米ハーバード大客員講師を名乗る森口尚史氏が人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を作り患者に移植した、などという誤報が読売新聞などに載ったという。というか、読売などが裏も取らずに勇み足をしたのが実情である。その報道について、当の森口氏の経歴の虚実を追うニュースが賑わいを見せている。大新聞が大真面目な「フリ」をして森口氏の主張を「腹では笑いながら」検証しているのだ。
ニュース報道に現れた森口氏の語り口から推察するに、森口氏は「虚偽性障害」や「妄想性パーソナリティ障害」などの精神疾患を患っている疑いがある。そのような状況の人物を、大新聞や民放が実名を出して茶化してバッシングするのは如何なものかと考える。支離滅裂な無茶苦茶な話なので、面白くてニュースにしやすいというのは理解できる。ただ、精神的に問題があるかもしれない人物を追い詰めるのはデリカシーを欠いた「イジメ」である。
数日前、関西空港から仁川経由でLAに到着し、その後ボストンを目指した中華系アメリカ人が、防弾チョッキを着用しており、スーツケース内に発炎筒を含む多数の武器のような物を入れていた事が全米で報道された。一時はテロリストかと疑われたが、急に報道が消え去ってしまった。どうもその人物が精神的に不安定であり、ニュースとして扱えなくなった為であるらしい。アメリカでは、精神病疾患者に対してある程度の注意を払って報道している。
日本社会は精神が不安定な人物に対して配慮に欠けているのではないか、と良く感じる。精神的に不安定な人物が、その不安定さゆえに、他の人間に「物理的な危害を加えない程度の過ち」を犯した時は、もう少し配慮してあげても良いのではないか?馬鹿とキチガ○を嘲るような事は、視聴率獲りと言う観点では「$合理的$な」選択かもしれないが、成熟した社会の公機関(マスメディア)がそのような茶化した報道をしてもいいのだろうか?日本にも精神が不安定な人たちが大勢いる。別に他者の命を脅かしている訳でもないので、そっとしてあげるか、問題の解決に協力してあげれば良いのではないだろうか?神経病みの人を名指しで「キチガ○だ!尋常ではない!噓吐き野郎!」などと侮蔑して報ずる事はあってはならない。寧ろ、そういった可哀想な人達が治療を受けやすいような社会の雰囲気作りにマスコミが先頭に立って貢献するべきである。
(余談:アメリカの大学で、森口さんみたいな統合失調症の気がある研究者に頻繁に会います。日本人の研究者の中にもそういう人達が大勢混じっています。普通の人だと思って親しげに接したり、こちら側に余裕がない時などは、嫌な思いをすることもあります。しかし、可哀想なので温かく距離をとってあげましょう。逆に言うと、アカデミアは物分りがいいフリをして他人と関わりたがらない人達が多いので、そういう人達が集まりやすいのかもしれません。そういう人達が周りにいるのであれば、手遅れにならないうちに医師に相談するように薦める事が必要だと思いますが、実際は難しいです。残念ながら手遅れになってしまった人を数人知っています。後、思い込みが激しい人がお花畑の課題などを設定して、必死に研究に取り組み、ファンタジーの論文を書いて出世してしまう人達が一杯います。このような人達が上に立つと碌なことがありません。ただ、そういった人達を制裁する事は現実的に不可能です。)
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