皆様、明けましておめでとうございます。
1月5日土曜日のワイルドカードゲームは両方とも詰まらなかった。ヒューストン・テキサンズとシンシナティ・ベンガルズの一戦は、前半にヒューストンが若干もたついた物の、点数以上の差があった。ミネソタ・バイキングスとグリーンベイ・パッカーズの一戦は、大人と子供の試合のような一方的な物だった。テキサンズとパッカーズが勝ちあがったのは、予想通りである。
1月6日日曜日のワイルドカードの一戦目。ボルティモアからインディアナにフランチャイズを移動させたコルツが、昔のホームで、ボルティモア・レイブンスとの試合に臨んだ。いい試合だったというものの、ルーキーQBのラックを擁したコルツの甘さが目立ったのは言わずもがな、レイブンスが久々に持ち前のディフェンス力を発揮した。コルツは後半に息切れして9-24で負けた。
さて、注目の一戦は、我らがシアトル・シーホークス対ワシントン・レッドスキンズ。ルーキーQB同士の対戦に、シアトル以外でも大いに盛り上がった物と考える。
RG3ことロバート・グリフィン三世は、シアトルの人にはお馴染みである。昨年の大学フットボールのボウルゲーム(シーズン後のランキング上位校同士の争い)の一つである、アラモ・ボウルにて、ベイラー大学を率いて、ワシントン大学のハスキーズに67-56という無茶苦茶な点の取り合いを制しているのである。なるほど、ハイズマントロフィー(大学フットボールのMVP)受賞の名に違わぬ活躍であった。付け加えておくと、RG3は沖縄生まれであり、日本にも縁が深い選手である。
そのRG3だが、シーズン中に怪我した右膝の状態が明らかにおかしかった。痛そうな素振りを見せているし、全く走れていない。いつものRG3ではなかった。それでも、第一クオーターには二回タッチダウンを決められて、14-0とされた。シーホークスは全く攻撃のテンポが悪く、私は「観るのを止めようか」とすら考えた。
第二クオーターになると、。怪我をしているハーシュカが心配だったが、何とかフィールドゴールを決めてくれて14-3にする。徐々にシーホークスのテンポが戻ってくる。ラッセル・ウィルソンが、引いて回り込んで走るという、機動性に富んだ攻撃展開を見せ始めると、リンチのダッシュも効くようになる。タッチダウンとフィールドゴールを追加して、14-13で前半を折り返す。
後半に入っても、シアトルの攻撃のテンポのよさは続いた。しかし、あと5ヤードでタッチダウンという状態になったところで、リンチがボールを持って走って押し込もうとしたところ、相手のヘルメットにボールが当たりファンブルして、ワシントンにリカバーされてしまった。私は「今日はツキに見放されている。こりゃあかんわ」と考えた。
しかし、RG3が明らかにおかしい。全然パスを決められない。やたらとランニングバックを使う攻撃が目立つ。しかもインターセプトをやられる。一方、シアトルはどんどん状態を上げてきた。ウィルソンのテンポのよいパスとテイトのキャッチで攻撃を作っていく。ボールポセッションにしても、シアトルが圧倒する展開になってしまった。第4クオーターにはマーシャル・リンチが走りこんでタッチダウン。しかも、クオーターバックのウィルソンが走りこんで自らディフェンスしているのが凄い。こんなQB、見たことない。そこから、ツーポイントコンバージョンを試すと、ミラーに「軽く」パスが通り、追加の2点。21-14とシーホークスが突き放した。RG3はその後、右膝から折れるようにフィールドに崩れこみ、抱えられてベンチに下がる。痛々しかった。史上最低のQBとしてベアーズを率いてスーパーボールに出場したレックス・グロスマンを怪我で欠いているレッドスキンズは、ミシガン州立大出身のルーキー、カズンズをQBとして導入した。フェノムのルーキーQBを失い、何もできないレッドスキンズは、24-14で今シーズンを終えた。負けはしたものの、RG3と共に歩むチームの未来は大変明るい。
勝った我らがシーホークス。ルーキーQB,ラッセル・ウィルソンの機動力、最高です。来週は強敵アトランタ・ファルコンズと当地で戦います。ゴー、シーホークス!来週は面白い組み合わせが目白押しで、目が離せません。