マイナンバーによる個人情報の漏洩を心配している記事を良く見かける。ある意味、この手の記事は、「情報漏洩産業」を助けるためだと私は考えていた。 世間では、心配事を大袈裟にまくし立て、安全を保障する物を売りつける商売が横行している。コンピューターウイルス対策にソフトを買いましょう。泥棒対策にセコムしてますか?癌になったときのために癌保険に入りましょう。体が悪くならないように青汁飲んでますか?外国が攻めてくるので国は最新のイージス艦とミサイルシステムを買いなさい。死んだら地獄に行かないようにキリスト教を信じて寄付しなさい。悪い事が起きないように高額な壺を買いなさい。などなど。 マイナンバーの個人情報漏洩の危機を煽る事は、ある意味、そういった産業の促進を助長している。で、まわりにも、マイナンバーで詐欺に会うのではないか、という事を本気で心配してるおばちゃんやおじちゃんがいる。こういうころっと騙されてくれる人がいるから、日本では保険会社と郵貯と朝日ソーラーが儲かり、浄水器の押し売りさえも成り立ってしまうのだろう。 閑話休題。ただ、私はマイナンバー後の社会による情報漏洩を違った視点から心配している。しかし、マイナンバーそのものの問題というよりも、日本の源泉徴収制度の問題だ。給与所得者は、会社が個人に代わって税金を支払うのだが、その際に会社側に全ての個人情報が漏れてしまう。原則として、それら情報は納税以外に使ってはならない事になっている。しかし、会社側は雇用者の、1)副業・副収入の有無、2)結婚暦、3)障害暦などが筒抜けになってしまう。こういったものが社内での立ち居地に影響する可能性は大きいだろう。 「その程度の情報が会社に知られると都合が悪いのか!」などという人もいるだろう。だが、個人は隠すか公表するかの判断が出来るべきではないか?隠したくても隠せない、あるいは隠すと不都合が起きてしまうという制度は、重大な欠陥があると思う。それこそが個人情報漏洩じゃないのか? 特に、マイナンバー後は副業の収入がほぼ自動的に合算されて、会社に推測される可能性が高くなる。これは日本の経済活動を大きく萎縮させる可能性がある。あるいは、副業をしている人や、水商売のおねえちゃんたちがドンドンと地下に潜ってしまう可能性すらある。これでは、税金をきっちりと取ろうとしていた筈が、経済の地下...
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