7/28/2014

歴史は語る:国境を移動させれば悲劇は起こる

前回のブログの書き込み(イスラエル側を支持し、一方的にハマス側を批判した記事)について、面白いコメントが来た。要約すれば、「ユダヤ人は第二次大戦後にパレスチナ人から土地を奪ったわけであり、イスラム過激派の行為は間違いとは言えない」というのだ。そして、イスラエルこそが自制するべきだ、と来た。

このコメントをくれた人は匿名ではある。これは殺人犯や窃盗犯にも三分の理がある、などと言っているようなものだ。私はその人に問いたい。あなたは現状の世界平和を脅かすテロリストを支持するのか、と。理由は何であれ、自爆行為や自分たちの仲間を盾にするような連中を支持するのか、と。

パレスチナ側は弱者であり、イスラエルに対抗するためにはテロ行為に頼るしかない、といった主張もある。パレスチナの過激派が自爆テロやロケット弾攻撃をするのは、イスラエルから領土を奪われ、家を破壊され、生活を脅かされているからである、などと説いているのだ。それは間違っている。いくら貧しくとも、テロ攻撃などに加担しない人達も大勢いる。イスラムの過激派は、宗教指導者と名乗るテロリスト養成員たちに、聖戦で死ねば天国で72人の処女に囲まれる、などと洗脳されているのである。イスラム原理主義者は、近代教育を否定し女性は教育を受ける機会すら与えられない。上記の話しは、「盗人にも三分の理」程度の話しであり、そのような事で人殺しやテロ行為が正当化できる訳がない。

領土云々で歴史問題を騙って来る人が大勢いる。そういう人を私は鼻で嗤う事にしている。歴史問題を持ってくれば、領土などどうにでも正当化できるからだ。イスラエルの地は、確かにパレスチナ人が住んでいたが、歴史を紐解くとユダヤ人が住んでいた時期も、トルコが治めていた時期もあった訳だ。これは尖閣諸島の問題とも似ている。尖閣諸島が台湾省に含められていた期間は確かに存在するのである。歴史問題を辿れば、ヨーロッパの国境などいくらでも変えられるし、テキサスやカリフォルニアはメキシコの物だと主張できるかもしれない。それどころか、アメリカはインディアンのもの、といった主張も可能だろう。国境制定において、歴史ほど意味の無い議論は無いのである。

逆に歴史問題派の人達に聞きたい。あなたは歴史から何も学んでいないのか、と。人類の悲惨な戦争の歴史を紐解くと、国境を変えようとする試みに対して、近隣国は多大な犠牲を払ってきた。つまり、我々の使命は、どのような理由があるにせよ、現状を変える試みに対しては毅然とした態度をとる必要があるという物だ。

私は、日本が実効支配している尖閣諸島に関しては中国共産党の如何なる主張をも受け入れるべきではないと信じている。一方で、北方四島や竹島に関しては、口先だけでは日本の物だと主張するべきだが、返してもらうように努力しても無意味だし、そういう事に努力をするべきではないと思っている。返すインセンティブなどないし、もし返してもらえるとすると、多大な見返りを要求されかねないからだ。

20世紀後半以降のポスト世界大戦の世界では、国境を移動させるような行為は認められていないし、全世界がそのような試みを戒めるべきだと思っている筈である。テロリストや戦争で利権確保を目指す者たちは「国境を移動させよう!」と一般の人達を洗脳し、紛争を煽ろうとして来る。そういった勢力には断固反対するべきだ。

そういった理由で、私はイスラエルのガザに潜むテロリストの掃討作戦を全面的に支持する。一方で、ユダヤ極右派の入植行動などに関しては、国境を移動させる行為であり、断固として反対する。現状を重視し、実際的な行動を起こす必要がある。それこそが、何百万人の屍の上に人類が気付いた知恵であり、それを否定する原理的な人間には制裁を加えざるを得ないのだ。

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