菅首相は有言実行であり、一年以内に多くの政策を実行した。携帯電話の料金引き下げ、温暖化対策の目標設定、デジタル庁の立ち上げ、オリンピックの完遂、最低賃金の引き上げ、ワクチン接種の加速化。一年の時間内に果たした実績は物凄く大きいと思うし、霞が関官僚のサボタージュを許さず、粛々と改革を実行した。無駄なバラマキや、無意味なアベノミクス的な政策も持ち込まず、(自民党としては)自由主義的でリベラルな安定した政権だったと思う。
外交問題でも、ぶれない姿勢だった。韓国はガン無視。中国からの圧力は跳ね返しながらも、一定の経済関係をキープ。アメリカからは近すぎない中、同盟関係をキープした。無駄に目立つことなく、日本の国益の最大化という視点からは百点満点に近かったと思う。学術会議など、共産党の影響を受けた気持ちの悪い組織などを炙り出した事も評価できる。
菅政権はコロナ問題を上手くハンドルできなかったのか?私はそうは思わない。他の国と比べても死者数はさざ波程度であったし、ロックダウンなどの無駄な対策も取らなかった。飲食店や旅行業界は気の毒であるが、コロナが蔓延しているのだからどうしようもできない。私もコロナには正直うんざりしている。が、菅じゃなければコロナ対策は成功したのか?私はそうは思わない。医療関係者の利権に鄙びずに、むしろ良くやっている方だと思う。
菅政権の政策を全て支持するわけではないし、エネルギー政策などには思う所も一杯あるのだが、全体を通して及第点どころか、歴代の内閣の中でも群を抜く安定感だったと思う。
菅首相の問題点は、コミュニケーション能力に尽きると思われる。テレビで喋る姿など、どうしても頼りなく映ってしまう。官房長官に自分と同じベクトルの室崎ではなくて、それこそ河野や小泉にしておいて、マスコミ向けにペラペラしゃべらせた方が良かったのではないか。
菅内閣は、医療関係者の鉄の結束に見事に破れてしまった。準備が出来ておらず、医療改革に切り込むことが出来なかった。コロナ禍のなか、一年くらいでどうにか出来る問題でもなかったと思う。将来の内閣には、この問題にきちんと切り込まなければならないという課題が出来た。今後増え行く保険の問題もあり、医療改革は避けて通れないだろう。
派閥を持たない菅首相は、自民内部の足の引っ張り合いにしてやられた。そういう意味でも、縁故主義の自民党政権には辟易とする。自民党総裁選という私的な団体の権力闘争を経て、次期総理が決まるわけだが、歴代でもトップクラスの実績を上げている首相をサポートできないどころか、鈴を付けに行くような自民党には何も期待できない。
(民主党も仕事を真面目にしていた野田政権をサポートできていなかったので、どっちもどっちだと思う。マスコミを中心に改革を断行しようとすれば足を引っ張る勢力がいるとしか思えない。)
しかし岸田の話を聞いていると、こんなぺらっぺらの奴らが菅さんを批判してるのか、と。高市さんは、アベノミクスを復活させて国家社会主義を目指したいの?まあ、日本の将来など何年持つかも解らないので、別に誰がやっても同じだと思うが。