7/30/2011

ズレンシック、もうええって

私はわざとマリナーズの話題を避けている。口にするのも鬱陶しい。今年はバボヘッドが貰える日に一回球場に足を運んだきりだ。テレビでも殆どマリナーズの試合を見ない。イチローさんも、昨年くらいから三振の数が増えてきた。内野安打も減ってきているし、少し嫌な傾向である。

で、17連敗をしたのだが、まあ実際はオールスターの前ごろまで西地区のトップ争いをしていた方が不思議だった。野村じゃないが、勝つにマグレあり、負けるにマグレなし、とは良く言ったものだと思う。

で、ダグ・フィスターとデイビッド・ポーリーをタイガースに放出する。今年7月くらいまで一点差ゲームを勝ち続けてたのは、一重にポーリーのお陰だった。そのポーリーを放出するの?給料も安いし、なんのために?フィスターも給料安いのに、なんで放出するの?なんで?

で、代わりにタイガースから貰うのが外野手の右バッター。キャスパー・ウェルズ。誰それ?はあ?右打者??ただでなくてもパークファクターが極端に投手よりなセーフコで、しかも右打者不利のセーフコで、二人の水準以上のピッチャー売って、何獲って来たの?あんた、外野は人余ってるやんか。サウンダース、カープ、ホールマン、ペゲーロ。フィスターを売る前に、そいつらのうちから誰かを売ったほうがええん違うの?この時期にジャック・キャストを降格させたのも意味不明。それなら初めからブラニヤンと再契約しとけば良かったん違うの?その前にフィギンズやウィルソン売ったらええやんか。

マリナーズ、何がしたいの?任天堂よ。野球経営する気がないのなら、とっととマリナーズをまともな人に売ってくれ。この球団の首脳部はキチガイ。もう試合も見たくない。ずっと避けていた話題だが、もう我慢できない。ズレンシックよ、どっか行ってくれ。任天堂よ。京都に帰れ。

7/29/2011

堂山町のガールズバーで暴れたヒキガエル

伊良部氏の自殺に関してのニュースだが、アメリカでは夕方6時台の全国ニュースで大々的に報道された。そんなに注目されていたのかと、結構びっくりした。

双極性障害とはいかないまでも、感情の起伏が激しい人がいる。私の個人的な経験則の統計になるが、日本人にはそういった人は少ない。感情の起伏が激しい人は、日本社会では「修行が足りない」として後ろ指を指される。だがアメリカに来て驚いたのは、そういった人がかなり多くいるという事だ。多分、遺伝的な背景もあるのだろう。アジア人の中では、日本人や中国人には感情の起伏が激しい人は少ないように思えるが、私の知人の韓国人にはこういったタイプの人が有意に多く(alpha=0.01)、人間関係を築く上で困る事もある。もう一度言うが、これは経験に則った確率統計で客観的に分析しているだけであり、社会学的な問題は一切孕んでいない。

過去の言動をニュースで追うと、伊良部氏もこのタイプだと思われるが、まあ、気の毒である。

共和党、分裂か

未だに部分的なデフォルトはあり得ないと信じているが、「ええ加減にせえよ」と言いたくなってきた。本日はっきりと露呈した事は、八百長プロレスのような台本があったわけではなく、下院議長のジョンベイナーは共和党をまとめあぐねている、という事だ。下院にはティーパーティーに支持されて前の選挙で当選した一年生議員が多く、その連中が妥協というものを理解していないのかも知れない。金持ち層に支持されている都市部の古き良きまともな共和党員。ティーパーティーやキリスト教原理主義者の田舎の貧乏人やレッドネック層に支持されている負け組み共和党員。その二つが経済政策になると合意できない。まあ、支持している連中がそこまで違えば当たり前のことではある。貧乏人を取り込んで、政権奪取を謀ってはみたものの、取り込んだ連中に共和党は強請られている。或いは共和党は分裂するしかないのかも知れない。それとも、貧乏な田舎がアメリカから独立して南北戦争でも始めた方がいいのか。いずれにせよネジレ国会は古今東西問わず、碌な結果を生まない。

ただベイナー案が下院を通ったとしても、上院は民主党が過半数をとっており、議長のヘリー・リードはベイナー案は捻りつぶすと言っている。オバマもベイナー案には否定的だ。上院から下院へ、そして下院から上院へ。最近の米国では,八百長試合の事を「Kabuki Dance(歌舞伎ダンス)」と表現する。WWEの八百長プロレスや、相撲のように、結果は予め決まっているのに、わざとごねたりして過度な演出をする時に用いるらしい。歌舞伎は八百長なのか。非常に面白い。民主党がごねて、ナンシーペロシが業を煮やしたヘルスケアの際の、ウォールストリートジャーナルの記事からの引用らしい。しょうもない八百長歌舞伎ダンスはもう飽きた。

ところで、仮にアメリカ国債の格付けが下げられたらどうなるのか、という議論が始まっている。格付けが下がったら世界の終わりがやってくるのか?文科系の知ったかぶりをしている人がごちゃごちゃ言っているが、株価をみても市場はそうは考えていない。第一、日本国債はとっくの昔にトリプルAから転落したが、長期金利は未だに低いままである(ある日突然津波が襲ってくるのだが)。国内で消費されている日本国債と、外国人が保有するアメリカ国債は違う、といったクリシエは言いたい人に好きに言わせておけばよい。

まあ、何れにせよ、長期的な競争力を保とうとすれば、国の歳入と支出に関しては真剣な議論を避けていてはいけない。今回のアメリカの件で共和党が悪者扱いされているが、年金や医療費を削るのは当たり前だと思うし、民主党の連中ももう少し真摯に国の歳出削減を議論して欲しい。或いは、民主的な国では、国民の支持を集めて政権を奪取するには、ポピュリズム的なばら撒きや無責任な減税政策に訴えるしかなく、衆愚的な成熟した社会は滅びゆくことが盛者必衰の理なのかも知れない。

7/28/2011

後で書くといっていたのに、なでしこジャパンについては書かないのか?

なでしこジャパンがFIFAワールドカップ決勝で、圧倒的に押していたアメリカチームに勝ってしまった。ラッキーにラッキーが重なって90分を、そしてオーバータイムを同点に持ち込み、シュートアウトでは勝つべくして勝った。スポーツとして非常に面白い試合であった。テレビの前で私はかなり興奮した。準々決勝のアメリカーブラジル戦、そして決勝のアメリカ-日本戦は、私が今まで見てきたスポーツの試合の中でもかなり上位にカウントされるほどの面白い試合運びであった。

面白かった試合について色々書こうと思っていた。しかし日本チームが優勝して以降の、新聞記事報道などを読んで、完全に気分が萎えてしまい、書く気がなくなった。興奮も完全に醒めてしまった。女子サッカーの日本代表は日本に帰って来ると、まるでリンリンとトントンの客寄せパンダのような存在となってしまった。サッカー選手としての尊厳も何もあったものではない。マスコミは糞である。まともなスポーツファンなら大手新聞や民放テレビをボイコットするべきだ。

女子日本サッカー代表、面白い試合をありがとう。

7/27/2011

債務問題を真剣に協議すると格付けを下げられると言うジョーク

米国の債務問題だが、選挙前ということで、民主党と共和党の間で揉めている。以前にも書いたのだが、これはただのチキンレースなので問題は絶対に解決する。問題を長引かせる為にやっているだけなのだが、漸く本日ダウが199ドルの下落をして「ええ加減にせえや」というメッセージを発し始めたが、為替相場以外のウォールストリート(NY)は基本的にメインストリート(DC)を無視している。為替相場がテクニカル重視で不快な動きをする事は、そのうちホットマネーやユーロカレンシーと絡ませてレポートするので待っていて欲しい。

日本発の新聞記事を読んでみると「米国債は信用できない」などといった面白い意見が溢れ返っている。「こんな事を続けていると格付けが下げられるぞ」などと言った意見も出始めている。しかし待って欲しい。何故、共和党と民主党はこの問題で揉めているのかと言う根本的な原因は何なのか、という事を考えて欲しい。アメリカは借金を減らすために、増税と支出カットに取り組んでいるのだ。つまり長期的に米国債の信用を取り戻す為に、議会が紛糾しているのである。共和党は大手企業に支持されているので、増税という選択肢を取りたくない。しかも共和党が選挙に勝つには、政府を信じない低所得者ティーパーティーの支持が不可欠と信じており、増税には頑なに反対する姿勢を見せている。一方、労働者の味方である民主党は、金持ちには増税しろというスタンスを貫き、医療保険や年金には手をつけるなと声高に言うわけだ。優れた選挙パフォーマンスだが、米国のサイレントマジョリティーは民主党と共和党の間のチキンレースに辟易としているわけだ。

