リンデレラストーリーと言われる話がある。勿論、シンデレラストーリーを捩った物だが、ニューヨーク・ニッカボッカースでプレーするジェレミー・リンが凄いことになっている。今期はゴールデンステート・ウォーリアーズをサラリーキャップを空ける為に解雇され、ロケッツと契約するも解雇。そしてカーメロ・アンソニーとアマーレ・スタウドマイアーの二巨頭を補強してプレイオフを目指しているニューヨーク・ニックスにやって来た。しかし年初にはDリーグ行きを命じられる。Dリーグで結果を残し、1月の末にチームに再合流し、ニュージャージー戦で大活躍をして以来、オールスターかと見まごうようなプレーを続けている。ワシントン戦ではダンクシュートを決めてダブルダブル。そして昨日のLAレイカース戦ではコービー・ブライアントを上回る38得点の大爆発。メロとスタウドマイアー不在のチームを4連勝に導いた。
LA生まれのジャーミー・リンの両親は台湾人であり、父親は台湾大学を卒業してパードゥーで博士号をとったエリートだ。子供に勉強をして欲しかったのか、書豪という名前をつける。その名前に違わず、ジェレミーはハーバードに進学し、アイビーリーグでプレイする。アジア系アメリカ人、しかもアイビーリーグ出身のNBAプレイヤーなど、異例中の異例である。ヤオミン無き後のアジア系の客をターゲットにした客寄せパンダかと思いきや、このオールスター級の活躍である。本日のミネソタ戦ではNBAで先発をし始めてから4試合の得点が109ポイントとなり、これはアイバーソンの記録を更新するものである。ただ前半は良かったものの、後半には点が入らなくなったうえ、ターンオーバーも多く、苦しかったのだが。
ニックスは主力を欠きながらの5連勝。ダントニオのクビの皮もこれで繋がった。マネジメントに問題を抱えるチームであるが、林のプレースタイルはダントニオのイメージに合うと思うし、兄弟の葬儀でチームを離れているスタウドマイアーが帰ってくればサンズ時代のスティーブ・ナッシュとのコンビで見せたようなピックアンドロールを見られると思う。この数戦のチャンドラーとの息ぴったりのピックアンドロール。そしてノヴァックが外でフリーでいれば確実にパスをして3PTの機会を与える。バスケIQが高い、見ていて楽しい内容だ。
現在、メディアはまるでティム・ティーボがブロンコスを連勝に導き始めたようなカバーの仕方である。今は少しばかり出来すぎだと思うが、貧乏な黒人のスポーツであるというイメージのバスケに現れた、ハーバード出身のアジア系アメリカ人の活躍に大いに期待したい。名門ニックスが終に久々に日の目を見るのか?バスケでのマイノリティーであるアジア人が活躍した言うことも大きなことかもしれないが、レーダーに映らないところから急にやって来たアンダードッグが大活躍している様子に、全米での報道が過熱しているのであろうと思われる。
余談ではあるが、今期は大学バスケも大変な事になっている。あのハーバードが大学バスケの全国25位にランクされているのだ。昨年はフロリダステートを撃破したり、驚くような試合を見せている。今日、プリンストンに負けて今期3個目の黒星を喫したが、マーチマッドネスに出てくることは間違いない。ジェレミーリンの話題と共に、面白い現象なので報告しておきたい。
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