4/04/2012

マリナーズ社長、新アリーナのSODO誘致に反対

シアトル市がSODO地域(SouthDowntownを省略して地名になっている。文字通りダウンタウンの南、チャイナタウン以南のセーフコ球場などがある場所を指す)の再開発の一環として、古くて狭いキーアリーナ(スーパーソニックスの本拠地だった)に代わる新しく広いアリーナを建設しようという動きがあった。そのためには、バスケットボール(キングス、ホーネッツ、ボブキャッツ)とアイスホッケーチーム(コヨーテス等)をシアトルに移転させて、アリーナを使わせるという案である。

明日、シアトル市は新しく建設するアリーナに市の税金を使えるかどうかの議論を始める予定だった。しかし、これに水を差す人間が現れた。コネ能無しのシアトルマリナーズ・ハワード・リンカーンCEOである。リンカーンはシアトル市にアリーナ建設をしないように手紙を書いたのだ。リンカーンの主張によれば、SODOエリアに新しくアリーナが出来てNHLとNBAのチームを招聘できた場合、5つのスポーツの本拠地が一箇所に集中することになる。センチュリーリンクフィールドを本拠地とするシーホークス(NFL)とサウンダース(MLS)。セーフコを本拠地とするマリナーズ(MLB)、そして新たな2チームである。サッカーやフットボールは一週間に一試合ずつ。つまり、巧く試合日程を組めばいくらでもずらすことが出来る。しかし、バスケやホッケーは4月頃に開催が被る可能性があるし、下手にプレイオフに進めば、6月頃までアリーナを使うことになる。しかも、大型アリーナで試合がない日はコンサートなどの催し物が開催されるに決まっている。

仮に野球とバスケの開催が重なったとしよう。たまたま好試合であり、両方の試合でほぼ満員の観客が訪れるとする。すると、単純計算で4万5千プラス2万の6万5千人分の駐車スペースが必要になる。車社会アメリカの性である。これを理由にリンカーンは反対しているようである。しかし待って欲しい。センチュリーフィールドが一杯になれば6万7千人であり、セーフコと新しいアリーナの合計に勝る。リンカーンは弱いマリナーズの観客がホッケーやバスケに奪われるのを恐れているだけだ。弱くて魅力の無いチームを作っておいて、観客が離れて必死でNBAやNHLがマーケット侵食するのを食い止めようとする見苦しい主張である。このリンカーンと言う男にはほとほと虫唾が走る。

下のグラフに、(税金で建てた)セーフコ球場の年間観客数と選手の総年棒($1=100円で概算)を表している。リンカーンが如何に実力の無い社長であるかを数字が物語っている。


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