考え方によると、この問題は非常に面白い。国家の債務について真剣に議会で議論すれば、増税をするのか歳出を減らすかで、色々な利害関係が絡んで紛糾するのは当たり前であろう。しかし、なんらかの合意が形成されれば、それは国家の債務問題に対する緩やかな解決策となるわけだ。しかし経済誌以外の新聞記事は、議会が紛糾していることで格付けが下げられる恐れがある、というような結論になっている。とすると、日本のように問題を先送って、リスクを将来に投げかけるほうが良いという事になるのだろうか?国の債務問題に関して、少なくとも真剣に議論をしているアメリカのやり方が健全なのだと思う。アメリカは人口も増えており、潜在成長率も高い。百万が一、短期的な政治的部分デフォルトが今回起きようとも、アメリカの債務は柔軟に解決できそうなので、健常だと言える。逆に言えばAAAの格付けは当たり前だという事になる。

翻って、日本である。民主党は増税の話を進めてきた。携帯電話税はある意味賢いし、税収増加に役立つと思う。ただ、増税は今後考え得る支出増のためだと言っているので、どうしようもない。日本はそんな悠長なことを言ってられない。我が国は、増税して、しかも支出を削らなければならないのだ。それも早急に。さもなければ、ある日突然ホットマネーに仕掛けられ(恐らく今回の円高は、すでに日本がホットマネーの標的になっている節がある)、国の財産をごっそりと持っていかれるような事態になりかねないのだ。

アメリカのチキンレースを馬鹿にする前に、自分の国の債務問題を真剣に考える。中国が高鉄で起こるべくして事故ったのを「ほれ見たことか、ざまあ見ろ」と言う前に、自分の国の無意味なリニアモーターカー計画を停めさせる。頭の足りない菅首相を馬鹿にしている前に、真剣に日本のエネルギー政策を感情論を除いて討論する。人の事を言ったり、頭の悪い人達の揚げ足を取っている前に、自分や自分の属する社会の事を真剣に考えたほうが良いと思う。

7/26/2011

死刑廃止、キリスト教に縛られた欧州の考え、そして日本社会

100人近い人間を殺した男を死刑に出来ない社会。その原因が砂漠で生まれた旧約聖書的な考え方をキリスト教に翻訳する際に、誤訳してしまったという冗談に根付いている可能性がある事を述べた。ヨーロッパ社会は基本的にキリスト教の殻の外で社会システムを構築することができない。しかしそういった事実を見ないで、ヨーロッパの法律や社会システムが日本を含めてアジアのそれよりも優れていると信じ込み、無防備に日本に輸入するべきだと唱える日本人が私のまわりにたくさんいて鬱陶しい。特に欧米諸国に修士課程で留学してきたような日本人が、新しい物の障りにだけ触れて自分が偉くなったような錯覚に陥り、そういった欧州優位論的な考え方を抱く場合が多いように見受けられる。地面の上で咲いた花だけを見てはならない。根はどこで水を吸っているのかという事を理解しなければ話にならない。

以前からこのブログ上で書いているように、いわゆる「文学系」の人達を私は小馬鹿にしている。ここでは話を簡略化するために、論理思考能力に少々問題がある人達を「文学系」という比喩で括ってしまう。あくまで「文学系」はメタファーであるという事に注意して読み続けて欲しい。別に、文学部や哲学科や教育部などで勉強している人、或いは勉強してきた人達を差別する為にこういった表現を使っているのではないという事は予め断っておく。数学や科学を勉強しているのに「文学系」である人も多く見られるが、平たく観察するといわゆる文系の学部にそういった人達が多いので、「文学系」という表現を使う。

昔テレビに出ていた自称「教育家」の人が言っていた馬鹿な話を思い出す。「何故人を殺してはいけないのか」という質問に対して、答えられない子供が大勢いる、と言うことで嘆いてみせたのだ。逆に、その質問に論理的に答えられる子供がいるなら連れて来て欲しい。その教育家の答えは「当たり前のことだから、当たり前だ」と言うものであった。答えられる、答えられない以前に、その人の解答は答えにすらなっていない。やれやれ。これだから「文学系」は…と私が思ってしまう所以である。

この問いに対して「自分勝手に他人を殺すことを認めると、安全な社会が成り立たないため、人を殺すのは良くないといったルールを予め設定した社会の方が全体的に効率が良い」、というのが私の解答である。しかしながらこの文脈には多くの縛りを忍ばせている。社会全体の効率性を追及するためには、自分勝手ではない範疇で人を殺すことも止むを得ないという暗示も含まれているのだ。つまり、犯罪者を撃ち殺したり、死刑に処したり、止むを得ない中絶や、止むを得ない戦争により人を殺す事は必要悪だ、とも読み取れるのだ。

バナナが一つしかない。そしてオスのお腹が空いたサルを二匹檻に入れる。サルは殺し合いをするだろう、という事だ。動物が先天的に資源が不足した場合に殺し合いを始める事を殆どの人が知っている。ザリガニを二匹籠の中に入れて、餌をあげなければ共食いを始める。それが自然の摂理であり、殺さないことが当たり前な訳ではない。

この教育者は教育と言う場において、生徒から考える力を取り除き、自分の主義主張で生徒を「洗脳」しようとしているとしか思えない。恐らく、この教育者は他人に殺されたくないし、他人が殺されるような安全でない社会を忌み嫌っているようだ。その自己のユートピア実現のために「ダメな物はダメ」という洗脳を子供達に施し、子供の思考を停止させる。或いは、教育とはそもそもがそういった類のものなのかもしれない。

「ダメな物はダメ」とした場合、私達は何らかの「共通項」を意識せざるを得ない事になる。その共通項とは、一般的には文化や宗教に基づくものである場合が多い。そういった物事の考え方のシードとなるような部位を個人個人がミクロな単位で無条件で受け入れて、その集合がマクロなコミュニティーの形に出来上がっていくのかも知れない。それを為政者や権力集団が利用し、一部の人達に強力な力を与えていく。そしてコミュニティーが纏めあげられ社会ができあがる。

ミクロレベルでの共通のシードが、生物学的なダーウィニズムで生き残る為に選別された先天的な何かなのか、砂漠で生まれたジュディズム・キリスト教的なものなのか、神の存在を無視する儒学思想的な哲学なのか、多様な自然の元で育まれた神道や道教のような自然崇拝なのか。そういった事で社会の形は変わる。それぞれの国にはそれぞれのミクロな、或いはマクロな文化がある。そういったものを無視して政策を立てると、碌な事が無いので注意して欲しい。北欧の猿真似をするなと言いたかっただけが、スケールのおかしな話題になって申し訳ない。

7/25/2011

揚水発電を使う??

揚水発電を積極的に使え、などとほざいている人がいるが、揚水発電がどれほど効率が悪い発電なのか御存知だろうか?原発や水力や風力は夜間に抑えることが出来ないので、夜間の余剰な電力で水を下から上に移し、ピーク時に下に落として位置エネルギーでタービンを回すと言うのが揚水発電だ。エネルギー的に非常にロスが多い発電方法である。

現在、原発が死んでいるので、揚水発電を使おうと思えば夜間に石炭を燃やす必要がある。どれだけエネルギーを無駄に使用するのか解った上で発言しているのだろうか?そんなことするくらいなら個人が自家発電機を買うか、電気以外のエネルギー使うかすればいい。大手新聞の記者はもう少し真面目にエネルギーについて勉強したほうがいいのではないか?第一、毎日新聞は専門家の話によると、みたいな表現をしていたが、専門家がこんな事すら解らないのか?ただの胡散臭いNGO代表とかに聞いただけではないのか?

何故そこまで欧州は死刑廃止にこだわるのか?

ノルウェーのテロリストは、禁固二十一年しか喰らわないことを熟知した上で、大量虐殺後にすんなりと投降して、司法の場で自分の意見を発表しようという魂胆であったようだ。つまり、リベラルな刑事法がこういった大量虐殺を助長したと言っても過言では無いわけだ。新聞各社や、テレビ局は、このテロリストの「動機」がどのような物であったかを報道しているが、「気違い」の取るに足らない考えを、公共に対して発表する必要は無い。キチガイの意見を書くことこそが、民主主義の敗北に繋がると私は信じているし、それこそがこのテロリストの本意にするところだったのだと思う。こういう事に感化されて、模倣する人間も出てくるので、メディア側も厳重にこの事件に対処して欲しいところだ。

我が国では、一部の左翼などのみが唱える死刑廃止論であるが、何故ヨーロッパなどではここまで死刑廃止に拘っているのかは御存知だろうか?日本とアメリカ(テキサス州)が死刑を継続しているのに、何故大半の発展国が死刑を廃止しているなどと言うのだろうか?だが実態は、キリスト教やユダヤ教の影響を受けている多くの国が、その宗教上の理由から死刑を廃止していると言った表現が適切であると思われる。

モーゼの十戒には「汝、殺すこと勿れ」と書かれている。キリスト教を信じている人には、この言葉の縛りから抜けられない人がいるのだ。それはカミユの異邦人を読んでも明らかだろう。殺す事は神の命令に反する、よって国家が殺してはならない、と。勿論、こういった議論を中心に、そこに肉付けがされており、現在の死刑廃止論は多種多様にわたっている。

