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すぐに原発再稼動をしろ。ウルトラマンは来ない。


55日に北海道の泊原子力発電所3号機が定期検査に入り、54-450其全原発の稼動が停止した。5月は電力需給が比較的低い季節だが、気温が昇りエアコンをつける季節になれば、電力需給が逼迫する事態は避けられそうに無い。

私は大阪出身であり、関西圏の事のみに注目してこの記事を書くが、およそ半分の電力を原子力に頼っていた関西電力が、大飯の原発を再稼動させない限り、この夏は大変暑い夏になるだろう。逆に財布は寒くなる。家庭の電力は節電云々で遣り繰りできようが、産業のエネルギー需要は単純な足し算引き算問題であるので、電力需要の逼迫はモロにValue-AddedGDPの一部)低下に繋がる。それどころか、電力不足は関西地域に対する投資意欲を低下させるため、中・長期的な域内の競争力も落とすことになろう。

そういった事態を避ける為には、とりあえず福井の大飯原発を再稼動させれば良いのだが、政治家が足を突っ込み事態がややこしくなっている。

大飯原発に関しての解決策は二通りしかない。「すぐに動かす」か「廃炉」かである。再稼動ありきで議論を尽くしてから動かす、などという物の考え方は間違っている。動かさずに現状を維持した場合、燃料は原子炉内に留まる為、万一の場合は「いずれにせよ」事故が起こるのである。さらに現状維持をするにせよ無駄な労力やコストを費やすことになる。忘れては困るが時間はお金であるのだ。稼動させつつ将来的な対策を講じるのと、稼動させないままで無駄な議論を講じるのとでは、安全性に関して殆ど差が無い訳である。従って「今」動かさない理由が無い。原発問題の回答は二者択一でしかないが、プラスでもう一つの糞意見が存在する。

1)原発を廃炉にする。
原発を廃炉にしたい人たちが大勢いる。「危ないものはNO」という考え方だ。人命や国土を守るという事を犠牲にして、経済的な恩恵を受けようなどと言った意見は受け容れかねると考えている人達である。「事故が起こらない可能性」がゼロという事などあり得ない。人命が危険に晒される可能性があれば、お金をいくら使ってでも、経済が後退しようとも、域内の競争力が低くなろうとも、原発は廃止するべきである。原発は不必要である。電気代が高騰しようが、税金が跳ね上がろうが、株価が低くなろうが、NEETが増えようが、経済が没落しようが、原発廃炉を敢えて選ぶという人達である。

2)原発をすぐに再稼動させる。
原発がもたらす経済恩恵に比べれば、原発が起こす事故の可能性などは考慮するに当たらない。原発による経済発展を享受し、将来のエネルギー問題も経済発展の延長上のイノベーションの世界で実施していこうと考えている人達である。自然代替エネルギーで日本の電力を全て供給できるわけでもなく、化石燃料を外国から購入量が増すことは貿易黒字を減少させると考えている。少々田舎の人たちが土地を追われる様な事があろうと、少々癌患者や死人が出ようとも、セシウムの数字が少々気になろうとも、地震やテロなどの危険性が排除できそうに無くとも、経済を発展させることが今を生きる人間の至上命題であり、資源の無い日本国は経済を発展させないことには国際社会の競争化ではおいてけぼりになる。そう考える人達である。

3)ウルトラマンが助けてくれる。私は知らん。
福島の浜通りは酷い事になっている。あのような事態になることは許されない。原発再稼動を嫌がっている人が大勢いるのであるから、今は原発を動かすべきではない。ただ輪番停電や電気料金の高騰も看過できない。全て原発マフィアと東電が悪い。事故対策をきちんとして、事故リスクをゼロにしろ。電気は自分たちの権利なのだから、政府がしっかりと供給しろ。本当は電力足りるんだろ、嘘つき野郎が!本当は自然エネルギーの風力や水力を使えば原子力なんていらないんだろ!うちの家は省エネ冷蔵庫とクーラーを使ってるんだから、自動販売機とコンビニが悪い。とりあえず、利権無しで官僚と電力会社と政治家が策を練れ。国民を騙しやがって。ピンチになればウルトラマンが来てくれるんだよ!自分達の豊かな生活は誰かから保障されていると勝手に考え、テレビの可哀想なシーンを見て涙を流し、細かい技術論は余り深く考えていない人達である。


と言う事で、残念ながら3)を支持する人達が大勢います。寧ろ3)の意見が過半数です。多数の意見を尊重する水商売職業が政治家であるため、政治家は原発の再稼動や廃炉といった決断を下す事ができません。私は2)を支持しますが、1)という筋の通った意見は尊重します。その人達とは良い友達になれそうもありませんが。

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