7/20/2015

「天皇の料理番」の脚色が酷過ぎる件

私は、韓国や中国で繰り返されている日本人悪玉論が気に入らない。日本人は明らかにスケープゴートにされており、「日本人に苛められた」というストーリーの元、国民は団結するわけだ。ある種、差別的な扱いを受けているともとる事が出来るだろう。

しかし、日本国内においても、似たような言動が目立つ。それは、「欧米列強による日本人蔑視」という話しである。アジア人などを蔑視するような欧米人もいるにはいるが、「白人悪し」のような論調は、ある意味で韓国や中国のメディアと同レベルであると映ってしまうのだ。

少し前の書き込みで指摘した、「クジラ」問題についても、白人による日本文化蔑視で片付けようとする人もいる。原爆や空襲の被害を日本人への差別だと論じる極論にもお目にかかる。はっきり言って、思い込みが激しいにも限度があると思うのだ。

私は忙しくて日本のドラマなどほとんど見ないのだが、「天皇の料理番」を見た。事実とは乖離しており、「脚色が酷過ぎる」とは思うのだが、良くできたドラマに仕上がっており、楽しませてもらった。ただ、フランス修行中に厨房の中で差別的な出来事に遭遇した話は多めに見たとしても、最終回のGHQによるアメリカ人に差別的な扱いを受けるストーリーには、見ていて腹が立った。しかも、そういった差別的な発言を受けた連中相手に鴨の振りをしてみたりする。これが、本当のストーリーであれば仕方ないかもしれないが、恐らくそのような事が行われた筈はないと思う。つまりは、原作者の「白人蔑視」に由来すると考えるしかないと思うのだ。

韓国や中国で日本人が悪玉にされているのを見て怒る日本人はたくさんいる。同じ理由で、日本人は白人に苛められていたという、チープで情けない白人悪玉ストーリーに対しても、しっかりと声をあげて欲しいと思う。情報が少ないため、鬼畜米英と思い込んでいた人が多かった事と、欧米人の中にも差別意識を持つ人間が大勢いた事は事実である。だが、そういう物をストーリー化するときには、客観的にどのように見えるかをキチンと考えてバランスの良い物を作って欲しい。違う角度から見た時に、日本人には蔑視感情があるのではないか?とばれてしまうようなストーリー作りはして欲しくない。

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