モーセの十戒には二つの異なる訳が存在する。「You shall not kill」と「You shall not murder」である。前者は「汝、殺すこと(kill)勿れ」となり、人を殺してはいけない事になる。だが、これはヘブライ語からヨーロッパ言語に翻訳する際に誤って訳したものであり、ヘブライ語の旧約聖書には後者の「汝、殺人すること(murder)勿れ」と書かれているわけだ。多くの欧米人は、”You shall not kill”の形で十戒を理解しており、誤訳の縛りから醒められないという、冗談にならないような状態になっているのである。マーダー(悪意を持っての殺人)とキル(ただ単に殺す)とではかなり意味が異なる。

EUなる共同体を作る際、ばらばらの国家を繋ぎ合わせる為に、その基本を何に据えるのかと言う議論がなされている。多くのヨーロッパ人は、「キリスト教」をEUの礎にしたいと考えている。つまり、ロシアはセーフだが、エジプト、イスラエル、トルコ、モロッコなどはアウト、というロジックだ。EUがキリスト教的な考え方を世界に政治力でばら撒こうとしている節があり、儒教・仏教・日本教国家である日本には警戒が必要となる。何度も言うが、ヨーロッパのシステムを日本にそのまま輸入するのは避けたほうが良い。

7/24/2011

ノルウェーはミッキーマウス国家

新聞やブログを読んでいると、ノルウェーを過大評価しているとしか思えない記事が目立つ。しかしノルウェーの実態はミッキーマウス国家であるのだ。第一に、人口が少ない。500万人に満たないのだ。福岡県民や北海道民よりも少ない人間が一国家を形成しているのである。偏西風の影響をもろに受け雨ばかり降り、バイキングをルーツに持つ漁業国家であったが、北海油田の発見で全てが一変する。今日では一人当たりの豊かさが世界でも5本の指に入る国家に変貌したのだ(勿論、分母は少ないのだが)。

ノルウェーがユーロ諸国の主要国家として外交などで活躍したところは見たことがない。ただ年に一回、ノルウェーが主導権を握る国際イベントがある。それはノーベル平和賞である。ノルウェー政府はここぞとばかりに、毎年頑張って外交ネタを提供しているが、私の知り得る限りノーベル平和賞は基本的にジョークでしかない。ノーベル平和賞を貰った人間や団体の顔ぶれを見ると、ノルウェーがどれほど外交音痴の田舎物かは理解できるはずだ。オバマやアルゴアに授与したまでは悪いジョークで済まされるが、アラファト、核保有推進派のIAEA、太陽政策の金大中、レイプをする国連平和維持軍、ジミーカーター、佐藤栄作。アホか、と言いたい。その癖、英国の怒りを買うのを恐れてか、ガンジーには平和賞は贈与していない。

私にはノルウェー人の良い友人もおり、ノルウェーに対して全く悪い感情は抱いていない。しかし今回の事件をしっかりと理解しようと思えば、ノルウェーという国がヨーロッパの中でも外交音痴の人口が少ない田舎物のミッキーマウス国家であるという事はきちんと認識しておく必要があろう。金持ちの高福祉国家という顔だけがノルウェーではない。

リスクを取って大飯4号と高浜4号の定期検査を1ヶ月半遅らせる事は出来なかったのか?

「合理主義市場経済」の想定の下では「リスク」を増やせば「リターン」が高くなる。合理主義市場経済とは、権利を金銭で取引する事ができ、関係者全てが全ての情報を有しており、取引にかかるコストが掛からない時の事を言う。

この関係が成り立たない事件が起きると、左翼的思想の人や経済学に疎くて正義感の強い人達は、「市場経済は糞だ!」などとシュプレヒコールを上げる。例えば、福島第一の問題であるが、東京電力はリスクを無視して、リターンのみを享受していた、よって市場経済に問題がある、などと言った意見を言う人が出てくるのだ。サブプライムの問題の際にも、サブプライムのリスクが解っていたくせに、どうなっているんだ!などと言った声が聞かれた。

これは短期利益を追求した結果でも、市場原理が働いていなかったからでもない。結論は「合理主義」が歪められているからだ。「リスク」と「リターン」のトレードオフは、一個人には常に成り立つはずだ。しかし、ここで古典的なエージェントの問題が発生する。要は、会社の利益と個人の利益、会社のリスクと個人のリスクが合致しないような事態が多々発生するのだ。どんな人々も、常に個人の利益を最大化することに全力を尽くす傾向があるので、個人の懐を肥やした故に、会社が大損を被る、といった問題が発生してしまうのだ。東京電力の利益と、政府(社会)の利益が同じ方向に向かわなかったこともエージェントの問題であった。

それを規制するのが法律である。そして、会社はコーポレートガバナンスを的確に行い、会社の利益と個人の利益、そして個人のリスクと会社のリスクを同じようにする仕組みを行わなければならない。

ただ日本中、あるいは世界中を見渡せばわかるが、政府はどちらかというと大企業に有利なように法律を曲げて、会社にリスクを負わせないようにする傾向がある。例えば、東京電力の原子力損害賠償の件などは、一体国は何の権限があってあのような馬鹿げた法律を作ったのか意味不明である。ソフトバンクに対して行おうとしている太陽光エネルギー完全買取政策にしても、こんな国民側から見て不平等な政策はあり得ない。

リスクとリターンをきちんと判断して、そういった事に対して的確な判断を下すことを政治に求める。そして、リスクとリターンの間のエージェンシー問題が発生しないような法律作りを政府に願いたい。

何故だかは解らないが、定期点検中の原発を稼動させることが出来ない状況になっている。マスコミは面白がって煽っているのだろうが、これがどのような結末を招くのかを理解しているのか?関西では7月21日に高浜原発の4号機が、そして大飯原発の4号機も22日から定期検査に入った。現在の状況を鑑みると、4ヶ月での再稼動など、不可能な事は解っている。そうならば、何故、経産省や自民党、或いは民主党からでもいいので、有志が名乗り上げ、超法規的に定期検査入りを1ヶ月半(8月の中ごろが電力のピークに当たる)遅らせよう、というような運動を行わなかったのか?勿論、一部から叩かれるかもしれない。しかし、それが本当に日本の社会のためになったかも知れなかったわけだ。感情論に左右されて、国の国益も無視し、選挙の事だけを考えてリスクを取らない政治家。そして、何も基本的にはしたくない霞ヶ関。あかんわ。

原発は遅かれ早かれ日本からは消え行く運命にあるだろう。しかし、エネルギー政策をハードランディングで乗り切ろうとし、これを選挙に使おうとしている浅ましい考え方に腹を立てているのだ。そして、誰も国益を語らず、リスクを取ろうともしない。リーダーシップさえも発揮しようとしない。一体どうなっているのか?我が国をメルトダウンさせたいのか?

全日空と子会社LCC:ピーチとエアアジアジャパン

全日空が香港の投資会社と組んで格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーションを立ち上げている。拠点は関西空港にして、今年の末ごろから札幌や福岡を皮切りに、来年には漢城の仁川空港や香港、グアムなどに格安飛行機を飛ばすということである。

それだけでは飽き足らず、全日空はエアアジアと共同で、成田空港を拠点としたLCC、エアアジア・ジャパンを立ち上げると言う。余談だが成田と大阪を2000円+税金くらいで飛ばすつもりということだが、こだわるようだが、それでもJRはリニアモーターカーを作る気なのだろうか?

さてここで問題なのは、全日空は既存の「オールニッポン」ブランドと「ピーチ」や「エアアジア」ブランドとをどのように差別化できるのか、という事だ。そして自らの派生である「ピーチ」や「エアアジア」によるカニバリゼーションに晒されないのか、といった疑問も残る。デルタ航空の「Song」、ユナイテッドの「テッド」、ブリティッシュエアウェイズの「バズ」など、既存大手航空会社が打ち出したLCCの失敗例は枚挙に暇がない。上記の二つの難題をクリアできた既存航空会社は皆無に等しい。

簡単そうに聞こえるのに、何故差別化できないのか?一つ目の理由が、航空会社ではなく、航空機を利用する顧客に問題があると思われる。つまり「安けりゃサービスを落とす」という売る側からすると当たり前の考え方を、顧客の側は一切受け入れられないのである。私も「Song」などに乗った事があるが、飲み物が出てこないなど、ただ単に「せこい」としか感じられないようなサービスのグレードダウンが見て取れた。コーラを一杯ケチったからと言って、航空会社はいくら得するのだろうか?どうせスチュワーデス(差別用語)はする事がないのだから。

さらなる問題は、既存の大手航空会社のサービス自体が、最近では国内路線を中心にLCC並み、或いはそれ以下になっているということだ。荷物は別料金。飲み物や食べ物も別料金。新聞はない。映画もない。このような傾向が見て取れる中、新規に立ち上げるLCCのサービスは、これよりさらに悪くなるのだろうか?

