5/21/2015

水族館が太地町からイルカを調達できない問題

太地町の追い込み漁で捕獲したイルカを、世界動物園水族館協会(WAZA)に加入している限り入手できなくなる問題が浮上している。日本の新聞紙面を見ていると、欧米の圧力により、太地町のイルカ漁がターゲットにされているような印象を与える。「追い込み漁は残酷」だという事だ。

しかし、この問題は日本にターゲットを絞った問題ではない。水族館のイルカやオルカを解放しようという動きが、欧米を中心に巻き起こっている。この問題が大きくなった理由に、「Blackfish」という映画の反響が大きい。この映画はフロリダ州のシーワールドのシャチがトレーナーを殺した事故について言及し、それを通じて海洋哺乳類をエンタテイメント産業の一環として利用する産業そのものとシーワールドに対してその意義を問いかけている。この映画がきっかけとなり、シャチの扱いをめぐってシーワールドに対する圧力や抗議の声が高まった。シーワールドの来場者数は減少しており、経営にもかなりの影響を来たしている。

バンクーバーやベイエリアの水族館にも同様の抗議が殺到していると言う。鯨類を遊びに使うな、自然の物は自然に返そう、という意見が一部の運動家の間で連呼されている。勿論、これらの連中はノイジーマイノリティーであるが、自然環境運動家という産業の一翼を担っており、シンプルな人達からの寄付で運営費が賄われている。一方で、水族館は子供や家族相手に商売をしている訳である。無茶苦茶な話とは分かっているが、キチガイが館の前で大声で抗議していては、お客さんは逃げてしまう。批判された時点で負けの水族館側は絶対妥協すると解っているから、抗議団体は強気で出ている訳だ。

欧米の水族館は、これらの問題に屈しているようである。Blackfishに取り上げられたことは、科学に基づかない言いがかりであるのは明らかだろう。シーワールドは戦っているが、戦えば戦うほど、経営は圧迫され、不利になる。モラルで攻められて、行き場を失うどこかで見た戦いを強いられているのである。ナイーブな親が可哀想だ、などと言いだせば、学校の遠足などでイルカショーに生徒を連れて行くことはできなくなる。水族館の経営はかなり厳しくなる。

日本の水族館は、これらの不満を持つ欧米の水族館と連携し、新たな協会を作るなどの工夫が必要だろう。連中の最終的な主張は、「追い込み漁は残酷」などではなく、「動物の福祉が大切」であるということだ。つまり、動物園や水族館は「悪」だというのが彼らの主張であるという事を忘れてはならない。WAZAはショートタームの経営を見据えて、動物愛護団体に譲歩したのだと思う。だが、連中の最終目的が何かと考えると、水族館や動物園がそれらの団体に譲歩をする事は危険である。近未来には動物園や水族館の存在意義すらを否定される事に繋がるだろう。謝ったんだから、もっと謝罪しろ、という訳だ。

イルカやシャチが小さい水槽で芸をさせられているのは、まあ、可哀想の定義の仕方にもよるが、「哀れ」である。誰にもそれは批判できないだろう。だからこそ、この問題は防戦一方となってしまうのだ。ただ個人的には、ペットが縄で繋がれているのが可哀想くらいの哀れさであり、残酷であるとは到底思えない。

5/17/2015

投票には行けず:私のせいで大阪市は潰れず、橋下市長は辞めざるを得なくなった

ある程度の知能があって、公的な物からの利権を享受しておらず、関西や大阪の未来を案じている人であれば、橋下市長の大阪市解体論に賛成だったと思う。

私も激しく賛成である。が、結果は大阪市解体はならなかった。はっきり言って、残念である。

シルバーデモクラシーであるとか、若者が投票に行かなかったとか、言われており、私も憤慨した。大阪市の若者は何を考えているのだ、と。

ちょっと待てよ。実は私も、そんな投票に行っていない若者の一人である。現在シアトルに住んでいるのだが、住民票は大阪市にある。大阪市民として投票の権利があり、実家に投票の案内が届いている筈だ。で、大阪市解体に激しく賛成する私は、シアトルにおり、大阪で行われた投票には行けなかった。残念である。

20代から40代くらいの人は、仕事や人生設計の関係で、移出や移入が激しい。逆に、年寄りになると腰を落ち着けるものだ。大阪市の様な都会であれば、特にその傾向は激しいだろう。大阪市の若者のうち投票権を持つ人で、実際に大阪市内に住んでいない人たちはどの程度いるのだろうか?逆に、最近大阪市に引っ越して来ており、大阪市の事などどうでも良いと考えているので投票に行かなかった人はどの程度いるのだろうか?

