アシアナ航空がサンフランシスコの地元地方局であるKTVUテレビを人種差別的なパイロットのデタラメな名前を公表した為、訴えることにしたという。興味は、どんな酷い人種差別をしたのだろうか、という事になる。以下の四つの名前が公表されてしまったのだが、
Captain Sum Ting Wong
Wi Tu Lo
Ho Lee Fuk
Bang Ding Ow.
初めの名前は、Captain, something wrong (キャプテン、何か異常です。)
次は、we're too low (当機の高度は低すぎるぞ!)
そして、holy fuck (こんちくしょう!)
最後は、飛行機が bang, ding (バーン、ディーン「激しい衝突の擬声音」)そして乗客はow(オー「激しい驚きを表す擬声音」)
と来た。無理やり日本語にすると面白くないが、英語が解る人なら、結構考えられたジョークであると思う。このジョークは、その地方局の夏休み中のインターンが作ったものだったが、何故か放送されてしまったという。まあ、趣味の悪い放送事故である。これが、11時台のトゥナイトショーのジェイ・レノ(ABCテレビのナイト・イン・ナイトみたいな物)や、コメディチャンネルのダニエル・トッシュが漫才として言ったのなら、「めっちゃ、おもろい」で終わる話だ。だが、地方局のニュースでこれを流すのは、プロ意識に欠ける最悪の放送事故である。
しかし、これは人種差別的な名前なのだろうか?中華系の名前を持つ人は、違う文化圏の人にその名前をからかわれることもあるだろう。しかし、それが「人種差別」であるとするのは行き過ぎていると思う。日本人がパーティーなどに行くと、酔っぱらった外国人に「フジツー・カワサキさん、アリガトゴザイマス」などとからかわれることもある。気分が乗らない時は鬱陶しいものであるが、人種差別ではないと思う。
アシアナ航空は、品の悪いプロ意識に欠けた放送事故を逆手にとって、金科玉条のごとく「差別」論を展開したと考えるのが適当であろう。差別のレッテルを張られれば、メディア側はあらゆることを自制しなければならなくなり、ある事ない事を放送されるリスクが減るからだ。
米メディアは日本のメディアと同じで、基本的にリスクを取らない。一方で、攻撃できない対象は徹底的に叩く。そして、ある事ない事を必死で煽って、視聴者を鼓舞させ、視聴者をテレビの前に釘づけさせる。自由な意見を言っているように見えて、出演者の役割分担がはっきりしており、些細な問題であれ、二極分化するように持っていこうとするし、すぐに政争化する。
勘違いしている人も多いと思うが、アメリカのメディアは、質的には日本のメディアとほとんど変わらない。ケーブルニュース系の、フォックスにしても、CNNにしても、MSNBCにしても、かなり質が低いし、大衆迎合的で、下世話が好きである。ABC、NBC、CBSの三大ネットワークのニュースも「ソフトニュースを流し過ぎている」と考えている年配の人はかなり多い。前回の書き込み、ジマーマンのケースもメディアの行き過ぎが混乱を招いているとして、間違いないと思う。
あらゆる事に「人種差別」を持ち出して、自分の相対的な立場を上げようとするやり方は、卑怯以外の何物でもない思う。実際に人種差別に合って権利を侵されている人に対しても卑怯であるし、人種差別意識が無くていざこざを起こしている相手に対しても公平ではない。さらに、社会を煽動するという意味でも、卑怯この上ない作戦であると思う。社会的な立場を考慮すると、第三者は表立って反論できないという事も強調しておきたい。
アシアナ航空に言いたい。恥を知れ、と。そして、ジマーマンのケースで人種差別問題を炊きつけられて騒いでいる人達にも言いたい。頭を冷やせ、と。そして、ジマーマンのケースで人種差別を煽っているNAACPにも言いたい。あんたらの使命は既に終わっているのだ、と。メディアにも言いたい。視聴者を煽るな、と。そして、視聴者に諭したい。メディアに騙されずに、真実だけを冷静に見ろ、と。
人種差別を金科玉条のごとく使ってくるグループとしては、黒人グループ、ユダヤ人グループ、そして韓国人グループがある。多くのアメリカ人は、大きい声で公式的な立場では言えないが、正直「Again?(またか…)」と思っている。そして、こういった事を利用して、リベラルな政治的立場を表明する左寄りの人達が溢れて来て、それらの団体をサポートし始める。上述のグループは、そういった一連の動きの中で、ますます政治力を強めることになり、やがては票が欲しい政治家なども関与してくる。資本主義社会で民主主義的な国では、良く見る光景と言ってしまえば、それまでなのだが。
人種差別などを簡単に濫用できないような社会になることを、切に願う。
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