一部のLCCが成功している秘訣はとても簡単である。発券などを旧来のシステムを使わず、独自のホームページで行う。余分に発券して、オーバーブッキング覚悟で満席近い状態で飛行機を飛ばす。価格を巧くいじって、空席がないように調整する。しがらみがないので「輸送」という概念の外にある無駄なコストを全て削る事が出来る。そしてハブ空港を作らず、小さな飛行機で拠点とする空港から、空いている空港間に決まった形の飛行機を飛ばすことにより固定経費を落とす。つまりハブ空港を作り、世界中或いは日本全国を繋ぐ便利な運輸システムという航空会社に求められる公共性の部位を無視することで利益を得ているのである。

発券やサービスコストなどの面では、既存大手も最近では良い意味でも悪い意味でもLCC並みになってきてはいる。しかしハブ空港を作らないというシステムは、公共性を伴う大手航空会社である全日空にはできない。LCCは公共性を伴う大手の弱点に寄生するニッチプレイヤーなのである。ただ、ピーチが拠点とする関西空港は2000万人のマーケットを持つ。エアアジアが本拠地として使う成田空港は4000万人のマーケットを有する。その人達にとって、航空会社が関空や成田にハブを持つ必要はないので、それらの人間の需要を上手く喚起できれば、新規LCCだけは意外と成功するかもしれない。勿論「全日空」本体のパイを食うことで。

実際のところは良く解らないが、多分全日空の上層部は上記に挙げた事など、良くも悪くもどうでもいいと考えているのではないだろうか?LCCが脅威となりつつあるので、「ここらで私達もひとつ」程度の事しか考えていないのかも知れない。或いは、こすい外資系のコンサルタントか何かに騙されて「ピーチ」や「エアアジア」を立ち上げただけなのかも知れない。ただ、上層部が全日空を守る意味はない。仮に全日空本体がどうなっても、どうせ政府が助けてくれるし、自分とは関係ないと考えるのが当然だ。それなら全日空にパラサイトのようにして新規のLCCを立ち上げ、全日空の傘の下で儲かる体質を作り、株式市場などで売り抜けて儲けよう、などといった浅ましい事を考えていてもおかしくはないはずである。

7/23/2011

100人近く殺しても、ノルウェーでは最長21年の服役

ノルウェーのオスロ市内での「肥料を使った爆破事件」および「労働党キャンプにおいての青少年大虐殺事件」であるが、このような事はどこででも起こりうると思う。社会に対する不満だの、移民政策がいけないだの、キリスト教保守系だの、原因については色々言われている。労働党主催の青少年キャンプを狙ったことなど、まあどういった物を敵視していたかは明白だ。平和で豊かななノルウェーでこんな事が起こるわけがないと信じられていた、などと言った的外れの意見も聞くが、こういうことは当たり前のように起こりえる。(日本で地下鉄サリン事件が発生した際も、世界の多くのメディアは日本でそのような事件がおこるわけが無い、などと呑気な事を言っていた。)ただ、犯人が綿密に計画をほどこしていて、とても効率的に青年達を撃ち殺したという事で、今回の事件は際立っている。無実の人々を大勢殺すことをテロリズムと呼ぶならば、この事件は間違いなくテロリズムである。

私がびっくりしたのは、このとんちきテロリストが、ノルウェーの刑事法によれば最悪の場合においても21年(!)の服役で赦されるという事である。これがヨーロッパ社会なのだ。私はこのブログ上で事情の全く異なったヨーロッパの猿真似はするなと警鐘を鳴らし続けているのはこういうことである。日本の一部のインテリ層はヨーロッパのシステムを日本に輸入したがるが、北ヨーロッパのシステムが良いとは限らない。

ノルウェーは、北海油田のおかげで近年特に潤っており、世界でも一人当たりの富がもっとも高い国のひとつである。一人当たりのGDP額面価格でみると世界二位。その分物価も高く、一人当たりの購買価格平均(PPP)GDPではシンガポールの下の4位に落ちる。まあそんなことはどうでもいいが、国の富に関係なく、こういうことはキチガイの個人やエキセントリックな団体により世界中のどこででも起きるということだ。そして、そういった奇妙な結束や考え方に引かれてしまう個人も多くいるという事がこの世の現実なのである。

こういう事がおこるたびに、村上春樹の小説が頭を過ぎる。閉じた世界に潜ってしまい、出口を見つけられない人達の。そしてリトルピープルなどの言葉に踊らされて、システムのルールに忠実となる人達だ。阪神大震災を目の当たりにし、そしてオウム真理教の事件を多感な思春期に経験し、村上春樹の小説を好んで読み漁り、その結果として、いまだにシアトルで根無し草のように浮かれた生活を送っている自分がいるわけだ。個人的な回想で申し訳ない。

アリューシャン列島の火山が噴火か?

アラスカのクリーブランド火山に大噴火の兆候が見えていると言う。3月にあれだけ大きな地震があったので、環太平洋リングのどこで火山の噴火が起こっても驚かないが、アリューシャン列島での大噴火は太平洋間の航空飛行に莫大な影響を齎す可能性がある。

クリーブランド火山の位置は、アラスカのアンカレッジから1500Kmほど北海道側に行った所である。アリューシャン列島のちょうど真ん中くらいに位置する。間太平洋路線の航空機の通路にあたるのだ。火山灰が空に撒き散らされたりしたら、数週間、周辺地域を飛行できなくなる可能性がある。トランスパシフィック路線はローコストキャリアー、いわゆるLCCにもまだ汚染されていないため、基本的には飛行機会社にとってはドル箱路線だ。それが寸断されれば、色々と経済的な問題が起こりうる。アメリカから日本に行くのに、わざわざハワイ経由とか、時間の掛かることになりかねない。

昨年の4月に、用事でドバイに行った。行きはデルタとロイヤルダッチに乗ってシアトルからアムステルダム経由でドバイに向かった。アイスランドの上空を飛行中は、座席のモニターで地図を見ながら、エイヤフィヤトラヨークトル火山が爆発したという事をジョークとして考えていた。ドバイで用事を終えて、帰路に着く終日前、事態が深刻化した。イギリスや北ヨーロッパの主要空港が軒並み閉鎖されたのだ。私もアムステルダム経由だったので、アウトであった。

最低二日はどうにもならないとの事だったので、諦めて色々観光を楽しんだ。オマーンに行って海水浴をしたりした。ホテルのプールは、安物の市営プールのような混み具合である。と言うのも、ヨーロッパ人が何も出来ず途方に暮れて、プールで泳いでいるからだ。プールでは泳いでも、観光する気にはなれないようだ。

結局、二日後に、デルタ航空が、アトランタ行きを手配してくれて、私は砂漠に佇む人工張りぼて人工巨城をあとにしたのだが、アトランタ行きの飛行機は、火山灰を迂回して、最短コースではない北アフリカ上空あたりを飛ぶ。フライトは17時間に及び、機内で4回不味いものを食べさせられた。そこまで長いフライトを体験したのは初めてであった。私の場合は、人の金でドバイに滞在していたので、痛くも痒くもないどころか、滞在日数が増えて喜んだのだが、忙しい人達や自費を削っている人にはかなわない話だ。

まあ、こういう経験もあったので、火山情報には敏感になっている。近いうちに太平洋上空を数回飛ぶことになっているので、火山情報は注視したい。

7/22/2011

マードックはいうなれば世界のナベツネ

ルパート・マードックのニュースを見ていて思うことだが、「普段の態度」という物が危機状況に瀕した時に大事なのだ、と痛感した。ニュースの報道を見ていただければ解るが、メディアは全てマードックの敵である。マードックの奥さんである、ウェンディーがクラウチング・タイガー・アンド・ヒドゥン・ドラゴンばりのカンフーでパイ男にビンタを喰らわせたくらいしか、ポジティブなニュースはない。

勿論、フォックスニュースなどを経営するオーストラリア人のマードックは、他のメディア会社からすれば宿敵になる。商売上の理由で叩いているのだが、マードックのぞんざいな態度ゆえに、メディアが余計に面白がって取り上げている事実も否定できない。敵はあまり作らないにこした事はないと思う。

読売新聞が問題を起こして、ナベツネが国会などで叩かれ、それを過剰に他のマスコミが報道を続ける。そういう情景を思い描いて頂ければ、今回の事件は理解しやすいと思う。

7/21/2011

増税の仕方に注文をつける

私は民主党政権に辟易としている。菅直人が居座っているからでも、原発対応が遅いからでも、在日外国人に参政権を渡すからでも、消費税を上げようとしているからでもない。理由は、民主党が潜在的に「結果平等社会」を築こうとしているからだ。

