黒田さんが前言を撤回して、マイナス金利を打ち出してきた。市場は判断に困ったようであるが、緩和の一環であるとして、株価は上がり続けている。株価は意地でも上げる、そして為替はレンジ内に。政府がインチキして誘導しようとしてくれているのだから、これに逆らうのはアホウだろう。
実際にマイナス金利の導入に踏み込んだという事実に動揺している識者も多いようだが、何も変わらないといった意見が大勢を占めているのではないか?ただ、後に述べるが、マイナス金利の影響、つまりは行き着く先については、未知の部分が多く、個人的には「影響は解らない」というのが本音なのだ。後述するが、緩和政策が進まず、結構やばい可能性もある。
実際問題としては、日銀にブタ積みしている日銀当座預金の政策金利残高を0.1%にするだけなので、一般人には関係ないと思われる。普通に考えると銀行は日銀にお金を預けないはずだが、現金を銀行に置いておくのはコストがかかるので、致し方なく0.1%の「費用」を受け入れると思われる。0.1%を払うくらいであれば、市中にお金を貸せ、というのが日銀や政府の思惑だが、これまでの二十年を見ていれば、そうは問屋は降ろさない事は明白だろう。貸そうにも成長分野がないし、お金は余っているのだ。
で、結局は、現金保有はコストがかかるので、銀行は国債保有に走ると思われる。とすると、日銀の緩和政策が取りづらくなる可能性がある。下手をすると、日銀は政策金利をどんどんと落としていくか、国債の買取を高くするかの二つの政策しか取れなくなる。どちらも、かなり危険な政策に見えるのだ。
少し難しい話になったので、漫才の話をしたい。マイナス金利という話を聞くと、私は必ずドラえもんのあるエピソードを思い出す。お金のいらない世界をもしもボックスで作り出すのだが、これはお金のいらない世界ではなくてマイナス金利の世界ではないか?このストーリーの教訓は明白である。プラスでもマイナスでも、そんなに都合の良い話はない、という事である。
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