3/13/2014

マレーシア航空と小保方博士の報道に違和感を抱く

マスコミの節操の無さは今に始まった事ではない。これは古今東西同じである。最近の二つのニューストピックを眺めていて、ニュースという物が実は単なる娯楽に過ぎないのだなあと感じるのである。

一つ目は、KL発北京行きのマレーシア航空機の消息不明の件である。恐らくは、テクノロジーに頼り過ぎ、不明海域を特定しすぎたために、不明機の消息が掴めていないのだと思う。しかし、メディアではある事ない事を討論している。東南アジアではパスポートが盗まれて密航に使われる事などは日常茶飯事だ。それに対して、CNNはテロリストや新疆地域の中国からの独立を画策する人物の可能性、などといったセンセーショナルな討論をしていた。さらに、中国軍が衛星で飛行機の残骸らしきものの画像を確認した件だが、その画像が発見された場所が中国共産党が南シナ海で領海だと主張しているギリギリの場所にあり、政治的意図が見え隠れし、非常に胡散臭いのだ。それをそのまま報道し、関係のない専門家に意見を求めていた。アホじゃないか、と真剣に思った。CNNはアメリカの英語のニュースなので買い被られている。しかし、ニュースの質的にはNHKの遥か後方に位置する商業ニュース娯楽である。ターゲットにする視聴層はインテリ層の下あたりの庶民である。「解らない事は解らないし、情報が少なすぎて何も判断できない」何故、そう正直に言わないのだろうか?メディアのレベルの低さに嫌悪感を抱く。

二つ目は小保方さんのニュースである。STAP細胞の問題であるが、再現が可能なのかどうかは科学者に任せれば良い事である。そうした議論の上に科学は成り立つ。しかし、博士論文がコピペだという話すら出てきたが、これは正直踏み込み過ぎだと思う。論文をコピーアンドペーストするのは剽窃行為であり、アカデミアではレッドフラッグがつく。しかし残念ながら、多くの人は剽窃行為を犯している。特にアジア地域では、著作権という考え方が伝統的になく、他人の文章を盗むことに対して罪悪感がない。商用の新聞記事や本などですら、コピペは多用されている。日本人研究者が英語の論文を書くと、英語能力の問題で文章を要約するという事が出来ず、コピペのまま引用してしまう事も多々見受けられる。これは日本だけの問題ではなく、アメリカでも剽窃行為は日常茶飯事である。特に、アジア人出身の経験の浅い研究者が英語で論文を書くと、ほとんどの人が剽窃行為を犯していると思われるのだ。実際に小保方さんの博士論文を読んでいないので何とも言えないが、導入部位でコピペするというのは、良くある事だ。発見されればアウトではあるが、多くの人がやっている行為である。剽窃行為を発見するには、ソフトウェアでスクリーニングする他に方法は無い。指導教官が読んだところで、剽窃かどうかを知る事など出来る訳がない。これは学会内の話しであり、社会が問題化するという事については、違和感を抱かざるを得ない。赤信号、皆で渡れば怖くない。しかし、小保方さんは目立ちすぎたために赤信号で横断歩道を渡った事実をいまさら叩かれている。STAP細胞の再現性など、本質部位だけの報道に終始して頂きたい。

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