日本の将来を考えた時に、社会保障や政府支出の削減と平行して、残念だが増税は避けては通れない。与謝野や民主党は、タバコ税・酒税や賭博税などを増やすことを論っている。要するに、取れるところから取ろう、といった考えである。私はタバコは吸わないし、酒も嗜む程度である。しかし公平性を鑑みると、馬鹿げた増税であると言わざるを得ない。私は以前から当ブログ上で指摘しているのだが、政府や自治体・警察などは、無用な禁煙・禁酒圧力をかけている。何故か?そういったものの規制はやる意思さえあれば簡単に出来る。国に雇われている人達は、そういうものを規制すると仕事している気分になるし、こういった規制は一部の人に評価されるのでやっているだけである。その代償は、酒・タバコ・賭博などに関わる商売のパイを確実に狭めている。それらと密接に関わっている個人経営や零細の商売は、政府に邪魔されているのと等しいのだ。霞ヶ関や永田町には「小さな人達」を守ろうとする発想がまるでない。一部のクリーンな人達は、真剣に、酒・タバコ・賭博を悪の所業と看做しており、増税にかこつけてそれらを社会から抹殺しようとしているようだ。だが、そういった問題と増税の問題は別の話で議論されるべきである。もし増税によって国の収入が増えなければ、増税する必要性がない。健康問題はお門違いだし(タバコを吸わさなければ医療負担が減るらしい(笑))、第一に日本にはアメリカのような禁煙利権(大麻業者と禁煙弁護士)も存在していない。誰も儲からないことを真剣にやろうとしているのが、永田町と霞ヶ関なのだ。

一方で、アルバイトやパート受給者がほぼ無税で罷り通っている事態は看過できない。なぜ、学生や不法就労でバイトをしている人達は所得税を免除されるのか?全く筋が通っていない。ウェイトの議論はさておき、社会に参加して、インフラを享受している人達にはぬかりなく税金を課すべきである。サラリーマンのように、取りやすいところからだけ取るのではなく、正規・非正規・バイト・違法就労・個人経営・公務員・農業経営・宗教法人などに関わらず、公平に税金を毟り取る(?)ことが必要だと考える。また、そうしない事には、税金を払っていない連中がまともに政治の議論に加わらなくなる上に、逆におかしな利権が生まれることになる。農業経営者の団体や宗教法人が意地でも自分達の利権を守ろうとしているのは総ての人達が知るところである。

公平性の観点から、消費税の増税が論議されている。問題は、消費税の増税は、消費者に取れば商品の価格が上昇する事と同意義になるために、結果として消費が冷え込むという事だ。ただ面白い事に、日本では欧米の猿真似なのか、食料には消費税を課さないでおこう、などといった政策が多くの自称インテリ層の間でコンセンサスのような状態になっている。私は問いたい。「何のために増税するのか?」ということを。増税する唯一の理由は、国家財政を健全化するためであり、それ以外の理由は全くない。そうすれば、全ての人が買わざるを得ないような「食料品」は増税するべきである。逆に、増税して需要が下がりそうな高級品、例えば高級車、住宅、貴金属や宝石などは税率を据え置くべきだ。そうしないと、国家の収入を増やすという本来の増税の目的は達成されない。

ただ、民主党の議論を聞いていただければわかるが、多くの議員は増税にかこつけて自分達が目指す社会を実現しようとしているに過ぎないのだ。恐らく、日本の財政事情などを正しく認識している議員などほんの一握りしかいないのかも知れない。民主党が目指す社会とは何か?タバコや酒のない社会。賭博をさせない社会。サラリーマンの楽しみを奪って、労働だけを強いる社会。中小零細企業は切り捨てて、大手企業に利益誘導する社会。まともに働かない人には優しく、一方で金持ちの消費は妨害する社会。恐らく、霞が関はこういった社会を好んでいる。今まで勉強だけしてストイックに生きてきて、気が付けば自分の能力に見合わない程度の給料しか貰えていない。それならいっそのこと、民主党に乗って「結果平等社会」を願いたくなるのも、まあ、理解できなくはない。

そんな事を言いながらも、結局これまでタバコ以外は増税できなかった癖に、支出のほうはしっかりと増やす民主党政権。震災復興に関わる予算でも、精査なく大盤振る舞いをしている。費用対効果が怪しいことをしているのだ。こんなことで本当にいいのだろうか?民主党は日本を破綻させるつもりなのか?

だからといって自民党を応援している訳ではない。現在の事態の責任は自民党に由来している。私が言いたいのは、脱原発云々で遊んでいるのではなく、永田町にはきっちりと政治をして欲しいという事だ。増税案についても、個々の政治家が具体的な政策を明示するべきである。

7/20/2011

安全保障としてのエネルギー問題

食料を輸入するなどと言った議論をする際、すぐに安全保障の話を持ち出す輩がいる。食料の自給率を上げるのは、安全保障上当たり前だ、という訳だ。国内で食料を調達するのが多少高くついたとしても、安全を金で買っているだけであり、保護貿易は正当化されるべきだ、というのがもっともらしい議論となる。

しかし、食料は比較的容易に備蓄できる。そして仮に世界的な危機が発生し、食糧の輸入が滞るような事態になれば、私達は高級品の消費を止めるだろう。フランスからワインやフォアグラを輸入したり、メキシコからホンマグロを輸入たりは出来なくなる。その上で、国内で普段は利用されていないような食料資源を探し始めるだろう。しかし万が一、そういう事態に陥った時には、国内流通が確実に機能しなくなり、消費者に食料が届かなくなる。ただ、日本全体を平たく見た場合に、食料の絶対量が足りなくなって国民が餓死するような事態が起こる可能性は極めて低い。輸入が完全にストップして、不便を強いられたとしても、カロリー換算で一年ほどは軽く持つだろう。

仮に最悪の事態が発生したとしよう。食料が輸入できず、餓死者が出るような事態だ。私は断言できるが、その前にエネルギーが底を突いており、その時点で日本の社会は完全に終わってしまっている。エネルギーは食料と比べて備蓄が難しく、世界的な危機が発生した場合、日本は外国にエネルギー源の多くを頼っているわけであり、数日から数週間のうちに文化的な生活に終わりを告げなければならない。

1930年代から40年代の始めに、日本はそういう事態に巻き込まれたわけであり、結果的にそれがどのような事態になったのかは歴史に学んで欲しいと思う。

エネルギーと食料のどちらが優先事項かと問われれば、私はエネルギーであると断言できる。電気は生活の根幹を成すエネルギーである。福島第一の問題以降、感情的な意見や、菅直人の居直りなどで、エネルギー政策が揺れつつある。エネルギーポートフォリオを未来志向で見直す事は必要である。しかし、孫正義がしゃしゃり出てきたまでは良かったのだが、民主党が孫正義プランに全面的に乗りかかって不明瞭な予算をつけようとしたり、電力会社が原子力の重要性を誇示する為に関西地域にまで節電要請を出し始めたり、停めていてもどうせ危険な原発を定期点検後に再稼動させることを邪魔したり、非理性的な事態があちらこちらで起こっている。

エネルギー政策は国の競争力の根幹を成す問題である。そして、それは安全保障の問題に直結する。エネルギー問題を政治問題化することだけは避けて欲しい。感情論で語るほどエネルギー問題は軽くないのだ。感情論で語るのは、米の輸入とか、利権が絡まない殆どの国民にとってはどうでもいい事項のみにとどめておいて欲しい。

脱原発三国同盟というジョーク

ドイツやイタリアは脱原発を果たしたので見習うべきだ、などと言った幼稚な意見を言う人が回りに結構いる。ドイツやイタリアが果たしたのは、「NIMBY」である。Not in my back yard、つまり自分の裏庭でやらないならOKという事だ。実際ドイツやイタリアは原発で作った電気をフランスから買い続けている。ドイツは脱原発を掲げているが、いまだに原発は稼動しているし、二酸化炭素の問題などから原発再開を望んでいる人も大勢いる(色々な意見の人がいるのは当たり前のことだ)。ドイツやイタリアがやっている事は、リスクはフランスに押しやって、自分達は善良なフリをしているだけなのだ。

EUを一つの巨大な国家であると看做した場合、ドイツとフランスの国境など、今日では県境程度のものだ。東京の人は、原発を新潟や福島に押し付けて、電力だけを享受しているといった批判をする人がいる。ドイツやイタリアがやっていることは、東京に住む人達と何が違うのか?