私は3月に東京に出張した。新橋駅界隈の居酒屋で、久々に集まった高校のクラスメートたちと、橋下大阪都構想について話す。皆、大阪市で生まれ育って、現在は東京で働いている連中だ。大阪の、そして関西の未来を憂いている。全員、大阪市の解体に賛成であり、激しく熱い思いを持っていた。「大阪がちゃんと頑張ったら、俺らは大阪で暮らせたのに」と。

私はホームシックっぽい気持ちになる時は、いつもこんな事を考える。大阪の景気が良ければ、暮らしやすいとはいえシアトルなどに来る必要もなかった。私は、自分が生まれ育った大阪で、大阪弁を使って、商売をしたかった。親の商売を継ぎたかった。社長とか呼ばれて、新地で遊びたかった。そんな未来予想図は実現しなかった。今は、アメリカの税金で食わしてもらい、母国語でもないものを使って生活している。俺はいったい何をやっているんだ、と。

人間は、景気の悪い所から、良い所に流れる物なのだ。友人である大阪の子たちの多くは東京で定職を得た。大阪に残っている人は、医者と坊主とどうしょうもない子だけだ。「ちゃうわ!おまえ、あほちゃうか」少し酔って来て、汚い大阪弁で友人たちと、熱い討論を交す。友人たちも、仕事場や家庭で大阪弁を使えない鬱憤を晴らしているようだ。

「うちは大阪市解体しても北区のままや」「俺んとこは南区になんねんぞ。それでも大阪市はいらん」「俺が一番むかつくんわ、大阪市で暮らしたこともない連中がゴチャゴチャ言う事や。外野の癖に」「俺らも今は外野やんけ」横のテーブルに座っているサラリーマンも、大阪弁を喋っている。未来の無い関西という街から東京にやって来て、そして衰退する故郷を憂う。明日はデルタの166便で太平洋を越えなければならないので、酔い覚ましを兼ねて歩いてホテルまで戻る。

大阪市よ、若者の未来のために、そして大阪を出た私たちの為に、是非とも潰れてくれ。そして、私たちを呼び戻し、自分たちの言葉で自由に会話をさせてくれ。深夜の新橋で鐘の音を聞く。みおつくしの鐘の音か?そんなわけもない。右手に霞ヶ関の官僚街とその奥に皇居が見える。故郷の大阪にも帰らずに、アメリカから東京だけに寄った出張。世界最大の街、東京の真ん中で深夜に思いを巡らせる。私は大阪出身の大阪の子である。大阪よ、大阪よ。おまえは俺らに何をしてくれるねん、と。そして、俺はおまえに何をしてあげられるねん、と。

5/15/2015

周りで大阪市を廃止する事に反対する人に会った事もない

グリズリーズのトニー・アランがふくらはぎ痛の影響で明らかに動けなかった。メンフィスはGSを破る事ができるチームと思っていただけに、非常に残念だ。

さて、大阪都構想だが、大阪市民である父親と喋った。父親によると、「周りで大阪市の廃止(都構想)に反対している人なんか一人もおらんよ」という事だった。それでは何故世論調査で半数以上の人が都構想に反対なのか?

「貧乏な区で生活保護を貰っている人は皆反対違うか?」という事だった。西成区とか、平野区とか、住吉区とか、生野区で、生活保護を貰う老人は、「大阪市が廃止されたら生活保護を減らされるよ」などと脅されているらしい。逆に、旧大坂三郷に住んでいる人で大阪市の廃止に反対している人などいないのではないか?

世論調査だが、昼間に行っているので反対が多いという説もある。昼間は定職に就かない生活保護者に電話がつながる。夜に電話をして、所得の高い人達の話も聞けば結果は全然違うのではないだろうか?

大阪都構想に反対する意味不明な人たち

グリズリーズもクリッパーズもダラダラしていて、私が嫌いな入れるだけのバスケを見せられて、結構イラついている。今日はバスケの話はしない。しかし、グリズリーズは四人が息ぴったりなので、トニーアランが欠けては先ず勝てなくなる。アランの代わりを務めた元ソニックスのジェフ・グリーンは何?そしてビンス・カーターのあれは何?ディフェンスは駄目、攻撃も入らず。ふざけてるの?

