11/11/2022

アメリカ経済の停滞は、一時的な円高を招くが、ロングタームで日本の国力低下は避けられない

 アメリカの利上げだが、さすがに行き過ぎ感がある。7%のモルゲージでは、普通の人は住宅の購入ができない。利上げはジワジワと市民一般に効いてくるので、そのうち実体経済が悪くなるのは目に見えている。

経済が悪くなるのが解っているのに、なぜこんなことをするのか?というと、投機家が金を借りまくって、訳の分からない物に投資しまくっているからだ。マクロ経済学的な良い投資というものは、投資をすることによってイノベーションが起こり、将来的にグロースカーブが上がっていき、社会全般の利益になるというものだ。

それに対し、意味のない投資というのは、短期的な物の値上がりを期待し、「安い金」を借りて投機する行為である。ビットコインや都内のワンルームマンションのように、本当に値段が吊りあがってしまうと、吊り上がったことがさらなる投機資金を呼び、「ねずみ講」ゲームが始まってしまう。資産からあがってくる配当が保障されていないわけだから、ねずみ講は一旦冷えだすと逆回りの回転を始め、やり過ぎた投機家はバンザイする結果となる。ざまあみろ、というのは簡単なのだが、先進国では破産法があるので、誰かにバンザイされると、借金分を違う人が負担しなければならない。年金基金や銀行の運用、会社の退職資金などもダメージを受ける可能性がある。そういう穴埋めのために、株などから現金化する流れも伴い、株などが下がる社会全体の停滞感が具現化してしまう。

で、今は、アメリカで社会的な停滞感が具現化する一歩手前。つまり、アメリカがリセッション入りをし、利率も下がるだろう、という事になる。

そうすれば、円は一時的に値を持ち直すだろうし、債券などはまさに買い時となる。株価も一時的に小さなラリーを起こすだろう。

であれば、私なら1ドルが120円くらいになれば、大量にドルにお金を移すと思います。次の10年とか見ると、円を持っているのは怖すぎます。