私はイタリアに暫く住んだことがあるのだが、当地の電気代は馬鹿高かった。ユーロ高を勘案しても、日本よりも電気代は高いはずだ。私が言いたいのは、ヨーロッパにはヨーロッパの事情があり、日本の事情とは大きく異なる。なんでもかんでもヨーロッパに習えと言っている日本人の似非インテリ層には辟易とする。ジョークであるが、日本がドイツとイタリアと組んでも碌な事にはならない筈だ。それよりも、東京・大阪・ドイツ・イタリアで同盟を組めばいい。福島、新潟や福井、フランスにリスクを放り投げて、金で安全と電気を買う「リスク回避NIMBY同盟」として。

7/19/2011

絶対に安全が保障されているゲームで市場が荒れる

ギリシャ債権問題の第二次救済案が愈々煮つまろうとしている。ギリシャ問題は、アメリカの8月2日問題と同じで、「絶対に解決する問題」であるため、投資家も投機しやすいようだ。日本の地震やジャスミン革命など、真剣に将来予測が困難な物については様子見をするのが市場である。しかし、ギリシャやアメリカの債権問題は短期で見れば、絶対に解決する問題であるので、政治家に無意味なプレッシャーをかける意図もあり、市場が乱高下している。長期投資家であれば、一件落着に全部を賭ければいいし、短期投機家の人はボラティリティーで遊べばいいのである。郵便局に貯金したり、生命保険にお金を入れたりするのは平気なのに(実は危ない日本国債を買われているだけ)、ユーロや米ドルの債権が債務不履行を起こす展開を心配しているというのは、自分の心配をよそに他人の家の懐事情を気にしている皮肉な行為だと思うが、どうだろうか?

ただ今回一つだけ気になる事は、デフォルト(債務不履行)の扱いだ。金融が専門ではない新聞などを読んでいると、デフォルトが起こると世界の終わりがやって来るようなストーリーが仕上がっている。そもそも、デフォルトか否かという極端な世界のみが存在するのではない。デフォルトは債権の紙屑化を意味するわけではない。たしかにそういう事態が過去に何件か起きている。しかし、債務不履行には色々なレベルがある。履行遅滞や不完全履行もデフォルト(債務不履行)の一種である。

ギリシャの場合は、銀行などの大口投資家のクーポンを少し減らしてもらう、などと言ったデフォルトが起こる可能性が示唆されているが、債権自体が紙屑化するわけではない。アメリカの場合は選挙前なので、共和党も民主党も引くに引けず、下手すると期日の8月2日までに法案が通らずに、クーポンの支払いが一回遅れる可能性が出る、というだけの話である。

問題は、そういう事態が起これば格付け機関が該当する債権の評価を落とすことで、投資家のリスク判断が上がり、割引率を上げざるを得なくなり、債権のフェアバリューが落ちてしまうという事だ。市場は全てが繋がっているし、レバレッジが働いているので、それが原因で世界規模の金融不安が起きる可能性がある、と言われているわけだし、そう言われている故に、多くの投資家が好む好まざるに関わらず、市場全体のインプライド・ボラティリティーを上げているのだ。すでに最悪のシナリオが言い尽くされているわけで、そういう状況下で政治が市場をクラッシュさせるわけがないので、完全不履行など起き得る筈がないわけだ。

債権問題は欧米の政治問題であり、経済問題では無い。こんなつまらない事を記事にしたり、考えを巡らすくらいならば、自分の国が将来直視せざるを得ない債務不履行に陥る可能性とそうならないための対策について、もう少し真剣に議論するべきだと思う。

7/17/2011

なでしこ、ワールドカップファイナルを制す

なんと、撫子がPKの末に勝った。USAが完全に押していたし、技術面でもアメリカの方が上だった。

試合開始から何かが憑いていたとしか思えないような場面が多くあった。アメリカのゴールは悉く、何かによって妨げられた。PK戦でアメリカが三人連続で外したのも奇妙であった。

一方日本側はチャンスとも思えない場面から、根性でボールを押し込んだ。このブログを読んで貰えれば解ると思うが、私は客観的に見て理性的である。しかし今日の試合には「何か」があったとしか思えない。「何か」が日本側に憑いていたのだ。

不思議な試合だった。少し興奮していて纏められそうにない。落ち着いてからもう少し書き加える。

ただ両者共にクリーンな試合で、決勝に足るものだった。勝者の日本、そして負けたアメリカ、両者に祝福の拍手を送りたい。

なでしこ対USA、シュートアウトへ

怪物ウォンバックのヘディングで万策尽きたと思われたが、コーナーを沢が奇跡で押し込み同点。シュートアウトだ。

USAのキーパーは当地ワシントン州出身でワシントン大学に行っていたソロ・ホープ。地元の英雄だ。見るほうが緊張する。

FIFA決勝、同点のまま延長オーバータイムへ

前半を見ていたら、アメリカが圧倒していた。日本とは違ったレベルでプレーしていたという方が適切であったかも知れない。何度もアメリカ選手がゴールを脅かしたが、その都度、海堀とゴールバーが天の力を借りて失点を防いだ。

唯一ともいえるチャンスも、オフサイドをとられる不運があった。安藤に何度かボールが回ったが、絶望的なシュートを撃つのが精一杯だった。

後半戦、徐々に日本のゴールポセッションが多くなり始めたが、ラピーノのパスを受け、熊谷を抜いて一人になったアレックス・モーガンが果敢にゴールに走りこみ、完璧なシュートを決められた。全ては終わったと誰もが思った。

しかし永里と丸山を入れてから、日本のパスが通るようになる。アメリカのビューラーがクリアミスをし、クリーガーが再度のクリアミスをし、そのこぼれ球を宮間が押し込み同点に追いついた。今日は鮫島がサイドでいい動きをしている。

試合は延長に入った。日本にいる人もそろそろ起き始める時間ではないか?試合が面白くなってきた。

FIFA決勝、アメリカ対日本、ハーフタイムにて。

結局、こっそりラップトップでESPN3を見ることにした。アメリカ対フランス戦はローレン・チェーニーが開始早々、ほとんどフランスのオウンゴールのような大勢でゴールを決めて、アメリカが先制。その後もアメリカが確実に押していたものの、膠着状態が続く。後半、フランスはソニア・ボンポスターがシュートを決めて同点に。だが、攻め続けるアメリカ。79分には後半から出場の金髪ミーガン・ラピーノのパスを怪物アビー・ウォンバックがヘディングで勝ち越し。その後もアメリカの一方的なペース。すぐさま、82分にはアレックス・モーガンがキーパーが前に出たところをきっちりとゴールを押し込んだ。アメリカ、無茶苦茶強いです。点数以上に圧倒していました。ボールはキープできる。デフェンスも穴がない、そして何より、撃てる。しかし、ラピーノが巧い。後半にラピーノを入れてからアメリカの押し方が変わりました。

一方、撫子はスウェーデンと戦ったわけだが、スウェーデンチームはフォーワードやミッドフィルダーに穴があって、日本チームが完璧にボールをコントロールし続けた。圧勝といって良い内容。ただ、アメリカ相手であそこまではボールをポセス出来ないだろう、というのが私の正直な感想だ。

現在、日曜のお昼。ESPNで日本対アメリカ戦を見ており、ハーフタイムに入ったが、やはり日本は自分達の巧いパス回しをさせてもらっていない。先発になったラピーノが効いている。アメリカはチェーニーが怪我で下がったのでどうなるのか見ものです。

7/10/2011

FIFAサッカー、アメリカがシュートアウトを制す

昨日の日本女子の快進撃で酔いしれているところだが、ドレスデンではアメリカ対ブラジルの試合が行われた。審判の試合運びなど、疑問符がつく試合ではあったが、PK合戦の末、アメリカがブラジルを破り、4強に駒を進めた。準決勝は、日本対スウェーデン、そしてフランス対アメリカとなった。決勝で仮に日本対アメリカなどになれば盛り上がるだろう。

開始二分、ブラジルのゴール前で横に飛んできたボールをダイアンがクリアしようとして運が悪くオウンゴールとなり、アメリカが1-0でリードを奪った。

後半である68分には、微妙な判定ではあったがアメリカ選手のビューラーがペナルティーエリア内で取られる。しかも、レッドカードで退場。ブラジルにペナルティーキックのチャンスを与えた。マルタのペナルティーキックであったが、ゴーリーのソロが止めた。素晴らしいプレーにソロは吼えている。しかしアメリカの選手がマルタが蹴る前にラインを越えたという事で、プレーは無効になる。そして蹴りなおし。マルタが蹴ったボールはゴールに突き刺さり、アメリカの全ての選手が無念さを表す。以降、アメリカは10人で闘うことになる。

そのまま1-1でレギュラータイムが終わり、延長戦に入る。延長開始2分、どう見てもオフサイドだったが、マルタが振り返り際にゴールを決める。審判はオフサイド判定をとらず、ブラジルが2-1に。そして、そのまま試合が終了するかと思われた。延長30分を経過し、アメリカの負けが確定したように思われた。しかしロスタイムが二分過ぎ、要するに122分、ミーガン・ラピーノのクロスを、アビー・ウォンバックがゴールキーパーの前からヘッドで美しく決め、なんとアメリカが終了間際に同点に追いついたのだ!

