東京に滞在していると、大阪名物と宣伝している串カツ屋を何件も目にした。
私は大阪市の出身だが、子供の時に串カツを食べた記憶などない。高校くらいになって、怖いもん見たさにあいりん地区や新世界を「旅行」し、友達に押し切られて串カツ屋に入った事が一回だけある。揚げもんの油っぽさと、具の安っぽさと、釜ヶ崎地区のイメージ的な問題も手伝って、正直「気持ち悪い」感じがした。揚げモンは何を食べても大体同じような味なのだが、予想通りの味だった。店から出たら、油っこさで、やはり気持ち悪くなった。それ以来、私は串カツ屋で串カツを食べた事がない。
私は東南アジアの貧困者が住む街など、色々な所を訪れ、それぞれの場所で色々なものを食べている。美味しい物もあれば、不味い物もある。ただ、大阪の釜ヶ崎地域や新世界などには、足を踏み入れる気にもならない。物理的、生理学的な理由と言うよりは、心理的な蔑視感の為であると思われる。大阪に育った人間として、色々な物を刷り込まれてしまったのだ。そういう感情はなくすべきだと思うが、これだけはどうにもならない。説明できないが生理的に気持ち悪いのだ。これを差別的だというのであれば、私はそのレッテルを受け入れよう。
串カツは新世界名物のキワモノ料理であって、大阪名物と言われる事に反感を覚える。母親が手を抜きたい土曜日の昼飯の定番である「お好み焼き」や、学校帰りにつまむ「たこ焼き」とはわけが違うと思う。串カツは、新世界に観光でやってきた人たちや、ギャンブルや大衆芸能に溺れたニコヨン、あるいは生活保護受給者の食べ物であり、大阪の庶民の味ではない。飛田本通り商店街で、ママチャリに乗った腹巻をしたおっさんが立ち食いをしに暖簾を潜り、安物の油のどうしようもない匂いが脳裏をよぎる。串カツは心理的に気持ち悪い料理であり、大阪出身の私は串カツを食べない。
高級串カツ店とか、ありえない。別に「てんぷら」や「一品の揚げモン」でええやんか。串カツだけ食べるのって、頭おかしい。大阪に旅行してわざわざ串カツ屋に行く人達は、情報弱者としか思えない。
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