手した様子もある。ロシアとの関係も不明だ。ロシア軍機を撃ち落としたかと思うと、プーチンと頻繁に会談し、アメリカが使用しているインジルリク空軍基地をロシアに使用させるというニュースすら入って来た。シリアに対しては、アサドと親友であると思われていたのに、アサドを急に批判する。クルド人に圧力を加えているのは理解できるが、ISISに反しているのか、協力しているのか、NATOの作戦内で動いているのか、理解不明の行動をとっているように思える。
トルコはEUに加入しようと必死に活動してきた。トルコはNATOの一員でもある。多選を重ねるごとに、トルコをイスラム化しようと試み、デモ隊に制圧を加えている。イスラエル、イラン、ロシア、ヨーロッパ、アメリカを適度に牽制しつつ、裏で会談を保つ。ちょっかいを出して、自分が有利になるように話し合う。もしかすると、北朝鮮のような交渉術を使って、トルコ帝国拡大を狙っているのかな、と思えてしまう。
となると、今回のクーは誰が首謀したのか?トルコはアメリカが裏で糸を引いていると責めている。が、アメリカが関わっていれば、もうすこし上手くしたと思う。では、真相はどこにあるのか?アメリカと交渉をするために、ギュレン師に濡れ衣を着せているのかもしれない。が、このような形でヨーロッパ、ロシアそしてアメリカと交渉して、エルドアンはキングメーカーになりたいだけなのか?エルドアンの政治は、非常に危ない橋を渡っている気がして仕方ないのだ。危険分子として、国民や外国のインテリジェンスに、そのうち「ソフトに」葬り去られるだろう。
エルドアンを排除したところで、トルコではイスラム主義に火がついてしまった状態になった可能性が高い。トルコですら、「世俗的なエリート」対「保守的な負け組」の様相がハッキリとした感がある。私は陰謀論は支持しないが、米国でトルコの話題がほとんど報道されていないのは、どう考えてもおかしいと思う。全面的にアメリカがバックアップをしたのではないにせよ、アメリカやイスラエルが反乱軍をけしかけた可能性は否定できない。ただ、話が出来過ぎていて、エルドアンの自作自演の線も消えていない。さて、真相はどこにあるのか?
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7/24/2016
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