主要マスメディアの解説を見ていると、トランプがアメリカを分裂させた、などという論調が目立つ。私はそれこそがリベラル層の詭弁だと思うし、大手マスメディアはそういった論調を利用して、エスタブリッシュメント層支配からの脱線に警鐘を鳴らしているのだと思う。アメリカで言われるエスタブリッシュメントとは、日本で言われる既得権益者とほぼ同意語だと思って頂ければわかりやすいと思う。
アメリカは元々分裂している。未だに内戦(南北戦争のこと)の傷を引き摺っている。南の人間はヤンキー達が嫌いだし、北の人間はプランテーションオーナー達を差別主義者だと軽蔑する。共和党はそういった「南の良心」に取り入るように党の使命をぶち上げ、それに保守主義というラベルを貼った。一方の民主党は、「北」の人達の意見を取り入れ、リベラルと言う価値観を確立させるため、「南」の思想をディスる戦略に出た。
確かに政策論争もある程度はあるのだが、全ての人が同意できる政策などという物は存在しない。民主党は共和党を攻撃する事で自身のレゾンデートルを確立し、共和党は民主党を攻撃する事で一致団結する。政策など、二の次である。
時代がすすみ、マーケティング手法がどんどんと進化してきて、ケーブルテレビなどできめ細やかな宣伝が出来るようになってきた。選挙の宣伝は、相手の批判などを平然と行うようになってきた。いわゆるネガティブキャンペーンである。ネガティブキャンペーンで候補者が変わるという事は無いが、相手を攻撃する事で自分たちの結束をより強力にする作用がある。これこそがアメリカの政治なのだ。
共和党員も民主党員も、普通の人であれば、こういったバカなキャンペーンには辟易としている。共和党員は共和党員なりに、民主党員は民主党員なりに、バイパルチザン(党派を超えた)政治の運営をして欲しいと願っている。
で、オバマが出てきた。黒アメリカも白アメリカもない。赤(共和党)アメリカも青(民主党)アメリカもない。あるのはユナイテッドステイツオブアメリカだけだ、と。で、オバマは票を取りまくって当選した。新しい時代を始めてくれ、と。共和党員も大量にオバマに投票している。
で、オバマを迎えたのは捻じれ国会であった。共和党員はティーパーティー運動を取り混んで、自分たちの主張を曲げようとはしなかった。で、国政の停滞である。
ワシントンDCは自分たちの利益の為に政治をしているぞ。こんなことではいけないぞ、と。田舎の人達は、共和党の予備選で、共和党とは全く関係のないトランプを大統領候補として選んだ。共和党支配層の敗戦である。で、民主党がネポティズム的な人選で新鮮味に欠けた政治屋ヒラリーを候補にしたことで、なし崩し的にトランプが合衆国の大統領となってしまった。
さて、ここで質問です。あなたがもし、良識的なアメリカ人であれば、何が一番アメリカの為になると考えますか?私はハッキリと言う。トランプの下で団結して、色々な超党派的な政策を推し進める事こそが、アメリカの唯一の未来のためだと。
反トランプで団結している民主党員たちは大きな流れを理解していない。自分の為だけにデモをしている痛い人達である。こういうのを観察すると、私はますますリベラル派が嫌いになるのだ。上院も下院も共和党に握られてしまい、焦って反トランプのみを掛け声に一致団結しようとする民主党だが、トランプに投票した人たちは意固地になってトランプを応援するだろう。
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