そしてシュートアウト。ブラジルもアメリカもそれぞれの選手が確実に決める。ブラジルの4人目、ゴーリーのソロが再度のファインプレー。右側に来たゴールをはじき返す。その後、アメリカの二選手がきっちりとペナルティーを決め、4-5でアメリカが次の試合に駒を進めた。ドレスデンの奇跡、などとESPNは言っていた。

何も知らないので、今回の女子ワールドカップは先入観無しにスポーツとして楽しめる。準決勝、決勝ともに楽しみである。

7/09/2011

なでしこジャパン、女王ドイツを粉砕

ESPNでFIFA女子サッカーの準々決勝を見ていた。3時にシアトルに行かなければならない上に、この週末は520の吊り橋が使えないために遠回りしなければならないので、遅刻すること確実だ。しかし、日本のパス回しは良かった。しかも適度なフィジカルなプレー。ドイツを完全に上回っていた。特に前半戦は完全に日本のサッカーだった。

オーバータイムに圓山のゴールが決勝点になったのだが、テレビでスポーツ観戦して、手に汗を握ったのは久々だ。日本チームにはおめでとうといいたい。水曜日、オーストラリアかスウェーデンと戦うのだが、朝11時頃からの試合になる。どうやって観るか現在検討中。結果を見ないように頑張って家でリプレイを観るか、或いはジムにでも行ってセカンドハーフくらいをテレビ観戦するか。それともオフィスでESPN3を観るか、

明日はアメリカ対ブラジル。こっちも見逃せません。日本が決勝で当たるかも知れないし。

JR東の鉄道復旧、効率が悪い半国営企業

津波の後、三陸地方の沿岸部の鉄道路線が壊滅的な被害を受けたのは記憶に新しい。JR東の清野智社長は4月の定例会見で、「責任を持って復旧させる」と明言した。その会見をニュースで知った際に、私は違和感を感じざるを得なかった。普通の感覚を持った一般の民間会社の社長がこのような発言をする事はまずあり得ないと思う。当時、東電の腐敗体質が連日槍玉に挙げられていたので、東電やJR東などの偽民営企業の傲慢体質について思いを巡らせた。

JR東が地震や津波によって負った金額的被害は莫大なものだ。清野は「責任を持って」復旧させるといったが、清野の言う責任とは、「金額的負担の責任」なのか、或いは「政治力学的な責任」なのか。JR東は民間会社という事になっているので、普通の感覚を持ってすれば、「金額的負担を言っているもの」、と考える。ただJR東が優良黒字企業だからといっても、公表されている財務表を見れば単独で復旧の責任を持つ事は不可能である。

毎日新聞によれば、被災した鉄道の復旧には国と市町村が事業者に事業費の4分の1ずつを補助する制度がある、という。しかしこれは「原形復旧」が条件で、黒字企業は補助金を受けられないという制約もあり、JR東は対象外だという。この制度を念頭に清野が「責任を持って」発言をした可能性もあるが、要するに半分は税金を使いたいという事だ。しかも「原型復旧」などという、今回のようなケースでは長期的な国益に反する縛りがある制度が存在している。さらに「黒字企業は対象外」だといった縛りは、共産主義である。要するにこの制度は赤字企業を救済する為に、税金を勝手に使おう、といった制度なのだ。こういった国の利益に反するような制度が存在している事実に怒りを覚える。

現時点の政治状況を鑑みると、国は赤字路線の復旧に回すような財源の確保は出来ないと思う。JR東はバスなどの代替交通手段を提供すればいいのであって、何も鉄道にこだわる必要はない。バス路線を充実させて、そこに補助金を一時的に出せば、被災地の雇用創出にもプラスに働く。民主党はこういった事に頭を使うべきだろう。ただ、一時的にバス路線を拡充させたりしても利権が生まれないので、あまり誰もやりたくない。

JR東は国土交通省の認可を受ける必要があり、その体質ゆえに、社会的なコストを最低限に抑える、といったような議論は出来ないのだと思う。しかしJR東はどんな形であれ税金を使うのだ。それならば、国や納税者も含めて、50年先の三陸地域の現実を直視し、社会コストを最低限に抑え、かつ社会利益を最大限に保てるような政策を話し合う必要がある。

現在の半国営企業の問題点は、政府の縛りが多すぎること。経営陣は「いかに国から金を引き出し、雇用の窓口を増やし、会社を拡大し、内部で金を貯蓄するか」、という誰のためにもなりえない事に頭を使っている。こういった経営力学が収縮する経済の下では通用しない事は誰の目にも明らかである。日本では過去十年ほど、物やサービスの値段がデフレの圧力を受けて下がったのだが、交通料金や電気水道代などは高止まりしている(高速道路代だけが良い意味での例外)。言い返せば、日本国民の交通料金や電気水道代の負担は実質的に騰がっているということになる。当たり前のことだが、交通や電気水道料金は、経済活動のコストなので、騰がれば騰がるほど経済活動にマイナスに働き、下がれば下がるほど経済活動にはプラスに働く。

インチキ半国営企業が株式を上場するも、法律や国の認可に縛られて何も出来ない。そして、経営陣は「責任を持って」税金を掠める事しか考えていない。一方で一般の国民は税金と料金の二重負担に苦しむ。それでも民主党や自民党の一部の利権派は大きな政府を作りたいのだろうか?

2012年、東京オリンピック

平昌が冬季オリンピックに選ばれたことで2012年の東京はどうなるのか、と言った寝惚けたニュースが出ている。前にも書いたが、つまらない考えは止めるべきだ。今まで折角やってきた誘致なのだから、という論議があるが、サンクコストは回収できないので、見込みがないことに投資を続けると、さらに傷口を拡げることになる。

第一、福島原発の見通しも立っていないのに、東京が立候補したところで支持を得られると考えているのだろうか?科学的な真相がどうであれ、世界の一般の人がどういう目で東京を見ているのか理解しているのだろうか?仮に広島が立候補すれば、そのアクション自体が東京にマイナスに働くことは間違いない。

まあオリンピックなんて裏金積めば誘致できるのだろうが、現状の日本が、裏金の積みあいで他の非民主主義・新興諸国に勝てるのか?真っ当に考えれば立候補するだけ無駄だと考えるのだが。金なんていくらでも他に使い道があるだろう。

民主党の目指す社会主義国家は論外だが、昭和のケインジアンな考えからも脱皮して欲しい。それとも、中国や韓国に負けたくないからこういう事に力を入れたいのか?だとすれば、完全に土俵を間違えている。

浦澤直樹の「20世紀少年」は皮肉に溢れた漫画の世界である。トモダチは大阪万博を21世紀に開催する。しかし現実に20世紀少年的な方向に社会を誘導しようとしている人間が少なからずも日本の上層部にいるのだろう。21世紀に東京オリンピック開催など、20世紀少年的な皮肉でないとすれば、一体何なのか?

ところで、日本のマクロ経済であるが、長期的な将来の先行きに明るい物は全くないというものの、短期的な経済の波動をみると、一応底を打った感がある。

7/04/2011

ジョーイー・チェスナッツ予想通りの五連覇

本日は独立記念日。独立記念日といえば、バーベキュー、花火、そしてホットドッグの早食いコンテストである。朝からESPNでネーサンズのホットドッグ早食いコンテストを見た。ニューヨーク、ブルックリンはコーニーアイランドのネイサンズの前には人々が溢れ返り、この汚く下らないホットドッグ早食い競争を見ようと集まっている。

ただの馬鹿コンテストなのに、ESPNでは科学的な見地からホットドッグの早食いを検証したり、わざと仰々しく見せようとする。下らないものを仰々しく祭り上げるのは、アメリカでも質の良い冗談と考えられている。で、参加者の紹介だが、今年も小林尊は参加しない。ジョーイー・チェスナッツに唯一対峙できる人類はタケル・コバヤシだけなので、コバヤシが参加しない時点でチェスナッツの5連覇は約束されているも同然だ。結果が解っている競争ほどつまらない物はない。面白いのは、今年は中国人を三人(一人の名前は広東語だったが)参加させており、無理矢理インターナショナルな雰囲気を作ろうとしている。

で、早食いコンテストが始まったわけだが、隣のパット・バートレッティが意外にも善戦する。5分経過時点ではチェスナッツとそんなに差はなかった。しかし、皆の食べ方の汚いこと。ホットドッグのバンを水につけて、口にほおばる。気持ちが悪くなって、テレビを凝視できずに私は席を立った。で、10分経過して戻ってきたら、やっぱりチェスナッツが余裕で勝っていた。62個のホットドッグを食べて5連勝を飾ったわけだが、自身が2009年に記録した68個のワールドレコードからは程遠かった。やはり、コバヤシと二人で競り合う様子を見たかった。

この競争であるが、マンネリなので、主催者は盛り上げ方を考えるべきだ。独立記念日の朝に見るものがないので一応見てるという人は多いが、もう少し工夫すればもっと面白くなると思う。小林を締め出した経緯など、主催者の頭の悪さが目立つのはいただけない。

どうでもいいが、独立記念日にアメリカ人のハート(心)を打ち砕き、6連覇を果たしたタケル・コバヤシは日本人の至宝である。タケル・コバヤシの業績は、イチロー・スズキと並んで評されるべきだろう。イチローが今年のオールスター出場を逃したように、コバヤシもチェスナッツの追撃に勝てず、一時代が終わった感はある。コバヤシ氏の活躍は国民栄誉賞ものである。(因みに初めてネーサンズ早食いコンテストで優勝した日本人は1997年のヒロフミ・ナカジマであり、コバヤシは3人目の日本人チャンピオン。)

