雨が降り続くシアトルに住むブログ主が、カプチーノを飲みながら、時事・経済・政治・食・スポーツ等について社会科学的見地から騙ります。広告のクリックをする事、宜しくお願いします!
11/12/2006
食は広州に在らず。
今回の中国旅行で最も落胆したことの一つが広州での食べ物である。「食在廣州」と言われるが、あれは真っ赤な嘘だった。私は香港が大好きであり、香港で食べる広東料理が広州でも食べられるものであるとばかり信じていた。しかし、実際は、広州の広東料理は、あまり洗練されておらず、香港の味とは程遠いものだった。また、個人的な話ではあるが、広州を一緒に旅した中国人二人が北京人であったため、全く広東料理を知らず、かなりレストランで苛立った。
広東省は粤(えつ)の国と言う別称を持ち、近辺で出す料理のことを「粤菜」と呼んでいる。勿論、香港における料理も、粤菜をもとに発展してきた。だが英国の占領下に置かれて、積極的に外国の食材や中国全土の料理法を取り入れてきた港式料理は独自の発展を遂げている。所謂ヌーベルシノワなどを中心に、ワゴンで運ぶスタイルの飲茶を開発させたことなど、香港が中国料理の貢献に深く寄与した事実は決して過小評価されてはならない。
香港の味は、香港で食べるのが一番良いだろう。サウスチャイナモーニングポストを売店で買い、尖沙咀(ティムシャーツイ)の飲茶の店で点心を摘みながら、跑馬地(ハッピーバレー)の今夜の馬柱を研究する。リゾートではないが、最高のバケーションだ。
しかし港式料理はいまや世界中に拡がっている。中国全土にすら徐々に拡がっている。特に、北米には、かなり多くの香港移民たちが住んでおり、港式料理の餐店を経営している。ここシアトルでも、手軽な港式飲茶が楽しめる。北米では、港式飲茶はDimSum(広東語で點心)と呼ばれている。NFLのシーホークスの試合がない日曜日の朝、高速道路で一路ダウンタウンの南に位置するチャイナタウンへ。日系スーパー宇和島屋の地下に車を停める。チャイナタウンはアメフットの球場近くにあるので、試合の日は道が混雑するので気をつけたい。紀伊国屋で雑誌をチェックし、ジェイドガーデン(翠苑)に向かう。人が混雑しているので、係りの人に人数を告げる。昔はトップガンという、もう一軒まともな飲茶の店があったが、クレジットカード詐欺を働き営業停止を喰らった。現在、チャイナタウンで美味しい飲茶の店はここだけだ。
席に通されたら、即座にスタンダードな「香片(シャンピエン)」を注文する。香片は安物の茉莉花茶(ジャスミン茶)である。個人的に、これが一番脂っこい点心には合うと思っている。普洱菊花茶も悪くないが、これは好き嫌いが分かれるところだろう。
後は、ワゴンで運ばれてくる點心を注文するだけだ。蝦餃、燒賣、排骨(スペアリブ)、鳳爪(鶏の爪)、叉燒包(チャーシューまん)に蘿蔔糕(ダイコン餅)。悪くない。お勧めは蝦を甘いマヨネーズで和えてクリスピーな胡桃を乗せた鳳梨蝦球。最後は、芒果布丁(マンゴープリン)でしめる。お腹一杯になっても一人10ドルもしない。飲茶は人数が多ければ多いほど楽しめるし、安くなる。
食後は、宇和島屋で日本食材を物色して、駐車場券に穴を開けてもらう。最高の日曜日だ。結論は、「食不在広州、在香港。」美味しいのは、広東料理の飲茶ではなく、港式飲茶なのだ。まあ、そのうち、バンクーバーの美味しい港式飲茶の店も紹介しよう。
Jade Garden (翠苑)
424 7th Ave S
Seattle, WA 98104
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