サラリーマンの新聞である夕刊フジには、サラリーマンが好みそうなセンセーショナルな記事が多く載っている。そのように割り引いて記事を読むと、多少の判官贔屓のバイアスも目をつむって読み流せたし、そういったバイアスを差し引きさえすれば記事から事実が透けて見えた。卓越した言葉遊びで、「お見事!」と叫びたくなるような馬鹿記事すらあったものだ。政局などの煽り記事も、その裏には事実の描写や本当の噂もあった。テポドン発射の時など、夕刊フジに書かれていた北朝鮮の状況分析記事はとても正確であったし、オウム事件では色々なスクープをどこよりも早く流していた。
私は10年以上も前にアメリカにやって来たのだが、夕刊フジの記事を掲載しているZakZakというウェブサイトを情報源としている。異国の地から手っ取り早く「日本のお父さん方」の思いを知る事が出来る良い情報源で「あった(過去形)」のだ。
しかし、ZakZakがおかしくなった。記事が極端に詰まらなくなってきた。というよりも、読む気すら起きない低レベルな記事が増えている。情報価値もない癖に、ウィットにすら富んでいないような便所の落書きにも劣る記事が増えているのだ。
第一に、SPAのレベルの低い記事に誘導するのは勘弁して欲しい。ああいうどうでも良いコラムに時間は割きたくない。
第二に、最近の傾向であるが、韓国や中国の悪口が所狭しと並んでいる。日本の政局ニュースと比べて、これらは取材内容が甘い。韓国や中国の悪口を書き続けている他のコアな雑誌の情報取材力と比べれば解ると思うが、はっきり言ってネット右翼の罵詈雑言のレベルである。
第三に、首都圏などで地震や災害を煽る記事も酷い。解らない癖に、やたらと危機感だけを煽っている。さらに政治面では、広告なのか、記事なのか解らない可笑しな物も増えている。この前は大川隆法の本の宣伝を政治記事として掲載していた。
最後に、経済ニュースは無茶苦茶だ。高橋洋一氏の政治信条を前面に出した記事くらいならば可愛いものだ。しかし、田村秀男氏の「お金は知っている」というコラムなど、2CHの思い込みが激しい人の投稿と、何ら変わらない無茶苦茶なレベルである。
私は、ZakZakの記事を読む量が極端に落ちた。2年ほど前までは、ほぼ全部の記事に目を通していたが、現在では題名を一瞥して、二、三の記事を読めば良い方である。それくらいレベルが落ちている。
私が不思議でならないのは、意味もない中韓政府への罵詈雑言を並べたようなレベルの記事を前面に押し出して、果たして売り上げが増えるのだろうか?という事である。ああいう方向を良しとする人もいるかも知れないが、ああいう記事に反発する人も大勢いると思う。私なら夕刊フジは選ばず、東京スポーツにする。東京スポーツには少なくとも娯楽があるからだ。
ZakZakの記事を読んでか読んでないからか、最近、韓国経済が崩壊していると信じている日本人が周りに増えいている。韓国経済が一時期に比べて失速しているのは間違いないが、数字を見て貰えば解るが「崩壊」からは程遠い。韓国憎しだけで、間違った情報を鵜呑みにするのは、百害あって一利なしである。
インターネットに押され、新聞や雑誌が売れなくなり、センセーショナルな事を書くだけでは飽き足らず、おかしな題名で読者を釣ろうとしたりする気風が高まっているように感じる。逆に、コストカットで取材能力は落ちている。中身の味が落ちたので、包装を良くしてみよう、という「さもしい戦略」が透けて見える。今後は情報源には十分注意を払う必要があるだろう。
昔の夕刊フジには骨があった。それが段々と軟らかくなり、二年ほど前からは違う魂が夕刊フジという入れ物の中に入ってしまった感がある。夕刊フジが、昔の様なサンケイ系から一線を画するような骨があり楽しい夕刊紙に戻って欲しいと切に願う。
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