読み返して思うが、ここまでどうでも良い記事をよく書いたものだと自分でも感心している。

部落解放利権、土建屋、ヤクザ

松本龍・復興大臣が宮城県知事を恫喝する映像を見たが、映画に出てくる脇役の欲ボケした悪者みたいなノリで、何回見ても笑ってしまう。こういう人が本当にいるのだ、と可笑しくなった。Wikipediaで出自などを見て何故この人物がガラが悪いのか、少しだけ理解できた気がする。以下はWikipediaに7月4日にアクセスした時点からの引用を、不要な部分を削除して短くした。

「生い立ち
福岡県福岡市出身。部落解放の父と呼ばれた松本治一郎の養孫。実家は養祖父の代からのゼネコン・松本組。自身も顧問を務める。
政界にて
1990年に日本社会党から出馬して初当選し、以後7回連続当選。1996年、旧民主党結党に参加。部落解放同盟副委員長であり、人権擁護法案の推進派である。日韓議員連盟常任幹事。国鉄労働組合に連帯している。2000年、実家の松本組を継いだ実弟の自宅玄関ドアに5発の銃弾を撃ち込まれる。2008年度の国会議員の所得公開で国会議員でトップの8億4366万円の所得を得ていた。」

どうでも良い話だが、私はいままで三度ほど、大阪出身であるという理由で初対面にもかかわらず公の場で人からあからさまに敵対視されたり無視されたりしたことがある。当たり前だが、そういう事をされると非常に気分が悪くなる。面白い事に、それら三人が三人とも福岡県出身の男性だったのだ。たまたまだろうが、奇妙な「共通点」なので書いておく。

7/02/2011

バーベキュー(サーモン・牛肉編)

バーベキューのシーズンになった。アメリカ人は7月4日の独立記念日にバーベキューを食べて、夜は花火を見るのがお決まりなのだ(ESPNでホットドッグ早食いコンテストも見る?)。ただ、一般のミドルクラス・アメリカンのバーベキューは、ホットドッグやハンバーガーパテを焼くだけで詰まらない。もう少しいい物を食べたいではないか。

バーベキューは、肉、魚、野菜などを適当に切ってシーズニングして、直火で焼くだけの料理なので説明など不要であると思っているのだが、意外と質問を多く受ける。その中でも、サーモンと牛肉についての質問を頻繁に受ける。一体どういった食材を使うべきなのか、と。

このブログでは以前から言っているように「究極のメニュー」なるものは存在し得ない、という立場をとっている。「好き・嫌い」など所詮は個人の好みに由来するため、「美味しいか、美味しくないか」などといった議論は、完全なる主観でしか判断できない。油っぽいものが好きな人もいれば、そうでない人もいる。塩っ気があれば何だって美味しいという人もいれば、醤油をかければなんでも美味い、と語る人もいる。アメリカ人の多くは、ソースに砂糖を入れて甘くすれば大体喜ぶ(例えば照り焼きソース)。周りの雰囲気や、一緒に食べる人によって味や好みが変わってしまうのは認知に支配されている人間の悲しい性である。それを理解した上で読んで欲しい。

私はベニジャケが好きだ。所謂、サッカイサーモンと呼ばれている物である。初夏のサッカイサーモンをスーパーなどで購入する。アラスカのカッパーリバー産のものが有名である。スーパーでは三枚に卸してあるので、店員さんに言ってフィレを一枚丸ごと買う。大体、長さが70-80cmくらいであり、2パウンドから3パウンドくらいで売られている。1パウンドが12ドルとすれば、24-36ドルくらいで買える計算になる。

家に帰ったら、まず洗う。そして、骨を刺抜きで抜く。鱗が皮に残っているのなら、それも取り除く。最後にキッチンペーパーで余分な水分を拭き取り、皮と身の両側にきっちりと塩及び粗引き黒胡椒を振り掛ける。塩は決してケチらない事。サーモンを調理する際には白ワインやレモンを反射的に使いたい人が出てくるが、新鮮なベニジャケを手に入れているならば、あまり小細工しない方が良い結果になる場合が多いので、止めておいて欲しい。シーズニングした後、一時間ほど塩が身に染みるのを待つ。余分な水分も塩の浸透圧で外に出てくる。その間にバーベキューの火力を調整しておけばよい。

愈々ベニジャケを焼く。鱗側を網に乗せる。始めは直火が当たらないように火を調整して、蓋をして、5分ほど待つ。やがて蓋を開け、火を強める。理由は皮を少しだけ焦がすためだ。それだけの理由なので、皮が美味くパリッと焦げた時点で火は弱めて欲しい。火が通ったと思えば(自信が無ければ真ん中にナイフを入れて中身を見ればよい。)、両手にフライ返しを持ち、思いきりよく一気にひっくり返し、身の側を強火で少しだけ焦がす。2-3分も焼けば出来上がりだ。鮭は火が通るのが極めて早いので、あまり焼きすぎないこと。大きな皿にとり、食べる前にお好みでレモンを振りかける(私はレモンを使わないほうがいいと思うが、好みの問題だろう)。実に簡単である。そしてグルメは皮から食べる。

シヌーク(キングサーモン)はジューシーである。調理法によってはサッカイよりも美味しくなるのだが、普通にバーベキューをすると中がパサついてしまうことが良くある。脂をいかに落としながら、中をふっくらさせるかがシヌーク調理の鍵である。私はシヌークをバーベキューする時には白ワインに浸したり、色々事前に小細工するのだが、面倒な人はシヌークではなくサッカイを買うことをお勧めする。シヌークを豪快にバーベキューして食べた後で、「やはり小さく切って味付けしてから焼いたほうが良かった」、などと反省する事が結構起こりえるのだ。コーホー(ギンジャケ)についても、シーズニングをきっちりとした方が味を引き出しやすいと考えているので、バーベキューの初心者向きではない。

サーモンに続いて牛肉の話をする。基本的には脂が乗った肉を買ってくるのが良い。リブアイステーキ、Tボーン、などがバーベキューに向いている(普通にステーキにしても美味しいのだが)。Tボーンやニューヨークストリップを使う場合はは、二十分前に塩と粗引き黒胡椒を両面にたっぷりかけて、後は強火で焼くだけだ。レアで食べるのが美味しい。そして、調理者が食べる人達のために切ってあげるのがいいと思う。醤油やポン酢、ステーキソースは肉本来の味をぼやけさせるので使う必要がない。逆に、リブアイはかなり「タレ」に合う。5-6時間ほどタレに漬けておいてからバーベキューするとビックリするくらい美味しい。脂肪が大目の上等のリブアイを買えば、少し長い目に焼いたほうが美味しい。

後はカルビやフランクなど牛の下部だろう。カルビはショートリブなどの名前で売っている。これらはステーキには適さない肉であり、タレに浸けた上でゆっくりと時間をかけて加熱する必要がある。アメリカのバーベキュー調理器は、オーブンのような使い方が出来るため、これらの肉の調理には最適だ。スーパーではカルビソースの中ですでにマリネされている物も売られているので面倒くさい人はそういったものを選んで欲しい。骨付き、あるいは骨無し、そしてやや大きな肉片で売られている。マリネされていないショートリブを買ったのであれば、ジップロックの袋に入れて、醤油、蜂蜜(なければ砂糖)、梨(林檎)のすりおろし、生姜のすりおろし、にんにくと葱の刻み、タマネギのすりおろし、ごま油、好みで味噌かコチュジャンを入れて、一日冷蔵庫で寝かせる。それを中火でじっくりめに焼く。貧乏臭いかもしれないが、私は骨の周りの筋が好きなので、かなり長めに焼いた方が美味しいと個人的に考えている。

赤みが多くて脂が比較的少ない部位、例えばフィレミニョンや安物のサーロインなどはバーベキューには向いていないし、美味しく食べようと思えば、小細工がいる(フィレミニョンはワインソースや甘めの果物ソースで絡めて、レアでたべるのが好きである。サーロインはポン酢か砂糖醤油を絡めてサラダに載せるのが好きだ。)。網で焼いて塩コショウだけではどうしても足りない感じがするので、私ならバーベキューにはパスしたい。前述のニューヨークステーキも、ステーキで食べたほうがバーベキューで食べるよりも美味しさが際立つと思う。

上で書いたのは、比較的高級食材であるので、もし予算が合わない場合は、安めの脂肪分が多い肉を使い、強火で焼いて、バーベキューソースをかけて誤魔化す。焼肉のタレ、テリヤキソース、ポン酢でもよい。(白飯があれば、私はこの食べ方が好きです。)

集まる人間や予算に応じて、色々試して欲しい。プライムリブを時間をかけて作ったり、クラムベイクなど海鮮を豪快に焼いたり、色々なスタイルのバーベキューがある。バーベキューをしない夏などあり得ないではないか。