私は安倍晋三に総理大臣の器があるとは認めていない。
歴代の総理大臣を見た時、好き嫌いを全く度外視して、仕事の出来た出来ないで優良可をつけるとする。すると、
優:中曽根、橋本、小泉、野田
良:竹下
可:鈴木、海部、宮澤、小渕
不可:細川、羽田、村山、森、安倍、福田、麻生、
採点不能:宇野、鳩山
安倍元首相は間違いなく不可の烙印を押せる総理大臣であった。何故、安倍は総理大臣の資格はないのか?
初めに、安倍は健康状態が万全でない。大腸炎は自分の免疫で自分の大腸が攻撃されて炎症を起こす病気であり、不治の病である。現在は症状が出ていないが、ストレス如何によって大腸並びに他の部位に症状が出る可能性もある。その時は一体どうするのか?健康に問題がある人間に、コマンダーインチーフは務まらない。(大腸を切り落としたので大丈夫と言う噂もあるのだが、膵臓など他の臓器に問題が起こる可能性はある。)
次に、安倍はリーダーとして向いていない。小泉が自民党総裁任期切れを期に総理大臣を勇退した後、路線を踏襲する筈だった。だが、党内外から染み出た存在すらしない格差拡大批判に負けて、規制緩和・自己責任路線を放棄した。最終的には、岸派支配の自民党路線を長老達の手に戻して悪しき自民党を復活させた。
第三に、安倍は自民党の世襲議員である。それ自体は悪くない。しかし、憲法改正が左派勢力に対抗する自民党の建前であったという歴史があり、親の世代が力を尽くした憲法改正を夢見ている節がある。日本憲法は明らかに時代遅れの代物であり、時代に合わせた大幅な修正が必要とされているのは間違いない。私は是非とも憲法改正はやり遂げて欲しいと考えている。例えば奇怪な日本語を誰にでも理解可能な現代日本語にすること、憲法改正手続きを変えること、自衛隊を認めること、天皇の地位を明確化すること、冗長な議会の規定を憲法の外で決められるようにすること、など常識の範囲内での改正であれば時間をかけなくとも出来るはずだし、やるべきである。しかし優先順位で言うと、かなり下位の問題となる。財政・社会保障に関する問題、公務員制度改革、統治機構の改革、景気浮揚のための規制緩和など、早急に実施するべき問題が山の様にある。最終的に憲法改正は絶対に避けて通れない問題ではあるが、感けている時間は無い。
安倍はいまだに教育を良くして「美しい国」を目指すなどと言っている。人の教育を良くする前に、自分の学歴を良くするべきだった。私は教育というものに懐疑的である。教育を国家がサポートする必要性は二つしかない。それは、教育が生産性向上に貢献するため、そして教育がイノベーションにつながる可能性があるためである。だからこそ、国家は教育に金をかける意味があるのだ。この二つを達成できない限り、教育とは時間の拘束であり、社会的なコストに過ぎない。イノベーションと言う見地から教育を考えると、教育は基本的に自由であるからこそ意味がある物であると思う。国が教育要綱を作るような国でイノベーションは起こりえない。ある程度の基本的な枠組みはあってしかるべきだと思うが、いまある枠組み以上の枠組みを作る必要性がわからない。むしろ、規制を緩和して自由にし、コストを削るべきだと思う。良い教育は金がかかる。必要最低限の公教育は寧ろ負担を軽くするべきである。
最後に、安倍は経済を理解していない。安倍の財政問題や経済問題のスピーチを聞いていると、何もわかっていないのではないか、と疑う。現状を理解していないリフレ論争についてはまた違う機会に書く。多くの経済学者が指摘しているように、安倍のリフレ政策はお笑いの類である。一方で景気浮揚を狙って公共工事の財政出動を指示しているが、これでは元の木阿弥だ。安倍は自民党の政権下で色々やって失敗した事を再びやろうとしているのだ。民主党のコンクリートから人へが失敗したから、またコンクリートに戻すという幼稚な案である。今頃土建屋はほくそ笑んでいる事であろう。まあ財政がこれだけ悪いので、誰が何をやっても無駄であるのだが。残念ながら経済政策は遅すぎた。あきらめるしかないのかも知れない。
石破が比較的まともな有権者目線の政治家であり、安倍が頭の悪いただの坊ちゃんだ、と言う事を知らない自民党の議員はいなかったと思う。だからこそ、自民党の長老は安倍を神輿として担いだのであろう。民主党の自滅のおかげで自民党は左団扇の選挙が出来る。しかも反民主党以外の確たる争点も無く、有権者の関心は薄い。利益団体が強い自民党や公明党には有利である。皆が嫌った汚い金権自民党体制は死んでいない。石破ではなく、ポンコツ無能の安倍を選んだという時点で自民党は馬脚を現しているのだ。
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