5/19/2013

アメリカが日本を非難している?マジで?


アメリカでは「日本非難」が渦巻いているらしい。アメリカに住んでいるニュースジャンキーの私にとっては驚くようなニュースである。何故ならそんな話は聞いたことがないからだ。日本人は、「自分たちが苛められている」という論調が余程好きらしい。

右の人も、左の人も勘違いしているが、「日本の従軍慰安婦問題」だけが外国で不当に非難されている、といった事を真剣に信じている人がいる。アメリカ政府は「いかなる人身売買や女性の権利を踏みにじった行為」をCondemnしているのである。このCondemnを「非難する」と日本語に訳した場合、当事者を攻めているように聞こえる。ただ、政府の立場としてのCondemnは、「事が二度と起こらないようにしよう」と言った強い決意である。アメリカは自身の奴隷貿易の過去も、Condemnしている。

勿論、奴隷貿易や侵略行為は、当時は法的には問題なかったわけで、「当時にすらあってはならなかった事」、と言った綺麗事を言っているのではない。現在の常識から考えると人道にもとる行為であるので、将来的にこういった行為が起きない為にCondemnしているのである。後ろ指を差されるだろうが、アメリカの中には、奴隷貿易のおかげでアメリカに住む奴隷の子孫である黒人は良い生活をしている、などと考えている個人もいる。人それぞれ色々な意見がある訳だ。

慰安婦問題について、いわゆる「右」の人の発言が事実描写としては正しいわけで、過去の日本の帝国主義を無批判に否定する左巻きの連中や、韓国の反日団体は完全に歴史事実を改竄している訳だ。こういった論調は論外である。しかし、反日団体の歴史改竄がけしからんからと言って、「今後自衛隊がPKO活動に風俗業者を携えて出動します。日本人を連れていくと高いので、お金で第三国の女性を雇います」とはならない。つまり、日本社会も国家のコンセンサスとして、慰安婦行為をCondemnしているのである。未来永劫に、戦時中にあったような慰安婦「制度」は行わない訳だ。

ただ、国内外の反日団体が姑息なので、慰安婦問題に対して身構えてしまう。こういった普通の日本人の感覚を理解してもらうのは不可能であるし、してもらう必要もない。これは、政治ではなく、主義主張、そして「面子」の問題である。国際政治においては「現在」が大切なのであり、歴史認識など糞とも思っていない。日本の面子を護る為に、一体どの国が「慰安婦止む無し」などと言ってくれるのか?いくら日本が正しかろうと、言う奴がいれば、アホである。

何回も言うが、アメリカは一部の運動家以外、日本の歴史認識に関しては、ほとんど興味がない。この問題に関してステークホルダーではない。日本の面子を護る発言をしても、得るものはゼロである。このニュースは、午後6時からの地上波ニュースでは全く触れもしないし、BBCが30秒ほど時間を割く程度の問題である。この問題に関して、必死に米国の主要なメディアの数少ない論調を聞いたうえで、アメリカ政府の立場を代弁する。

「日本は中国や韓国と面倒くさいからもめるな。大人なんだから、政治の場で歴史認識だの訳の解らないことにこだわるな。日本の歴史認識について、アメリカ人は微塵も興味がないし、安倍さん、21世紀になって過去の事にこだわって、それを政局に据えようとする必要があるの?アメリカも日本も韓国も、人身売買やそれに準ずる行為に関しては(過去はどうであれ)、政府は禁止する立場にあるし、そういった事が起こらないような世界を作っていこう。」という事になる。きわめて常識的だ。ポイントは、これらのサジェスチョンに対する主語が曖昧な点である。いったい、誰に対して「揉めるな!」と説いているのであるのか?政治家に言っているのではないと思われる。


こういった一連の英語報道を見て、日本が不当に貶められていると考える人がいるとすれば、文章読解力がないとしか言いようがない。アメリカが日本に言うな!という人もいる。それはもっともで、アメリカは歴史認識を紐解けば、いくらでもボロが出るのだが、そういうボロを叩くような真似は韓国や中国の反日政治勢力と同じである。アメリカが選んだ道は、綺麗事を言い、過去の臭いものには蓋をするという手段だ。その蓋を開けようとする者は糾弾する。

国家間の報道を見ていると、報道機関がセンセーショナルに翻訳するので、議論が上手く噛み合っておらず、見ていて滑稽である。

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