トランプとクリントンの三回にわたる討論が終わり、後は選挙の日の締め切り後にクリントン勝利が伝えられてすべてが終わる。共和党員の反乱により、大統領選の一連のプロセスがアメリカの政治の根本を変えようとしている。
中絶反対、銃の保持、同姓婚反対など、本来ならばどうでも良い政策内容と引き換えに、共和党を牛耳るエリートたちは好き放題にやって来た。都会の人たちが共和党の保守的な考え方に反対したとしても、選挙で勝てれば良いとばかりに、二枚舌で好き放題にやって来た。
田舎州の共和党員は結局、共和党に騙されていたのであるが、ティーパーティー運動などが発端となり、自分たちが自発的に政治を変えなければならない、と考えるようになった。DCこそが汚れの発端であると考えたわけだ。
田舎州の連中にとって、共和党以外はインスティテュートにはなりえない。民主党は北部のヤンキーたちが応援する物であり、田舎には関係がない。
で、田舎州の朴訥とした人々は、ティーパーティー議員を大量にDCに送り込むことに成功し、連邦機能を止めることにまで成功した。
で、大統領選だ。共和党の有力議員たちは、そういった地元の雰囲気を感じており、大統領選挙に立候補することを躊躇った。ヒラリークリントンが女性だから、それに対抗出来得る候補を探す必要があるという、深読みがさらに有力者の出馬の足を引っ張った。
で、テレビとかにも出ている有名人のトランプが「変化」を起こしてくれそうな気がした。地獄のように酷い生活から解き放してくれそうな雰囲気があったのだ。DCに浸っていない人材という事もあり、今までとは違う何かを期待したのだ。そう、チェンジである。
で、無茶苦茶だ。
トランプは完全に大きな政治の考え方に染まった政治家である。経済的な自由よりもコントロールを優先する。そんな人間に共和党のプロパーたちが靡くわけがない。共和党は瓦解した。上手く騙してきた選挙民に反旗を翻されたのである。
私はトランプとクリントンの討論を全て見た。トランプの政策には何も期待していないが、トランプがクリントンに対して行った批判は的を得ているものが多かった。私はますますヒラリー・クリントンが嫌いになった。トランプは確かに下品な人間だと思う。が、ヒラリーが上品ぶっているだけの下品な人間で、戦略も何もないという事を、トランプは炙り出してくれたと思う。目糞と鼻糞のどちらを選ぶか?最悪の大統領候補達という表現はあながち間違っていないと思う。政治家は、所詮は相手を罵る事しか出来ないのだ。
ヒラリーの支持率は低調なものになるだろう。景気もそろそろピークかな?という感じがする。というか、情報が発達しすぎた今の世の中、大統領がマジックを見せられる時代は終わった。アメリカ大統領は選挙民が選んであげたポジションであり、皆のリーダーではないのだ。おい、ヒラリー、大統領になりたければ私たちに願いを乞え、と。大統領選から100日後、ヒラリーはすでに死に体となり、4年後には新しい大統領が誕生するだろう。
ここまで堕落した共和党。次までにはまともな妙案を纏めて来ると考える。落ちるところまで落ちれば、改革の兆しは見えてくるはずである。
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