7/09/2013

参議院選は安倍首相が絶対多数を確保し、抵抗勢力が復活する布石

間もなく参議院選が行われるのだが、参議院に一度当選してしまうと、六年間固定されてしまう。そういった意味で、参議院は衆議院以上の意味を持つ。わが国では、特に2007年以降、国会が何度も捻じれてしまい、決まるものも決まらない事態が発生した。その原因のすべては参議院にあった訳である。

今回の参議院選は、間違いなく自民党が圧勝するだろう。言われ尽くされている感があるが、積極的に自民党を応援するというよりも代替が無いから仕方ない、という事だと思う。唯一政権担当が可能である民主党が悪すぎて、セカンドベストの党すらない、という事態に陥ったのだ。かといって、維新やみんなの党、ぶれない日本共産党に入れたところで、政権担当能力は皆無であり、所詮は死に票になるだけである。まあ、政局がぶれるのが嫌なので、安定した政局を望みたいので自民党に入れる、という真っ当な考えの人達も多数いるだろう(しかし、これは現状の二院制に辟易としているという事に他ならない。自民党は参議院を削減する話には加味していない)。

私は自民党を積極的に支援する理由が何一つ見当たらない。自民党が目指す国家の展望は良く解らないし、自民党が支援する利益団体にも属していない。寧ろ、農業支援や公共事業費増などのばらまき政策、そして円安政策など、自分の利益と反するような政策に嫌気がさしている。日本の未来を考えると「みんなの党」などに魅力を感じるが、心の底では「引っ掻き回さずに現状維持をして欲しい」と思っている自分もいるわけだ。まあ、自民党は多数さえ取れれば「現状維持」的な政策を進めると思われ、積極的に反抗する理由もない訳だ。

今回の選挙戦は、はっきり言って盛り上がりに欠く。選挙の焦点は経済だというが、「アベノミクス(笑)」で株が上がったのだから、自分たちを支持しろ、というようなスタンスが取られている。しかし、自民党は「第三の矢」については利権団体の顔色を窺いながらお茶を濁し、骨抜きの「ノーサプライズ」改革案を出してきた。その他の党はアベノミクスを批判するものの、対抗案は示していない。というよりも、そう言ったものはマスコミに流れない。

いつもは選挙戦前には、醜聞が溢れるものなのだが、今回はそういった噂すら出てこない。大手メディアからは、政権を批判するトーンはまるで聞こえてこない。批判を一手に引き受けているのは橋下大阪市長くらいである。外国勢力についても、ここ数週間は、日本批判の荒々しいパフォーマンスが鳴りを潜めている。

何かがおかしい。私には、マスメディアが安倍自民党を勝たせたいとしか思えないのだ。既得権益を持っている人達の殆どが自民党の安定大多数を望んでいるとしか思えないのだ。

で、予想通り安倍自民党が絶対安定多数を獲ったとする。安倍首相は、今まで既得権益者の顔色を窺って小出しにしていた「第三の矢」を大胆な潜在成長力を上げる政策に化けさせられるのか?否。安倍首相は危険な財政ファイナンスの軌道修正をする事が出来るのか?否。安倍首相は自らの悲願である憲法改正を押し通せるのか?それも恐らく否である。

それどころか、現在は黙っている魑魅魍魎が、小出しで安倍首相の外堀から梯子を外し始めると考えて間違いないと思う。族議員や利権団体が、安倍首相に逆らい、下手をすれば人気が無くならない程度のスキャンダルを漏洩しだすのだと思う。いつか見た古き自民党の復活である。

インターネット時代にはバレバレであるのだが、「米国が嫌悪だ」の「軍国主義がどうの」、「愛国右翼だ」などという報道も全ては発信元の意図に基づくものである。そして、そういった反応は例えデマゴギーであれ、市民に拡散し、そのうち真実となってしまう。日本人が態々事態に疎い外国のメディアにニュースを流してもらい、カワサキのニンジャのごとく逆輸入して「外国ではこういう風に報道されている!」などと来る。こういった工作員は一体誰の利益を代弁しているのだろうか?しかし、参議院前に、誰も安倍首相に対してこうした卑怯な情報戦を仕掛けないのだ。気味が悪いではないか。

今回の記事は書いていてとても嫌な気分になって来たので、このあたりで筆を折りたい。これを読み返すと、日本の民主主義も民主主義を否定したエジプトを笑えないのではないのかとさえ思ってしまうのだ。日本には、ビッグブラザーがいまだに健在なのかも知れない。あるいは、村上春樹のリトルピープルが私たちの生活をコントロールしているのだろうか?自民党の絶対多数は、抵抗勢力の復活のお膳立てには持ってこいであり、だからこそ抵抗勢力は只管黙り続けているのであろう。このシナリオが、私の単なる思い込みであって欲しいと切に願う。マスコミは所詮は抵抗勢力筆頭である。

0 件のコメント: