私は、蓮舫のような人物が日本の首相となる事こそが、日本の国の形を変える象徴となると信じている。だが、前回の書き込みで、蓮舫の二重国籍云々を言っている人達に、東大などの一流帝国大学を卒業して、霞が関で働いていた人が多い、という事を述べた。で、元々日本国籍を持っていなかったような人達は、日本のトップにはなるべきではない、などと言っているのだ。それは、外国でもそうだから、というのだ。
確かに、国籍問題は外国の選挙でも問題とされる。テッド・クルーズは元々カナダ籍を持っていた事が問題とされていたわけだし、オバマがハワイで生まれたのかどうかを疑問視したトランプの言質も記憶に新しいだろう。しかし、だから何か?という話である。他の国で起こっているこれらの問題は、選挙戦略及び相手候補の足を引っ張るためであり、憲法が定める以外の問題は何もない筈だ。他の国に目を向けると、前台湾の総統であった馬英九は香港生まれでアメリカの市民権も持っていた可能性がある、と報じられていたが、きっちりと総統を務め切った。民進党よりのメディアがこれらの点で馬氏を罵倒していたことは、ただの政略だろう。
蓮舫であるが、中華民国籍であったわけだが、今の社会であれば生まれた時点で日本国籍を取れる要件を満たしていたにもかかわらず、母親が日本人で父親は中華民国籍であり、子女は父親の国籍とするという差別的な国籍法のせいで中華民国籍になっていただけである。これをもって、蓮舫は反日的だなどと言っている意見は、下らない話である。
名前の使用についても、村田姓を名乗らず蓮舫で通しているというが、それでは「扇千景」や「横山ノック」であればよいのか?「橋下聖子」のように、結婚した後も旧姓を名乗り続ける女性はどうなるのか?右翼の筆頭のように扱われていた「野田聖子」も苗字の扱いでごねていたではないか?馬鹿馬鹿しい議論である。我が国は「イチロー」のようなマーケティングに長けた名前使いを許容する文化なのだから、下の名前だけを名乗っていても良いではないか?政治家など、所詮は水商売なのだから、名前など何でもよいのだ。夫婦同姓を強要されて選択の自由を与えられない可能性が高いのは女性であるが、旧態依然としたこういった夫婦別姓とかに風穴を開けてくれそうで、逆に応援したくなる。
私が思うに、蓮舫に難癖をつけている連中は色々いると思うが、ネット右翼のような保守的な考え方を共有している人達だと思う。議論の根幹には、「日本人の血統主義」や「男尊女卑」といった考え方があるのだと思う。(蓮舫のリスク対処の仕方が悪いとか、嘘をついたらいけないとか、そういう批判はあり得るが、それと二重国籍問題とは関係ない。)
いずれにせよ、私学を出て海外に精通していたような人間が、永田町界隈から霞が関に影響を及ぼすという事を恐れている「エリート連中」が大勢いるのだろう。こういう人材は外資系やマスコミに行ってくれていたのに、千代田区に進出されると鬱陶しいのだろう。あくまで、日本の国体をタッチされたくない。何故なら蓮舫は、「東大卒・霞が関勤務」という伝統的なエリート街道の価値を貶める可能性のある人間だからである。
蓮舫と野田元首相を中心として、しっかりと民進党を立て直し、都会の一般層に受け入れられるような真っ当な政党にして欲しいと思う。バラマキ自民党には辟易としている。(憲法第九条護持とか言っている今のままの民進党では無理です。応援できません。)
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