ところで、大阪都構想だが、一体誰が反対するの?大阪市の職員とか、大阪市のコントラクトをしている業者が、自分の保身で反対するのは理解する。が、他の人たちが大阪市を潰さないという理由が解らない。大阪市がどれだけ無駄の固まりかくらい、実際に住んでいれば気付くと思うのだ。

私は大阪市で生まれ育った人間として、関西の中心地としての「大阪」を愛している。だからこそ、「大阪」の復活のためにも、「大阪」の癌である大阪市を完全に潰して欲しいと思っている。通勤途中に頭の中で小学校時代に歌わさせられた大阪市歌がむなしく鳴り響く。


高津宮の昔より、世々の栄を重ね来て、民のかまどに立つ煙、
にぎわいまさる大阪市、にぎわいまさる大阪市
なにわの春の朝ぼらけ、生気巷にみなぎりて、もの皆動く生業の
力ぞ強き大阪市、力ぞ強き大阪市
東洋一の商工地、咲くやこの花さきがけて、よもに香りを送るべき
務めぞ重き大阪市 務めぞ重き大阪市


大阪の衰退が始まってから、すでに時は久しい。現状維持は地獄へのフリーフォールである。たぶん無理だとは思うが、大阪市を潰す事は、大阪が復活するチャンスにはなり得ると思うのだ。私は大阪が大大阪と呼ばれた空気の汚かった時代を知らない。衰退激しい今の大阪を見るのは嫌なのだ。

5/11/2015

グリズリーズが二勝目、クリッパーズは三勝目

我がグリズリーズはGSをメンフィスで沈めて2勝目を手にした。ディフェンスが上手く機能し、スプラッシュブラザーズのスリーポイントの雨を許さなかった。スプラッシュブラザーズの点数は、ステップ・カリーが23点、クレイ・トンプソンが20点と、そこまで悪くない。ただ、控え組みが酷い。田口とPGの控えを争っていたバルボサは点数なし。これではどうしようもない。今まで上手く行き過ぎていたためか、ディフェンスを強化されてかなり焦ってプレーしているように見える。TNTでチャールズ・バークリーが言っていたが、綺麗な女(シューター)は点数が入れられなくなった瞬間に馬鹿な女に見える、という格言がピタリと当てはまる。

一方で、ヒューストンも情けない。ジェレミー・リン、チャンドラー・パターソンそしてオメア・アシック。お気に入りの三人を流出させて、「押し」だけで勝とうとするチームを作り上げてしまった。チームディフェンスは無し。点数を入れれば勝てるという哲学の元でのチーム作りである。勿論、こういうチームはレギュラーシーズンでは機能する。が、見ていても深くなく単調で面白くない(点数の入れあいが好きな人は別)。で、やはりと言うべきか、クリッパーズ相手に苦戦している。

クリッパーズは、スパーズを負かしただけあって、かなり強い。しかも、クリス・ポールが火病を見せず、アンセルフィッシュなプレーをしているし、きっちりとシュートも入れてくる。さらに、センターのチンパンジー、じゃなくて、ジョーダンがリバウンドを取りまくる。チームディフェンスもキッチリと心得ている。今年のNBAチャンプはクリッパーズかグリズリーズだろう。次のラウンドが実質のチャンピオン決定戦で、楽しみで仕方ない。インサイドで、ランドルフとグリフィンが揉み合いをする試合をいっぱい見る事が出来るだろう。

一方、東はスロッピーである。ワシントンDCとアトランタの試合は「見る人いるの?」というような組み合わせだし、シカゴとクリーブランドも試合としては面白いが、実力的に落ちる「おもんない試合」をしている。

Go Grizzlies!

5/06/2015

GSウォリアーズVSメンフィス・グリズリーズ

我がグリズリーズが優勝候補のGSと対決している。シンコデメーヨ(五月五日)に行われた第二戦の前には予想通り、ステップ・カリーがMVPを受賞した。3ポインツシュートの撃ち方など、レイ・アレンやレジー・ミラーなどと比べても、カリーのほうがシュートの撃ち方が綺麗だ。

まあ、それは良いとして、第一戦と第二戦の結果が極端に違って面白かった。ポートランドとの激戦でマッコラムに肘撃ちをされたグリズリーズのPG、マイク・コンリーJrがいるといないのとで大きく結果が左右されてしまったのだ。ただ、第一戦と第二戦の違いはスタッツに如実に現れているので詳しく見たい。



GS対メンフィス 第一戦 (2015・5・3@サンフランシスコ)101-86 GSの勝ち


シュート:メンフィス33/73(45.2%)  GS39-77(50.6%)
FT:メンフィス17/22(77.3%)  GS10-15(66.7%)
アシスト メンフィス24  GS26
リバウンド メンフィス37  GS39
TO メンフィス15 GS15
スティール メンフィス13 GS13

シュート率がGSのほうが若干良いが、これが点数差につながったわけではない。点数差を導き出したのは、3PTSである。
3PTS メンフィス3-12(25.0%)  GS13-28(46.4%)
3PTSだけで30点の点数差がついている。GSの46.4%という数字は出来すぎである。グリーンとカリーの二人が大爆発をしたのである。シーズン中のGSの3PTS率は37.1%なので、この数字に帰結すると考えるべきである。

