小池が勝ってチャンチャンの都知事選にうつつを抜かす暇はない。景気は良いので、東京の連中に、政治に対する不満など全くないわけである。政策的にスカスカの都知事選を論議しても、暖簾に腕押し以外の表現が思いつかない。
翻って、アメリカの大統領選だが、これはやばい。というのも、第一回の大統領ディベートが行われたが、バイデンの耄碌ぶりが電波に乗ってしまったのだ。普通の感覚を持っている人であれば、親戚一同と食事をしている時に、「おじいちゃん、色々したいことは解るけど、ちょっとだけ二階に上がってお昼寝しようね」っていうような状態である。
立花党首の如くトリッキーさを売り物にしているトランプが、余裕を見せて、普通にルールを守って討論会を進めた事が、全てを物語っているだろう。(トランプの討論の内容には色々と言いたいことがあるが、これについては今は触れない。)
さて、バイデンの目に余る耄碌ぶりに、身内でさえ擁護できなくなってしまった。普通に考えると、民主党はバイデンを下して代わりの立候補者を立てる戦略に出るだろう。(民主党は腐敗しており、色々な思惑が渦巻いているが、正式な指名前の候補者チェンジが出来ないほど組織として行き詰っているとも思えない)
11月の選挙であるが、本来であれば、バイデン、インフレとかの問題もあるが、景気も良いし、もう四年お願いします、ありがとう、チャンチャンで終わる簡単な選挙だったと思うのだ。
が、バイデンの耄碌ぶりがお茶の間に流れ、それに対する反感が渦巻き、老人差別は出来ないので、それをインフレとかに問題転嫁した状態になっており、それじゃトランプが勝つかな、っていうのが、この半年くらいのストーリーだったと思う。ただ、MAGA系のトランプにもう四期させるくらいなら、バイデンの方がまだましかな、と支持が拮抗していたように思う。
が、第一回の討論会を終え、バイデンは無理。ピリオド。というような状態になってしまった。すると、この時点で、今まで考える必要のない色々なシナリオを考えなくてはならなくなった。
①バイデンが下りなかった場合、さくっとトランプが大統領選勝利。だが、下院は民主党。ねじれ決定。
②バイデンが副大統領のカマラ・ハリスに禅譲した場合、簡単にトランプが勝利。下院も民主党の社会主義的な傾向に嫌気がさし、共和党が勝利を収める。トリプルレッドでアメリカの政治は安定。世界は安定。
③カリフォルニア州知事のギャバン・ニューサムが大統領候補に。ニューサムが大統領選に勝利。左派政権に嫌気がさし、下院は共和党。
④そのほかの中立候補がバイデンに代わる。民主党が大統領と下院を両方取る。下手したらトリプルブルー。
シナリオが色々と狂ってくる。近未来の予想がかなり難しくなった。