マレーシア航空機の残骸らしきものを衛星写真が捉えたと、トニー・アボット・オーストラリア首相が発表した。オーストラリア軍が米軍の助けを借りて、現場で捜索活動を行うとの事だが、現場は視界が悪く、海流も早く、捜索は難航すると見られている。残骸物は、一つは24メートルあり、もう一方は5メートルだという事だ。オーストラリア軍と米軍の専門家が鑑定したため、中国、ベトナムやマレーシア当局の発表とは異なり、信頼性がおける。ただ、これらが残骸であると確定した訳ではなく、違う可能性も大いにあるという事であり、メディアのフライングを牽制した。どういった結論が出るのか?注意深く見守りたいが、事実はすぐに明らかになるだろう。
ブルームバーグニュースなどでは、先週末から不明のマレーシア機はパースの沖に墜落したという見解を示していた。まともな専門家は、今回の件が事故である可能性が高い事を当初より指摘している。しかし、アメリカのCNNやFOXニュースでは、事故の可能性を指摘する専門家の揚げ足をとり、事件性の可能性を残しておきたいようだった。
ただ、CNNやフォックスニュース、東南アジアのメディアなどが、事件を面白おかしく報道する為、今回の件は「航空機史上前代未聞の謎」だとされていた。テロや事件性を追求した方が、ニュースは面白くなり、視聴率があがるからだ。マレーシア当局は、マレーシア航空の責任を軽くするためと、内外からの批判を交すために、情報の発表が後手後手になっている。しかも、発表する情報の質やタイミングが非常に悪い。ニュースメディアは、それらを曲解して、スパイ映画さながらのシナリオや、安物小説張りの陰謀論をテレビに垂れ流している。
今回の件は、マレーシアやタイやインドネシアなどのレーダーが脆弱かつ適当であった事、そして不明機が見つかっていない事だけが特殊であった。交信が途絶える事など、別に珍しい事ではない。不明機には239名もの人が搭乗しており、それらの人達の安否が気遣われる。更には、パイロットや関係者の人権を蹂躙するような報道も垣間見られる。事件の神秘性を強調して、情報を誇張し、面白おかしく報道している世界中のメディアは、まさにマスゴミと言う他ないだろう。
不明機の残骸らしきものが発見される前には、マレーシア当局が「機長のフライトシミュレーターを調べており、(捜査の一環として)削除されていたデータを復元させている。現時点では、誰も容疑者ではない。」という発表をした。それが以下の様に報道される。
「【シンガポール=吉村英輝】マレーシアのヒシャムディン運輸相代行は19日の記者会見で、消息を絶ったマレーシア航空機のザハリエ機長の自宅から押収したフライト・シミュレーターを調べた結果、いくつかのデータが消し去られていることを明らかにした。内外の専門家に依頼し、消去された記録の復元を進めているという。地元メディアによると、押収したシミュレーター用パソコンからは、インド洋にあるディエゴガルシア島の米軍基地飛行場の滑走路データなども見つかった。不明機はインド洋南部まで到達していた可能性があり、オーストラリアなどが捜索している。(サンケイ新聞)」
コンピュータの不必要なデータは定期的にクリーンアップ(削除)するのは当たり前である。これは誰でもする行為である。しかも、業務用のフライトシミュレーターに軍基地飛行場の滑走路データが入っている事も普通である。このニュースの内容は、本来ならば情報の価値すらない当たり前のことしか書かれていない。しかし、これを読んだ読者は、陰謀論や機長犯人説を膨らませてしまうようだし、マスコミはそのように誘導しようとしている。そして、ますます「前代未聞の謎」を頭の中で膨らませる。
私は、アポロ11号は月に行っていないと信じている人間だ。しかし、マレーシア航空の一件に関しては、テロや事件性は疑えないのだ。マスゴミの自省を促すとともに、視聴者・読者の情報リテラシーを問いたい。センセーショナルな報道こそ、一歩引いてじっくりと分析して欲しい。マスゴミは朝日新聞やフジテレビだけではない。欧米系だから勘違いしている人もいるが、CNNやフォックスも立派な商売優先のマスゴミであるのだ。
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