一方のメンフィスは情けなかった。GSがある程度の守備をしているとはいえ、点数が入らない。ランドルフ、ガソールとアレン以外の選手が点数を入れられないのだ。特にコンリーの変わりに先発で出場したカレータスが駄目だった。動きは遅いし、不要なパスは出すし、ボールを回せられないし、FTすら入らない。3PTSでは躊躇して無駄な動きをした挙句にターンオーバーとか、最悪だった。カレータスは昨年のプレイオフ前に薬物使用で出場停止を食らった。高校時代は現マブスのパターソンと一緒にプレーしていた。まあ、悪い選手ではないが、優勝候補相手に荷が重すぎたのだろう。

GS対メンフィス 第二戦 (2015・5・5@サンフランシスコ)90-97 メンフィスの勝ち

シュート:メンフィス31/74(44.6%)  GS31-74(41.9%)
FT:メンフィス18/20(90.0%)  GS22-28(78.6%)
3PTS メンフィス5-15(33.3%)  GS6-26(23.1%)
アシスト メンフィス19  GS16
リバウンド メンフィス39  GS45
TO メンフィス13 GS20
スティール メンフィス13 GS6

GSの3PTSの成功率が極端に下がったのが解ると思う。それに対して、メンフィスは二本ほど多めに3PTを入れた。この結果を見て、GSのトンプソンとカリーが調子が悪かったのだと言う人が大勢いるのだが、スタッツはメンフィスのディフェンスがこの結果を作り出している事を証明している。

まず、アシストだが、GSは一戦で26だったものが16にまで減っているのだ。これは明らかにメンフィスのディフェンスの賜物だ。コンリーを入れたことにより、シューターのディフェンスがしやすくなった。そして、忍者トニーアレンのスティールを警戒して、GSがボールを回せないのだ。さらに、GSのターンオーバーは5個増えている。どれも素晴らしいディフェンスによるものであった。コンリー、Z坊、ガソール弟、トニーアレン。息がぴったりなのだ。


ゴールデンステートがシュートを何本か決めてしまえば、この結果はひっくり返る。第二戦ではメンフィスよりの私でさえも、審判があからさまにグリズリーよりなのではないか、と思えるものもあった(特に前半)。でも、メンフィスのディフェンスも衰えないだろう。本命シューターチームとダークホースのディフェンスチームの戦い。メンフィスに戻っての土曜日の第三戦が楽しみだ。

頑張れ、グリズリーズ!

5/03/2015

今年のダービーウィナー、アメリカンフェイローは強い

爆逃げすると思っていたマテリアリティーが内枠で出遅れてしまう。結果、物凄く落ち着いたペースになり、前につけた強い三頭だけの競馬になった。そして、人気通りの結果となった。

先ずはドルトムントが垂れてしまった。内で必死に我慢したゲイリー・スティーブンスのファイアリングレーン。そして、それを外から被せて負かしたエスピノーザのアメリカンフェイロー。勝った馬は強かった。

アメリカンフェイローの父のパイオニア—オブナイルもボブ・バッファートでケンタッキーダービーを二着に持ってきている。馬主のアーメッド・ザヤットはカイロ生まれのエジプト人である。因みに、ドルトムントもボブバッファートの馬であり、バッファート一色の結果となった。

エスピノーザはウォーエンブレム、カリフォルニアクロームに続くケンタッキー三勝目。調教師のボブバッファートはシルバーチャーム、リアルクワイエット、ウォーエンブレムに続く四勝目。ウォーエンブレムの騎乗で揉めたエスピノーザとバッファートの久々のコンビで大きい魚を得た事になる。しかし、バッファートはウォーエンブレム以降にケンタッキーを獲っていないと言うのが、意外と言えば意外である。

ピムリコはこなせそうだが、問題は潰すほど早く逃げる馬が出るのではないのか、という懸念が残る。そして、最後のベルモントの直線は長い。三冠を獲るのはそう簡単ではないが、この馬は間違いなく強い。血統的に距離も心配ない。健康に走ってくれれば、もしかしたらもしかするかもしれない。

2002 War Emblem 50%  (気性が心配)
2003 Funny Cide 40%   (距離と気性が心配)
2004 Smarty Jones 70%   (距離が心配)
2008 Big Brown 45%    (血統だけの馬っぽい)
2012 I'll Have Another 90%  (死角はなさそう→怪我)
2014 California Chrome 75%  (血統が心配)

プリークネスを勝ちさえすれば、今年の三歳は強い馬を見ていないので、アメリカンフェイローが三冠を取る可能性は怪我で三冠挑戦が叶わなかったアイルハブアナザと同等か、それ以上(95%)とする。