ワシントン州のマウントヴァ―ノンと言えば、シアトルから北に車で一時間強、バンクーバーから南に一時間半ほどの位置にあり、チューリップフェスティバルで有名である。サンファンアイランド行きのフェリーに乗る時の中継地でもある。
I-5はカスケーディアを繋ぐ背骨であり、カナダのバンクーバー(正確にはカナダ国境)からエヴァレット、シアトル、タコマ、オリンピアを経由し、ワシントン州のバンクーバー―オレゴン州のポートランド都市圏を繋ぐ。その一部である橋が崩壊したのだから、大変な事態だ。ただ、橋の一部のみが崩壊したうえ、橋自身も高くはなく、死者は出なかった。今後数週間、橋が復旧するまで、カナダと米国太平洋地域の間の交通の便が非常に悪くなる。
今回のニュースをみて、私が一番初めに抱いた感想は、「仕方ないな」である。あの橋であれば、崩壊しても仕方ないと思うのだ。というよりも、高速道路上には崩壊しそうな橋が五万とあるのだ。いつ作ったのか知らないが、物凄く「ちゃちい」作りの橋梁が一杯あるのだ。
シアトル地域で私が一番危惧するのは、ダウンタウン方面から北の大学方面に行く道である。
レイクユニオンの上にかかる高架であり、上り下り合わせて八車線。さらに二重構造であり、下にエクスプレスレーンが通る。遠くベルビューの街からキャスケード山脈も見渡せ、晴れた日の景色は最高だ。ただ、混雑時の渋滞はひどく、気分が悪くなることも多いスポットである。
いつも考えるのだが、シアトル界隈で少し大きめの地震がおこれば、まず間違いなくこの高架は崩落し、多くの死者が出ると予想する。地震が起きなくとも、ミネアポリスで起こったように、ある日突然橋梁が崩壊するような気がしてならない。
モアーのトルネードが学校を破壊した際、トルネードが頻繁に襲う事が分っているにもかかわらず、何故地下室がないのかという議論が巻き起こった。答えは、2億円近くの費用がかかるから、というものであった。アメリカでは、二億円で児童の命が救えたとしても、その金を投資しないという選択が罷り通るのである。
これも一つの考え方かもしれない。ただ、アメリカという国のリスク管理については、日本で育った私には理解できない部分もあるのだ。安全を強化する工事をするから、明日から通行料を課金する、と言われれば、それはそれで文句も言いたくなるのだが(そもそも安全強化の工事をするアメリカの土建屋を信用できるでしょうか?)。
これは考えるよりも意外と難しい問題なのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